Classical

Plum tree.

東京地方には春が来ましたね。コートがいらない1日でした。近所の梅もこのように満開です。

今日はこの一枚。

最近、「美しく青きドナウ」が私的テーマになっていまして、そんなこともあり今日はこちらを。

ニュー・イヤー・コンサート2000 ミレニアム
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ムーティーの指揮は高貴で絢爛です。貴族を超えて王族の雄々しさと優雅さ。確かにウィーン的洒脱さというより、太陽の光に照らされた音楽です。

まあ、ムーティーという名前から来る先入観からなのかもしれませんけれど、まあそうなのだと思います。

どんな指揮者を聞いても思いますが、微細なコントロールの難しさというのはすごいものです。統御されたそれは、曲中で一貫したものであり、一秒未満の単位の絶妙さですから。

この録音でもそうした微細なコントロールが、(先日も使った比喩ですが)名画の微細なタッチにも似た繊細さなのでした。

私は最近はあまり絵画は見ませんが、十数年前に随分見に行ったことがあります。名画とそうでない絵を分けるものは、全体の構図といったものよりもむしろ研ぎ澄まされた繊細な注意力が隅々まで行き届いていることではないか、と思うのです。それは特に19世紀以前の絵画において当てはまります。

神は細部に宿る、という言葉がありますが、私は勝手にこのような考えに当てはめてます。

(つうか、普通の企業の仕事で「神は細部に宿る」でやると、破綻します。でも、新人にはあえて最初にそう教えますが)

そういう意味でも、ムーティーの指揮は破綻なく完璧で、国王の音楽だと思います。

でも、もう15年前ですか。早いものです。

今日はこの辺りで。みなさまおやすみなさい。グーテナハトです。

2014/2015シーズン,Giacomo Puccini,NNTT:新国立劇場,Opera

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はじめに

幕がひけた後の新宿です。もうちょっと引くと面白かったのですが、iPhoneの単焦点レンズですと、こんなかんじにしかなりません。まあ、限定されたものの面白みというものがあるのだと思います。

マノン・レスコー、引き続き

歌手勢では、マノンを歌ったスヴェトラ・ヴァッシレヴァがとりわけ印象的です。舞台がキリッとしまりました。

特に、二幕のマノンの悪魔っぷりがいい感じです。あそこは、マノン役の見せ場だと思いますが、本当に濃密で集中したパフォーマンスでした。時を忘れた感じです。

さすがにそれらしい演技です。でも本当の悪魔はそうではないのかも、とも。とにかく、男はアホですな、というのが結論か。経済学は女性のほうが得意なのでしょう。

ヴァッシレッバは低音域も豊かで、重みのあるソプラノです。プッチーニ役が得意とのことですが、ヴェルディの主役級はいけそうです。ヴィオレッタは当然ですが、この方のデズデーモナとか聴いてみたいです。なんか、《ばらの騎士》の元帥夫人とか《カプリッチョ》の伯爵夫人もいけるのでは、とか思ったり。あるいはジークリンデ、とか。本当に綺麗な方です。

第二幕の途中登場のダンサー。男性ダンサーが女性的バレエを踊るという、フランスの頽廃を皮肉ったもの。男性が白粉で顔を真っ白にしているというのもなにか示唆的です。中性化が革命につながる? そういうものなのでしょうか。

終わりに

今日、一緒に飲んだ高校時代の友人。幼稚園に通う娘さんがいるのですが、一言こうおっしゃっていました。

「女の子は女だよ!」

ありがとうございました。今日一番の名言をいただきました。

ではグーテナハトです。

Giacomo Puccini,NNTT:新国立劇場,Opera

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はじめに

今日の新国立劇場の水庭。静謐な水面です。

今日は《マノン・レスコー》。2011年3月にプレミエが予定されていましたが、震災のためゲネプロをやったところで中止となった、という事情のあるプロダクションです。

4年前のブログにもいくつか書いておりました。

https://museum.projectmnh.com/2011/03/14214016.php

https://museum.projectmnh.com/2011/03/20193219.php

日本人にとっては、このプロダクションはなにか感じるものとなります。当時のブログ記事には先行きの見えない不安や悲観が書いてありました。実際には、震災当時八千円だった日経平均は二万円目前まで上がっています。2020年のオリンピック開催も決まりました。しかし、福島第一は引き続き先に見えない修復作業をおこなっており、復興も道半ばです。

