Opera,Richard Wagner

 昨夜のバイロイトはシュナイダーさんの振るトリスタンとイゾルデでした。Bayern klassik 4で録音しましたが、ちと手違いはありましたがなんとかiPodに入れました。いまiTuneで聴いていますが、トリスタンとイゾルデがお互い媚薬を飲む瞬間のタメとか、その後の疾走感がたまりません。間違った道へ足を踏み入れてしまう二人が絡み合いながら歌うところ。すごいです。 イレーネ・テオリンさんは強力ですが、ちとビブラートが強い気も。昨年の新国ではトゥーランドットを歌いましたが、あの時の力強さは健在でした。クルヴェナールのユッカ・ラシライネンさんは今年の新国でヴォータンでした。

  • 指揮:ペーター・シュナイダー
  • トリスタン:ロバート・ディーン・スミス
  • イゾルデ:イレーネ・テオリン
  • マルケ王:ローベルト・ホル
  • クルヴェナール:ユッカ・ラシライネン

おそらく再放送があると思います。私も少し録音を失敗しましたので、再放送を狙っています。

今日は祖母の米寿祝で昼間からアルコールでした。おかげで体重がみるみる増えていて、かなりの危機感でして、早く痩せないと隊長に怒られ富士山に登れません。。

今夜のバイロイトは「マイスタージンガー」です。

Opera,Richard Wagner

 本日からバイロイトが開幕。こちらに放送予定がまとめられています。

今夜はペーター・シュナイダー指揮の「トリスタンとイゾルデ」です。ストリーム設定完了。楽しみです。日本時間では、およそ23時頃から放送開始となります。

  • 指揮:ペーター・シュナイダー
  • トリスタン:ロバート・ディーン・スミス
  • イゾルデ:イレーネ・テオリン
  • マルケ王:ローベルト・ホル
  • クルヴェナール:ユッカ・ラシライネン

8月9日にはウェブ中継もあるようです。こちら。14.90ユーロなり。日曜日の夜ですので仕事がある場合は徹夜というわけにも行きませんが、8月10日8月23日までオンデマンドでもみられるようです。

American Literature

 ハインライン「宇宙の戦士」読了。今更何で読んでいるの、みたいな感じ。これは高校生の時分に読むべき本でした。

未来の地球連邦軍の機動歩兵訓練基地に配属された主人公。鬼軍曹と過酷な訓練に耐えて成長していくというある種ビルデゥングスロマン的要素。訓練キャンプを卒業し実戦配属され、困難な任務をこなし、士官学校に入学し、戦い続ける成長の物語。

これって、「魔の山」的な世界観だし、一昨年に読んだ「ケイン号の叛乱」的な世界とも通じる感じ。あるいは、豊田穣氏の「江田島教育」的なものにも相通じる。なので、読んでいて懐かしさすら覚える感じ。

とはいえ、ここに美化されて描かれている 軍事教練がいいのか悪いのか良くわかりません(受けたことがないので)。まあ相当辛そうですが、耐えることに喜びを得るかも。ある種M的嗜好を持っている人は少なくないでしょうし、私にだってM的要素はあるかもしれない。 

 それで思ったのですが、「宇宙の戦士」を読むと、これは実践生活に役立つな、と。会社も軍隊も大して変わらないでしょう。生死をかけるという意味においても同じ。うちの会社、ホワイトカラーの会社なのですが、仕事で命を落とされた方だって何人かはおられるわけです。「ケイン号の叛乱」を読んだときにも同じような感想をこのブログに書いていて、苦笑です。

主人公に課せられる義務や求められる能力のほうが遙かに高くて、私なんて微塵にも及ばないのですが、それでも参考になります。新任士官は先任軍曹の助言を聞くべし、とか、士官がイライラするんじゃねえ!、みたいな。それで、ああ、自分は本当に指揮官むきじゃないなあ、と落ち込むことしばし、でありました。

後書きには、この作品のある種暴力肯定的な部分とか、ファシズム賛美的な部分がいろいろと論議されているというようなことが書かれておりました。wikiにもいろいろ書かれていて面白い。この本がガンダム誕生の遠因なんですねえ。書かれた時代はベトナム戦争に突入しようとする冷戦時代のアメリカですので、社会的意味も大きかったと思います。

ただ、いまこの本を読むと、私にはある種のパロディにも思えてしまうのですが。パロディに思えるのは、「宇宙の戦士」の影響下にあるガンダムなんかをすでに知っているからでしょうか。それから、アンチテーゼとして読めるんじゃないの、みたいな。私は、この本の最終章で、主人公が戦死するか、地球連邦軍が負けるかどちらかだと予想しながら読んだのです。もし、予想通りだったら、最後に0を掛けて、虚無とするという魂胆だろうなあ、と。wikiや後書きを読むとそうではないと言うことが分かるのですが。

 

Jazz

申し訳ありません。今週に入ってからほとんどシャカタクしか聴いておりませぬ。いまさらシャカタクだなんて。でも、この80年代サウンドがたまらないのであります。私も相当歳をとったたものです。

