Classical,Giuseppe Verdi,Opera

忙しくて疲れていると、ついつい音楽を流して聴いてしまう感じがします。それから、聴く音楽も少々ビートのきついジャズなどに傾き始める感じも。とはいえ、徐々に落ち着いてきましたので、今週に入ってから少しずつアクティブにクラシックを聴けるようになってきました。

11月3日は新国立劇場でヴェルディの「リゴレット」を聴きます。数ヶ月前にパヴァロッティがマントヴァ公爵を歌う盤を聞いていたく感動しまして、はじめてヴェルディに入っていけた! という感動を覚えました。その後カラヤン盤の「アイーダ」を聞き込んで、さらに「アイーダ」の世界にも入っていけまして、ヴェルディへの苦手意識が徐々に解けていったのがうれしかったのでした。 それで、いよいよリゴレットまで日が迫ってきたということで、(昨日まで聞いていた「神々の黄昏」を途中でやめて)リゴレットを再び聴いています。

キャストですが、リゴレットがシェリル・ミルンスさん、マントヴァ公爵がルチアーノ・パヴァロッティ氏、ジルダがジョーン・サザーランドさん。指揮はリチャード・ボニング氏。

やはりパヴァロッティはすごいです。張りがあって劇的な迫力に満ち溢れた声に心が動かされないわけはありません。会社の昼休みに聴いていたのですが、しばしわれを忘れて感動しておりました。

ミルンスさんのリゴレットの性格表現が激しく的確ですばらしいです。ボニングさんの指揮もいいですよ。劇的なヴェルディ世界をたっぷりと堪能させてくれます。

本当は、家にあるDVDを見ようと思っていたのですが、土曜日に見る時間をとることができるかどうか……。今週末は幸い連休なのですが、いろいろあって少々忙しいのです。なんとか見る時間を見つけることにいたしましょう。

Classical,Composer,Opera

 ヘルマン・ゲッツ(Hermann Götz)という作曲家がいらっしゃいます。1840年にケーニヒスベルクに生まれ(カントと同じ!)、1876年にチューリッヒでお亡くなりになりました。ブラームス(1833-1897)と同年代の作曲家といえましょう。思うに、日本ではあまり有名ではないのでしょうか? 私がゲッツを知ったのは10年ほど前にベルリンフィルのコンサートマスターの安永徹さんや、ベルリンフィルのビオラ奏者のヴォルフラム・クリスト氏などが、来日されて室内楽のコンサートをもたれていたのですが、あまりに演奏がすばらしくて、東京、神奈川のコンサートをはしごしたのを覚えています。そのときに演奏されたのがこのゲッツのピアノ五重奏曲でした。ブラームス的なメランコリーにあふれた美しい楽曲です。

cpoレーベルでゲーベルトリオが録音した盤を聴いていますが、堅実な質感のいい演奏です。

そのゲッツのオペラ「じゃじゃ馬ならし」の日本初演が2009年1月17日、18日の両日、東京新国立劇場中劇場で行われます。東京オペラプロデュースのウェブサイトにて詳細をみることができるのですが、私は早速チケットをゲットしました。どんなオペラなのでしょう? 予習用CDも見つけました。楽しみです。

Goetz: Der Widerspenstigen Zähmung
Marcel Cordes, Hermann Goetz, Joseph Keilberth, Robert Heger, Bavarian State Opera Orchestra, Orchester des Bayerischen Rundfunks, Annelies Kupper, Paul Kuen, Waldemar Kmentt, Benno Kusche, Christel Goltz, Elisabeth Lindermeier, Gottlob Frick
Gala ( 2004-04-27 )

 

Classical,Composer

 なんだか音楽を聴く暇もないぐらい忙しい毎日でした。ブログの更新も滞りがちです。こんなに滞ったのは1年以上なかったような気がしますが、一応生きております。

音楽は聴くには聞いていたのですけれど、それを書くまで聞けたかというと少々疑問でしたので、書くのをはばかっていたという感じです。

ですが、ようやく感想が書けるCDを聴いております。ヴォーン・ウィリアムズの交響曲全集から、大好きな第3番と第5番をもう数回聴きました。両交響曲とも静謐な空気の中を漂うような感じで、会社帰りの疲れた頃に聴くと本当に慰められるような気持ちになります。ヴォーン・ウィリアムズの交響曲の中には、4番のように少々激しい曲想もありますね。小さい頃は7番の「南極交響曲」をプレヴィンの指揮で聴いていました。しかし、3番や5番のすばらしさに気づいたのはこのボールト指揮の全集を聴いてからですね。むしろ「南極交響曲」はあまり聴かなくなってしまいました。なにはともあれイギリス音楽もいいものです。

