Miscellaneous

徒然になってしまいます。昨日から浜松へ一泊。仕事場関連の勉強会のようなものへ。

浜松といえば、これまで2回ほど来たことがあったなあ、などと思いました。そのうち一度は、小澤征爾音楽塾だったかで、ネトレプコがムゼッタを歌うのを実演で聴いた、という、今から思えばすごい経験でした。

写真はアクトシティ。この隣の劇場でかつてネトレプコを聞きました。

勉強会が終わって、東京行きの新幹線までに時間があったので、荷物をフロントに預けて浜松城に行って来ました。

行きはタクシー。ちゃんと指示しなかったので遠回り。まあありがちなこと。天守閣に登って、当時の風景を想像しました。天守閣は鉄筋での再建でした。天守閣は見晴らしが良く、武田軍が迫り来るのをここから眺めたのかも、などと思ったり。三方ヶ原古戦場が城の北側にあるというのも初めて聞きました。

三方ヶ原古戦場で敗れた徳川家康は、敗残の将である自分の姿を絵に残させたと言います。こちらの絵。徳川家康三方ヶ原戦役図。

この絵の存在について、先だってとある講演会で聴く機会があり、いろいろ調べましたが諸説あるようで、実際には江戸期に書かれた絵のようです。

ただ、その講演会では、徳川家康は、この姿を事あるごとに眺めて、謙虚さ、あるいは失敗から学ぶことの大切さを、噛み締めたのである、といった内容でした。いい話ですが、そんなわけないのですね。歴史の真実は絶対にわからない、という事だと思います。

浜松城は出世城と言われているらしいです。徳川家康が天下人になったのはもちろん、その後の城主たちの何人かは、譜代大名だったということもあり、老中や京都所司代になったということだそうです。うまい切り口を考えたものです。

浜松といえば、楽器の町。新幹線駅の構内に、カワイのグランドピアノが置いてあって、誰でも弾ける、という状況。金曜日は、誰かがショパンを弾いていて、驚きました。自動ピアノかと思ったら、荷物を持った普通の方が弾いているようにも見えました。

なんだか徒然日記になってしまいましたが、今日はこのあたりで。

Opera,Wolfgang Amadeus Mozart

モーツァルトのオペラ、《魔笛》、《フィガロの結婚》、《ドン・ジョヴァンニ》、《コジ・ファン・トゥッテ》あたりは、実演含めて聴いたことがあって、なんとなく馴染みがありますが、それ以外はあまり聴いたことがないかなあ、と思い、なんか聴いて見ないと、と思って、思い出したのが《イドメネオ》。

《イドメネオ》という言葉は、私の中では、亡きサヴァリッシュが、インタビューの中で「イドメネオ」と言葉を発した記憶があるだけ、だということに気づきました。

最後に新国立劇場に行ったのは、2015年7月だったか。その後、《ダナエの愛》を見て、それ以来オペラの実演には触れられておらず、まあ、もう少し経てば、また行く機会もあるだろう、と思いながら今日に至っていて、そんな中で新しいオペラを開拓することもままならないわけですので、いきおい、新しいオペラを音源として聴くということもなかったわけです。

でも、先日来、とある本を読んだおかげで、モーツァルトばかり聴いている状況で、あれ、そういえば、モーツァルトのオペラで聴いていないのはなんだっけ、という自問に対して、自答の結果が、サヴァリッシュが「イドメネオ」と、我々には表現しきれない絶妙なイントネーションで声を発する記憶だったのです。

初めて聴くオペラというのは、全くの未踏峰のようなものですから、どこから取り付けばいいのかわかりません。指揮者なら、譜面を眺めるところでしょうけれど、リスナーに取ってみると、ただただ、音源を聞くところから始めるのですが、一度聞いてわかるようなものではありません。一度聞き終えたということは、山頂へ登る一つの道を、登ることだけが精一杯な状況で疲労困憊し、ようやく山頂へたどり着いた、ということにすぎません。余裕も何もないので、周りの景色も見えていないはずです。ですので、何度も聴くこと、つまり、一つの道をなんどもたどることでもあるし、別の登山道で山頂に登るということでもあるのですが、繰り返し聴くことで、山の全容、つまりはオペラ全体の様相がやっとわかり始める、ということなのです。

ただし、聞いただけでは、オペラの理解にはたどり着かないというのも、これまた難しいところで、実演を見て、テキストの内容を理解し、さらに、様々な演出で、あるいは同じ演出を違うキャストや指揮者で、と行った具合に、さまざなな切り口でオペラを受容していかなければならず、印欧語族ではない我々に取っては、言語の壁というものもありますので、よくもまあ、こんな高峰に挑むなんて、無謀な! とでも言われるようなことをやっているのかもしれません。

それでもなお、そこにオペラがあるから聴くしかないわけでして、十全に理解できずとも、曲を聴くだけでも、あまりに美しいアリアに出会ったり、荘重なシンフォニアに巡り合ったり、とそれはそれなりの楽しみ方があるものです。

この3時間に及ぶ《イドメネオ》について言えば、まだまだ4合目ぐらいにたどり着いただけなのですが、あれあれ、こんなにいい曲なんだっけ、という驚きがたくさんありました。これ、24歳で作ったのか、というのもまた一つの驚きでもあります。

聴いているのはこちら。Apple Musicで聴いています。本当にいい時代になりました。この時代がいつまでも続くことを願っても止みません。

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さて、色々ある昨今。乗り切るためには体力をつけないと、ということで、クロールで200メートル相当泳いでみました。明日も泳げるだろうか…。頑張ってみます。

それではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。