いまさらの「三体」

先日、外国人を含めた何人かの理系の方々と食事をしたのですが、「『三体』が面白い。あれは映画よりまずは本を読むのが良い」という話になりました。それも4人中4人がそういうのでした。
半年前にも、「三体」を勧められて、まずは映画から、と思いましたが、冒頭の30分ほど見て、さすがに、深夜23時半に帰宅して、食事をとりながら観るのは重いな、と思い、なかなか手が伸びていなかったのです。
ただ、この夏、いつかは読むだろう、と思い、Kindleの安売りセールで何冊か買っていました。
持論ですが、Kindleは、おそらく小説には合います。最初から順番に読まなければならないので。実用書だとパラパラめくって、どこに何が書いてあるのかを把握したりするので、Kindleは少しやりにくいのですが。
それで、この週末から、いまさらながら「三体」に取り掛かったのですが、日本語訳も素晴らしいこともあるのでしょうが、やはり面白いですね。文化大革命の描写は、身震いするものですし、辺境の強制労働のシーンなども、なにか、大河小説の奥行きを感じるものでした。
それにしても、こうした暗鬱な時代を書くことは、本当に身を切るようなことなんだろうな、と思います。何を目的に人は小説を書くのか、ということをたまに考えますが、それは本当に人それぞれだろうな、と思います。そういう意味で言うと、辻邦生が戦争を描写しなかった、というのは、小説を書く目的と関係するのではないか、と思うことがあります。
といことで、冒頭をいくばくか読むだけで、なにか構成美のようなものも感じますので、時間をとって読めると良いな、と思います。こういった本は実用書とは違う密度を持ちます。このところ小説を読めなくなっていた感じもあるので、ありがたい機会だな、と思います。
それでは、おやすみなさい。グーテナハトです。

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