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昨日は、人生で初めて日本人歌手のライブに行ってきました。
杏里のコンサートツアーということで、三軒茶屋の昭和女子大学人見記念講堂へ。ここにカルロス・クライバーが来たんだなあ、とか、チック・コリアのライブがあったんだなあ、などと感慨深いものがありました。
杏里の曲は、思考がフュージョンと親和性が高い。というか、88年のアルバム「BOOGIE WOOGIE MAINLAND」には、ポール・ジャクソン・JRや、ネイザン・イースト、アレックス・アクーニャといったジャズプレイヤーが参加しています。それ自体上質なフュージョンとして聴けるぐらい。
それにしてもバンドがめちゃ巧かったです。リズム隊が凄く重くて、がっしりしていたのが一番。特にベース。めちゃカッコイイ。本物。私だけベースのナイスプレイに絶叫していました。
ホーンセクションとしては、サックスが一人いらっしゃいました。ソプラノ、アルト、テナー、フルートを操っていました。アルトもテナーも当然セルマー。テナーはシルバーだと思われます。マウスピースは、テナーはオットーリンク? アルトはおそらくデュコフだと思います。
当然ですが、杏里もカッコイイ。もう50だというのにあの身のこなしですか。凄すぎる。杏里のよさの一つはピッチベンドのコントロールにあると思います。あとは、高音域の声質かなあ。十全に堪能しました

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ヤノフスキのリング抜粋版を聴いていましたが、どうも音が今ひとつに感じていました。iPodとBOSEのクワイエットコンフォートの組み合わせです。いままでそんなに悪いとは思わなかったはずなのですが。
それで、帰宅してPCにゼンハイザーのHD600というヘッドフォンをつないで聴いていたんですが、これで聴くとかなり音がイイ。そもそも、このHD600って、まだ若くてバブルだった頃にボーナスで買った代物で、たしか5万円ぐらいしたと思います。低音から高音までまんべんなくクリアな音が出るもので、買った当初はのけぞっていました。今は、HD650という上位機種となっているようですが、ずいぶん値が下がっています。
その後、オーディオに投資する予定もありましたが、今まで実現していません。ハードウェアより、実演の方が良いなあ、と。でも、こっちのほうが贅沢かもしれませんけれど。でも、ずいぶんと素晴らしいスピーカーを見つけて、買う寸前まで言ったりしました。PIEGAというスピーカーでした。影のない女を聴いていたんですが、音が三次元でした。あれは忘れられない。
思うに、私のような借家住まいで、夜中しか自宅に居られないサラリーマンには、音量を上げてステレオを愉しむなんてできない相談です。それよりも、ヘッドフォンにお金をかけて、通勤時間や夜中に一人で音楽を聴くことが喜びになります。

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ばらの騎士について書こうと思っていましたが、下書きが手の届かないところに言ってしまいました。元帥夫人を歌ったベーンケについて書こうと思いましたがそちらは明日に致します。
今日は、岡田暁生氏が書かれた「音楽の聴き方」という本について。中央公論社新書ですので、私のように音楽の専門教育を受けていないものでも楽しめるように、そしてなによりとても勉強できるような作り方になっています。
この一週間ほど、通勤時間で集中的に読んだり、気づいたところを拾い読みするなどして、楽しんでいます。通勤時間は会社勤めに残された最後のリゾートですので、十分に楽しめています。
詳しくは本日は書きませんが、最後に出てくる岡田氏がまとめた虎の巻的音楽の聴き方のなかから一つだけ。岡田氏曰く、良いものばかりを見るのではなく、あまり良くないと思われる演奏や作品と触れることも大切なのだとか。よく、「良いものばかり聴いていれば、善し悪しは自然とわかる」というようなことが言われますけれど、やっぱり何かしらできの良くない演奏を聴くことも重要だと思います(もちろん自由な範囲内で)。私はこれを大学時代に体得していたようです。
あとは、アドルノのトスカニーニ批判の話が出てきたり、岡田氏自身の希有な体験を読めたり、と本当に読んでいて楽しいです。
年度始めは本当に忙しいです。普通なら決算で山を超えるのでしょうけれど、私の現状から言うと。地震対応や、みずほ銀行対応などに従事した結果、仕事が降り積もっていて大変です。まあ、仕事があるうちが良いのでしょう。

