Richard Wagner

雨の降る休日、ペーター・シュナイダーが降るワーグナーを聞く。この瞬間、幸福。だが、人生は瞬間の連続。 #wagner

今朝方のNHK-FMで、フラグスタートの特集をやっていて、そこで流れていたワーグナーのヴェーゼンドンク歌曲集が心に染み入りました。そこで聴いたのが、リオバ・ブラウンが歌っている音源。指揮は私が何度も何度も(いい意味で)泣かされた、ペーター・シュナイダー氏。

今日の東京は冷たい雨が降りしきっていて、本当に深くこの楽曲が心の中にしみこんで来ました。まるで心臓を取り囲む毛細血管にまで冷たく楽曲が入りこんだ感じ。この憂愁感はたまらないです。ワーグナーがマティルデ・ヴェーゼンドンクと不倫関係にあったときの作品で、詩を書いたのはその当のマティルデ。楽曲自体も一部《トリスタンとイゾルデ》に転用されていて、あの濃密な終末観な楽劇を思い起こさせます。

特に、心に残るのがSchmerzenという楽曲。太陽の没する夕刻のもの悲しさ、あるいは太陽が昇る朝への期待。なにか日夜の繰り返しのように、希望と絶望の間を振り子のように揺れる心うちが、あまりに深刻でダイナミックなオーケストレーションで示されているように想います。

冷たい雨は今もなお降りしきっていますが、なにか静かに机に向かいながら、この曲を聴ける瞬間が幸福に思います。人生は瞬間の連続で、こういう幸福感を感じる瞬間を愛おしむことが生きると言うことなのだろうと考えています。

明日も東京地方は雨。名古屋や大阪も雨ですね。憂愁な3月という感じでしょうか。

それではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。