Richard Wagner

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サヴァリッシュがバイエルンで振った指環のDVDを見ています。昨日の夜に神々の黄昏の2幕の冒頭部分を見ました。ブリュンヒルデがグンターに連れてこられて、ジークフリートの姿を見て驚き、さらにジークフリートが指環を嵌めているのをとがめるシーンです。

ブリュンヒルデの動機。「神々の黄昏」の第一幕冒頭で登場する美しい旋律です。EbからCまで6度上がるのが気持良いのですね。6度上降は、ジークフリートの動機でも登場します。ちゃんと同期を取ってあるんですね。6度上降がこんなに気持の良いものだとは知りませんでした。やはり楽譜を見てみると面白いですね。もっともこの譜面はスコアを見たわけではなく、CDのライナーに載っていた譜例をうつしたもの。

ちなみに、ジークフリートの動機は以前にも紹介しましたが、そちらは短6度の上降です。明日紹介する予定の譜面では、長6度で上降している。(※やはりそちらも短6度上降でした。譜面を読み違いました)張り巡らされた動機の関係が浮き上がってくる感じ。


 

Opera,Richard Wagner

数ヶ月前だったと思うが、イギリスで起きた気の毒な話が新聞に載った。恋に落ちた二人がいざ結婚しようとした段になったとき、実は、二人が生き別れとなった双子の兄妹だったと言うことが分ったというのだ。もちろん結婚は出来ず。悲恋ですね。

記事にはさらに興味深い内容が描いてあって、男女の双子は互いに嫌悪感を抱くことが多いのだが、お互いが双子であると言うことを知らなかった場合、互いに惹かれあう、というのだそうだ。

最近指環漬けになっているということもあって、この話を聞くとジークムントとジークリンデの話を当然思い出してしまう。互いにそうと知らずに禁じられた恋愛に落ち込んでいくというのは、劇中にとどまるというわけではなく、実際に起こりうる話なのだということが分る。

禁じられた恋愛と言えば、辻邦生作品にもそうした話があって、「風越峠にて」という話は、出征直前に出遭い恋に落ちた女性が実は……、という話で、15年ほど前に初めて読んだときには、そのどうしようもない運命性に心を打たれてしばらく呆然としてしまった記憶がある。

そんなことを思いながらヴァルキューレを聴きました。やっぱりカラヤン盤で、ヤノヴィッツさんのジークリンデに心を打たれるのでした。第一幕の第三場以降のジークリンデとジークムントのダイアローグは聴き所ですね。ヤノヴィッツさんの透明な声と、ヴィッカーズさんの半ば情熱的な声に心身ともに翻弄されてしまう感じです。第一幕ばかり執拗に聴いている感じです。

しかし奥深いなあ、指環。指環のライトモティーフの全貌を知りたくて知りたくてたまりません。研究者でもないですし、スコアも読めませんので、ライトモティーフ完全収録の本などあれば良いのになあ、と思います。図書館で探してみますか……。

それにしても、まだまだ楽しみはつきません。(僕にとっては未採掘の)金鉱をせっせと掘っている感じです。慌てても仕方がないのですが、果敢に聴いていきましょう。

  • 管弦楽==ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
  • 作曲==リヒャルト・ヴァーグナー
  • 指揮==ヘルベルト・フォン・カラヤン
  • ヴォータン==バス==トーマス・ステュワート
  • ジークムント==テノール==ジョン・ヴィッカーズ
  • ジークリンデ==ソプラノ==グンドラ・ヤノヴィッツ
  • ブリュンヒルデ==ソプラノ==レジーヌ・クレスパン
  • フンディング==バス==マルッティ・タルヴェラ

Richard Wagner

ワーグナーを巡る13は以下の通り。

  1. 生年は1813年5月22日
  2. 死亡日は1883年2月13
  3. バイロイト祝祭劇場の会場は1876年8月13
  4. タンホイザーの完成は1844年4月13
  5. タンホイザーが幕を下ろしたのは1861年3月13
  6. タンホイザーのパリ再上演は1895年5月13
  7. Richard Wagnerの名前のアルファベット字数を加算すると13になる。
  8. 生年の1813を足すと13になる。
  9. 亡命生活は13

