Opera

ワーグナー「ニーベルングの指輪」(全曲) ワーグナー「ニーベルングの指輪」(全曲)
サヴァリッシュ(ヴォルフガング)、ヘイル(ロバート) 他 (2005/09/14)
東芝EMI

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お休みを利用して見ました。サヴァリッシュの振るバイエルン州立歌劇場の「ニーベルングの指環」から「ワルキューレ」です。
本当に人間くさい神々ですね。ギリシア神話の影響もあってか、フリッカにからきし弱いヴォータンは、ヘラを畏れるゼウスのようですね。ブリュンヒルデに罰を与えると宣言するにはとても威勢が良かったのに、やはり最愛の娘に罰を与えるにあたっては、逡巡を見せたり、情味を見せたりするあたり、本当に憎めないお父さんという感じです。
並み居る歌手の中で、最も印象に残ったのは、フンディングを歌うクルト・モル氏でした。光沢のある美しい声色に再び恐れ入るのでした。彼の歌は、クライバーやカラヤンが振った「ばらの騎士」のオックス男爵ですでに体験済みでしたが、あらためて心に染み入りました。
次作「ジークフリート」も楽しみですね。

Opera

Richard Strauss: Vier letze Lieder/Die heiligen drei K醇rnige aus Morgenland/Capriccio (extract) Richard Strauss: Vier letze Lieder/Die heiligen drei K醇rnige aus Morgenland/Capriccio (extract)
Richard Strauss、 他 (1990/10/25)
Deutsche Grammophon

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カラヤンの振るカプリッチョ終幕の場面を聴きました。ソプラノはアンナ・トモワ=シントウです。月光の音楽の美しさは格別。カラヤンの美意識と音楽の持つ美しさの歯車がかっちりと合っている感じです。トモワ=シントウのダイナミックレンジの広さには脱帽でした。

Opera

Capriccio
ベームの振るカプリッチョ。バイエルン放送響、伯爵夫人にヤノヴィッツ、伯爵にディースカウ、フラマンにシュライアー、オリヴィエにプライ。豪華キャストです。ドレスデンのクラシックCDショップで買ったものです。
今日は月光の音楽から終幕にかけてを聞いてみました。この部分は、カラヤンもこの部分だけ録音しているという美しい箇所です。伯爵夫人のヤノヴィッツの声が、透き通るガラス細工のようで、心が揺り動かされます。オケも伯爵夫人の心の揺れを見事に表現していると思います。
今日のところはこの一枚を聞いて明日への勇気としましょう。

Opera

ロッシーニ:セビリャの理髪師 ロッシーニ:セビリャの理髪師
アンブロジアン・オペラ・コーラス、アンプロジアン・オペラ・コーラス 他 (1998/05/13)
ユニバーサルクラシック

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久々に新国立劇場に出かけてセヴィリアの理髪師を観てきました。

フィガロのラッセル・ブラウンはすばらしい。よく通る渋い声色を使って、うまくフィガロを歌っていたと思います。個人的にはバルトロのマウリツィオ・ムラーロも良かったと思います。彼の声は日本人には出せないヨーロッパの声を観ることができました。ヨーロッパの声というのは、貌の骨格からくるのか、あるいはその体躯からくるのか分かりませんが、豊かな倍音を含んだ渋い怖いなのです。日本人のバスの方々にその声色を見いだすのはとても難しいです。ですが、ドン・バジリオを歌われていた妻屋秀和さんの声色は、ヨーロッパの声に近いものを感じました。体格は声色に本当によく比例するようです。

演出は1960年代スペインを舞台にしたドタバタハチャメチャ喜劇に仕上げられていました。好き嫌いはあるかもしれませんが、大胆かつ愉快な解釈は嫌いではないので楽しめました。

そうそう、ロジーナのダニエラ・バルチェッローナも良かったですよ。彼女も体格的にがっしりしているので、含まれる倍音の豊穣さは聴いていて安心できましたし心地よかったです。

第一幕と第二幕の最後の合唱部分、指揮者と歌手のコミュニケーションがとれておらず、冷や汗をかきました。あとトランペットのピッチが…、厳しかったです。まあ、初日なのでそういうこともあるのだろうな、ということで、とても勉強になった演奏でした。

基本情報
名称(和) セヴィリアの理髪師
名称(欧) Il Barbiere di Siviglia
作曲者 ジョアキーノ・ロッシーニ
幕形式 全二幕
台本 チェーザレ・ステルビーニ
初演 1816年ローマ

配役情報
配役 氏名
指揮 ミケーレ・カルッリ
アルマヴィーヴァ伯爵 ローレンス・ブラウンリー
ロジーナ ダニエラ・バルチェッローナ
バルトロ マウリツィオ・ムラーロ
フィガロ ラッセル・ブラウン
ドン・バジリオ 妻屋秀和

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ロッシーニ:セビリャの理髪師 ロッシーニ:セビリャの理髪師
アンブロジアン・オペラ・コーラス、アンプロジアン・オペラ・コーラス 他 (1998/05/13)
ユニバーサルクラシック

