ティエポロの思い出
今日もブルックナー。9番をやはりティントナーで。昨日は、柔和な、と書きました。なにか優しさを感じます。
Bruckner: Symphony no. 9 / Tintner, Royal Scottish NO
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Naxos (1999-10-26)
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思い出したのが、新国立美術館にあるティエポロの絵でした。
昔、ウィーンだったか、外国の美術館で、老人がティエポロの絵の前で「ティエポロ」低い声で呟いたとのが忘れられません。ヨーロッパ人の彼と、日本人の私が感じるティエポロに違いがあるのかないのか。私の感動は、日本人だからなのか。彼はどういう思いで「ティエポロ」と呟いたのか。あるいは、そもそも彼はどこの国から来たのか。オーストリアなのか、ポーランドなのか、スロベニアか、ハンガリーか。
なにか、戦後の日本の発展のなかで、上へ上へと登っていって行きついた先がいまの日本で、それはそれで本当にありがたいことではありますが、そうしたありがたさとは違うありがたみが、ティエポロとかティントナーにはあるなあ、と。とにかく静謐で、落ち着いていて、浮つくこともなく、淡々とデューティをこなし、唯一人間だけが意識的に許されている美しさをつくる営為に寄与している、ということ。実際は、もちろん、報酬はあり、あるいはそうした西欧の落ち着きに植民地経営が寄与していたということも忘れることはできませんけれど。これは、経済と芸術の問題なのかなあ、などと。
今日、山を二つ越えました。今週の山は日曜日で終わり。また来週から新しい山がきます。
それではみなさま、おやすみなさい。
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