Classical

今日の関東地方は熱暑でした。で、当然のように夕方には激しい雷雨がやって来ました。雨粒があまりに大きく、叩きつける様は、スネアドラム100台がロールしているような感じ(大袈裟)。
雨が上がる寸前に、太陽が差し込みましたので、これは! と思い窓の外を眺めると、やはり。虹が出ていました。それもしばらくするとダブルレインボーに。
Double Rainbow
先日から進めているエーリヒ・クライバーの「研究」ですが、ふと思い立って、親子対決のシリーズを始めます。《美しく青きドナウ》、《運命》などを予定。
まずは《美しく青きドナウ》をお父上のほうから。
エーリヒ・クライバーの《美しく青きドナウ》を。

このアルバム、1923年とありますから、エーリヒ・クライバーが32歳〜33歳の演奏。ベルリン国立歌劇場管弦楽団との演奏です。ベルリン国立歌劇場に着任したのが1923年の8月ですので、秋から冬にかけての録音でしょうか。
当時のベルリンは、大インフレ前夜あるいは、大インフレ開始のころでしょう。第一次世界大戦に敗れた直後です。そんな時代にあって、ワルツだなんて、というところなのでしょう。第一次大戦で古き欧州は崩れ去りました。ドイツは領土を削られ多額の賠償金を課せられました。そんな時代にあって、ウィーンの甘美な記憶は浮世離れしていたものだったはずです。
とにかく、録音の状態はよくありませんが、当時の状況を想像することはできます。
それにしても、ゆったりともたらせ、ポルタメントを使った演奏は、とにかく大きく優雅です。丁寧にゆっくり作りこまれた白磁器のようです。
このポルタメントは、最近の演奏では聴かれないものです。またテンポの落とし方もかなり拡大されています。また、パウゼもかなり長めに取られています。時代なんですね。
昨日取り上げた1954年録音の《ばらの騎士》第二幕最後のオックスのワルツと相通じるテンポ感ですこしつながりが見えた気がします。ただ、《ばらの騎士》のほうが時代が降っていますので、かなりさっぱりとした指揮になっています。
ちなみに以下の本「エーリヒ・クライバー 信念の指揮者、その生涯」、めちゃお勧めです。エーリヒ・クライバー研究には必携。というか日本語で読める唯一の書物かも。エーリヒ・クライバーの事績はもちろん、戦間期のベルリンがよくわかります。

明日からお仕事。
追記:禁酒2日目。まだ大丈夫。