自分のために書かれた小説ではないか、と思う、ということ。


騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編



村上 春樹
新潮社 (2017-02-24)
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騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編



村上 春樹
新潮社 (2017-02-24)
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ようやく「騎士団長殺し」読み終わりました。第2部の後半は少しスピードアップして読んでしまいました。良いのか悪いのか。

たぶん話し始めると1時間も2時間もかかるネタなんだろうなあ。この感覚は、オペラを見たあとに、その演出をめぐる解釈をひたすら考える感覚と似ています。ですので、読み終わりながら思ったことは、本当にオペラ演出のように解釈多様性のある小説だったなあ、と思います。

個人的には、住んだことがあったり、行ったことのある土地がいくつも出てきて、描写に表れる対潜哨戒機も何度も満たし、小田原近辺で正午になるチャイムも聞いたことがあったりと、イメージが目に浮かびました。こういう読み手の共感を呼ぶポイントが多くあるのが人気のひみつなんだろうなあ、とも思いました。つまり、みんなが自分のために書かれた小説ではないか、と思うということ。それが、小説の価値なんだろうな、と思います。

今日はこちら。気だるい夜。


Kind of Blue


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Miles Davis Jimmy Cobb John Coltrane Paul Chambers Wynton Kelly Cannonball Adderley Bill Evans
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それではみなさま、おやすみなさい。

穴の底に潜り込んで、静かに思いを巡らす感じ

いや、しかし、全く、いろいろなことがあるもので、なんだか「騎士団長殺し」の世界にいるような感じです。長い髭をたくわえたバス運転手を見たその日の夜に、長い髭をたくわえた老人が家の近所を歩いているのを見たり、とか。今となっては、記憶が曖昧になっているので、二人は同一人物ではなかったか、などと思ったりします。そうしたたくさんの不思議な兆しが、何か関係あるのでは、というふうに思ったりしてしまうような。全ては、自分自身の世界の見方の問題であることはわかっていますが、そこに不思議さを見出す、あるいは不思議さを作り出すということ自体が、不思議でもあります。掘り下げれば掘り下げるほど、何かがでてきてしまうかのような。

まあ、本の読みすぎかも。でも、まあ仕事場への通勤時間は何かハリのある時間になっている気はします。

で、夜はこちら。何か、気だるいジャズを聴きたくなって聞いています。あれ、昔はバップが苦手だったはずなのに、みたいな。


Dig


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Miles Davis
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夜の静寂の中に、マイルスとロリンズ、ですか。気だるくて、力を抜いている感じ。本来的には、緊張感のあるパフォーマンスであるというのに。言えることは、暗い夜の静寂に本当にフィットしているということ。何か、穴の底に潜り込んで、静かに思いを巡らす、そういう感じです。

まだまだウィークデーは続きます。今日はそろそろ眠らないと。みなさまもお気をつけて。おやすみなさい。グーテナハトです。

平坦な毎日の中にエーリッヒ・クライバーの《ばらの騎士》を。

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それにしても、いろいろなことが起きるこの頃。まあ、平坦な世の中なので、何が起きても何も変わらないものです。先日も書いたように、大切なのは、その中で現れる燦きのような個人的な感動だけだと思います。そういう感情的なものが確実なもので、大事にしなければいけません。こればかりは、他者によって規定されるものでなさそうです。何か内向きなら考え方にも思えますが、外界との闘いのなかで得た方法論的な処世術なようにも思います。
今日はこちら。エーリッヒ・クライバーの《ばらの騎士》。


R. Strauss: Der Rosenkavalier


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Vienna Philharmonic Orchestra
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「騎士団長殺し」では、第2部でも《ばらの騎士》が登場します。この盤はざっと聴いた印象だと、洒脱と豪華の中にもスタイリッシュな背骨がくっきりと浮き上がるような芯のある演奏です。

それにしても「騎士団長殺し」の世界のように、けだるい午後に、安い白ワインを飲みながら、《ばらの騎士》を聞くというのは贅沢な楽しみだなあ、と思います。いつかそんな日が来る予感がしますが、そればかりだときっとつまらないのかもなあ、と思ったりもします。結局仕事が好きみたいです。

今日も仕事場で数字合わせを丸一日やりました。明日からもまた数字あわせ。加えて、年度末に向けたたくさんの仕事をこなす予定。書類仕事もあれば、そうでない仕事も。

花粉もひどくなってきたようです。皆様もどうかお気をつけて季節、仕事、学業の変わり目をお過ごしください。グーテナハトです。

読み方のくせ

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先日から書き続けている「騎士団長殺し」ですが、昨日の夜に第1部を読み終えました。はっきり言って遅いです。先週金曜日の歌に読み終えたかたもいると思います。なぜこんなな遅いのかを考えてみました。先日も書いたように、短篇を読むときにもそうなのですが、なにか奔流のように流れ込んでくる作品世界をじっくりと咀嚼したいということなんだと思います。あまり、早くどんどんと結論を出すタイプでもないのかも。寝かせると、いいものがたくさん出てくるということなんだと思います。それは、まるで、何か投資のようなもので、時間がたてばたつほど複利効果で価値がます、というものに似ています。
先日、このような記事を書きました。

