Opera,Richard Strauss

Salome in NNTT

行って参りました。サロメ@新国立劇場。

結論。面白かったですが、初日と言うこともあって、さすがにすこしこなれない感じはしました。

ウシャコワさんは、初のサロメ役ということもあって、少し硬くなっていたでしょうか。出端は少し緊張して居たのかもしれません。にもかかわらずパワフルな歌でしたし、中盤以降は少しずつ盛り返してきたかな、と言う感じ。レパートリーとしては、ミミ、蝶々夫人、リュー、ヴィオレッタ、デスデモーナという感じですので、サロメはご本人にとっても、性格的に新たなる境地と言うところなのではないでしょうか。さすがに難しいのでしょう。

ちなみに、七つのベールの踊りも以前みたものとくらべて格段に良かったですね。さすがにオペラグラスで見るのは憚られました。オペラグラスでみていたら、下卑た男だと思われてしまいそう。それぐらい扇情的な場面もあったのでした。

ヨカナーンのヴェーグナーさんも良かったですね。ヴォータン歌いなのだそうですが、さすがの歌唱力。途中で歌詞をロストした様な気がして、聴いている方も動揺するぐらいだったのですが、その後は安定した歌唱を披露。ああいう声は西欧人しか出せないのだろうなあ、と思うぐらい。

一番良かったのがヘロデ王を歌ったヴォルフガング・シュミットさんで、ヘロデ王の神経質な性格をよく歌い出していて、しかも歌も安定していて、舞台を引き締めていたと思います。

オケは良かったと思います。こちらも出端は勢いが感じられず、少し心配になりましたが、中盤以降がよかったです。レヒナーさんの指揮はやはりテンポコントロールをしっかり取っていた演奏でしたね。

二週連続でシュトラウスのオペラを見ると言うことが出来るという僥倖に恵まれました。これは本当に感謝ですね。

次のオペラ予定は少しあいて、4月13日に新国立劇場で「魔弾の射手」を観る予定。またそろりと予習を始めようと思います。

  • 作曲==リヒャルト・シュトラウス
  • 演出==アウグスト・エファーディング
  • 指揮==トーマス・レスナー
  • 管弦楽==東京交響楽団
  • ヘロデ==ヴォルフガング・シュミット
  • ヘロディアス==小山由美
  • サロメ==ナターリア・ウシャコワ
  • ヨカナーン==ジョン・ヴェーグナー
  • ナラボート==水口聡
  • 日時==2008/02/03
  • 場所==新国立劇場大劇場

ウェルカム・フラワーは、昨週とは違うものに変わっていましたね。おしゃれすぎ。これから新国に行ったら毎回写真撮ろう!

Salome in NNTT

雪の降りしきる中の新国立劇場。

Salome in NNTT

「オペラ・パレス」とはちと言いにくいですね、さすがに。面映ゆい。

Salome in NNTT

Opera,Richard Strauss

ちなみに、楽譜も届きました。正解は以下の譜面の通り。三連符でしたか。だから、頭とか裏とか分からなかったのですね。未熟でした。しかし、言い訳を言わせて貰うと、その後、拍子が変則になって、4/4→(3/4→3/3)×3回→5/4→3/4と、一小節ごとに拍子が変わっている。変拍子です。これじゃあ全くとれなくてもやむなしだなあ。指揮者はどうやって振るんだろう? 

Salome

salome_02.mid

Opera,Richard Strauss

相変わらずサロメ漬な一日。先だって購入したシュテンメさんのアルバムに、サロメの終幕部が入っているのを思い出して早速と聞きなおしてみる。うわー、凄い。シュテンメさんの芯のある声が昂ぶるサロメを凄い迫力で表現している。もちろん酔いしれるサロメの妖しい静けさもいいです。ビブラートが少し強調されているようにも聞こえるのですが、綺麗なので問題ないです。

パッパーノさんの演奏も良いのですよ。テンポをコントロールしていて、的確に歌い回している。オケも巧いです。録音も良。iPod+クワイエットコンフォート2で聴いても大丈夫です。

聴いてみて思ったのは、実はマルシャリンよりもサロメほうがシュテンメさんらしさが出ているのではないでしょうか、ということ。だからイゾルデも良かったんだなあ、と。ライナーによれば、ジークリンデ、ゼンタなども歌っておられるようですね。ヴォイツェックのマリーも歌っているとは。聴いてみたいですね。

