バイロイト対策でクナのパルジファル。
バイロイト対策を始めています。
昨日から「パルジファル」を聞き始めました。
舞台神聖祝典劇 Ein Bühnenweihfestspieleという大仰なタイトルが付く「パルジファル」は、バイロイトでしか上映が許されなかったほど密儀性の濃い作品です。
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私は2010年4月に、東京春祭で演奏会形式の「パルジファル」を聴きました。あのときもずいぶんと予習復習をしましたが、未だによく分からないぐらいで、あまりの深さ、複雑さの解釈多様性にたじろぐほどです。
難しいことを考えるよりさきに、まずはカッコいい曲なんですが。
先週一週間をかけて、カラヤンのリングを聴き通しましたが、「神々のたそがれ」のなかで、何度も「パルジファル」を想起させるフレーズや和声が現れるのに気づきました。
しかし、本当に凄い曲です。私が思うに、この曲の和声は解決することがない未来永劫に続く無限の可能性を一瞬一瞬において示しているように思います。
まるで、座禅をするときの手の形のようです。親指と人差し指を合わせることは許されず、この感覚が、宇宙の無限を指し示す、といったような文脈において。
こういう未解決感に快楽をおぼえるのでしょう。シュトラウスに感じる魅力と同じ。ですが、シュトラウスに先行しているだけに真面目に取り組めるのがワーグナーの先行者利益でしょう。シュトラウスはワーグナーを超えるために、コミックとシニックに向かったのですから。
いまいま私が聴いているのは、ハンス・クナッパーツブッシュがバイロイトで振った録音で、1962年のものになります。
先ほども少し書いたように、ライヴ録音ですので、荒削りな部分もありますが、気迫のような推進力が感じられます。
キャストは以下の通り。なるほど。
- アンフォルタス:ジョージ・ロンドン
- ティトゥレル:マルッティ・タルベラ
- グルネマンツ:ハンス・ホッター
- パルジファル:ジェス・トーマス
- クリングゾール:グスタフ・ナイトリンガー
- クンドリ:アイリーン・ダリス
ちなみに、花の乙女の中に若き日のヤノヴィッツが入ってますね。
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