そうした中にあって、中止されたこのプロダクションが復活するということは、当時失ったものを一つ取り戻した形になる、ともいえるでしょう。

今日の演奏

それにしても、ピエール・ジョルジョ・モランディの指揮が素晴らしかったです。

この方、元はオーボエ奏者でいらっしゃいます。その後、ムーティのアシスタントになり、バーンスタインや小澤征爾に師事し、 1989年にローマ歌劇場の首席指揮者という経歴を作ったようです。

先日、シノポリの画期性とは? という記事を書きましたが、カラヤン後にあってテンポをうごかした、というところにあるのでは、と思いました。80年代にあの様な演奏はに「戻した」というのが画期的だったのでしょう。

今日ではめずらしくはありませんが、今日の指揮もやはりそうしたテンポを動かしてドラマを際立たせるものでした。特に二幕の最後の駆け上がるような加速とか、極端にテンポを落としてみせるところは、なかなか圧巻でした。

ドラマをきちんと成立させる指揮という意味で、完全な指揮でした。まずはそこがあって、その上で、です。今回はその上もできていましたから。間奏曲の弦の厚みとか、うねるグルーブとか、絶妙なダイナミズムなどは、緻密に行き届いた名画を見るようでした。

さしあたり

今日は一旦ここまで。明日に続きます。

それではおやすみなさい。グーテナハトです。

Miscellaneous

Photo

今日は仕事場の方々と屋形船でもんじゃとお好み焼きをいただきました。いつも仕事場から遠目に眺めているレインボーブリッジは、近くから見ると趣が異なりますね。

ただ、船のスタッフの方が「レインボーブリッジですよー!」と知らせてくれたんですけれど、「いや、見慣れてますんで」とも言えず、みたいな。

もんじゃの写真も撮りましたが、なにか写真でとっても美味しそうには見えないのが不思議ではあります。

もんじゃを1時間半食べて、満腹状態。普通の飲み会だと、料理が少なくてあれれ、と思うこともあるのですが、今回は満足です。

そうそう、今日は、仕事場で楽器を吹いている方と少し立ち話を。シュトラウスのオペラ《カプリッチョ》とか、ウルフ・シルマーの話とか。なかなかリアルでそういう話ができる方がいないので新鮮でした。

《月光の音楽》の譜面に三日月の形が現れている、という情報を教えてもらいました。知らなかったので少々冷や汗。で、電車の中で譜面を見てみたんですが、見つからず。。ネットでも情報がないです。どういうことなのか聞いておかないと。。

先週から、徹夜仕事が何度かあって、少し疲れ気味。立て直さないと。明後日は予定どおりであれば《マノン・レスコー》に行くことになりそうです。

では、グーテナハトです。

Giacomo Puccini

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なにか春の風情が日に日に色濃くなる東京地方の今日この頃です。なんだか、めまぐるしく動く年度末な感じ。つうか、水面に落ちる影が綺麗。

マノン・レスコーを鋭意予習中です。ナクソスミュージックライブラリーのおかげで、同曲異演の確認ができるようになっていいですね。

今日はこちらを。

プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」全曲
バルトレッティ(ブルーノ) アンブロジアン・オペラ合唱団 カバリエ(モンセラ) サルディネロ(ビセンテ) ドミンゴ(プラシド) ティアー(ロバート)
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私が聞いているシノポリ盤とおなじく、ドミンゴが参画していますが、音作りが違います。シノポリ盤はなにか交響曲を聴くような音の統一感がありますが、この盤は、伝統的なヴェリズモオペラのような劇的な感覚です。なにか古い感じがします。