大分と聴いていてわかってきたのは、実はフロントよりもバッキングの安定度が音楽性を支えているということ。特にベースがいい。ジョージ・アンダーソンという方だと思うのですが、郷愁のチョッパーベースがたまらないです。

今年の正月にサークルの後輩に会ったのですが、彼曰く「いまやチョッパーベースなんてダサい」のだそうですが。したがって、もうほとんどナツメロ状態であります。

wikiには、「米国起源のジャズを源流としたアドリブ重視のフュージョンとは一線を画し、旋律や編曲を重視している」とありました。米国のフュージョンがすべてアドリブ重視とも思えませんが、まあ確かにアドリブで押す方は多いかも。ジョージ・ハワードとか、ナジー、カーク・ウェイラムなんかが思い出されます。一方で、リッピントンズとなんてはすばらしい楽曲作りをしています。どちらかというと、シャカタクはリッピントンズ的と思います。

とはいうものの、シャカタクにはリッピントンズにはない、ある種の疵のようなものがありまして、それが逆に開放的な気分にさせてくれます。養殖ものより天然物のブリがおいしいのと同じです。

European Literature

エリック・アンブラー「ディミトリオスの棺」読了。

戦間期(第一次大戦と第二次大戦の間です)のヨーロッパを舞台にした、スパイ小説的要素を持つミステリー。ディミトリオスという国際犯罪者の遺骸に対面した探偵小説作家ラティマーが、「好奇心」からディミトリオスの過去を探ろうとギリシア、ブルガリア、スイス、パリと旅をする。ディミトリオスの過去を知るもの、知らぬもの。思いがけない当事者と出会い、ディミトリオスの最大の謎に迫るラティマー。結末は如何や?

映画化もされているようですね。「仮面の男(1944)」がそれ。登場人物の名前は少し変わっているようです

。 第二次大戦前というまだ19世紀の芳香が漂っている時代の物語でしてモノクロ映画を見ている気分。プロット的には想像の範囲を超えなかったのですが、出版されたのが1939年ですので、当時は斬新だったと思います。ですので、作品の質が悪いということは全くなく、むしろその逆です。

それにしても、現代にプロットの面白さを追及するのは本当に骨の折れることですが、それを実現しておられる方もいらっしゃいますので、すごいことだと思います。

引き続きハインラインの「宇宙の戦士」を読んでいますが、これは若いうちに読んでおくべきでしたね。後悔。 最近「物語の面白さ」を追い求めている感じ。とある本に書いてある「読むべき本」というリストを元に渉猟していますが、手遅れ感もあるなあ。ネット・サーフィンやらなんやらの時間を減らして、あとどれだけストーリーの世界に浸れるか。これはある種生き方の選択の様相を帯びてきました。

Miscellaneous

会社の人事部から親展と書かれた封筒が送られてきまして、ドキドキしながら封筒を開けてみると、TOEICの受験票が入っていました。9月半ばに実施だそうです。あと二ヶ月弱。これからどれだけレベルを上げられるか。

元来頭が悪いので、英語は苦手でした。元を正せば、中学一年生の時の先生と仲が悪かったというところもあるのでしょうけれど、一年間の浪人生活で何とか人並みのレベルにまで上げたのですが、その後は特に磨くこともない時代が続きましたが、新婚旅行で北欧に行ったときに、英語の必要性を身をもって感じました。

オスロの港からフィヨルドの対岸にあるフラム号博物館とハイエルダールの博物館に行ったときのこと。渡し舟の中にポケット版の英和和英辞書を落としてしまったのでした。蒼くなって、桟橋に戻るも、船には誰も乗っていない。見回すと、船長がこちらに歩いてきます。もう7月というのに、白いウールのセーターを着込んだ口ひげのダンディな方で、根っからのキャプテンって言う感じでした。彼と片言英語で話しをして、どうやら忘れ物を桟橋の入り口の切符売り場に預けてきたというのです。Thank you! Thank you! といいながら握手して、今度は受付のおばさんと対決。僕が英語で必死に話すんですが、ぜんぜん理解してくれない。Dictionaryを忘れたのだ、Captain said it is here、見たいな感じで言うんだけれど、ぜんぜん納得してくださらないのです。そのうちおばさんは気がついたように、「ああ、Word bookね!」といって、僕の辞書を返してくれました。もちろんここでもThank you Thank you!と握手。ココで学んだこと。小さな辞書はDictionaryではなくWord Bookなのですね……。

そんな感じで、英語の勉強し始めましたが、ぜんぜん上達しません。もう若くないし、頭もよくないですし、サボってばかりだし、というところです。猛省。。

この前読んだ「タウ・ゼロ」という文庫本のあとがきには、「この本を試験前に読んではならない。人生どこで足を踏み外すかわからない」と書いてありましたが、そうなのですよねえ。私はいまのところ人生の落伍者ですのでそれが良くわかります。だから、大学入試の夢をたくさん見るのです。