「ワーグナー」、三光長治、新潮文庫、1990年 11頁

このうちいくつかはコントロールできるけれど、1.、2.、7.、8.はコントロールできない数字ですね、もっとも、誕生日などの記録自体改竄している可能性はあるなあ。もし本当ならば、不気味なぐらいです。

Classical,Richard Wagner

新潮文庫に収められているワーグナーの伝記を読みましたが、なかなか興味深かったです。

ワーグナーの略歴は知っていましたが、きちんとした伝記を読むのはお恥ずかしいことに初めてでした。興味深かった点をリストで。

  • 実は小さいころから音楽に秀でていたわけではなかったのだ、とか、そのことである種批判されたりしたようですね。
  • トリスタン和声は、音楽的な意図からではなく、純粋に、そう書きたいからそうなってしまったのだと言うことみたい。
  • 父親が誰だかわからない、という出生ににまつわる謎が、ジークフリートが言う「父親がわからない」というせりふに反映されているようです。
  • ワーグナーにまつわる13という数字の謎とか(出生年の1813をすべて足すと、13になるなどなど)、予知夢を見たり、コジマとの間でテレパシーもどきの現象がよく起きていたとか……。オカルティズムに半分足を踏み入れたような感覚を覚えました。

ほかにもあるのですが、それは明日まで。今日は急いで更新です。

 

Opera,Richard Wagner

Hagen

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ハーゲン、とても気になる存在です。グンターの異父弟にして、アルベリヒの息子。奸智にたけた男。そんな男がもし現代に生まれたらどうなっただろう?

企業組織の立場から言うと、絶対に必要な人物でしょうね。もしハーゲンが企業の中に収まることができたとしたら、間違いなく権力を持って出世していくはず。ある種の目的に向かっては手段を選ばず、それが仮に善意に悖るものであったとしても平気でこなしていく。こういうある種の狡賢さがなければ、企業組織で生きていくことは難しいでしょうね。今の世の中においてなら、ハーゲンは間違いなく命脈を保てる。そして「指環」(に相当するもの)もきちんと手に入れるのでしょう。

ですが、そうした時代も少しずつ変わってくるのかもしれません。コンプライアンスな世の中になりつつありますから。まあ、お互いたたき合っている世の中とも言えますけれど。

ハーゲンの動機はレヴァイン盤(図書館から借りてきた)のライナーに載っていたものを載せてみましたが、この旋律が変形して、ジークフリートを呼ぶ不気味な「Haiho!」という呼びかけが加わると途端に背筋が寒くなります。それに応えるジークフリートの純朴さ。あまりに純朴すぎて、だいじょうぶかな、とやきもきしたり、歯がゆさを感じたり……。

そんなことを思いながら、今日は神々の黄昏を聴き続けておりました。

Richard Wagner

サヴァリッシュが振ったバイエルン国立歌劇場の指環のDVD、少しずつ見ています。本当はGWにまとめてみようと思ったのですが、毎日20分弱ぐらい時間を作ってみようと思って、見始めたのです。昨夜で三晩目でした。今の僕にとって、どうしても演出がネックで心の底から堪能できずにいるのですが、それでも、字幕を見ながら音楽を聴き、映像を見ると言うことは、オペラの理解にとっては実に有用だな、と言うことを感じながら見ています。時間があれば今晩も見ようかな、と思っている次第。ルネ・コロさん、巧いのですが、衣装がちょっとなあ……。

一方で、ショルティ盤の神々の黄昏を聴いて音楽的な予習を行うと同時に、以下の本も読んでいます。

ワーグナーと「指環」四部作 (文庫クセジュ)
  • 発売元: 白水社
  • 価格: ¥ 999
  • 発売日: 1987/10
  • 売上ランキング: 295102
  • おすすめ度 5.0