  • ソプラノ==ニーナ・シュテンメ
  • 指揮==アントニオ・パッパーノ
  • 管弦楽==コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
  • 録音==2006/09/01
  • 場所==Studio No.1 Abbey Road, London

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今週はサロメばかり聴いていて頭の中が、サロメのフレーズでぐちゃぐちゃになっています。シノポリ盤のチュリル・スティユーダさん、ベーム盤のグィネス・ジョーンズさん、カラヤン盤のヒルデガルト・ベーレンスさん、三人のサロメが頭の中でぐるぐる回っている感じです。しかも、聴いても聴いても飽きが来ないのが恐ろしい。今日もこれからまたサロメを何度も聞くことになりそうです。

ベーレンスさんのサロメは強力ですね。ベーレンスさんというと、個人的にはブリュンヒルデのイメージが強くて、サロメもなんだか女傑のような強い英雄的女性に聞こえてしまいます。すこしビブラートがきつい気もしますが、豊潤な響きを持つ声ですね。エレクトラも聴いてみたいなあ、と思いました。

カラヤンの指揮は、テンポを大きなシーケンスで動かすことが多くて、意外とテンポを遅くして歌わせている部分が多いですね。それがカラヤンらしさの要素なのだ、と改めて思いました。ですが、七つのヴェールのおどりの部分意外と鈍重に聞こえてしまう感じ。シノポリ盤のほうがしっくり来た感じです。

それから、オケの響きは少しデッドですが、これは録音場所や録音自体、それから僕の再生機器の問題でもあると思います。そう言う意味では、録音の比較的新しいシノポリ盤が一番有利ですね。

ちなみに、第一のユダヤ人は、ハインツ・ツェドニクさんで、2004年に新国立劇場でサロメを見たときにヘロデ王を歌っておられた方です。クライバーのばらの騎士ではバルツァッキを歌っておられましたね。第二の兵士のクルト・リドルさんは、先だってのドレスデン国立歌劇場日本公演でオックス男爵を歌っておられた方ですね。録音された1977年といえばもう30年前になりますので、当時はこういった感じでキャリアを積み重ねていらした時代なのでしょう。

サロメの楽譜は本日か明日には届く予定。こちらも愉しみ。そして本番は2月3日の新国立劇場。あと三日です。

  • 作曲==リヒャルト・シュトラウス
  • 指揮==ヘルベルト・フォン・カラヤン
  • 管弦楽==ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
  • サロメ==ヒルデガルト・ベーレンス
  • ヘロデ==カール=ワルター・ベーム
  • ヘロディアス==アグネス・バルツァ
  • ヨカナーン==ホセ・ファン・ダム
  • ナラボート==ヴィエスワ・オフマン
  • ヘロディアスの小姓==ヘデヤ・アンゲルボ
  • 第一のユダヤ人==ハインツ・ツェドニク
  • 第二の兵士==クルト・リドル
  • 録音==1977年5月、1978年5月
  • 場所==Sophiensaal, Viennna

Opera,Richard Strauss

今日もサロメの話題。シノポリさんのサロメを中心に聴いています。シノポリさんのシュトラウス作品で言うと、エレクトラとこのサロメ、それから影のない女を聴いています。シノポリさんはシュトラウス作品と相性が良いのではないか、という感想を持っていますが、このサロメでもやはり素晴らしい演奏を聴かせてくれていて、とても都会的なスマートな演奏でありながらも壮烈なサロメを聴かせてくれると思います。

サロメの楽曲で言いますと、サロメが、ヨカナーンとキスをしたいIch will deinen Mund küssen, Jochanaan.と叫ぶフレーズが印象的です。スコアがないので、耳でコピーしたんですが、まずその部分の拍子が分からず、表と裏が頻繁に塗り変わっているように聞こえてしまい、巧くとれませんでしたが、こんな感じでしょうか?

