ブラームスの弦楽四重奏曲第一番を聴く。
秋も深まっていますね。先日行った近所の神社。夕陽がまさに秋の色という感じです。
さて、今日は、いつも使っているヘッドフォンを家においてきてしまいました。
ですので、バックアップで持ち歩いているイヤホンで音楽を聞きました。イヤホンで音楽を聞くというのは、電車に乗っているとなると、聞ける音楽が限られてしまいます。ダイナミックレンジが大きいクラシックのなかでも特にオペラや交響曲などオケ系の音楽はほとんど聞くことができません。
そんな中で、聴くことができるのは、かろうじて、室内楽だとおもいます。
ダイナミックレンジが限られていて、しかも弦楽四重奏などだと音の数も限られますので、周りがうるさくても、音をなんとか聴けますので。
今日聴いたのはこちら。
Deutsche Grammophon (2007-05-08)
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ブラームスの弦楽四重奏曲は、かつてはアルバン・ベルク弦楽四重奏団の録音で親しみましたが、Apple Musicで別の音源ということでエマーソン弦楽四重奏団のものを。2007年の録音で、結成30年を記念した盤です。
端正で清浄感のある録音で、本当に好感が持てます。かつてブラームスの室内楽ばかりを聴いていた時代を思い出しました。
私は、この曲の冒頭部分の1分34秒から始まるフレーズ、この拡がりと抱擁感が本当に大好きです。
https://itun.es/jp/r5ran?i=218177109
この部分を聴くと本当に「ああ、ドイツロマン派だなあ」と思うのです。
ナイーブで、涙もろく、友愛を求め、傷つきながらも自己形成をし、そのうちに自壊していく、ヘッセ作品に出てくるような主人公の姿を思い出してしまいます。
もちろん、その後のドイツあるいは今のドイツにおいて、そうしたロマンティシズムにあふれたものはありません。激しい国際関係において敗戦国でありながらも巧みに泳ぎぬいて、欧州の盟主としての地位を築いているのですから。
ですが、以下の写真。余りにナイーブなこのDem lebendigen Geist 「生ける精神のために! 」とでも訳せるような碑銘を大学の正面に掲げているのを見ると、本当に胸に手を当てたくなります。なんだか、失ったものは大きいのか、などと。
ちなみに、この写真は、2001年にドイツへ行った時の写真です。一人旅でした。
まあ、これももう150年以上も前の話です。なんでもそうですが、夢はすぐに夢になります。
ただ、そうした夢が、楽譜となって現代まで息づいているようにも思えて、なにか胸が熱くなりました。理由もない本当に文学的な追想です。
またながくなりました。みなさま秋の夜長をぜひお楽しみください。おやすみなさい。
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