つうか、間奏曲の最後のフレーズ、マーラーの復活にクリソツだ。。

先週、今週と徹夜仕事をする機会があって、生活リズムがイマイチ。いや、もう徹夜はできる人とできない人がいるし、徹夜すればするほど寿命が短くなるわけですから、とっとと寝たいんですけれどね。。早く人間になりたい。

ではおやすみなさい。グーテナハトです。

Miscellaneous

先日、イスラム国がイラクの遺跡や文化財を破壊している、というニュースがNHKで流れましたね。

朝日新聞でも報道されているようです。

「イスラム国」がまた文化財破壊か ニムルド遺跡に重機

日経でも同様の記事が。

「イスラム国」、イラクの世界遺産遺跡も破壊

あれを見て、タリバンがバーミヤンの大仏を破壊した事例とか、あるいは焚書坑儒、あるいはアレキサンドリアの図書館火災などを思い出しました。

こうした事例で、もろくも人間の文化遺産というものは破壊されていくわけですね。そのうちに、物品がないということから、歴史からも消えていくのでしょう。ギリシア哲学においてソクラテス以前の哲学者の言葉が断片しか残っておらず、引用からの孫引きである、という残念な出来事は、こうやって引き起こされるのでしょう。破壊された文化財も、きっと写真でしかその存在が語り伝えられず、その写真もいつまで記憶されることか。

歴史というものが如何に無力化ということを感じます。というか「歴史」は「不可能」なのでしょう。

ちなみに、イスラム国が破壊しているというニュースですが、その他の理由もあるということがネット上には上がっているようです。ニュースというものもなにか現実を伝えきれないということなのでしょう。かつてはネットなどありませんから、新聞やテレビが情報源でしたが、今ではそんな牧歌的なことも言えない時代なんですね。

今日はこちら。そろそろ予習をしないと。

Puccini: Manon Lescaut
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グーテナハトです。

Classical

Photo

本日いただいた和菓子。春の風情満載でありがたい限りです。

今日は午前、午後とプライベートな用事で、休日が終わってしまいました。先週の徹夜仕事の疲れも抜けず。

ですが、マゼールを楽しんだ週末でした。マゼール、こんなにフィットするとは思いませんでした。とにかく、驚きの連続、という感じ。クラシックにこんなにスリリングなものを感じたのは、チェリビダッケを聴いたとき以来です。もっと早くに聞いておけばよかった、と後悔。

Mahler:Symphonies 1-10
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では取り急ぎグーテナハトです。

Miscellaneous

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はじめに

最近、フーコーとかラカンなんかの関連書籍を仕事の行き帰りに嬉々として読んでいまして、なんだか昔と変わったなあ、と思うのです。というのも、昔からフランス的なものへの違和感のようなものを感じていた気がします。それは以下のような理由でした。

ビスマルク好きであったが故に、フランスは敵。

高校時代、世界史が大好きでした。特に感銘を受けたのが、イタリア統一とドイツ統一の経緯でした。カブールとビスマルクという類い稀な指導者が国家統一を成し遂げる、という「美談」に高校生という若さもあり感動したわけです。

両国とも、統一にあっての最大の敵はフランスだったわけですね。ナポレオン三世です。あの、ドイツ統一を、普仏戦争に勝利し挙句敵国の宮殿で皇帝戴冠をしてしまう、という強烈なストーリーに舞い上がってしまい、ああ、ドイツって素敵で、フランスは敵だ、と思ってしまったというわけです。

ホーンブロワーシリーズが好きであったが故に、フランスは敵。

高校時代に読んでいたのがいわゆる「ホーンブロワーシリーズ」というやつです。

ナポレオン戦争時代のイギリスの若き海軍士官が主人公の冒険物語で、ハヤカワ文庫10冊に渡るものでした。10年ほど前に実写ドラマ化もされました。
この物語も、ナポレオン率いるフランスが敵です。フランス海軍との華々しくない地道な戦いぶりに、戦争の厳しさを学んだものです。

