繚乱のソメイヨシノ

帰宅時に通りがかったところの見事なソメイヨシノ。毎年楽しみにしていますが今年も無事に満開を眺めることができました。繚乱と言う言葉がまさにぴったりな風情で、しばらく立ち止まって見遣ってしまいました。

このところ、睡眠が足らず困っていて、なにか土管のような、濡れて匂いのする真っ暗なトンネルを這いながら進んでいるような感じで日々追われていることもあり、桜のことなんて忘れていたのですが、たまたま通りかがって眺めてみると、ありがたくも地球は公転していて、今年も春が来てくれたのだなあ、と思います。

もっとも、この艶やかな桜も、いつかはなくなるわけで、ソメイヨシノの寿命からすると、あとどれぐらいだろう、などと考えてしまいます。美しいものも、いつかはなくなるもの。大峡谷の美も、絵画の美も、オーケストラの美も、いつかは途絶えることがあるわけです。それは物理的にも、あるいは私たちの死によっても。なにか、そう考えると、今ここの美しさがいかに儚いものか、と言うことを感じます。私は、日本の古典に関するリテラシはあまりありませんが、これが「あはれ」というものなのでしょうか。

そんなことを考えながら、家へ向ったのでした。

さしあたり、今日も眠らないと。

みなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。