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近々新国立劇場の「セヴィリアの理髪師」を見に行く予定なので、今日は予習がてら聴いていました。2002年に新国で観た演出が変わったそうです。2002年の演出はあまりにオーソドックスだったのですが、そろそろ奇抜な演出にも首肯できるようになってきたのでとても楽しみです。

Opera

Richard Strauss - Capriccio / Schirmer, Carsen, Opera deParis 2004
(2005/10/18)
売り上げランキング: 94998

先日少し触れた、ルネ・フレミングのすばらしいカプリッチョですが、実はDVD発売されていることを今日知りました。レコード芸術を立ち読みしたところ、フレミングの特集が組まれていて、そこで紹介されていたのです。映像的にはNHKBSで放送されました。必見です。

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Richard Strauss: Capriccio / Sawallisch, Philharmonia Orchestra Richard Strauss: Capriccio / Sawallisch, Philharmonia Orchestra
Richard Strauss、 他 (2000/08/15)
Angel

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会社に向かう満員のバスの中で、思い立ってipodをスクロールして、サヴァリッシュ盤を聴き始めたのですが、冒頭の弦楽合奏でもう泣いてしまうのでした。昼休みにはクレロンと伯爵の朗読シーンと、フラマンが作曲するソネットに泣いてしまうのでした。ハープシコードの端正な和音と、それに寄り添うように弦楽合奏が絡んでくるあたりの優雅さといったら!カプリッチョはシュトラウス芸術の結晶化した花です。
もちろん、それは、ドレスデンで観たカプリッチョの記憶と間違いなくつながっていて、照明の落とされたザクセン州立歌劇場で、指揮のペーター・シュナイダーが、薄暗いオーケストラピットのなかで唯一天から差し込むスポットライトで浮きあがって見えていて、彼の指揮棒の動きにあわせて、弦楽部の一番前に座る首席奏者たちがおもむろに弓を動かし始める瞬間の緊張感と、静かに始まる弦楽合奏がもたらす絹糸に触れたような酩酊感が思い出されたからでした。
9月にNHK-BSで放送されていたカプリッチョも本当によかったです。
10月にドレスデンでカプリッチョを見ることに決めた数日後、NK-BSでカプリッチョを放映することを知ったのでした。まさにシンクロニシティの様相です。
この映像はウルフ・シルマーがパリで振ったバージョンで、ライブ録音なのだろうけれど、あとから映像をかなりいじっていて、すばらしく大胆な演出に仕立て上げていました。月光の音楽以降の伯爵夫人のモノローグが、幕中劇として扱われているのです!ルネ・フレミングが伯爵夫人を演じていたのですが、歌っているルネ・フレミングを客席からルネ・フレミングが観ているという構造。心躍る大胆さでした。「自分の演奏を客席からみてみたい」という欲求は音楽家の方なら一度は持つことがあると思うのですが、それを編集で具体化してしまったあたり、大胆でした。フレミング、よかったなぁ。賢明で誇り高く美しい伯爵夫人を見事に演じていたと思います。
しかし、本当にいい思い出だなあ、カプリッチョ。また見られるものならみたいオペラだなあ…。

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Strauss: Capriccio Strauss: Capriccio
Eberhard W醇Bchter、 他 (1990/10/25)
EMI

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ドレスデンで見たカプリッチョの余韻に浸るべく、伯爵夫人のモノローグの部分、最終場を聞いてみたのですが、最終場への導入部分、月光の音楽が実に美しいのです。シュトラウスのオペラへの愛情を感じることができます。
伯爵夫人はこのオペラにあっては「オペラ芸術」の象徴として、詩人、音楽家からの求婚に苦しむわけですが、彼女はどちらの求婚をも受けることはできない。逆に言うと、詩と音楽は不可分であり、どちらか片一方だけを選ぶことはできない、と言うのです。シュトラウスは音楽の才能だけではなく文学的才能にも恵まれていたのですから、こうした不可分性についての考察を「カプリッチョ」というオペラの中で検討して見せたのです。それも、諧謔味あふれる旋律や、甘美な旋律を交えながら…。
このオペラの成立時(1941)にはすでに十二音音楽が確立されていますし、ベルクのオペラ「ルル」も完成(1928:正確には未完ですが…)していた時期です。そういう意味では時代遅れと揶揄されてもおかしくはないオペラではありますが、失われた甘美な時代を想起させる強い力を持ったオペラなのです。

Opera

ビゼー:歌劇「カルメン」 ビゼー:歌劇「カルメン」
オブラスツォワ(エレーナ)、ブキャナン(イゾベル) 他 (2004/11/03)
TDKコア

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マジですか…、このカルメンは…。観客も熱狂しちゃってすごいことになっています。さすがクライバー。すごすぎる。まだ通勤時間に音を聞いただけなのですが、今週末は映像を楽しむ予定。いやあ、本当に天才ですね、クライバーは。