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先週撮った写真。翌日の運行状況を見極めようと、駅の案内に人だかりというところです。
この一週間で、世界が変わってしまいました。計画停電の予定を気にしたり、電車の運行状況によって、通勤経路を変えたり、何十分も電車が来るのを待ったり、車内灯が消された節電電車に乗ったり……。
私の勤めているビルは、計画停電になると自家発電に切り替えるのですが、出力が足りないため、電灯を間引いてつけています。ですので、薄暗い中でぼーっと光る液晶ディスプレイを見つめて仕事をしていました。停電が終わると、蛍光灯が煌々ときらめき始め、ああ、電灯ってこんなに明るいんだ、と感動したり。これまでの普通が普通ではなくなってしまいました。
でも、慣れというのも恐ろしい。計画停電の予定のチェックや、列車運行状況を確認するのが普通になってしまいました。
きっと、計画通りに電車が動くようになると、また感動するんだろうなあ。
しかし、考えても見れば、これまでがおかしかったのかもしれない。無尽蔵な電源、無尽蔵な食糧。これは長い人類の歴史の中にあって、ある意味では進歩の所産だけれど、実のところは極めて特殊な事態なんだなあ、と。
というわけで、今日は「ジークフリート」をベームの指揮にて。なんだか、昨年の東京リングが懐かしくて仕方がありません。
オペラもコンサートも中止が目立ってきました。本当なら、明日は新国立劇場で「マノン・レスコー」を見る予定でしたが、それも幻に終わってしまいました。新国立劇場も、今回の「マノン・レスコー」中止で、損失を出したはずです。
阪神大震災の時よりも日本の財政事情は極めて厳しいそうです。これからどうなるのだろう。そうなると、真っ先に切られるのが文化事業であることは間違いありません。音楽界はもとより、日本の文化はどうなっていくのだろう。
悩みは多いけれど、前と上を向いて歩くしかありません。

Music

私の一年前の最後の演奏写真。後輩の結婚式の二次会で吹いたところ。また、そろりと吹きたくなってきた。

http://www.nhk.or.jp/schola/

この四月から始まったNHKの音楽番組「schola 坂本龍一 音楽の学校」。バッハ以降の西洋音楽の発展を語る番組です。

番組の概要

番組は、「鼎談」、「ワークショップ」、「演奏」の三つから成立している。「鼎談」の部分では、坂本龍一がホスト役で話をするんだが、ゲストの浅田彰が蘊蓄を披露するのがなんだか懐かしい。それからもう一人のゲスト岡田暁生氏の本は、最近読み始めているので、なんだか親近感がある感じ。

まあ、この三回の放送では、バッハの音楽を西洋音楽システムが確立されたという前提に立って、フレーズの使い回しの方法とか、通奏低音について語ったりしている。まあ、単声音楽から、一度(ド)と五度(ソ)のポリフォニーを経て、三度(ミ)が導入され、和声が成立する。これがオケゲムなんかの時代。以降バッハが平均律を確立し、あのクラヴィア集を作った、というあたり。ここで述べ立てるほどでもないですけれど。

ワークショップ

で、一番面白いのが「ワークショップ」。

中三から高三ぐらいの若者の音楽やっている方々が出てくる。楽器も様々で、ヴァイリン、フルート、エレクトーン、エレキギター、ピアノ、三線、などなど。

で、この若者が、バッハのフレーズを使ってアレンジしてみたり、通奏低音に合わせて曲を作ったりするんですよ。

たとえば、「主よ人の望みの喜びよ」のメインテーマが、バッハの音楽の至る所で使われているのだが、それを、若者なりにアレンジしてみたりする。エレキギターの男の子は、坂本龍一に「コード入れてごらん」とかアドバイスされて、ディストーションをかけてフレージングしてみせたりする。エレクトーンの男の子は、フュージョン的というかポップス的というか、かなりシンコペーションのかかった、まあありがちだけど格好いいアレンジにまとめ上げてしまう。あれを15歳で瞬間的に作ってしまうあたりが凄い。

で、もっとすごかったのが、お寺の名前のような名字を持った女の子。この子だけ、テーマをマイナーキーで演奏してみせて、坂本龍一と岡田暁生が、驚き喜ぶんですね。いやあ、良いセンスしてます。

