Classical,Miscellaneous

私が飛行機好きだと言うことは、以前にも一回だけ書いたことがあるかもしれませんが、このブログではあまり書かないようにしています。
で、私のカミさんが、2003年にキムタクが主演した「Good Luck」の再放送を録画してくれていて、大変感謝。コクピット風景は、ちょっと、というところですが、2003年にあれだけ再現しているのは凄いことかも。ANAの塗装も旧仕様で、CAの制服も古いバージョンで時代を感じさせます。キムタクもまだ若いですね。
今日で仕事はおしまいで、明日は花火大会に出かける予定。
そうそう、明日の夜は、バイエルン放送協会でパルジファルが放送されます。
“http://www.br-online.de/br/jsp/global/funktion/programmvorschau/programmfahne.jsp;jsessionid=IKLRNXAJKPBBKCSBUKSCM4Q?datum=07.08.2010&programm=B4":http://www.br-online.de/br/jsp/global/funktion/programmvorschau/programmfahne.jsp;jsessionid=IKLRNXAJKPBBKCSBUKSCM4Q?datum=07.08.2010&programm=B4
それから、ザルツブルク音楽祭の「ルル」をプティボンがうたっているものがORFにて登場します。これは必聴かも。録音失敗しないといいのですけれど。
“http://oe1.orf.at/programm/tag/20100807":http://oe1.orf.at/programm/tag/20100807

Opera,Richard Wagner

なんだか、フリーメーソンの熱に浮かされたような日々でしたが、今日はあまりに平穏無事すぎてもうしわけないぐらい。
いよいよ先日録音した今年のバイロイトの「ヴァルキューレ」を聞きおえました。
充実した音作りで、なんとも素晴らしい。
何と言っても、ブリュンヒルデのリンダ・ワトソンがすごい。すこしだけピッチが不安定なところもありますが、雄々しいまでの女傑的ブリュンヒルデを堪能しました。
フンディングのKwangchul Youn氏もよかったです。 韓国の方のオペラ界における活躍は凄まじいものがあると聞いていましたが、その一端を垣間見た感じです。なんでも、韓国においては、キリスト教会が一定の力を持っていますので、聖歌隊あがりの方々がオペラ界に出ていくのだそうです。少し前にみたテレビでは、韓国人歌手なくしてヨーロッパのオペラは成り立たない、という状況なのである、と言っていました。
真偽のほどは定かではありませんが、確かに、ドレスデンでみた「カプリッチョ」にも韓国の方が出ておられたなあ、などと。しかも、イタリア人歌手の役を歌っていました。日本人と同じ東洋人だというのに、どうしてこんなに声が良いのでしょうか。おそらくは、分母が違うのだろうとは思いますけれど。
でも、われらが藤村実穂子さんのフリッカも素晴しいです。やっぱり、実演を聞きたかったなあ。今年のニューイヤーオペラコンサートの突然のキャンセルが残念でした。
それにしてもティーレマンの指揮は面白いですよ。え-、そこで、その速度に落としますか?? と思うぐらいにドラスティックに急にスピードを落としたりするのですが、それが実はかなりはまっていたりして、スリリングでした。
でも、バイロイトの響きって本当に素晴らしいです。ほどよりリバーヴに、オケの音が見事に解け合って素晴らしいサウンドで鳴っています。きっと実際だともっと凄いんでしょうね。一度でも良いから行ってみたいものです。これはまさに夢ですけれど、思っていればいつかはかなうかもしれません。

