シベリアを抜けて見た町──スクリャービンのピアノ協奏曲
この街。どこなのか、私にはわかりません。昔、ドイツ旅行に行った時に、飛行機の窓から撮りました。シベリアを横断して、ようやく北海に出るその瞬間に眼下に広がった巨大な都市でした。当時は、場所的にペテルスブルクではないか、と思っていたのですが、その後地図と見比べて、違うのでは、という結論に至ったと記憶しています。今見直してみても、どうもよくわかりません。
ヨーロッパに向かう航空機は、最初、日本列島を北上します。そうすると、新潟のように、訪れたことのある町の上空では、あのあたりの海岸で泳いだなあ、などと具体的な思い出が溢れてくるわけですが、さらに北上して、北海道の海岸に面した小さな漁港などを見ると、日本にもまだまだ知らないところがたくさんあるのだ、という驚きを覚えます。
ところが、まだまだ世界は広いわけです。さらに西へとシベリアを横断中は、小さな町がたくさんあり、薄暗い森の中に街の強い光源がポツリポツリと見えたりすると、こんなにも広漠とした土地に人が住んでいるという驚きと、こんなにも世界は広いのか、と腹の底から驚いた記憶があります。
私も今この写真を見直して、その驚きを新たにしました。それにしても、東京地方で1時間仕事場に通っているなんて、全くちっぽけなもんです。
で、こちら。
Deutsche Grammophon (1999-07-20)
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今日もNHK-FMばかり聴いて過ごしましたが、きらクラでオンエアされたスクリャービンのピアノ協奏曲。特に第二楽章。20代後半の作品ということで、何か若々しい叙情性のようなものがあって、甘酸っぱさまで感じる曲です。
この曲、何度か聞いたことがあるはずで、記憶には残っているのですが、第二楽章だけは記憶から抜けていて、ラジオで聴いた時は、何かの映画音楽か、と思ってしまったぐらいです。それぐらい、親しみやすい曲。何か、チャイコフスキーが進化した美しさというか、ラフマニノフの兄弟のような共通性をも感じる曲です。これがロシアっぽい、ということなのかなあ、などと思ったり。第三楽章も、ラフマニノフに通じる雄大さの典雅さが素晴らしいです。
今日は、ブーレーズとウゴルスキのコンビによる演奏。アシュケナージ盤もApple Music聴けるので、こちらは次の楽しみ。
それではまた、おやすみなさい。グーテナハトです。
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