土曜日は人とお話をする機会が多いのですが、夕方の英会話はおもしろかったですよ。アメリカの方が相手をしてくださったのですが、 私が世界史好きなことが噂になっているようで、はなから最後までアメリカ史の話でした。ボストン茶会事件ってBoston Tea Partyというのですね。Partyには「会合」の意味もあれば「党派」の意味もあるのですね。世界史の丸暗記だけでは見えないものもあります。勉強になりました。

Alban Berg,Classical

先々週からベルクのヴァイオリン協奏曲しか聴いていないです。ブーレーズ、ズーカーマン、ロンドン交響楽団のコンビで、CBSソニーから発売されたCDを図書館から借りてきたのですが、HMVとアマゾンで同じCDを探したのですが見つかりません。画像のCDは、おそらくは音源が同じだと思われるCDです。

もう何十回と聴いているので、違和感なく曲が入り込んできますが、やはり調性音楽ではないので、口ずさむことができるという具合にはなりません。ただ聴いているといろいろな発見があって、マーラー的な部分とか、ベルクの「抒情組曲」の旋律が聞こえてきたりと、実に刺激的です。

ズーカーマンのヴァイオリンはいいですね。瑞々しく張りのある音ですばらしい。系統的に聴いてみたくなる感じです。

ヴィリー・ライヒの著作「アルバン・ベルク 伝統と革新の嵐を生きた作曲家」を入手して読んでいるのですが、楽曲解説の部分は、楽理に通じていないとお手上げです。またもや壁が。この壁を乗り越えたいのですが、いつ超えられるか。

ライヒはベルクの弟子であったと言うことで、ベルクのエピソードがライヒの眼を通じて語られます。ですが、刊行が1963年ですので、まだベルクの婦人ヘレーネ存命中ということで、先日触れた、マリーとの情事やハンナ・フックス・ロベッティンについての記載はない模様。このあたりはシェルリースの著作「アルバン・ベルク」において宮川尚理氏が追記として記されています。

 

さて、現在のところ 近年まれに見る忙しさ。いつもなら、会社の昼休みにブログの構想を練るのですが、昼休みも仕事していました。さらに追い打ちを掛けるのが、切羽詰まってきた英語。今週は珍しくブログをなかなか書けず。いけませんね。

 

 

 

Alban Berg,Classical

先週の木曜日頃から執拗にベルクのヴァイオリン協奏曲を聞いています。もう何度聞いたことでしょう。30回はくだらないでしょうか。しかし、聞けば聞くほど、わかるところはわかるのですが、わからないところはわからない。ただ、この曲の叙情性や美しさといった面を感じるようになってきたのは確かです。

1935年2月(ベルク死の年)、アメリカのヴァイオリニストのルイス・クラスナーからヴァイオリン協奏曲の作曲依頼を受けることになります。そのころ「ルル」の作曲を行っていたベルクは、「ルル」だけは夏までに作曲を終わらせたかったのですが、ナチスによりドイツでの作品演奏が禁止されたこともあって、経済的に厳しい状況だったということで、依頼を引き受けてしまうのです。 なかなか作曲が進まなかったのですが、アルマ・マーラー=ヴェルフェルと建築家グロピウスの間に生まれたマノン・グロピウスが小児麻痺に罹患し闘病の末に亡くなってしまうという出来事がありました。ベルクはマノンのことをかわいがっていて、マノンへのレクイエムとして、ヴァイオリン協奏曲の作曲にあたることになったのです。

ここまではとても有名な話なのですが、この曲にはマノンに加えて二人の女性の姿が登場します。ベルクと女性とのかかわりが実に興味深いのです。

まずは、17歳の頃にベルク家で女中をしていたマリー・ショイフル(この方もやはりマリーだ!)との間にアルビーネという娘をもうけていますし、あるいは、アルマ・マーラー=ヴェルフェルの夫フランツ・ヴェルフェルの妹であるハンナ・フックス・ロベッティンと恋愛関係にもあったわけです。

このヴァイオリン協奏曲には、1)マノン・グロピウス、2)マリー・ショイフル、3)ハンナフックス・ロベッティンという三人の女性が登場するわけです。1)のマノンは言わずもがな。2)のマリーは、ケルンテン民謡において現出しています。マリーはケルンテン地方の出身でした。3)ハンナは、H音(ハンナ)とF音(フックス)において現出しています。いわば、ベルクの女性回顧録的な状態です。