Classical

若杉弘さんの訃報、残念でなりません。

私はまだオペラ初心者ですが、それでも若杉さんの指揮を何度か体験しました。 初めての体験は2004年に東京室内歌劇場がシュトラウスの「インテルメッツォ」でした。その後、2007年におなじくシュトラウスの「ダフネ」と、シュトラウスの珍しいオペラを聴くことができたのです。一番印象的なのは新国立劇場のピットに立たれた2007年の「蝶々夫人」と2008年「軍人たち」でした。特に「蝶々夫人」は、ジュゼッペ・ジャコミーニさんのすばらしさもあいまって、人生至福のときのひとつでした。「軍人たち」は、文句なしの快演でして、大いに感動しました。

その後、予定されていたピットに入られなくなってしまいまして、とても心配をしていました。

新国立劇場のオペラトークには、本来なら若杉さんが出演されるはずでしたが、お病気で登場できず、変わりに黒田恭一さんがお見えになってお話されていました。その黒田さんも亡くなってしまわれまして、本当に人が亡くなるということがこんなにもあっけなく決定的で悲しいものであるということを改めて認識しました。

次のシーズンでまた若杉さんの指揮を聴くことができるのを楽しみにしていたのですが、本当に残念でなりません。特に「影のない女」の指揮が予定されていただけに、残念です。ドレスデンの総監督を勤めておられたという経歴もあいまって、「影のない女」を楽しみにしていたのですが……。 心よりご冥福をお祈り申し上げます。

Jazz

ダメな一日っていうものもあります。ちと気力が足らない。スランプか夏バテか。このところ文章を書けなくなっていまして、これって、きっとこの数ヶ月サボっていたからだと思うので、少々凹み気味です。音楽も聴いていますけれど、なかなか文章化できないのですよ。

最近、大学受験の夢ばかり見ていて、これからまた受験勉強をして大学に入るのだ! がんばろう! みたいな夢ばかり。これって、大学受験に失敗したことが潜在的に現れているのでしょうかね。今朝見た夢では、ああ、数学もやり直さんと行かんなあ、という夢で、目が覚めたらこれでまた相当凹んでしまう。

こういう日は、陽気な音楽を聴いて気分を晴れやかに。今日の関東は曇り空ですが、この曲は蒼い空のもと、どこまでも続く白い砂浜を歩いていて、海の色を見るとエメラルドグリーンに輝いていて、みたいなSituationを想像してしまいます。

シャカタクというバンドは、1980年にイギリスで結成されたバンド。The Best of Shakatakというオムニパスアルバムを聴いています。リンクのCDとはちょっと違うみたいです。今は市場には乗っていなさそう。

っつうか、思った以上に救われました。会社の昼休みにiPodで大音量で聴いていたら、なんだか一人でクラブにでも来た気分。午前中は結構仕事でも凹んでいたのですが、なんだか元気になってきました。

シャカタクのもっとも有名な曲はNight Birdsというインストの曲なのですが、私はこの曲を吹奏楽編曲版で始めて聴きまして、これがシャカタク初体験でございました。その後、大学ではジャズ研究会というサークルに入ったのですが、そこでシャカタクのカセットテープを借りて(K.S君、ありがとう)聴いていた次第。本当はこういう西海岸的ともいえるライトでドライな音楽もすきなのですよ。

Japanese Literature

松本清張「かげろう絵図」読了。父から借りていたものをようやく読み終えました。というより、たしか日曜日から読み始めたのですが、上下巻合わせて昨日までに終わってしまいました。しかも上巻を読み終わってから、ハインラインの「夏への扉」も間に挟んで読了しましたので、「かげろう絵図」上下巻+「夏への扉」の三冊をかなりの読書スピードで読み終えまして、久々に高速道路を飛ばすような読書体験でした。ページをめくる速度は松本清張マジックにより加速度的に速くなり、読みながら心臓が高鳴ったり、爽快感を覚えたり、と実にエキサイティングな読書経験でした。こういう経験、久しぶりです。しかし、やっぱり松本清張は巧すぎます。描写視点を微妙にダブらせてみたり、主人公に思いがけない言葉を吐かせたり、手厚い描写がもたらす充溢感、などなど仕掛けが随所に。すごかったです。おすすめ度100%。

Opera,Richard Wagner

 いよいよ、バイロイトですね。今年はネットラジオの録音ノウハウも得ましたので、エアチェックする気満々です。今年の演目と指揮者の面々はと言いますと。

  • トリスタンとイゾルデ:ペーター・シュナイダー
  • 指環:クリスティアン・ティーレマン
  • パルジファル:ダニエレ・ガッティ
  • マイスタージンガー:セバスティアン・ヴァイゲル

いやあ、25日はトリスタンで幕を開けるのですが、初っぱながシュナイダーさんとは。そして、イゾルデはイレーネ・テオリン。2008年の新国「トゥーランドット」で強きトゥーランドットを演じ、来季の新国リングでブリュンヒルデを歌うテオリンさんが、シュナイダーさんとイゾルデを競演とは! 垂涎。今年のバイロイトのトリスタンは絶対外せないです。