Salome1

salome_01.mid

どういう譜面になっているのか知りたくて、Amazonで譜面を注文してしまいました……。譜面が届いたら更新します。少し脱線しますが、しかし、難しいんでしょうけれど、なんとか読めるようになりたいですね。最初にシュトラウスから読み始めるのはあり得ないですね。モーツァルトあたりから入ればいいのかなあ、とおもいますし、最初は弦楽四重奏などから読んだ方が良いのかもしれません。

サロメに戻りますと、ベーム盤も持っています。ヨカナーンがディースカウさんの盤ですが、こちらも素晴らしいですね。カラヤン盤もなぜか持っておりまして、こちらは、サロメがヒルデガルト・ベーレンスさんです。こちらも今日iPodに入れましたので、聴いてみようと思っています。

  • 作曲==リヒャルト・シュトラウス
  • 指揮==ジュゼペ・シノポリ
  • 管弦楽==ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
  • ヘロデ==ホルスト・ヒーターマン
  • ヘロデヤ==レオニー・リザネク
  • サロメ==チュリル・ステューダ
  • ヨカナーン==ブライアン・ターフェル
  • ナラボート==クレメンス・ビーバー
  • 録音日時==1990年12月
  • 録音場所==ベルリン・イエス・キリスト教会

Opera,Richard Strauss

今週末は、今度は新国立劇場の通常公演なのですが、シュトラウスの「サロメ」を聴きに行きます。ということで予習を実施中。シノポリさんのサロメです。久々に聞くサロメは新鮮で刺激的です。シノポリ盤の演奏やサロメについて思うことは明日。

新国でのサロメは二回目になります。前回はエヴァ・ヨハンソンさんのサロメでしたが、今回はナターリア・ウシャコワさんでして、美人さんですね。近年、ロシア・東欧の優秀な歌い手さんがたくさん出てきていらっしゃいますので、期待ですね。とはいえ、色眼鏡をなるべくかけずに(そうとはいえ、色眼鏡はかけているものなのですが)聞いてきたいと思います。

本日は取り急ぎ。

  • 作曲==リヒャルト・シュトラウス
  • 指揮==ジュゼペ・シノポリ
  • 管弦楽==ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
  • ヘロデ==ホルスト・ヒーターマン
  • ヘロデヤ==レオニー・リザネク
  • サロメ==チュリル・ステューダ
  • ヨカナーン==ブライアン・ターフェル
  • ナラボート==クレメンス・ビーバー
  • 録音日時==1990年12月
  • 録音場所==ベルリン・イエス・キリスト教会

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ナクソス島のアリアドネ、今週末観に行くのですが、予習ということで、ベームが振っているDVDを購入しました。理由は、ヤノヴィッツさんのアリアドネとコロさんのバッカスを聞きたかったからです。

とりあえずは音だけ聞いているのですが、アリアドネのヤノヴィッツさんの澄み切った声でうっとりです。バッカスのコロさんは力強いのですが、ピッチが少し不安定だな、と感じました。この曲は、いつもシノポリ盤で聴いているのですが、このベーム盤はそれよりテンポが落とされた演奏です。(聴きなおしてみると冒頭部は遅いですが、ほかはシノポリ盤より極端に遅いと言うことはありませんでした)。音作りはやはりシノポリとは違っていて、重量感のある演奏に聞こえます。グルベローヴァさんのツェルビネッタも重みのある迫力あるコロラトゥーラです。映像みたらもっと楽しそうです。

  • 作曲==リヒャルト・シュトラウス
  • 指揮==カール・ベーム
  • プリマドンナ/アリアドネ==グンドラ・ヤノヴィッツ
  • テノール/バッカス==ルネ・コロ
  • ツェルビネッタ==エディタ・グルベローヴァ
  • 作曲家==トルゥデリーゼ・シュミット
  • 音楽教師==ワルター・ベリー
  • 録音==1977年10月~11月

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昨日から、シュトラウスの「メタモルフォーゼン」を聴いています。手元にあったケンペ指揮のドレスデン・シュターツカペレ盤をきいております。クラシックCD好きのホルン吹きニョッキさんのブログでブロムシュテット盤が紹介されていたのに触発されて、何度も何度も執拗に聞いています。難しい曲ですが、とても勉強になります。

この曲が作曲されたのは、第二次大戦末期で、ワイマールのゲーテハウス、ドレスデンのゼンパーオーパー、ミュンヘンのオーパー、ウィーンのオーパーが連合国により破壊されたことへの悲嘆と寂寥、去りゆくかつての「ドイツ」への追悼の為に書かれた曲です。ワイマールは若いシュトラウスが劇場指揮者だったところですし、ドレスデン、ミュンヘン、ウィーンがシュトラウスにとって重要な街であったことは言うまでもありません。