自分との関係

それで、でも、このプロセスって、僕が高三から浪人を経て大学の頃にやってたことに似ているなあ、と。当時はジャズ理論なんか知らんわけで(いまもよくわかりませんが)、ともかく最初にキーを捕まえて、使える音と使えない音を覚えて、後ろでなっているコードを意識しながらフレーズを作っていくという作業を、毎日毎日やっておりました。だから、キーの感覚はかなり磨かれたんだと思う。この番組のワークショップでやっていることも、僕も今ならできるなあ、と思った。でも、斬新なことはできないだろうけれど。

坂本龍一のすごいところ

通奏低音に併せてフレーズを作るところで、坂本龍一も「じゃあ、僕も」みたいな感じで、やってみるんだけれど、これは私には理解できない難しさだった。24個のキーの世界+ある程度のテンション世界で生きてきた僕にしてみれば、全く何やっているのかわかりませんでした。悔しいのう。無調なんだけれど、方法論まで説明できない。悔しすぎる。

ちょっとだけ

とはいえ、やっぱり僕ぐらいだと少し物足りなさもあるなあ、という気もする。西洋音楽史をある程度押さえていたり、音楽理論を少しばかりかじっている方には、解説はすこし簡便かなという気もする。でも、一緒に見ていたカミさんは何言っているのかわからなかいらしい。ということは、聴取者の的を絞り切れていないということかしら。でも「ワークショップ」が最高に面白いからいいんです。

貴重な

この番組、凄く面白い番組であることには間違いないし、音楽理論を取り上げるという意味においては、少なくとも僕にとってはこれまで記憶にない番組ですので凄く貴重です。

私の大好きな「 名曲探偵アマデウス 」が楽曲の成立史を掘り下げていて、音楽理論についても、玉川大学の野本先生が解説してくださいますが、番組の性格上どうしても楽曲中心の説明になります。音楽理論を体系的に説明するという意味合いのものではありません。

音楽理論に触れる場としては、昔は「音楽芸術」という雑誌があったんですが10年ぐらい前に永遠休刊となってしまいましたし、その後長木誠司さんが作られた「 エクスムジカ 」も残念ながら終わってしまいましたし。

まだ三回しか放送していないから、これからどうなるか凄く楽しみ。

というわけで、この番組は、以下の時間帯に放送中です。是非ご覧になってみてください。

  • 教育:毎週土曜 午後11時45分~
  • BS2:毎週火曜 午後4時30分~

Music

あー、iPod壊れました。理由不明。数ヶ月前に激しく床に落としたことがあって、それ以降普通だったんですが、昨日になってから急に再生ができなくなりました。それで復元を試みたのですが、赤い×印が表示され、何もおきない。要はアウト。

で、サポートに電話したんですが、これがまた本当に丁寧に指示してくださり、いろいろ試したのですがやはりだめで、修理となりました。2万円超。痛い。

いつも使っている携行品傷害の申請にいったら今年一月からiPodは免責になってしまったとのことで、保険金は降りないとのこと。極めて厳しい状況。

しかし音楽中毒の私はひと時もiPodを手元から離すことはできません。痛い出費。ショック。まあ、仕方がない。

対策を。

  1. iPodをクリアケースに入れる。外観の傷はこれで担保。
  2. ケースごとコンデジ用の厚手のケースに入れる。これで落下時の振動を軽減。
  3. ついでに、ケースが落ちないように、ズボンのベルト通しなどとカラビナでつなぐ。あるいは、ストラップで首から吊り下げる。
  4. 決してiPodをクリアケースの状態のままポケットに入れたり放置したりしない。
  5. 肌身離さず常に持ち歩く。

