Opera,Richard Wagner

今年のバイロイトの「トリスタンとイゾルデ」は最高です。また昨日から今日にかけて聴いてしまいました。イレーネ・テオリンさん、すげー。早く来年の東京リングでテオリンさんのブリュンヒルデを聞きたいです。

そして皆様、8月26日にNRKのウェブラジオで聞くことができますよ。ぜひぜひ聴いてみてください。私ももう一度録音を試みる予定です。くわしくはOperacastの特設ページにて。

それからもうひとつ。23日まで、バイロイトの公式ページで、8月9日のトリスタンとイゾルデの公演の模様を見ることができます。14.90ユーロかかりますけれど。私は昨週末は聞くことができなかったのですが、今週末チャレンジできれば、と思っています。予定的に五分五分かも知れませんけれど。

Opera,Richard Wagner

 昨週は今年のバイロイトの冒頭を飾った、ペーター・シュナイダー指揮の「トリスタンとイゾルデ」ばかり聴いていました。聴けば聴くほどすごいです。

テンポの緩急の付け方が絶妙でこれ以上ないのではないかというフィット感。特に第二幕の最終部の打点の打ち方は神業的です。速度を落として表情をつけるのが多いです。インテンポよりも絶妙にためてみせたり、フレーズ全体の速度をゆるめたり。それも目立たずさりげなくやってのける。これは、私の中で今時点で人生最高のオペラ体験であったと思う2007年新国立劇場「ばらの騎士」や、2009年1月の東京フィル定演での「ばらの騎士」組曲でシュナイダーさんが見せてくれたものと同じです。もちろん音量のコントロールも絶品。今年の1月のシュナイダーさんもすごかったですが、バイロイトでのシュナイダーさんはさらにすごいです。

それから、イオルデを歌うイレーネ・テオリンさん。先週も書きましたが、最初は気になっていたビブラートを受容できるようになり、さらに、そのすばらしさを確信し、信仰にまでたどり着いてしまった感があります。ビブラートによって増幅された力強さが奔流に溺れてしまいます。この方のブリュンヒルデを新国で来年聴くことができるわけですが、本当に楽しみです。

舞台の写真は以下のリンクで見られます。

http://www.wagneropera.net/Interviews/Irene-Theorin-Bayreuth-Interview08.htm

ちなみに、シュナイダーさんの「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死は、以下のCDで聴くことができます。

8月9日深夜ですが、トリスタンとイゾルデがウェブにて配信されます。14.90ユーロなり。うーん、これは聴くしかないかも。

先日も触れたように、バイエルン放送協会のウェブラジオで聴いているのですが、国際配信しているだけに、ドイツ語、英語、フランス語でアナウンスが入ります。こういう臨場感はウェブラジオならではです。幕間にはドイツ語で筋書きの説明やら演奏者についてアナウンスがあるわけですが、ヒアリングできません。。とはいえ、ドイツ語は音的に美しいですね。また勉強したくなりました。まあ、その前に英語なんですけどね。。

ウェブラジオ的には、プロムスやザルツブルクの放送もありますが、そこまで手が回らないです。

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 本当なら英語を聞くべき朝の通勤時間ですが、7月25日バイロイトの「トリスタンとイゾルデ」を聴いてしまいました。ついでに昼休みと帰宅時も。第一幕から聴き始めて、第二幕の途中まで。

シュナイダーさんの指揮、素晴らしいです。とにかくテンポの動かし方が絶妙で、こうやったら聴衆が感動して涙を出す、というやり方を心得ていらっしゃる感じです。昨日のブログには「タメ」とか「疾走感」という言葉も使いました。どれも音価に対する並々ならぬ感覚を示していることの現れだと思います。隅々にまで神経を行き渡らせ、手を抜くことなく、演奏している。これは、今年の一月にシュナイダーさんの指揮を聴いたときにも感じたことでした。