23人の弦楽奏者(ヴァイオリン10、ヴィオラ5、チェロ5、コントラバス3)は、弦楽合奏のような五部構成ではなく、23人がそれぞれ異なったパートとして独立して動くいており従って譜面は23段となります。

以下の譜例が主要なテーマですが、それがいつの間にか、ベートーヴェンの英雄交響曲の葬送行進曲に変化していくわけで、葬送行進曲は曲の最終部でコントラバスによって提示されますが、そこに至るまでに、以下のテーマが幾重もの波のように打ち寄せてきて、それもあらぬ方向から(あらぬ調性から)おとずれるわけで、無調的なたゆたう波間に揺すぶられる快感を感じることが出来ます。

Metamorphosen

弦楽合奏と言うこともありますので、シュトラウス「カプリッチョ」の冒頭の六重奏を思い出したり、あるいはマーラーのアダージェットを思い出したりしながら聴いていました。

ケンペ盤は少々録音に翳りが生じていて(私のiPodとクワイエット・コンフォートの特性かもしれませんが)、違和感を感じることもあるのですが、十二分に勉強することが出来ました。

  • 指揮==ルドルフ・ケンペ
  • 管弦楽==ドレスデン・シュターツカペレ
  • 録音日==記載なし
  • 録音場所==記載なし

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のっけから、ドレスデンサウンド。弦楽器の透き通る、それでいて湿り気のないドライな音に圧倒されました。管楽器も華麗ですね。少しずつドレスデンサウンドのことが分かってきました。

ブロムシュテットはここでも流して振ったりは当然していなくて、テンポや強弱のコントロールを掌握しています。古いドイツの純朴な英雄の生涯ではなく、現代的でスタイリッシュな英雄の生涯なのです。

このほどよい残響感は、やはりルカ教会。1984年9月の録音と言うからもう24年も前の録音です。それなのに古びていないです。1000円前後の値段でこの演奏が聴けるとは良い時代ですね。

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シュトラウス6つめのオペラである「ナクソス島のアリアドネ」を聴いております。と言うのも、1月末に新国立劇場の中ホールで関西二期会の公演があるためです。公演情報はこちらです。

というわけで、予習をしているのですが、ベームが1954年にザルツブルク音楽祭で振ったライブ盤と、シノポリ盤の二枚を聴いてみて、やはりシノポリ盤のほうがいいなあ、と思いそちらを聴いています。ベーム盤はモノラル録音のライブということで、そもそも不利なので、致し方がないですね。

シノポリ盤は、なんといっても、オーケストラはドレスデンシュターツカペレですし、録音場所はやっぱりドレスデンルカ教会です。音が良いのですよ。

このオペラの聴きどころの一つが、ツェルビネッタのコロラトゥーラだと思うのですが、シノポリ盤のナタリー・デセイさんは素晴らしいですね。これだけピッチが安定していて曲芸的なコントロールをするのを見せられると、手放しで拍手をしたくなります。しかも声は透明で美しい。デセイさんのツェルビネッタを聴くだけでもこのCDを聴く価値はあるでしょう。デセイさんのツェルビネッタは以前テレビで放映しているの見たこともあります。ウィキペディアによるとデセイさんは、声帯の手術をうけられたりととても苦労されているようです。

後半の「アリアドネ」の部分はギリシア神話を翻案したものです。アリアドネは、英雄テセウスによってクレタ島から連れ出された王女です。テセウスはクレタ島のクノッソス宮殿の地下迷宮でミノタウロスを倒すわけですが、迷宮で迷わないように、とアリアドネがテセウスにに糸玉を渡して、テセウスのミノタウロス退治に力を貸すわけですが、テセウスと一緒にアテネへ向かう途中にナクソス島に置き去りにされてしまうわけですね。そこで、バッカス(つまりデュオニソス)と結ばれてめでたしめでたし、となるのがオペラのあらすじ。

一説にはアリアドネは悲嘆のあまりに自殺してしまうという別のストーリーもあるらしいです。なぜ、テセウスはアリアドネを置き去りにしたのか、本当によく分からなくて、バッカスがアリアドネに一目惚れしたので、置き去りにするように差配した、という説もあるそうですが、なんだかストーリー的に無理がある気がしてなりません。

他にもう一つ違うバージョンの「ナクソス島のアリアドネ」を聴きたいと思っていますが、何にしようか思案中です。


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