これぐらいでしょうか。気をつけましょう。私はもうショックで眠れませんので。

でも、カラヤンの「パルジファル」とロット様の「四つの最後の歌」を聴いたら少し元気出てきた。午後もがんばりましょう。

っつうことで、今日は短信モードで。

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たまには、EWFの話を。Earth, WInd & Fireのことです。
まだ若くて元気があった社員だった頃、上司が無類のカラオケ好きで、ずいぶんお供しました。夜中まで働いて、じゃあ、行きますか、みたいな。で、2時ごろまでカラオケ。でも、僕は日本の歌謡音楽はまったく聴かないので、カラオケに行ってもあまり面白くなかった。最初はですよ。
それで、当時、Smooth JazzにアレンジされたEarth, Wind & Fireの曲をよく聴いていたのと、ちょうどその頃、レーザーディスクのカラオケではなく、通信カラオケが続々と入り始めた時分だったこともあって、EWFの歌が結構入り始めていた。それで、Septemberとか絶叫して歌ってました。たまにはカラオケボックスにサックス持ち込んで人が歌っている後ろでバック吹いてみたり。独りよがりでしたが、個人的にはいいストレス解消になっていた感じ。当時の方々、ご迷惑でしたでしょう。。。すいません。
それで、Earth, Wind & Fireをいつ知ったかというと、これもお恥ずかしい話で、1995年頃にとあるライブハウスの対バンの方々が演奏していたのを聞いたのが、それと認識したしだい。もちろん、曲は聴いたことありましたけれどね。
で、その方々、プロだったので、めちゃくちゃ格好良かったし巧かった。ホーンセクションも強力だったし、パーカッションもちゃんといました。すごかったなあ。
で、そのとき、先方のプロのテナーの方に褒められた。当然お世辞とは思いますが、「就職するなんてもったいないよ」なんて、恐れ多いことを言っていただいた。いい思い出です。でも、横には先輩ドラマーのFさんが苦笑いして見てましたけどね。本当はそんなんじゃないことを見抜いておられたんですよ。あはは。
で、昨日思い立って、EWFのDVDをiPodに入れてみました。今朝は、開発していたプログラムが本番環境につながるので、6時ごろに家を出て、本を読みながら電車に乗ってたんですが、そういやあ、久々にEWF聴いてみようか、見たいな感じで、選んでみると。。。
マジですか。。。
ものすごく格好がいい。みんなうまいし、魅せる演奏している。っつうか、ベースの方、あまりに大暴れで、本当に弾いているのか? 的疑惑を持ってしまうほど。
Septemberとか、Fantasyとか、After the love is gone とか、名曲ぞろい。幸せです。
では、私のお気に入りのSeptemberをどうぞ。

私、今朝から仕事関連でブルーだったんですが、この映像見て、元気を取り戻しました。それどころか、September聴いて、なぜか涙出ましたですよ。懐かしくて懐かしくて。もう最近西田敏行化している。「カプリッチョ」とか「ばらの騎士」だけじゃなく、EWFでも泣いちゃうなんて。涙腺緩んでます。歳食ったんですね。
昼休みには、隣の男の子に見せてあげて、二人で盛り上がりました。帰りの電車もiPodみながらニヤニヤ。帰宅して、奥さんと一緒に見て、また元気が出ました。
また明日も頑張ります。

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3月20日の朝日新聞朝刊の音楽展望にて、吉田さんが書かれていたことが気になって仕方がありません。

吉田秀和さんが中原中也と一緒にバッハの「パッサカリアとフーガ」をストコフスキーが振った盤を聴いていた時の話。1930年代前半と書いてありますので、もう70年余りまえのことです。

素晴しい演奏だったので、吉田秀和さんは思わず「すごいなあ」と口に出してしまったのだそうです。すると、中原中也は「どうすごいんだよ」と突っ込んできたのだそうです。吉田さんは「どぎまぎ」しながら「だって神様がいるんだもの」と言ってしまったのだそうです。

そもそも、吉田秀和さんは、中原中也のことを言葉に厳しい男だ、と思っていたから、余計なことを言うまいと思っていたのだそうですが、このときばかりはついつい「すごいなあ」なんて言ってしまった。中原中也はそこを見逃さなかったのです。

中原中也はそれから畳にごろりと寝ころがって、吉田秀和さんをジロリとにらみつけたのだそうです。

音楽は、他の芸術とは違って、直接心にグサリとやってきますが、それを言葉で表わすという行為は、まるで眼に見えぬ「もの自体」を眼に見えるように幾重ものフィルターを通すという行為で、言葉になった途端に、それが全く別物であるということを認識させられてしまう感じ。

もっと言葉に慎重でなければならない。さりとて、言葉で書くことを諦めてもならぬ。極めて難しい状況に立たされているのだ、ということを改めて認識しました。重いなあ。本当に重い。

そんなことを思っている内に、カラヤンの振る「神々の黄昏」第三幕の終幕部にさしかかりました。これで15時間にも及ぶ長い指環が終ると言うことなのですね。(一応)全部聞き通せたなあ、という安堵感と、目の当たりにした悲劇にうちひしがれた心を慰めるかのような優しい弦楽器の音。