 第一幕の最終部では、電車の中でしたが鳥肌の立つような感動を覚えました。シュナイダーさんの魅力にまたもや捕らわれてしまいました。

イゾルデのイレーネ・テオリンさんについては昨日も少し書きました。昨年の新国でトゥーランドットを歌われましたが、あの時の力強さのイメージのままイゾルデを演じられて、私の中のイゾルデ像が少し変わりました。昨日「ビブラートが強い気も」と書いたのですが、聴いていくうちに受容できるようになってきました。あの力強さを支えているものの一つがビブラートの振幅である、と、確信のようなものが生まれました。凄絶なイゾルデだと思います。イレーネ・テオリンさんは、来年の新国リングでブリュンヒルデを歌われます。少し予習している気分です。

さて、今晩のバイロイトは「ラインの黄金」です。ティーレマン登場。ティーレマンもまた玄人的な渋い演奏を聴かせてくれると思います。

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 昨夜のバイロイトはシュナイダーさんの振るトリスタンとイゾルデでした。Bayern klassik 4で録音しましたが、ちと手違いはありましたがなんとかiPodに入れました。いまiTuneで聴いていますが、トリスタンとイゾルデがお互い媚薬を飲む瞬間のタメとか、その後の疾走感がたまりません。間違った道へ足を踏み入れてしまう二人が絡み合いながら歌うところ。すごいです。 イレーネ・テオリンさんは強力ですが、ちとビブラートが強い気も。昨年の新国ではトゥーランドットを歌いましたが、あの時の力強さは健在でした。クルヴェナールのユッカ・ラシライネンさんは今年の新国でヴォータンでした。

  • 指揮:ペーター・シュナイダー
  • トリスタン:ロバート・ディーン・スミス
  • イゾルデ:イレーネ・テオリン
  • マルケ王:ローベルト・ホル
  • クルヴェナール:ユッカ・ラシライネン

おそらく再放送があると思います。私も少し録音を失敗しましたので、再放送を狙っています。

今日は祖母の米寿祝で昼間からアルコールでした。おかげで体重がみるみる増えていて、かなりの危機感でして、早く痩せないと隊長に怒られ富士山に登れません。。

今夜のバイロイトは「マイスタージンガー」です。

Opera,Richard Wagner

 本日からバイロイトが開幕。こちらに放送予定がまとめられています。

今夜はペーター・シュナイダー指揮の「トリスタンとイゾルデ」です。ストリーム設定完了。楽しみです。日本時間では、およそ23時頃から放送開始となります。

  • 指揮:ペーター・シュナイダー
  • トリスタン:ロバート・ディーン・スミス
  • イゾルデ:イレーネ・テオリン
  • マルケ王:ローベルト・ホル
  • クルヴェナール:ユッカ・ラシライネン

8月9日にはウェブ中継もあるようです。こちら。14.90ユーロなり。日曜日の夜ですので仕事がある場合は徹夜というわけにも行きませんが、8月10日8月23日までオンデマンドでもみられるようです。

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 いよいよ、バイロイトですね。今年はネットラジオの録音ノウハウも得ましたので、エアチェックする気満々です。今年の演目と指揮者の面々はと言いますと。

  • トリスタンとイゾルデ:ペーター・シュナイダー
  • 指環:クリスティアン・ティーレマン
  • パルジファル:ダニエレ・ガッティ
  • マイスタージンガー:セバスティアン・ヴァイゲル

いやあ、25日はトリスタンで幕を開けるのですが、初っぱながシュナイダーさんとは。そして、イゾルデはイレーネ・テオリン。2008年の新国「トゥーランドット」で強きトゥーランドットを演じ、来季の新国リングでブリュンヒルデを歌うテオリンさんが、シュナイダーさんとイゾルデを競演とは! 垂涎。今年のバイロイトのトリスタンは絶対外せないです。

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今月のオペラは、今週末の新国立劇場「チェネレントラ」です。現在アバド盤で予習中なのですが、当然ですが、やはりドイツロマン派以降のオペラとは語法が違いまして、少々大変な思い。きっと実演の舞台を見れば楽しめると思いますが。