短編を読んだ記憶。

確かに、短編とは違う感覚はあります。長編の牽引力という斧はありますが、それにしても、やはり物語世界の意味の重みや圧のようなものは短編とは違う激しさがあります。ストーリが長いだけに、考えることも多くあります。時間をかけて考えているうちに、いろいろな発見を得ることもあります。

物語というののはスピードや効率では測れないものなのかも、と思いました。それ以外の実用本は速読が可能です。ですが、物語は、読み手の持つ決められたスピードを超えてはいけないのでは、などと思ったりしました。が故に、流し読みがやりにくいKindleは、むしろ物語(小説)に向いた媒体ではないか、と思ったりもしています。

さて、明日は仕事場の山。そして、土曜日も仕事場の山。それが火曜日ぐらいまで続きます。さらにその先も幾重にも連なる山が。でもいつものように登ることになるでしょう。

それではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。

リヒャルト・シュトラウスを味わう一枚。

村上春樹「騎士団長殺し」で、ショルティの《ばらの騎士》が取り上げられていました。

リヒアルト・シュトラウスがその絶頂期に到達した至福の世界です。初演当時には懐古趣味、退嬰的という批判も多くあったようですが、実際にはとても革新的で奔放な音楽になっています。ワグナーの影響を受けながらも、彼独自の不思議な音楽世界が繰り広げられます。いったんこの音楽を気にいると、癖になってしまうところがあります。

152ページ


騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編



村上 春樹
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おっしゃる通り、どうやら癖になってしまったようで、今日もシュトラウス。しかし、この退嬰的で懐古主義だが、奔放な音楽であることを1枚で味わえるアルバムを聞きました。


Strauss Heroines


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アメリカのソプラノ、ルネ・フレミングがシュトラウスを歌った一枚。これを聞けば、《ばらの騎士》のようなシュトラウスのオペラを味わうことができると思います。もちろん、シュトラウスは《ばらの騎士》のようなオペラだけではなく、若い頃はいくつもの長大な交響詩や交響曲を書きましたし、《サロメ》や《エレクトラ》といった当時の前衛オペラも書きました。あるいは、《インテルメッツォ》や《ナクソス島のアリアドネ》のような洒脱なオペラも。ですが、やはり《ばらの騎士》とか《カプリッチョ》のような豊かで甘い音楽がリヒャルト・シュトラウスの魅了を占める部分であることには間違いなく、このアルバムだけ聞けば、それの多くを理解できるのではないか、と思うのです。また、演奏も他の演奏に比べて、一層甘くて豊かで、指揮するエッシェンバッハも、オーケストラをかなり分厚くゆったりと官能的に鳴らしていて、それが何か少しやりすぎのような気もする場面もあるのですが、そうはいっても、これが西欧の甘美な豊かさなのだ、と説得されてしまうような感覚があるのです。

このアルバムを聴いて、仕事場への行き帰りを終始しました。なんだかいい気分でした。

明日は木曜日。気がつけば、木、金、土と、三連続で山が連なっています。なんとか乗り切らないと。

それではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。

騎士団長な日々


騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編



村上 春樹
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騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編



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引き続き騎士団長な日々。思った以上に面白く、また示唆に富んでいて、本当に面白いです。

村上春樹が多くの受容者を得るのは、村上作品にある間口の広さなのではないか、という気がしています。音楽、絵画、文学、ミステリー、大衆性、経済、歴史、古典といった様々な要素が盛り込まれていて、詠み手に何かしらの共感を得られるようになっている、ということなのかも、と思います。その間口の広さは、単に広いだけではなく、深いもののように思えるということもあるのだと思いました。やはり、村上春樹の古い詠み手にはなかなか叶わなさそう、と思います。

今日は、やはりこちらを聴き通しました。ショルティらしい推進力や爆発力がある《ばらの騎士》でした。


Der Rosenkavalier


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しかし、考えることたくさん。どうすればいいんだろうか、と。ただ進むだけですけれど。

というわけで、今日は短く、おやすみなさい。グーテナハトです。

「騎士団長殺し」におけるショルティ《ばらの騎士》


騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編



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騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編
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日本の大方の村上春樹ファンはすでに読み終わっているはずの「騎士団長殺し」。

私はなかなか読む時間が持てませんので、少しずつ読んでいる感じです。どうも、小説は読むのが遅くなりがちです。飛ばし読みができませんので。小説ではない新書などはざっと読んで、大事なこところを頭に入れる、という感じなのですが。