サヴァリッシュが振った神々の黄昏のDVDも毎日少しずつ見ていますが、ようやくとクライマックスにさしかかりました。ジークフリートがハーゲンにまた薬を飲まされて、徐々にかつてのことを思い出していく。その隙に、ハーゲンはジークフリートの弱点である背中側にまわって、槍を突き立てる。そこまでで昨日は所用のためストップ。こちらも楽しみ。

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クラシック音楽の再生ともなると、気にしはじめると大変なことになってしまいます。

私も5年ほど前に、オーディオを新調しようと思って、情報収集をしました。スピーカはPIEGAというメーカの音が綺麗で澄んでいるなあ、という印象を持ちましたが、左右セットで50万円はなかなか出せないですね。

せっかくスピーカを買っても、マンション住まいなので十分な音を出すことは出来ませんし、しかも自宅にいるのは夜~朝だけと来ているので、音にはますます気を遣わなければなりません。結局オーディオを新調しても聴く時間が限られてしまうなあ、ということで断念したのでした。

結局、音楽を聴くのはヘッドフォンとiPodの組み合わせが多くなりました。

通勤時間や、夜、朝に聴くとなると、結局はヘッドフォンをかぶらざるを得ないのです。

それに、通勤時間に聴くとなると、騒音の中で聴くことになりますので、自ずと音量が上げてしまいます。そうすると音漏れが気になる。しかも、ダイナミックレンジの大きなオーケストラの音は、ピアノの部分は聞こえず、フォルテの部分は音漏れするという状態に陥ってしまいます。そういうわけで、数年前まではダイナミックレンジの比較的小さな室内楽ばかり聴いていたことがありましたね。

ですが、2年ほど前にヘッドフォンをBOSE社のクワイエットコンフォート2に変えてから状況が変わりました。周知の通り、この製品はノイズキャンセリングを導入しているので、通勤時間の騒音をある程度カットしてくれますので、ダイナミックレンジの広いオーケストラ(オペラ)曲のピアノの部分もちゃんと聞こえてくれる。ですので、音量を下げても大丈夫なので、フォルテの部分の音漏れも防ぐことが出来ます。少し高い製品で、値引きなどもほとんど行われない商品ですが、秀逸なヘッドフォンだと思います。あえて難を言えば、低音域が強調されすぎているのではないか、というところでしょうか。でもそれも最初のうち、気になっただけで、だんだんとなれてきたので、最近では全く気になりません。

そういうわけで、知らず知らずのうちに、通勤時間にもオーケストラ(オペラ含む)を聴くことが出来るようになりました。

再生機について言えば、4年ほど前まではソニーのCDウォークマンでしたが、持ち歩くCDが多すぎて荷物が増えてしまっていました。そこで、当時から流行りだしていたiPodを導入したのでした。iPodの音質についてはいろいろな意見があるようですが、私の場合、とにかくたくさんの楽曲を持ち歩きたい、という要件がありましたので、迷わず選択したわけです。気分によって、オペラを聴くか、オケを聴くか、あるいはジャズを聴くかというふうなフレキシビリティを重視したわけです。

高級オーディオにはかないませんが、私の生活スタイルにあった再生環境を持つことが出来て、本当に助かっています。昨日も今朝も、やっぱりこの再生環境で、ショルティ盤のヴァルキューレを聴いています。

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New Year

いよいよ年が明けて2008年となりました。今年も辻邦生師のことや音楽のことなどを書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

写真はヴェネツィアの夜明けです。


昨夜は紅白歌合戦を22時頃まで見て眠ってしまいました。後半は見られませんでしたが、前半で気になる歌手を2人見つけました。

寺尾聡さんの「ルビーの指環」では、寺尾聡さんのスタイルの格好良さと、秀逸なアレンジ、安定したバックバンドに支えられて、スタイリッシュで大人なサウンドを繰り広げていました。

それから布施明さんは、ひとときに比べて多少歌唱力は落ちているのですが、それでも迫力或る曲芸のようなピッチコントロールを見せてくれました。声の美しさ、張り、音域は出演していたどの歌手と比べても絶品でした。もし往年の若き布施明がテノール歌手としてデビューしていたら、という見果てぬ夢。ロドルフォとか、カラフとか、ピンカートンなどプッチーニのテノールをを歌ってもらいたいなあ、と思うのでした。