先日から話をしているバークレー出身の老ギタリストの話が興味深いので備忘録的に。
彼の言葉の断片を。
- 音楽は二つしかない。クラシックとジャズの二つだけだ。
- 世界は意識と無意識にわけられる。本当の世界は無意識の中にある。偉大な音楽家は無意識の世界に接続して音楽を紡ぎ出す。それがミューズがおりてきた瞬間。彼らは無限にインプロヴァイズし続けることができる。
- 無意識の世界との接続は普段の努力により技術を向上させることに加えて、無意識との接続のために、瞑想やドラッグを使う。
- 偉大な音楽家は全体直観で作品を想像する。モーツァルトがシンフォニーの細部に至るまですべてを頭の中に構築できたのはこのためだ。
- バッハとショパンはジャズだ。そして、ウェス・モンゴメリーはアフリカン・モーツァルトだ。
- おそらくは、無意識と接続が深いのはインド音楽で、ラヴィ・シャンカーのシタールがその代表だ。
- 偉大な音楽家は天性の才能を持つ。それは数多の前世のよって形作られたもの。一回の人生においては土台無理な話だから。
- 死とは。無意識への旅立ちであり、次の人生への旅立ちである。そこですべてが終わるわけではない。
彼は1970年代にバークレーに入ったのだそうだ。つまりは、ヒッピー世代に当たる。であるからこうした思想を語るのだろう。
おそらくはそこでときめく偉大なジャズメンと知り合ったのだろう。
才能の溝を説明するには輪廻転生で説明するしかない、ということなのだろうか。
私は、バッハがジャズ的であるということを、インテンポ、通奏低音と言った文脈で解釈しようとしたが、彼はもっと違う位相でそれを感じていたらしい。
そんなことをきいていたその翌日、、フィナンシャル・タイムズの過去記事でラヴィ・シャンカーの死亡記事を読んで、シンクロニシティにおののく。
こうしたことを直接の言葉で聞くことができて良かった。今週末も一時間ほど話す予定。どんな話に水を向けてみようか、と思案中。
素晴らしい経験だと思う。