指環の全体の把捉にとても役立ちます。とりあえず三分の一程読みました。指環自体とはそうそう関係ないのですが、ドイツ語のDonnerstag=木曜日は、雷神Donnnerドンナーから来ているとか、Freitag=金曜日は、美神Freijaフライアから来ているのだ、と言うのを知らなくて、ひっくり返りました。辞書を見ると載っているのですが、今まで気づきませんでした。無知蒙昧に反省&知ることが出来て良かったです。

この二週間ぐらいでしょうか、少々指環に魅入っている感じ。今まで知らなかった美しい旋律やライトモティーフを幾つも覚えたりするのは、本当にエキサイティングな体験です。これだから音楽は止められませんし、オペラを聴かずにはいられない、といった感じです。職業にするには大変な世界だと思いますが、こうして聴取者として関わる分にはとても幸せです。

Opera,Richard Wagner

昨日は、どうしてもあらがえず、カラヤン盤のヴァルキューレの第一幕を聴いていました。ジークリンデを歌うヤノヴィッツさんの歌に感動しました。透明な声でありながら芯があって、苦悩するジークリンデを巧く歌っておられると思いました。カラヤンの指揮も良いですね。序奏などは、ショルティ盤よりも疾走感たっぷりでした。録音も良くて、(おそらくベルリン・イエス・キリスト教会。ライナーがないので分かりませんが、他の指環と一緒としたら間違いないです)、残響音もほどよい感じです。

とはいっても、まだまだ聴き足りないですので、今日もきっとショルティ盤かカラヤン盤いずれかのヴァルキューレを聴くことになると思います。他にお勧めはあるでしょうか? カイルベルト? クナッパーツブッシュ?

  • 管弦楽==ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
  • 作曲==リヒャルト・ヴァーグナー
  • 指揮==ヘルベルト・フォン・カラヤン
  • ヴォータン==バス==トーマス・ステュワート
  • ジークムント==テノール==ジョン・ヴィッカーズ
  • ジークリンデ==ソプラノ==グンドラ・ヤノヴィッツ
  • ブリュンヒルデ==ソプラノ==レジーヌ・クレスパン
  • フンディング==バス==マルッティ・タルヴェラ

Opera,Richard Wagner

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ショルティ盤のライナーには、示導動機の譜例が載っています。ヴァルキューレを聴いていて、ジークムントとジークリンデの場面でよく出てくる動機で、ライナーではヴェルズング愛の動機とされています。トリスタンとイゾルデの二幕を思い出してしまいますね。禁忌に触れる出口のない哀切な愛情が歌われます。このあたりの雰囲気、とても好きで、ついつい繰り返して聴いてしまっています。ショルティ盤では、ジークムントはジェームズ・キングさん、ジークリンデはレジーヌ・クレスパンさんです。お二人とも良いですね。この渦巻く愛情吐露の甘美さの中にいつまでも留まっていたいと思うのですが、フンディングやフリッカがそれを妨げる。もちろん二人とも二人なりの信義に基づいていることです。それが人生というものです。

今朝も少し寝坊気味ではありますが、気になっていたフレーズを譜面にすることが出来ました。今日ももう少しヴァルキューレを聞き込んでみようと思っています。って、何日聴いてるんだろう? 意外にもなかなか飽きないですね。これははまってしまったかもしれません。今年の秋には新国立劇場でラインの黄金とヴァルキューレがありますが、どんどん楽しみになってきています。

というか、4月13日、新国立劇場で魔弾の射手をみるのでした。こちらの予習もせねば……。

Opera,Richard Wagner

今日は少々寝坊。(禁じられているというのに)昨夜ワインを少し飲んでしまい、却って眠りが浅くなって、寝坊してしまったというわけ。アルコールは楽しいですが、控えめに……。