最近音楽について文章を書いていないです。サボっているのです。全くこの体たらくといったら。音楽が巧くフィットしてくれない感じです。

なんて思って、ハイティンク盤のワルキューレを聞いてみると、ああーー、これめちゃくちゃいいわー。しょっぱなのコントラバスの緊張感のあるフレーズ、ヴァイオリンの切迫感のある音が地平線のように鳴り響く。コントラバス奏者の方々にとってはおいしいところなんでしょうね。それから、ホルンがフレーズして、ヴァイオリンが回転する。すげー。ジークムントの悲痛なモノローグ。ジークリンデの切ない声。独奏チェロの心象旋律に涙。これ聴くだけで、なぜか天にも昇る幸せな気分。ワーグナーラヴ。 また観たいです。実演のニーベルングの指環。とくにワルキューレを。来年のジークフリートと神々の黄昏が楽しみ。

あ、今日もチェネレントラの予習をサボって、ワーグナー聴いちゃおう。

Opera,Richard Wagner

 このところはジークフリートばかり聴いています。だんだんと面白くなってきました。白眉はやっぱり第三幕最終部で、ここばかり飽きもせずに聴いています。

そもそも、ジークフリートとブリュンヒルデの関係は恐ろしい。

無垢な世間ずれしていない奥手なジークフリートが初めて出会う女性に籠絡されてしまうという図式。ある種怖さをも感じてしまう。ブリュンヒルデは、ジークフリートのことをお見通しな年上女性。ほとんど親子ぐらいの歳の差なのに、ジークフリートをものにしてしまう。うーむ、よく考えると怖いです。

まあ、眠っている間は年をとらない、冷凍睡眠的な(火の中で眠っているにしても)状態なのかもしれませんので、歳の差はそこで解決でしょうか。

もっともブリュンヒルデもそれまでは神々の仲間として世間ずれした生活をしていたわけですので、世間知らずという意味ではジークフリートと同じ。だから二人ともハーゲンにしてやられてしまうという図式。そういえば、中学校の先生に「酒やタバコをやって、ある程度毒を取らないと、毒に耐えられないのである。毒をもって毒を制せ」なんていわれたのを思い出しました。二人とも毒っ気が足らないです。だからこそ、神話になるのでしょうけれど。

男が現れて眠りから女を救い出すという構造は、童話の世界からのおきまりごとです。眠りの森の美女とかそういう感じ。逆のパターンもあって、カエルに変えられた王子にキスすることで魔法が解けて王子が救い出され、結ばれるみたいな図式もありますね。

なにはともあれ、ブーレーズの指環が観たいです。

 

Opera,Richard Wagner

ヤバイ。へたばりそう。

以上独り言。

さて、「ムツェンスク郡のマクベス夫人」の予習はそっちのけで、ハイティンクのリングを聞き続けています。なんだか面白いのです。録音が良いのはともかく、メリハリがあって、旋律がしみ込んでくる感じです。そんなに奇をてらって何かをやっているというわけではないと思いますが、何が違うのでしょう。ハイティンクの指揮を「抑制された」という表現で説明する文章を読んだことがありますが、エッティンガーのように饒舌にリングを語るのではなく、炉辺で話を繰り出すような静謐なイメージとでも言いましょうか(おそらくマーラーはエッティンガーのような指揮をしたと思います)。それでいて、意外とスタイリッシュで光り輝く部分も現れるのです。

ところで、パトリス・シェローがバイロイトで演出したリングを見たくてしかたがありません。指揮はブーレーズ。産業革命以降の欧州を舞台にした演出なのだそうですが、新国のプログラムに写真が載っていて、それに引きずり込まれました。ちょうそファーゾルトとファフナーがフライアを連れて行くシーンなのですが、リングの世界観にまったく違和感がない感じ。一枚写真を見ただけでこれですので、きっといいんだろうなあ。惜しいのは、日本語字幕版がないこと。昔はあったのでしょうか。まあ、英語の勉強と称して、英語字幕で観てみましょうか。あるいはドイツ語で。

