4月21日は新国立劇場で「西部の娘」を観る予定。指揮はウルフ・シルマー氏ですので、キリッとした演奏を聴かせてくれることと思い期待しています。今週は、スラットキン指揮「西部の娘」を予習しようと思います。少し聴いたのですが、プッチーニらしい清爽とした感じ。これからもっと聞き込みます。DVDも出ているようですね。
今日は思ったより良い天気でした。午前中は光が部屋の中に入ってくるので、家で音楽を聴いて。午後は投票に出かけがてら長い散歩。40分ぐらいアップダウンのあるコースを早足で歩きましたが、おかげで少々体重が減ってきた感じ。
最近忙しさにかまけて、本を読んだり音楽を聴いたりしにくくなってきています。こういうときこそ音楽を聴いてリフレッシュしなければ! 今日もプッチーニを少々聴いただけですが、聴くことができただけ良かったという感じです。
プッチーニ「西部の娘」を聴かなければ!
どの蝶々夫人を聴こうか?
先週のジャコミーニさん体験から一週間、帰りの電車で蝶々夫人を聴くのが日課のようになってしまいました。聴いているのは、カラヤン盤で、パヴァロッティとフレーニが歌っているもの。仕事でバタバタして疲弊しきった一週間でしたが、なんとか持ちこたえました。プッチーニ様のおかげです。
ですが、ほかの蝶々夫人も聴いてみたい! と思い調査中。
音楽之友社「クラシック名盤大全 オペラ・声楽曲篇」をめくってみました。以下の5枚が推薦されていました。
カラヤン盤
Puccini: Madama Butterfly Giacomo Puccini、 他 (1990/10/25) London この商品の詳細を見る |
シノポリ盤
amazonでは取り扱っていないようです。
セラフィン盤
プッチーニ:蝶々夫人 全曲 デバルディ(レナータ)、ベルゴンツィ(カルロ) 他 (2004/11/26) ユニバーサルクラシック |
バルビローリ盤
プッチ-ニ:歌劇「蝶々夫人」全曲 スコット(レナータ)、ローマ国立歌劇場合唱団 他 (1996/07/17) 東芝EMI |
ファブリティース盤
プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」 モンテ(トティ・ダル)、ローマ歌劇場合唱団 他 (1996/12/18) 東芝EMI この商品の詳細を見る |
さて、どれを買いましょうか?
蝶々夫人のその後
テクノラティで検索したりして、いろいろなブログを見て回ると、31日の蝶々夫人、あまり良い評価を受けていない向きもあるみたいですね。おかしいなあ、あんなに感動したのに……、と言う感じ。
そこで、僕の聴き方、見方が悪かったんじゃないか、という不安に苛まれるのがいつものこと。
それで、ちょっと、足掻いてみる。
リズムがバラバラとか、ジャコミーニさんが走っていたとか、そういう評価があるのですが、バラバラなのは分からなかった僕が悪いかな、と。ただ、ジャコミーニさんが走っていたのは、わざと走っていたはず。オケと同じテンポで歌うと歌詞がきこえなくなるから、オケより少し早めに歌うのが良い、と言うのを聴いたことがある。他の歌手もオケとオンタイムで歌っていないことが多いと思うんだけれど……。(ドミンゴとか、サバティーニとか……。具体的じゃないからといって炎上させないで欲しいのですが)。
若杉さんも、序奏ではアンサンブルを掌握していなかったけれど、その後は大丈夫だったんじゃないかな、と。もっとも、そのころ僕は忘我の境地にいたので、細かいところが聴けていなかったのかもしれない。
いつも思うんだけれど、ジャズでもクラシックでも、聞き込み始めると、批判する方が簡単になってきて、評価することを忘れてしまう。もちろん、批判するのは大事だけれど、それは一人の聴き手としては二の次なんじゃないかな、と(批評家的な聴き方をする場合は大事ですが)。評価できる点を見つけるのが、良い聴き手なんじゃないかな、と。
ともかく生理現象を伴った、かつてないほどの感動を覚えたのは事実なのだから、それを大事にしよう。そればっかりは、個人的な体験で事実なんだから、誰から批判されても揺るがないものだし。それに、感動しただけ、あのパフォーマンスから受けたリターンが大きかったと言うことなのだから、感謝しよう。
幸せな悲劇/新国立劇場/プッチーニ「蝶々夫人」
行ってきました、蝶々夫人。箇条書き形式でレポート。
- ジャコミーニさん、偉大すぎる。本当はお年を召していると思うのだが、白い米国海軍の軍服を着て、背筋を伸ばして登場する。歳を感じさせない演技とスタイル。かっこよすぎる。若々しい所作が素晴らしい。