ちなみに、作品中にクラウゼヴィッツが登場したと記憶しています。

辻邦生のこと

それで矛盾するのが辻邦生先生のこと。フランスに留学され、フランス文学で卒論を書いている辻先生が好きなのになぜ?という問題。

辻先生はトーマス・マンがお好きでしたので、そちらのつながりを重視することにしたのでしょう。

その結果

その結果、大学時代はフランス思想に背を向けて、カントなどのドイツ観念論をやらないとね、というふうになってしまったみたいです。

当時、フランス思想が大流行でした。フランス映画なども。幾つになっても天邪鬼で反骨な私は、どうもそうした方向に流れたくないなあ、と思ってまして、それでますます遠ざかったんでしょう。

大学を出て数年経って、パリに行きました。その頃は、辻邦生も随分読んでいましたし、プルーストも読み始めていました。ルーヴルやらオルセーは凄まじく、筆舌に尽くしがたいものでした。

その頃から徐々に何かが変わったような気がします。プーランク、フランク、フォーレが好きになったのもこのころでしたし。

で、フランス現代思想までたどり着くのには相当時間がかかりました。まだ原典を読んでいませんが(というか、フーコーの「知の考古学」をKindleで読み始めたのですが全然進まない。。)もっと本を読んで、もっと頭を柔らかくしなければ。

ドイツとフランスの敵対関係も何百年経って昨今ようやく成し遂げられたわけですから、時間はかかります。

ちなみに冒頭の写真はその2002年のパリで撮った写真。これはルーブルなはず。 まだデジカメが出た頃で、写真もきちんと撮れなかった時代です。また是非行きたいものですが、いつのことになるやら。。

終わりに

今日聴いているのはこちら。私にオルガンの素晴らしさを教えてくれたマリー・クレール・アラン女史によるフランスのオルガン曲集から、今日はフランクを。フランスのオルガンの伝統もまた素晴らしいもの。

L'orgue Francais
L’orgue Francais

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Marie-Claire Alain
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東京地方の今日はぐずついた天気でした。あすはもう少し良くなるはずでしたが、また雨みたいですね。雨が降っただけ暖かくなるのがこの季節ですので、雨もありがたいものです。

ではみなさま、おやすみなさい。グーテナハトです。

Miscellaneous

最近、Kindleでの読書が非常に心地よく、手放せないです。

KindleといってもiPhoneですけれど。

ともかく、これはかつてiPodに感じた爽快感に似ているものがあります。かつては、CDをホルダーに入れて持ち歩いて、CDウォークマンで聴く、ということをしていたわけですが(15年前のこと)、今はiPodにあらかじめ入れておけば、CDアルバムにして何百という音源を持ち歩くことができます。

今のところ、新書や辻邦生本などを何冊か入れていますが、電車や歩きながらKindleで読むのはなかなか爽快です。

それで今日読んでいるのがこちら。あー本当にフランス現代って面白いです。もっと若い頃に読んでいればよかったと思いますが、今読んでいるからいいんですね。

ラカンの精神分析 (講談社現代新書)
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この中に出てくるブルトンの「ナジャ」が興味深いです。私、未読なんですが、精神的に飛んでいる女性ナジャの話です。おそらく時代は20世紀なんですが、ナジャは自分がマリー・アントワネットの侍女だったと思い込んでいるわけです。もう100年以上前の出来事なのに。

この話って、ワーグナーの《パルジファル》の登場人物であるクンドリの件ととても似ています。クンドリは、自分がイエス・キリストの磔刑に立ち会っていると思い込んでいるのですから。すごくそっくりだと思いました。

これは、前世の記憶なのか、それとも本当にそれだけの時間を生きているのか。

それが幻想なのか本当なのかはわかりません。ですが、おそらく、そんなことはどうでもよく、感じている人間が主観的にそれが真実であれば、それはそれで良いのではないかとも思います。

なんてことを考えながら、電車の中でKindleを読んでました。

というわけで今日も取り急ぎです。おやすみなさい。