で、少しずつ物語は進みますが、《ばらの騎士》が出てきたのは面白かったです。ショルティ盤を聴く場面が出てきて、あのCDですか、と思う次第。


Der Rosenkavalier


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本文中では、カラヤンか、エーリッヒ・クライバー(単に、クライバーと書かないところが、オペラをよく知っておられることを物語っているのですが)が好みですが、聞いてみましょう、ということにっていました。カラヤンは、2枚あるうちのどっちかな、と思ってみたり。

ともかく、このショルティ盤の《ばらの騎士》を聞きながら、作品中で、登場人物たちが同じ音源を聴いているのを想像してみたりすると面白いです。聞きなおすと、ショルティ盤もなかなかいけている感じがします。村上春樹もこの盤を聞きながら書いていたのかも、と想像したり。

ちなみに、この作品に登場するオペラや日本画、いずれも2002年ごろから個人的に興味を持ち始めたテーマですし、以前少しばかり物語の舞台の小田原近辺にも縁があったりしましたので、なんだか読みながら、親近感を覚えながら読んでいます。誰しも、作品には親近感を覚えるものですので、それはそれで特別なものではないのかもしれませんけれど。何か複雑な気分です。こう言う文学もあるのだなあ、ととても親近感を覚えます。

ちなみに、「騎士団長」とは、《ドン・ジョヴァンニ》に出てくる騎士団長から来ていました。そう言った指摘はすでに題名発表の直後に鋭い方は予想されていたようです。確かに「騎士団長」という言葉には突拍子も無いのですが、個人的にはそんなに違和感を覚えることもなく、という感じでした。それもまた親近感なのかも、と。まあ、親近感などというと手練れな村上春樹ファンに怒られそうです。

今日はそろそろ眠らなければ。明日もまたいろいろありそうな1日な予感。

それではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。

つれづれ

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週末は週末で、様々なやるべきことをやりますので、営業日とはまた違う忙しさがあります。本を読む時間などはあまりありませんが、自然に親しんだり、身の回りを整えたり。

写真は夕暮れの近所の公園。水面に木々が反射してなんだか美しかったのです。これがもう少し大きい公園だと、ヨーロッパの落ち着いた街の公園という感じでいいのですけれど、それでもこういう公園が近くにあるのは嬉しくありがたい限りです。

明日からはおそらくは半年で最も忙しい二週間になる予定。数字を追い、人前で話をすることになる予感です。とはいえ、ついつい夜更かし。

みなさまもどうか良い一週間を。おやすみなさい。グーテナハトです。

 

 

騎士団長の件


騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編



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こちら、今日発売ということで、生まれて初めて本を予約するということをやって見ました。お昼に受け取り。帰りの電車で読み始めましたが、うーむ、なんだか面白いんだよなあ。まだ最初しか読んでいませんけれど。
物語の時間構成をうまく見せているので、ぐいっと引っ張り込まれるわけです。で、やはり絵画とか音楽とか、興味ある人にとっては、垂涎のネタがいくつも散りばめられていて、うなってしまうわけです。さすがだなあ、と思います。最近小説に置ける語りのパースペクティブに興味があるのですが、これは、回想しながら語るというもので、手前味噌で恐縮ですが辻邦生でいうと「風越峠にて」のような時間の扱いがあって、なるほどなあ、と思いながら読んでいます。
しかし、主人公がやっている、プッチーニの《トゥーランドット》と《ボエーム》をタンノイでひたすら聴く、とか、羨ましいな生活。
今日は取り急ぎ。おやすみなさい。グーテナハトです。

39光年先に地球に似た惑星が見つかった。

NASAの発表は、39光年離れた恒星トラピスト1に地球に似た惑星が見つかった、というものでした。



NASA、地球に似た7惑星発見 水存在の可能性  :日本経済新聞  【ワシントン=川合智之】米航空宇宙局(NASA)は地球によく似た太陽系外惑星7つを39光年先の宇宙で発見した。大きさは地球とほぼ同じで、一部には海が存在する可能性がある。生命に不可欠な水が液体の状態

趣旨としてはこのような感じ。

  • 水瓶座の方がく39光年離れたトラピスト1に7つの惑星を発見。

  • そのうち3つは、水が液体で存在できるハビタブルゾーンと呼ばれる位置にある。

  • トラピスト1は若い星で、太陽よりもまだ寿命がある。

  • 39光年は、近くではあるが、移動するためには技術革新が必要。

系外惑星はこれまでに3000個も発見されているそうです。私の勝手な解釈だと、太陽や地球の寿命が途絶えた後に人類が移住するべき候補が見つかった、ということになるのですが、まあ妄想ですね。あるいは、地球外生物の発見の衝撃を和らげるために、徐々に情報を出しているとか、何か陰謀論めいたものを想像してみたり。

そんな中で、こちらを読み始めました。相対性理論についての本を読むのは中学生の頃以来かも。最後の方に出てきた「宇宙誕生のシナリオ」のあたり、読んでいて、宇宙の有限性があまりに無慈悲で気分が悪くなるぐらいでした。克服しなければ。





それではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。