- そして、歌も素晴らしすぎて感歎。柔らかいのだが、剛気があって、張りがある。ドラマティックで甘く雄々しい。低音域の豊かな倍音が、高音域でも持続している。ドミンゴの甘さやパヴァロッティの華やかさとは全く違う魅力。
- ジャコミーニさんの中に、イタリアオペラの歴史を感じる。きっと本場でもこうやって演技したり歌ったりしているんだなあ、と。それを東京で見られることの幸福といったら、贅沢過ぎる話だ。
- ジャコミーニさんは、2004年の新公立劇場「道化師」でカニオを歌われたのですが、そのとき以上の感動です。他のブログでは賛否両論あるようですが、私は間違いなく賛の方です。
- 蝶々夫人の岡崎さんも良かったですよ。国際級の声ですね。声も通っていたし落ち着いた演技も良かったです。
- 若杉さんの指揮、タメを巧く使って、オケを感動領域までぐいっともちあげる感じ。巧くコントロールしていたと思います。
- オペラを聴き始めて四年半、内外の劇場で39回見たけれど、今回のパフォーマンスに最大級の感激。僕のクラシック視聴歴最大のパフォーマンスだったと思います。これ以上のパフォーマンスを次に観られるのはいつになるんだろう。
- というか、私、第一幕ずっと泣いてました。涙が止まらないのですよ。ジャコミーニさんの姿をみてなぜか涙、声を聴いても涙、弦の対旋律に涙、岡崎さん(蝶々さん)が登場するところで涙。そして、ジャコミーニさんと岡崎さんの二重唱で最高潮に涙が滂沱と溢れました。歳のせいかもしれませんが、音楽にここまで泣いたのは、クラシック聴きはじめて25年ぐらいになるけれど、初めて。
- しかし、誰か一人が若杉さんとオケにブーイング掛けたんだよねえ……。なぜなのか分からない。確かに序奏は、若杉さんとオケのコミュニケーションがとれていなかったのだが、それ以降は、そういう善し悪しを越えた素晴らしい演奏だと思ったのに。人それぞれ受け取り方は違うと思いますので、仕方がないですが。
- まあ、他の日の公演の様子をブログで見てみると、いろいろと違った意見があるようなので、仕方がないですかね。
- しかし、プッチーニは偉大だなあ。オーケストレーションも神業だし、メロディ・メーカーと来ている。自分がどれほどプッチーニが好きなのか、よく分かりました。
劇は悲劇に終りますが、時を忘れた幸せな二時間半でした。プッチーニ様、若杉さん、ジャコミーニさん、岡崎さん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました、と言う感じですね。
- 指揮
- 若杉弘
- オーケストラ
- 東京交響楽団
- ピンカートン
- ジュゼッペ・ジャコミーニ
- 蝶々夫人
- 岡崎也加子
- シャープレス
- クリストファー・ロバートソン
- スズキ
- 大林智子
- ゴロー
- 内山信悟
写真は、終演後の新国立劇場玄関です。
森麻季さんのCDを買いたい!
いつも読ませて頂いている「葉っぱに埃がついたので水をかけて払ってやったでちブログ」のrudolf2006さんが、森麻季さんの記事を書いていらしたので、触発されてまとめてみました。
森麻季さんのことは、このブログの前身「Museum::Shushi」で何度か取り上げました。
○ 森麻季さんのリサイタル
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2005/11/09-224156.php
○森麻季さんのムゼッタ
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2005/05/25-155655.php
○森麻季さんのハイドン「四季」
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2005/05/08-235047.php
○森麻季さんのCDと、マーラー「一千人の交響曲」の思い出
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2004/04/15-231642.php
その森麻季さんが、今年の11月のザクセン州立歌劇場日本公演で、ばらの騎士でゾフィーを歌います。
○ドレスデン国立歌劇場来日公演買っちゃった。
http://museumshushi.blog77.fc2.com/blog-entry-202.html
ご自身名義のCDは二枚出ています。
あなたがそばにいたら~Bist du bei mir~(CCCD) 森麻季 (2004/02/18) エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ |
愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集 森麻季 (2006/10/25) エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ |
それで、二枚目のCDが未聴なので、聴きたいなあ、と思った次第。伴奏がオケですからね。もう発売されてから、かなり経っていますが……。買わないでごめんなさい。ラインナップは以下の通り。
1. 私の心の光(ドニゼッティ:シャモニーのリンダ) |
2. ようこそ皆さん・・・今日という日は(ベッリーニ:夢遊病の女) |
3. 彼の優しい声が(ドニゼッティ:ランメルモールのルチア) |
4. あなたの優しい声が(ベッリーニ:清教徒) |
5. 今の歌声は(ロッシーニ:セビリャの理髪師) |
6. 不思議だわ・・・花から花へ(ヴェルディ:椿姫) |
7. 私が街を行けば(プッチーニ:ラ・ボエーム) |
8. 私のお父さん(プッチーニ:ジャンニ・スキッキ) |
というわけで、思い立ったが吉日。今日注文します。ロッシーニと、プッチーニに激しく期待しています。ボエームのムゼッタのワルツは、森麻季さんの十八番なのでしょうか、2004年だったかのNHKニューイヤーオペラコンサートでも、2004年のサントリーホールオペラ「ボエーム」でも、2005年のリサイタルでも、やはり素晴らしいムゼッタを聴かせてくれました。森麻季さんは本当に巧いです。声質は高く華やかで透明です。またリサイタルに行こうっと。
森麻季さん、NHKのトップランナーにも出ていました。
http://www.nhk.or.jp/tr/2006album/060917.html
イタリア留学時の苦労、ドミンゴとの出会いなどに加えて、同時多発テロ直後のワシントンナショナルオペラで歌ったとき、全米がテロの恐怖にうちふるえる中にあっても、オペラに多くの観客が入って、とても感動した、といったお話。
3月22日は、ゼンパーオーパーで、ばらの騎士のゾフィーを歌っています。指揮は準・メルクルさん。2007年11月の来日公演と同じですね。
森麻季さんの公式サイトはこちら。綺麗ですね。
http://www.makimori.com/
それにしても、どうして新国立劇場には出演されないのだろうか? そろそろ新国で聴いてみたいです。
カラヤン/プッチーニ「蝶々夫人」
Puccini: Madama Butterfly Giacomo Puccini、 他 (1990/10/25) London この商品の詳細を見る |
明日は、新国立劇場(昨日からは、「オペラパレス」という愛称がついたようですが……)で、蝶々夫人です。
指揮は若杉弘さん、ピンカートンはジュゼッペ・ジャコミーニさんです。若杉さんは、リヒャルト・シュトラウスのオペラを振っておられるのを聴いたことはありますが、プッチーニを振られるのを聴くのははじめてです。ジャコミーニさんは、2004年に「道化師」を新国立劇場(もといオペラパレス! あ、オペラパレスって、言うのは少し気恥ずかしいですね)で聴いたのですが、それはそれはすさまじいほどの迫力のある声の持ち主でいらっしゃいます。ピンカートンを情熱的に歌い上げてくれると思います。
そういうわけで、カラヤン盤の「蝶々夫人」で予習中です。
新国立劇場/ヴェルデイ「運命の力」
3月24日、初台の新国立劇場で、ヴェルディの「運命の力」を見てきました。ヴェルディは少々苦手な口なのですが、今回は結構楽しめました。やはり、無理をして観に行くと良いことがありますね。すこしはヴェルディの語法に慣れてきた感じがします。
気がついたことを例によって箇条書きで。
- 席は二階1列36番でした。34番まではS席ですので、「ほぼS席」の見やすい席でした。事前に年間購入していた券でしたので、有利な席をとってくれたのだと思います。NNTに感謝。
- 真っ赤な舞台の幕には、おそらくはスペイン語のなまえが金色で貼り付けられていて、いやが応にも気持は盛り上がってきました。
- 舞台装置は、直方体の枠組を、部屋や祭壇に見立てて使っています。第一幕は、レオノーラの部屋が舞台ですが、舞台手前に直方体の部屋があって、その後ろには、黒いスーツやドレスを着た男女が何人も座って劇を見ているのですよ。それも一幕だけ。できれば、彼らにはずっと見ていてもらって、何らかの解釈上、演出上の役割を彼らに与えて欲しかったです。第二幕の祭壇には、ムリーリョが描くようなマリア像が描かれていて、迫力満点でした(私、ムリーリョ、好きなんですよね)。
- バリトンで、ドン・カルロを歌ったウラディーミル・チェルノフ氏の声、大好きでした。矛盾した形容かもしれませんが、ああいう鋭くて柔らかい声の持ち主にあこがれてしまうな。これも何度も書きましたが、西欧人の骨格じゃないと、ああいう声は出ないんじゃないか、と思ってしまいます。彼にはトスカのスカルピアや、ホフマン物語のリンドルフを歌って欲しい、と思いました。
