春来る──ムーティのニューイヤーコンサート2000を聴く
東京地方には春が来ましたね。コートがいらない1日でした。近所の梅もこのように満開です。
今日はこの一枚。
最近、「美しく青きドナウ」が私的テーマになっていまして、そんなこともあり今日はこちらを。
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ムーティーの指揮は高貴で絢爛です。貴族を超えて王族の雄々しさと優雅さ。確かにウィーン的洒脱さというより、太陽の光に照らされた音楽です。
まあ、ムーティーという名前から来る先入観からなのかもしれませんけれど、まあそうなのだと思います。
どんな指揮者を聞いても思いますが、微細なコントロールの難しさというのはすごいものです。統御されたそれは、曲中で一貫したものであり、一秒未満の単位の絶妙さですから。
この録音でもそうした微細なコントロールが、(先日も使った比喩ですが)名画の微細なタッチにも似た繊細さなのでした。
私は最近はあまり絵画は見ませんが、十数年前に随分見に行ったことがあります。名画とそうでない絵を分けるものは、全体の構図といったものよりもむしろ研ぎ澄まされた繊細な注意力が隅々まで行き届いていることではないか、と思うのです。それは特に19世紀以前の絵画において当てはまります。
神は細部に宿る、という言葉がありますが、私は勝手にこのような考えに当てはめてます。
(つうか、普通の企業の仕事で「神は細部に宿る」でやると、破綻します。でも、新人にはあえて最初にそう教えますが)
そういう意味でも、ムーティーの指揮は破綻なく完璧で、国王の音楽だと思います。
でも、もう15年前ですか。早いものです。
今日はこの辺りで。みなさまおやすみなさい。グーテナハトです。
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