美貌のソプラノ、モイツァ・エルトマンの「ルル」、今晩のプレミアムシアターで放送です。
http://www.nhk.or.jp/bs/premium/
以下予告編です。
ルルって、ほんと、怖いオペラだ。。
でも、惹かれてしまう。。
この、ドイツ的センスが素敵すぎる。
観る時間あるかな。。
人間には何といろいろな啓示が用意されているのだろう。地上では雲も語り、樹々も語る。大地は、人間に語りかける大きな書物なのだ。…… 辻邦生
美貌のソプラノ、モイツァ・エルトマンの「ルル」、今晩のプレミアムシアターで放送です。
http://www.nhk.or.jp/bs/premium/
以下予告編です。
ルルって、ほんと、怖いオペラだ。。
でも、惹かれてしまう。。
この、ドイツ的センスが素敵すぎる。
観る時間あるかな。。
初台にてトスカを見てきました。
今回も前列方面でしたので、いつもになく十分に堪能しました。ありがたいことです。
3年前の「トスカ」をみた後には「このパフォーマンスが東京で、なんて恵まれている。」という記事や、「音楽か、言葉か、演出か?」なんていう記事を書いています。
今回も、このパフォーマンスを東京でみられる幸運に感謝です。
トスカを歌ったノルマ・ファンティーニ、今回も聞かせてくれました。
というか、迫真過ぎて、見ているのがつら過ぎするぐらい。
なんだか、もう、トスカの危機的状況が手に取るように分かって、あらすじは理解しているんですが、ハラハラしました。
表情も硬軟織り交ぜているのよく分かりました。巧いです。
第一幕、カヴァラドッシが浮気をしているのではないかと疑うシーン、笑ったり怒ったり織り交ぜてカヴァラドッシを責めるあたりは、本当に役者だなあ、と思います。
パワーもものすごいです。座席が前の方だったので直接声が響いてきました。いままで味わえなかった感動です。
ステージの豪華絢爛さは何度見ても素晴らしいです。座席的にも舞台がよく見える場所でしたので、聖アンドレア・デラ・ヴァッレ教会に本当に足を踏み入れた気がします。
ちょっとイタリアに来た気分で、幸福な気分です。
今回は、歴史的経緯もちゃんと確認していきましたので、その点でも楽しめました。
第一幕最後のテ・デウムのシーンに登場した若い王妃が、ナポリ王国女王のマリア、カロリーナですね。ずいぶん若いですけれど。
どうやら教皇も登場していたようです。きっとピウス七世です。
スイス人衛兵もカッコよかったです。
しかしなあ、これから死ぬ運命にある幸福な恋人達の会話を聞くと胸が痛みます。
カヴァラドッッシも、いつ逮捕されても分からない状況にあったのに、トスカと一緒に居たいが為にローマに滞在していたわけですから。
政治を甘く見てはいけないです。お節介ですけれど、
第三幕、トスカとカヴァラドッシが感極まって、歌と絵で芸術を極めよう!みたいなことを言うんですが、これって音楽と演出のことを言っているんだろうなあ、と思ってみたり。
トスカとカヴァラドッシが巧く逃げたら、きっとカヴァラドッシが演出家になって、トスカが出演のオペラプロダクションを作ったりして。。
結局、うまくいかなさそうな二人です。
スカルピアがもし生きていたら、ナポレオンが再びローマを攻略したときに失脚するんでしょうが、巧いことやって、フランスに取り入ったりするんでしょうね。
今回も本当に楽しめました。ありがとうございます。
それではまた。フォースとともにあらんことを。
※ヌーヴォー飲んで酔いながら書いてます。。
今週は本業で時間がとれず、準備万端とは行きませんが、明日は初台でトスカを見ます。
このところトスカばかり聞いていました。
今もレバイン盤を。
今日は早く寝て明日に備えます。
取り急ぎ。
iPod touch 4 の購入から1年半経ちました。わたしはiPod touch 4のおかげで人生が変わったと言っても過言ではありますまい。
秀逸なアプリのお陰で、ずいぶん生活が楽になりました。
というわけで、アップルに感謝を込めて、iPod touch 5を晴れて購入しました。
開封の儀を以下の通りスライドショーにて。
良くなった点は以下の通りです。
?な点
私のイメージは以上の通りです。またレポートしてみたいと思います。
えーっと、ディスコグラフィのExcelシートを作っていたのですが、DROPBOXから消えてしまいました。。どこに行ったんだろう。また作り直します。あー。
ではまた。フォースとともにあらんことを。
本日、トスカの初日ですね。
どんな感じでしたでしょうか。