Classical,J.S.Bach

修理に出かけていたiPodが無事に戻ってきました。今回は液晶が壊れましたので、プラスチック製の透明なハードカバーを発注中。届いたらレポしてみます。

ベルクのヴァイオリン協奏曲を研究中です。この協奏曲では大バッハのカンタータ第60番からの引用があると言うことで、くだんのカンタータのCDを物色中ショッキングなものを発見してしまいました。

HMVでiPodが売っているのです。それも中にバッハ全集が入っているというのです。しめて68800円。バッハの全集に120GBのiPod Classicがついているというわけですよ。これをCDで買うと、172枚40キロで97171円。CDで買うより安いのですか……。しかも、iPod付きで、iPodに入れる手間もなし。

マジですか……。

それだったら壊れたiPodを修理しないで、このバッハ全集を買いたかったかも。というか、ボーナスで買いたいかも。

一生かかっても聴ききれるかわからない大バッハの作品を文字通り手中に収める時代が来ようとは。

説明を読むと、どうやらDVD-ROMに12GB程度の楽曲データが入っていて、iPodにインストールするみたい。ということは、待っているとこのDVD-ROMだけ発売される、なんてことがあるかも? いや、あってほしい! あったら即買いです。

 

Classical

いつもなら早く起きれるはずの朝なのですが、この2,3日は起き上がれないのです。おかしい。何かがおかしい。季節が変わったからなのか? すこしお疲れなのか? 平日もせめて3時間ぐらいは自分の時間を持ちたいと思っていますので、最近は少々厳しい。こういうときはやらないことを決めて、ばっさりと切り捨てることで時間を作るのがいいとはわかっているのですが、なかなかそれも難しい。

ともかく、今朝のベルクの「七つの初期の歌」を聞くのですが、これは本当に素晴らしいですよ。オーケストレーションについてもシュトラウスの色が濃いです。

会社でTOEICがあるというので、勉強しているのですが、あれだけ受験のときに勉強した文法知識がばっさり抜け落ちているのに気づいてがっくり。文法の練習なんて、もう十何年やっていませんからね。ですが、思い出すとなんだか若返った気分になるのが不思議。昨日は助動詞+過去分詞の用法。今日は仮定法。懐かしすぎます。 高校のころから英語は得意とはいえませんでしたが、大学入試に向けて激しくとりくんで某大学に何とか滑り込みました、という記憶がよみがえってきます。あのころはともかく勉強をすることで自身を補強して行っていましたが、最近は貯金を使い果たしたというところです。 

さて、昨日の昼さがり、何気なくつけた衛星放送でマリア・カラスのドキュメンタリーに見入ってしまいました。カラスと大富豪オナシスの関係に軸がおかれていて、カラスの苦悩の日々がつづられていました。

どんなに素晴らしい芸術家であったとしても、一人の人間であるということは間違いないわけですが、人間である以上、誰かに認めてもらいたいという欲求を多かれ少なかれ持っている。カラスはもちろん歌手としては絶大な人気を誇っていたけれど、一人の女としても愛されたかった。だが、相手が悪かった。カラスが国籍を変えてまで結婚したかった当のオナシスは、ケネディ未亡人のジャクリーンと結局再婚しますからね。

オナシスを心底愛していたカラスでしたが、その思いのすべてがオナシスに伝わっていたというわけではなかった。オナシスもオナシスで、ジャクリーンの腹の底を見て、カラスに再び惹かれていくのだけれど、先にオナシスは死へと旅立つ。すれ違いだったわけですね。

カラスは葬儀に出ることすら許されなかった。あとは孤独のうちに死を待つだけになってしまった。 人生はボタンの掛け違いの連続ですが、マリア・カラスの人生ほど劇的で哀切に満ちたものはないです。

冒頭のCDを早速と聴いてみたのですが、巧すぎますね。特に高音域のコントロールは驚異的です。ピッチコントロールはすばらしいのですが、少々ピッチが低く感じるところがあるのは気のせいでしょうか。

カラスが歌うトゥーランドット姫はすばらしいのですが、先日の新国立劇場でのオペラトークでは、ドイツ系の歌手が歌うことの多いというトゥーランドット姫の役柄を歌いこなしているということは、ワーグナーを歌うと凄いのでは、と思いましたが、現に、冒頭のCDでは愛の死の場面のイゾルデを歌うカラスを聴くことができます。誇りと威厳に満ちたイゾルデです。こちらもすばらしい。

