今日はシュトラウスの曲を2曲。午前中に聞いたのがアルプス交響曲。午後はツァラトゥストラはかく語りき。両曲ともニーチェに絡んだ曲になります。
https://www.chibaphil.jp/archive/program-document/alpensinfonie-commentary
小さい頃に、このアルプス交響曲のことを知って、なんでシュトラウスのような作曲家が、こんなアルプスの登山の風景なんて書くんだろう、と不思議に思ったことがあります。オペラを何曲も書いた後に、こんな描写的な音楽だけを書くなんて、なんだか変だなぁと。
その後20年ほど前でしょうか、アルプス交響曲を聞きに行った時に、その楽曲の解説を読んで、これは実はニーチェの思想が盛り込まれた楽曲であるのだと言うことを知り、あぁさすがにアルプスの山登りの話だけを書いているわけじゃないんだなぁと安心した記憶があります。
19世紀から20世紀書等は、ニーチェが影響力を持っていたわけで、これまでの文化や社会を改革しようと言う新しい知識を持った人間たちにとっては、ニーチェに影響された事は想像に硬くなく、シュトラウスもまたその1人であったと言うことが言えましょう。
10年ほど前に、私が勝手に思ったこととしては、19世紀に崩れたものは、聖書であり、ユークリッド幾何学であり、人間の理性であったということなのではないかと思ったことがあります。聖書はニーチェによって破られ、人間の理性は古い人によって破られ、ユークリッド幾何学は、相対性理論によって破られたということなのでしょうか。
18世紀からの啓蒙の時代が、19世紀において、その極地にいたり、宗教、物理、人間の前提を抜本的に崩してしまった。そういう時代が19世紀末だったのではないかと思います。その後、科学の時代となり、多くの戦争が起こり、20世紀冷戦の時代やと続きます。
おそらくは、ニーチェを語ることが最先端だった時代なのでしょう。そしてそれは、貴族制度といった既存の秩序を破壊せしめるに至ります。ヨハン・シュトラウスの「こうもり」と言うオペラがありますが、あのオペラも貴族制度の崩壊を余剰させる革命的な思想が描かれているオペラだったりすると思います。
まぁ、ともかく、アルプス交響曲がニーチェを敷衍していると言うのであれば、シュトラウスファンとしては本当にうれしい限りです。
今日は冬至ですかね。やっと大好きな夏へ向かって地球が回っていく季節になりました。うれしい限りです。公転、万歳!
それでは。