American Literature

予想通り、本日読み終わりました。「ロスト・シンボル」。ちょっと意外な感想を持ちました。
最初は、娯楽小説を読む気満々で、読んでいて、たしかにそう言う目的は達せられました。それぐらい面白い。ちりばめられたある種衒学的とでも言われてしまいそうなほど、トリビアがたくさんで、目もくらむばかりの万華鏡なんですが、結末に至るにつれて、私の中の古い血が騒ぎ出した感じ。
昔、リッケルトという哲学者の本を読んでいましたが、彼はこういうことを言う(私の誤解でなければ)。
_昨日の私と、今の私は、時間的に隔絶されている。にもかかわらず、昨日の私と、今の私は、同じものとして何かしらの結びつきがある。記憶があったり、考えが似通っていたり。時間が経ったからといって、別人であるということは言い難い(そうも言えない場合もあるけれど)。_
_それと同様に、空間的に隔絶されている人間の間にも何らかの関連性があるのではないか。だからこそ、相互理解が可能なのである。それを可能にせしめているのは、人間の意識を極度に抽象化した意識一般Bewußtsein Überhauptとも言えるものなのである。_
かなり、私の主観が入っているけれど、こういうことを言っていたはず。「認識の対象」という本ですが。
うーん、私は、さっきまで、このリッケルトの考え方について行けなかったのですよ。
時間と空間を同列に扱うあたりは、あまりに純朴なカント主義者という感じがして、この考えを理解したり、体験したりすることはなかったと思っていたんですが、「ロスト・シンボル」を読んで、ちょっと考え方が変わった気がします。
他人同士なんて、全く理解できないと思っていたけれど、それでもなお、その可能性を求めて、哲学を始めたわけですが、結局答えは見いだせなかった。なぜなら、そこに科学的な方法論を確立するためだけの、方法論としての哲学、基礎付け学問としての哲学しか見いだせなかったから。
それは内容のない空疎なものに思えてきたという感もある。もちろん、僕の哲学センスがないと言うだけなのかもしれないし、勉強不足だったとも言えるけれど。もう少し、内容まで踏み込んでも良かったはず。あまりに形式にこだわっていたので。
ここでいう形式とは、カントで言う感性と悟性で、内容というのは、謎のもの。哲学において、内容を語るのは危険だと思っていましたから。語った時点で、それは宗教となり、僕らの言葉で言うと「抹香臭い」考えになってしまう。それは、ダークサイドに落ちるのと同じぐらい忌避されていたので。少なくとも僕の周りではそうだった気がする。だから、形式のほうへと逃げ込んでいって、気づいたら何もなかった、という感じだった気がする。
でも、もしかしたら、リッケルトの言うように、空間を隔絶していたとしても、なにかしらつながりはあるのかもしれない。そんな非科学的なこと、とか言っているのは、単なる偏った態度なのでないか。哲学を放りだしてしまったのは少し残念だったのかもしれない。
「ロスト・シンボル」で教えられるまでもなく、科学を押し進めた先に、なんらか宗教的なものが存在するというのは、予備知識としてあったけれども、それを自分のところまで引き下げて考えたことはなかったんだが、もう少し自分のところまで引き下げて考えてもいいのではないか。
何を言っているのか分からないかもしれませんが、結論を一言で言うと、単なる娯楽小説以上の体験が出来たと言うこと。
最近、辻邦生の永遠性の問題とか、一回性の問題とか、そういうことを考えている時期だったので、かなりの刺激を受けました。アマゾンの評価では、賛否両論あるようですが、まあ、私としては大変貴重な本に出会えた、と思ったのでありました。

American Literature

うふふふふ。ようやく、順番が回ってきました「ロスト・シンボル」。上巻を一日半で読み終え、目下、下巻を読破中。
うーむ、パタンは同じだが、水戸黄門と同じで、パターンを愛せるむきには素晴らしい上下巻です。
若干の歳をくってしまったラングドン博士は、以前よりも太りやすい体質になったらしいけれど、頭脳明晰で、国家を揺るがす(?)フリーメーソンの失われたピラミッドの謎を解くべく、奔走どころか、CIAまでも敵に回して大活躍をしております。
フリー・メイソンなんて、もう珍しくはないけれど、叩けばいろいろ出てくるものなのですね。小説に書いてあることがすべて真実だとは思いませんが、すべてがウソでもないことは、大人でなくても分かります。
しかし、「ダヴィンチコード」、「天使と悪魔」を読んで、「ロスト・シンボル」へ至ると、先にも述べたようにパターン化という面も強いのですが、それでも、ちりばめられた知識群を、垂涎しつつ堪能する悦びは、またとないもの。会社の行き帰りが楽しくて仕方がありません。
でも、もっと大事なこともあるんだけれど。。
きっと、明日読み終わると思います。
あ、今日は、シュナイダー指揮の「ローエングリン」を聞き続けました。これもこれで素晴らしいんだよなあ。
こんばんは、バイエルン放送協会で、バイロイト音楽祭の「ヴァルキューレ」が放送されます。リンダ・ワトソン、You Tubeで観たんですが、すごいっすねえ。今から楽しみ。ちゃんと録れると良いのですけれど。

Book

恒例の先月のまとめ。
* 辻邦生の本をたくさん読めて良かった! 
* 沈まぬ太陽も読了。うーむ、改革はなるのだろうか?
* 8月はやっと順番が回ってきた「ロスト・シンボル」。あとは、辻邦生の本をもう少し読もう、という感じで。

期間 : 2010年07月
読了数 : 8 冊
本・雑誌
辻 邦生 / 中央公論社 (1986-02)
読了日:2010年7月31日
言葉の箱―小説を書くということ
辻 邦生 / メタローグ (2000-05)
★★★★★ 読了日:2010年7月27日
ワーグナー (作曲家・人と作品)
吉田 真 / 音楽之友社 (2004-12-01)
読了日:2010年7月23日
本・雑誌
辻 邦生 / 中央公論社 (1986-06)
読了日:2010年7月12日
沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)
山崎 豊子 / 新潮社 (2001-12)
★★★★☆ 読了日:2010年7月15日
湯殿山麓呪い村 〈下〉 (角川文庫―リバイバルコレクション)
山村 正夫 / 角川書店 (1997-02)
読了日:2010年7月8日
湯殿山麓呪い村 〈上〉 (角川文庫―リバイバルコレクション)
山村 正夫 / 角川書店 (1997-02)
読了日:2010年7月7日
沈まぬ太陽〈4〉会長室篇(上)
山崎 豊子 / 新潮社 (2001-12)
読了日:2010年7月6日