さて、今日も朝からワーグナー漬です。ショルティのヴァルキューレを執拗に聴き続けています。ジークムントをジェームズ・キングさんの声が素晴らしく思えます。ニルソンさんのブリュンヒルデは意外と繊細な感じに聞こえます。ホッターさんの丸味のある独特の声。これはちょっと異論ありかしら。ラインの黄金のロンドンさんのほうが好みだな、と思いました。

なんだか無間地獄に堕ちていくような深さをもつ指環の世界。図書館でカラヤン盤とレヴァイン盤の一部を借りてきています。ですが、まだ楽曲の理解が先で、聴き比べはもう少し先でしょうか。そうそう、DVDも昨日少し見たのですよ。サヴァリッシュ盤の神々の黄昏の冒頭部分です。神々の黄昏は急に登場人物が変わってしまうような気がして、少し違和感を感じるのは気のせいでしょうか。

 

  • 管弦楽==ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
  • 指揮==ゲオルグ・ショルティ
  • ヴォータン==バス==ハンス・ホッター
  • ジークムント==テノール==ジェームズ・キング
  • ジークリンデ==ソプラノ==レジーヌ・クレスパン
  • ブリュンヒルデ==ソプラノ==ビルギット・ニルソン
  • フンディング==バス==ゴットロープ・フリック

いつも上記のように、役柄や名前などを載せていますが、これをアクセスのデータベースに入力して、エクセルにデータを移し、エクセルVBAでタグと一緒にソースを自動生成、というスキームをやっと作りました。名前を毎回毎回入れるのが面倒なので、効率化です。それでもまだまだ効率出来そうですし、意図と違う動きをしているところもあるので、少しずつ直していこうと思っています。このブログも少しずつ効率化していまして、だんだん更新が楽になってきました。

Opera,Richard Wagner

昨日から今日にかけては、ショルティの振るワルキューレを聴いています。指環の全曲レコーディングはショルティが初めて行いました。以下のようなイメージで挙行されたのだそうです。

  1. 1958年:ラインの黄金
  2. 1962年:ジークフリート
  3. 1964年:神々のたそがれ
  4. 1965年;ヴァルキューレ

ヴァルキューレは、ジークムントの悲愴な歌声が聞けたり、ヴォータンとブリュンヒルデの惜別の場面、それからあまりに有名すぎて天の邪鬼な私にとっては少々気恥ずかしさも感じてしまうヴァルキューレの騎行が聴けたりと、何度聞いても美味しいですね。

演奏で言うと、ニルソンさんのブリュンヒルデとホッターさんのヴォータンの惜別の場面。泣かせますね。ホッターさんの丸味をおびた独特な声がブリュンヒルデを追っかけてくるところの録音効果も面白い。というか、ショルティ盤全体に言えることですが、録音を結構工夫しています。雷鳴が鳴り響いたりと、聴く人を情景の中に誘ってくれています。

ですが、やはり時代が古いと言うこともあって、録音品質は今ひとつ。音がくぐもっているイメージはぬぐいきれません。クワイエットコンフォートとiPodの組み合わせでは少々ストレスを感じる場面もあります。もっと新しい録音で指環を聴いても良いな、とも思っています。

どうしてこのショルティ盤を買ったのかというと、国内盤だけかもしれませんが、ライトモティーフの解説CDが三枚付属しているからです。これでライトモティーフの勉強をしよう、と思っていたのですが、なかなか聴けていません。

あと一日で二月も終り、今週も終りますね。個人的には最終週になって、再びお客と対立が発生したり、同僚とトラブったりと、いろいろあった一週間でした。まあ働いていればなにかしらのそう言うことは避けられないのですが、そういったインシデントに巻き込まれても、泰然として気にせず、素早く通常の精神状態に復帰することが大事だと思います。ですが、残念ながらまだ復帰しきれていないですね。今朝も朝から少々思い悩んでしまったり、仕事が気になったり……。こういうときはマルシャリンや伯爵夫人マドレーヌに慰めて欲しい所ですね。