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ワルキューレスペシャルということで、ドイツのプレッツェルが売っていましたので買いました。これはミュンヘンなんかだとホテルの朝食の定番なのですが、パンの周りに白い塩の結晶がついていて、塩味が効いてとても美味しいのです。すこし塩辛いのですが。新国で売っていたこちらは、決勝などはついておらず、周りに薄く塩味がついているだけですので、日本人の口にもよく合います。私は塩辛いほうも好きですけれど。

今日は演出面について。ネタバレあります。

実は色々面白くて、二幕冒頭でブリュンヒルデが子供用の木馬に乗って登場したのには失笑気味。でも、ブリュンヒルデもやっぱりいまいちだったらしく、木馬から降りると、えいとばかりに蹴飛ばして、木馬はするすると舞台袖に消えていきました。

二幕ではもうひとつ面白いネタがあって、ジークムントの眼前にフンディングが登場する場面。舞台には平べったいほとんど屋根だけの小さな小屋がしつらえてあるのですが、天上から伸びる赤い巨大な矢印がその小屋を指差しています。そこにはHundings Hütteと書いてあります(たしかそうだと思う)。意味的にはフンディングの家というとも取れますが、むしろ僕は犬小屋ととってしまい、苦笑。確かにあの大きさだと犬小屋というほうがしっくりきます。フンディングへの醒めた見方です。フンディングは既成の価値観でしか行動できない人物だとしたら、既成に尾を振る「犬」なわけですから。フンディングの名前の由来もそこから来ているそうですし。もちろん、Hundはドイツ語で犬で、Hütteは小屋という意味。さらにHundehütteだと犬小屋という意味。Hundings Hütteを「犬小屋」と捉えてもあながち外れていないと思います。

舞台機構も圧巻でして、三幕の救急救命センターが舞台奥へとすれ下がっていくのですが、すごい奥行きで、新国立劇場の舞台の奥行きがあんなにも巨大だとは、と思った次第。今度はしたから巨大な木馬、これにはGraneと書いてあって、ブリュンヒルデの馬の名前なわけですが、それが持ち上がってくる。息を呑みました。

それからもうひとつ。ブリュンヒルデが岩山で眠りに付き、火で囲まれるシーン。私としては、赤い照明効果が火をあらわしているのだろうな、とぐらいにしか思っていなかったのです。ブリュンヒルデは舞台中央のゆがんだ金属製の巨大なベッドに寝かされているだけですので。ところが、あっという間に、ローゲの炎に包まれる。本当に火が出たのですよ! マジですか! という感じ。っつうか、横たわっているブリュンヒルデのネーメットさんは熱くないのかな、と真剣に心配しました。もしかしたら人形なのかもしれないな、などと思いつつ。

音楽ももちろんすばらしかったのですが、今回は演出も楽しめた感じです。やっぱり「ラインの黄金」にあまりいい印象をもてなかったのは僕の責任なのだな、と痛感です。

ちなみに、私の席は、2階R3列1番。舞台に向かって右側のテラス席の前のほうです。そこですと、舞台右奥は死角になってしまい何が起きているのかわかりませんでしたが、舞台に近くて迫力満点でして、大満足でした。いつもは2階中央なのですが、久々のテラス席はなかなかいいなあ、と思いました。この席からだと、ピットの様子も良く見えて、打楽器奏者が自分の出番になると姿を現して、ひとしきりたたいたあと、譜面を次の演奏場所までめくって姿を消していくのが見えたり、ホルンが10人弱ぐらいいて、多いなあ、とか、意外とバスクラリネットがいくつもおいしい旋律を吹いていて、サックス経験者の僕としてはなかなか興味深かったり。 オケに入りたかったなあ、といまさらながらに思います。オーボエがイングリッシュホルンを吹きたかったですねえ……。難しいでしょうし、楽器も高いと思いますけれど……。