私を構成する9枚のジャズ編からチック・コリア「スリー・カルテッツ」
Stretch Records (1997-02-18)
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このアルバムも、私にとっては実に思い出深いアルバムです。このアルバムの一曲目であるQuartet No.1を20年ほど前にバンドでやりました。で、漠然と聞くのではなく、人と合わせて演奏するなかで、裏拍と表拍の違いの感覚が随分わかるようになった記憶があるのです。おそらく、その認識の前後で楽曲の聴こえ方が全く変わってしまった、という記憶さえあります。
ちなみに、このアルバムで参加しているのは以下の方々です。
ピアノ:チック・コリア
サックス:マイケル・ブレッカー
ベース:エディ・ゴメス
ドラム:スティーブ・ガッド
この4人の方々が、私にとって最高のカルテットメンバーだったりします。
チック・コリアは、天才というか鬼才というか、恐ろしくピアノが上手く、驚くほどピアノの音が良いです。何枚もの素晴らしくそれでいて「変な」アルバムを繰り上げている方。
マイケル・ブレッカーは何回も書いていますが、なんでも吹けてしまう稀代のサクソフォーン奏者です。
エディ・ゴメスは、私がベーシストの個別認識を初めてできた方。つまり、この音聞いて「あ、ゴメスだ」とわかるようになったということです。この方、本当に巧くて、ベースソロとか、泣きます。古くはビル・エヴァンスのバンドにいましたが、その後、チック・コリアのバンドに参加したアルバムはどれも逸品です。
同じく、スティーブ・ガッドも、ドラマーの個別認識を初めてできるようになった方です。ソリッドなドラムプレイは、本当に素晴らしいのです。
大学の時、4学年上の先輩二人と、2学年上の先輩と4人で、嫌という程セッションをしたことがあります。1996年ごろのこと。ピアノがAさん、サックスが私、ベースがSさん、ドラムがAさん。セッションではありますが、私にとっては、このアルバムのカルテットと勝手に重ねあわせて演奏していた気がします。
あの頃は、みたいな話になるとつまらないのですが、まあ書いちゃうと、縦横無尽にテナーサックスを操っている感覚を持っていて、何でも吹けちゃう、みたいな錯覚を持ってました。若いときゆえの勢いです。そういう時期を持っているというのは、幸せでもあり不幸でもあります。そういう意味でも、このアルバムのサウンドは、そうしたなんでも受けちゃうと錯覚していた時代を象徴するサウンドとも言えるんだと思います。だから、私を構成する9枚なんだと思いました。
明日は祝日。ありがたい。
それではみなさま、おやすみなさいませ。グーテナハト。
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