いやあ、今日はさんざんでした。iPodを家に忘れてしまったのですね。それで、やむなく本を読むだけの通勤でした。
辻邦生師の「春の戴冠」の上巻やっと読了。物事というのは予定通りに進むことは少ないのですが、やはり少し手間取りました。原因は、今回は「スロー・リーディング」で読んでみたと言うことです。以下の本を参考にしました。確かに読む冊数とかスピードとかが受容なのではないよなあ、と。でも頭のいい人なら早くきちんと理解できるんだろうなあ、とか……。まあ、妙に焦るようなことはなくなりましたので、良かったとは思います。
それから、塩野七海さんの「ルネサンスとは何であったのか」と「わが友マキアヴェッリ」を間に挟んで読んだこと。
これは「春の戴冠」の背景知識を知る上で本当に役立ちました。特に「ルネサンスとは何であったのか」は、ルネサンスを巨視的にとらえるには最適な本だと思います。対談形式でわかりやすいですし。「わが友マキアヴェッリ」もおもしろいですね。舞台は「春の戴冠」の後半に始まり、「春の戴冠」のその後を知る上ではとても役立っています。
でも、本を読めば読むほど、読みたい本が出てきて困りますね。そうやって読みたい本リストを作っていっても良いのですが、あまりに厖大で手に負えないリストができあがってしまい、読めないこと、読めていないことに悩むようになるので、リストはあえて作らない方が良いかな、などと考えたりして、でも気づけばリスト作ってたりして……。みたいな感じです。
明日からは「春の戴冠」の下巻に入ります。上巻では、ボッティチェッリの「春(ヴィーナスの統治)」ができあがり、シモネッタが息を引き取る場面で終わりました。「春」の解釈を語り手フェデリゴが行うのですが、とても興味深いです。左端のヘルメスはジュリアーノ・メディチがモデルだったり、登場人物が9人なのは三位一体×3なのである、などなど。絵を見る上での前提知識を得られて大満足でした。もちろん、この本の価値はそれだけでは決してないのですが。
というわけで、「春の戴冠」については、明日に続きます。