- インドラ・トーマスさんも迫力あるレオノーラを歌っていました。第一幕の迷えるレオノーラには少し無理があったかもしれませんが、隠棲を望むレオノーラ、隠棲するレオノーラの意志の強さを良く表現していたと思います。
- 日本人キャストで言うと、プレツィオジッラの林美智子さんが良かったです。高いだけではなく、豊かな倍音を含んだ張りのある声だったと思います。
- 指揮はマウリツィオ・バルバチーニ氏。序曲は、緩急を付けてよく歌わせていましたが、オケがついてこられない場面もあって少し残念でしたが、おおむね良かったのではないでしょうか。
ともかく、楽しい3時間でした。
次回は3月31日に蝶々夫人を観に行きます。ジュゼッペ・ジャコミーニさんが出ると言うことで、とても楽しみにしています。
気分を変えて
春になりました。日差しの色も徐々に変わってきたような感じですね。
気分を変えて、今日はSmooth Jazzを少々、それからシュトラウスのオペラ「平和の日」を聞いています。
Smooth Jazzはリッピントンズです。このアルバムのサックス奏者は、かつてチックコリア・エレクトリックバンドに在籍していたエリック・マリエンサルです。エレクトリックバンドで、ゴツゴツした曲を吹いていた御仁とは思えない爽やかさ。いいですね。
レット・イット・リップ リッピントンズ (2003/05/21) ビクターエンタテインメント |
それから、シュトラウスの「平和の日」。「ダフネ」とセットで演奏される予定だったそうです。そう言われてみるとダフネと雰囲気が似ているような……。こちらはハッピーエンドの音楽なので、安心して聞けます。これはまだ二回ほどしか聞いていないので全貌はまだよく分からない感じです。そんなに長くないのですぐに覚えられそう。でも、エレクトラ、サロメのような凄みもないですし、カプリッチョやインテルメッツォのような小気味の良さもあまりない、少々地味な印象です。
Richard Strauss: Friedenstag Richard Strauss、 他 (2002/05/14) Deutsche Grammophon |
新国立劇場「さまよえるオランダ人」
新国立劇場「さまよえるオランダ人」行ってきました。思った以上に楽しめた3時間でした。
- 最初に登場したダーラント役の松位浩さんは、日本人離れした良い声。びっくりしました。がぜん盛り上がります。
- ゼンタ役のアニヤ・カンペさん、声が太くて響き渡っています。ゼンタって、オランダ人をほとんど病的に恋しているような妄想癖のある女性なので、もっと可憐で華奢な感じをイメージしていたのですが、ブリュンヒルデ的女傑としてのゼンタ像を見せてくれました。ゼンタの独唱部分があの迫力ですから必然的な帰結なのですが。
- オランダ人のユハ・ウーシタロさんも良かったです。オランダ人の持つなぞめいた性格を良く表現されていたと思います。
- 指揮のミヒャエル・ボーダーさんは、迫力あるサウンドを聴かせてくれたと思います。ただ、オケ的について行ききれてなかった感は否めませんでした。もっとも、この曲もやはり難しいんだろうなあ、とは思いますが。
さて、帰り道、初台から新宿まで歩いてみました。今までは京王新線で一駅乗っていたのですが、少し運動しなければと言うことで、チャレンジしたのです。とはいっても一駅歩くだけですので、20分ぐらい歩いたでしょうか。17時過ぎたというのに、まだ太陽が沈みきっていませんでした。都庁の無機質な建築に太陽の赤い光が反射しているのが、美しくて、ついつい写真を撮ってしまいました。
さて、次の新国は24日の運命の力です。これもはじめて見るオペラなので楽しみですね。
シュトラウスに憩う
Strauss: Ariadne auf Naxos Richard Strauss、 他 (2001/09/18) Deutsche Grammophon |
今日は久しぶりに「ナクソス島のアリアドネ」を聞きました。劇中劇の途中までです。久しぶりに聞く「アリアドネ」は本当に素晴らしいです。「エレクトラ」のような大編成オケではなく、ピアノなどを含んだ小規模なオーケストラなのですが、そのアンサンブルが小振りな花を愛でるような気分で聴くことが出来るのです。
それから、冒頭の執事の台詞(舞台俳優が台詞を言う場面)のドイツ語の美しさ、冷厳でありながら豊かな倍音を含んだみずみずしい声の響きにも感じ入りました。
すこし「オランダ人」に疲れていたところだったので、良い息抜きになりました。