Classical

シューマン:チェロ協奏曲/ピア シューマン:チェロ協奏曲/ピア
カザルス(パブロ) (1995/02/22)
ソニーミュージックエンタテインメント

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憂鬱な蒼林を思いおこさせる悲痛なチェロの音色が胸の当たりに鋭い痛みを与えます。作品番号を見ると、ああやっぱり、晩年の作品でした。シューマンはこの曲を作曲した4年後に投身自殺を企図しています。晩年むけて精神状況が非常に悪くなっていき、精神病院に入院することになります。そういう背景もあってか、この曲は本当に聴くのがつらいですね。交響曲第1番「春」のあの若々しい朗々たる空気はどこへ行ってしまったというのでしょうか?
演奏は、カザルスとオーマンディ。カザルスのエネルギッシュな演奏のベクトルは悲劇的方向へと強く向かっているように思えてなりません。それは僕の認知的作用の及ぼすところなのかもしれません。あらゆる表象は主観的作用によって形成されるのでしょうから。しかし、それでもやはり、この曲の持つ水面下でうごめく強い感情の力には圧倒されざるを得ません。チェロとオーケストラの間に交わされる濃密な会話の中には、楽観的なそれを聴くことができるとは思えないのです。時宜を得て聴くべき曲なのかもしれません。しかし、悲劇が人間にもたらす力を信じるのと同じように、この曲(のように悲劇的と思われる曲)と向き合うことは、食事をし、仕事をし、眠りにつくという生活の中にあっても決して忘れてはならない事だと思えるのです。

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シューマン:謝肉祭/クライスレ シューマン:謝肉祭/クライスレ
内田光子 (1994/10/26)
ユニバーサルクラシック

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CDプレーヤーのPLAYボタンを押して,待つこと刹那、突然スピーカからほとばしり出る情感的音粒。そして突如現れる転調が心地よい刺激を与えます。一転花畑のような優しい風景が柔らかいアルペジオとともに広がります。シューマンらしい剛質な和声に安心と懐かしさを感じます。泣きたくなるぐらい激しい郷愁を感じます。幼い頃繰り返し聞いた「交響的練習曲」の記憶がよみがえってきたのでしょう。内田光子のタッチは柔らかく、そして情熱的です。嫌みのない適度なアコギグが心をゆさぶります。

Classical

Beethoven: Die 5 Klavierkonzerte Beethoven: Die 5 Klavierkonzerte
Ludwig van Beethoven、 他 (1995/02/14)
Deutsche Grammophon

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ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番第2番を、ポリーニ&アバド&ベルリンフィルにて。
美しい旋律は伸びやかによく歌った演奏。ポリーニが弾きながら鼻歌を歌っているのが少し聞こえる。キース・ジャレットみたいです。僕は、ラテン系の演奏家がドイツ音楽を演奏するのが実は好きなのです。この組み合わせで聴いたブラームスのピアノ協奏曲もよかったです。
両曲とも交響曲第1番以前の作品番号がついた初期ベートーヴェンなのですが、その中に不協和音を聞き取ることができたのには、すこし驚きました。

Classical

クラシック音楽定番サイト「CLASSICA」さんの中に「300 Basic Works of Classical Music」というコーナーがあります。
前から気になっていたので、自分がどれぐらい聴いているのか数えてみました。聴いているからと言ってすべて暗記しているわけでもないし、すべて理解しているわけでもないですが、とりあえず聴いたことがある記憶があるものを数え上げてみると…。

From For Blog

あ〜、だめだ。ベーシックレベルを全然聴けていないことがわかります。モーツァルト、ベートーヴェンは致命的だな、と…。それからコープランドとか、グレツキとかアイヴスとか取りこぼしている…。これから毎日1曲ずつ聴いていこう。半年で制覇!楽しみです。
まあ、聴くとはどういうことなんだ、聴いて理解するとはどういうことなんだ、聴いて語るとはどういうことなんだ、という悩みは常につきまとうのですが…。このあたりは、引き続き考えていこう。
でも、プッチーニ、R・シュトラウス、ブルックナー、チャイコフスキーは制覇。シュトラウス制覇は大きいし、うれしいな〜。

From DRESDEN REISE…

これまでの音楽的遍歴はまた次の回に書きますが、とりあえず今日はベートーヴェンのピアノ協奏曲を聴きます。

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フォーレ:管弦楽曲集第1集(ペレアスとメリザンド/他全12曲) フォーレ:管弦楽曲集第1集(ペレアスとメリザンド/他全12曲)
シュターデ(フレデリカ・フォン)、アリックス・ボーカル・アンサンブル 他 (1999/12/08)
東芝EMI

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フォーレの管弦楽曲集をまとまって聞くことができます。
フォーレの場合、室内楽曲も有名だと思うのですが、僕はまだその良さを完全に理解するまでに聞きこんでいません。また「レクイエム」やミサ曲群もフォーレの代表作なのですが、今回は愛聴している管弦楽曲を取り上げたいと思うのです。
管弦楽曲の代表作と言えば「ペレアスとメリザンド」が有名なのですが、このCDを聴いて知ることになった「マスクとベルガマスク」を取り上げたいのです。特に第8曲「パヴァーヌ」の静謐な美しさたるや、聴く者を陶酔ないしは酩酊へと誘うことは間違いないでしょう。波ひとつ立たない水盤に映し出される白亜のバロック建築と蒼い空を独りで静かに眺め入っているような感じです。

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ブルックナー:交響曲第7番 ブルックナー:交響曲第7番
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ミュンヘン・バッハ合唱団 他 (1998/10/07)
東芝EMI

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初めて聞いた7番は朝比奈隆/大阪フィル。6年生の時でしょうか。それいらい朝比奈指揮しか知らなかったのですが、EMIから発売されたチェリビダッケボックスに大きなショックを受けて以来チェリビダッケを追い始めた僕にとって、チェリビダッケの振るブルックナー7番もやはり大きな衝撃を僕に与えたのでした。確かにテンポはゆっくりなのですが、それに勝るグルーヴ感。一つ一つの音が意味を持って迫ってきます。チェリビダッケの数あるブルックナー演奏の中でもすばらしい演奏に数えられる一つです。