クラシック音楽の再生環境──私の場合

クラシック音楽の再生ともなると、気にしはじめると大変なことになってしまいます。

私も5年ほど前に、オーディオを新調しようと思って、情報収集をしました。スピーカはPIEGAというメーカの音が綺麗で澄んでいるなあ、という印象を持ちましたが、左右セットで50万円はなかなか出せないですね。

せっかくスピーカを買っても、マンション住まいなので十分な音を出すことは出来ませんし、しかも自宅にいるのは夜~朝だけと来ているので、音にはますます気を遣わなければなりません。結局オーディオを新調しても聴く時間が限られてしまうなあ、ということで断念したのでした。

結局、音楽を聴くのはヘッドフォンとiPodの組み合わせが多くなりました。

通勤時間や、夜、朝に聴くとなると、結局はヘッドフォンをかぶらざるを得ないのです。

それに、通勤時間に聴くとなると、騒音の中で聴くことになりますので、自ずと音量が上げてしまいます。そうすると音漏れが気になる。しかも、ダイナミックレンジの大きなオーケストラの音は、ピアノの部分は聞こえず、フォルテの部分は音漏れするという状態に陥ってしまいます。そういうわけで、数年前まではダイナミックレンジの比較的小さな室内楽ばかり聴いていたことがありましたね。

ですが、2年ほど前にヘッドフォンをBOSE社のクワイエットコンフォート2に変えてから状況が変わりました。周知の通り、この製品はノイズキャンセリングを導入しているので、通勤時間の騒音をある程度カットしてくれますので、ダイナミックレンジの広いオーケストラ(オペラ)曲のピアノの部分もちゃんと聞こえてくれる。ですので、音量を下げても大丈夫なので、フォルテの部分の音漏れも防ぐことが出来ます。少し高い製品で、値引きなどもほとんど行われない商品ですが、秀逸なヘッドフォンだと思います。あえて難を言えば、低音域が強調されすぎているのではないか、というところでしょうか。でもそれも最初のうち、気になっただけで、だんだんとなれてきたので、最近では全く気になりません。

そういうわけで、知らず知らずのうちに、通勤時間にもオーケストラ(オペラ含む)を聴くことが出来るようになりました。

再生機について言えば、4年ほど前まではソニーのCDウォークマンでしたが、持ち歩くCDが多すぎて荷物が増えてしまっていました。そこで、当時から流行りだしていたiPodを導入したのでした。iPodの音質についてはいろいろな意見があるようですが、私の場合、とにかくたくさんの楽曲を持ち歩きたい、という要件がありましたので、迷わず選択したわけです。気分によって、オペラを聴くか、オケを聴くか、あるいはジャズを聴くかというふうなフレキシビリティを重視したわけです。

高級オーディオにはかないませんが、私の生活スタイルにあった再生環境を持つことが出来て、本当に助かっています。昨日も今朝も、やっぱりこの再生環境で、ショルティ盤のヴァルキューレを聴いています。