Alban Berg,Classical

今日もベルク。飽きもせず本当に楽しいし刺激的です。どこまで分かっているのか分かりませんが。

ともかく、今日はアシュケナージがベルリン・ドイツ交響楽団を振ったベルク曲集。このCDの白眉は、あの「初期の七つの歌」をオーケストラ伴奏版で聴けると言うこと。「七つの初期の歌」は、オッターさんの以下のアルバムで聴いてはおりました。ピアノ伴奏版ですが。

Berg/Korngold/R. Strauss: Lieder
Alban Berg, Erich Wolfgang Korngold, Richard Strauss, Anne Sofie von Otter, Bengt Forsberg
Deutsche Grammophon ( 1994-03-21 )

 

それはそれですばらしいのですが、オケ版だとどうなるのだろう、と思って聴いているわけです。

 
ところが、これがすばらしい! 
 
シュトラウスの「四つの最後の歌」的な流麗で甘美な音のうねりです。
 
「七つの初期の歌」はベルクが二十歳の頃に書いた作品で、それだけでもすごいのですが、1928年(四十三歳)の時にオーケストレーションが施されて初演されています。ちなみに、オケ版の出版は死後20年がたった1955年です。そういう意味では、シュトラウスの「四つの最後の歌」(1948年作曲)よりも20年も前にこのオケ版が成立していたことになります。ベルクが進んでいるととらえるか、シュトラウスが保守的だととらえるか。たぶん後者なのだと思うのですが、あとから味わうものにとって、それが何年もののワインであろうとも、旨ければいいわけですので、前後関係を過度に評価しても意味がないのではないでしょうか。
 
ただ、ピアノ伴奏版においてもシュトラウスの影響を受けていることは確かなようです。私はシュトラウスの歌曲系についてはまだ抑えられていないのですが(また課題が見つかりました! うれしいものですね)、ベルクの歌曲とシュトラウスの歌曲の聴き比べなどをしてみるのも面白いかもしれません。
 
ともかく、オケ版の「初期の七つの歌」はすばらしい。しばらくは私の癒しの音楽になることは間違いないでしょう。
 
 

Alban Berg,Classical

昨日書いた記事、公開してませんでした。せっかく書いたのに……。

仕事はかなりマズイ状態。明日も朝からシビアなミーティング。来月に稼働を控えたプロジェクトだというのに、メンバーの引き上げが発生。しかも、キーパーソンだったりするので痛いのですが。これはちょっと頭使って凌いでいかないとまずいなあ、という予感。まあ、うまくいくのでしょうけれど。

さて、先日タワレコで入手したシノポリがシュターツカペレ・ドレスデンを振ったベルクのCD。「抒情組曲からの三章」と、「ヴォツェク断章」、そして「ルル組曲」のカップリング。シノポリがどんなベルクを聴かせてくれるか、楽しみでしたが、私の大好きなアバド盤と比べると、意外にも遅いテンポでじっくりと料理しております。遅いテンポでの演奏は、複雑な曲になればなるほど、楽曲を拡大して見ることができるわけで、シノポリの演奏はまさにそれにあたっています。アバド盤を聞き慣れている身にとっては、ここはもう少し早くしてほしいなあ、と思うところもあるのですが、それはもう少し聞き込むことで解決していくことでしょう。

不思議なのは、ルル組曲の三曲目「Lied der Lulu」の歌詞。Alesanndra Marcが歌っているのですが、ブーレーズ盤、アバド盤、シェーファーのDVD盤と少々歌の旋律が違うのです。版の違いがある訳ではないと思うのですが。これは継続調査。

録音場所ですが、ルカ教会ではなく、シュターツオーパ・ドレスデンです。残響音はあまりないですね。ルカ教会だともうひと味違う録音になったでしょうね。

しかし、ドレスデン、恋しいなあ。シュターツオーパ・ドレスデンの写真を載せますね。また行きたいなあ、ドレスデン。

送信者 DRESDEN REISE 2006

Classical,Opera

日曜日の夜(月曜日未明)にNHK-BS2で放映されている「クラシック・ロイヤルシート」。10月のラインナップは充実。

  • 10月6日は、アバド指揮のバッハのブランデンブルク協奏曲とマーラ交響曲第9番。
  • 10月13日は、ドビュッシーの「ペレアストメリザンド」
  • 10月20日は、サントリーホールのホールオペラ「フィガロの結婚」
  • 10月27日は、ハーゲン弦楽四重奏団のモーツァルトの弦楽四重奏。

すばらしすぎる。

ちなみに、9月22日は、新国立劇場の「ドン・カルロ」、です。

こういう時のために受信料を払っているわけですので、しっかりと元を取らないと。