私は情報シャットダウンしてこの一週間を乗り切る予定です。
新国立劇場の来シーズのラインナップも一部発表されましたね。
「リゴレット」と「死の都」です。楽しみであります。
さて、第13回はスカルピアの簡単な前歴。そうか、シチリア男だったんですね。
これで、だいたい「トスカ」の周辺知識を整理できました。
次回からはディスコグラフィーに行く予定です。
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スカルピアはシチリア出身で、名をヴィッテリオと言う。
スカルピアがローマへやってきたのは、「トスカ」が舞台とする1800年6月17日の一週間ほど前であった。革命思想に共鳴する政治犯を取り締まるために警視総監として着任したのだ。
これは、ローマを占領していたのがナポリ王国であったからだ。
ナポリとシチリアは同君連合だった。当時の国王のフェルディナントは、ナポリ王としてはフェルディナント四世であり、シチリア王としてはフェルディナント三世と呼ばれていた。
ちなみに、両王国はナポレオン戦争後、両シチリア王国として合併するに至る。
シチリアはマフィアの勢力が強いことで有名であるが、当時も山賊の本場として有名だった。スカルピアのイメージ形成の一つの要因となるだろう。
「トスカ」の幕が開けた段階で、実はスカルピアは窮地に陥っているのだ。
これは、警視総監としてローマに赴任してすぐにアンジェロッティの脱獄を許してしまったからだ。
ナポリ王妃マリア・カルローネはスカルピアを強く叱責していたのだ。
アンジェロッティを捕まえることが出来なければ、お前の首が危ういぞ、と。
スカルピアは意地でもアンジェロッティを逮捕する必要があったというわけだ。
※ 新国立劇場「トスカ」は11月11日~23日です。
日本フィル定期公演に行ってまいりました。
仕事で行けなくなるところでしたが、幸いなことに。感謝。
昨年の山田和樹とおなじく、今日もまたすごい演奏会でした。
結論から言ってしまいますが、ストコフスキー編曲の展覧会の絵がすごくてすごくて。
「展覧会の絵」は、もともとはムソルグスキーのピアノ曲ですが、フランスの作曲家モーリス・ラヴェルによりオーケストラバージョンが作られ、これがオケで演奏される際には定番になっています。
一方、今日は指揮者のレオポルド・ストコフスキーにより編曲されたバージョンでした。
ストコフスキーは、戦前から戦後にかけてアメリカで活躍したイギリス出身の指揮者です。展覧会の絵の他にも編曲を手がけていて、有名なのは、バッハのトッカータとフーガニ短調BWV565のオケ版です。写真がストコフスキー。
今回のバージョン、何百回も聴いたラヴェル版を知っているだけに、そのあまりにも無骨でドロドロとしたサウンドに驚き続けました。
ラヴェル版と違うところはたくさんありましたが、なかでもラヴェル版ではトランペットが演奏するプロムナードのテーマが、弦楽合奏で演奏されるのが相違点の顕著な例です。
こちらをどうぞ。
面白いのは、それでもやはりラヴェル版と同じところがあって、アルトサクソフォーンのソロは残っていました。
山田和樹の棒は、変幻自在にテンポを動かしてダイナミックな音を作っているように思います。ちょっとやり過ぎと思う人もいるかもしれませんが、私は楽しんで聴くことが出来ました。
つうか、オケの方々、みんな楽しそうですよね。あれだけ楽器をならせたら楽しいはずです。
「展覧会の絵」が終わったあと、日フィルのメンバーの方々、なんだかうれしそうでした。
山田和樹は、オケのモラルを意識した選曲をしているのかなあ、とも。やっぱり技術だけではなく人を動かす力もじゅうようだなあ、と。
最後、山田和樹がオケから拍手もらっていたのですが、オケメンバーに大事にされている感じがよくわかりました。
休憩後に演奏されたヴァレーズの「チューニング・アップ」という曲もめちゃ面白い。休憩が終わってオケのかたが入ってくるんですが、なぜか山田和樹も一緒に。
あれ、おかしいなあ、と思ったら、おもむろにチューニングが始まって、いよいよか、とおもったら、それが曲の始まりでした。山田和樹も急に指揮始めちゃうし。
私にはショスタコーヴィチとホルストが聞こえました。ベト7も聞こえたみたいです。
野平さんがいらしていた!
あとは、一曲目に演奏した野平一郎の「グリーティング・プレリュード」が素敵でした。あの誕生日のテーマをモティーフにした曲です。コンミスの江口さんのソロが素敵すぎ。
で、曲が終わったら山田和樹が客席のほうをみて誰かを手招きするんですが、そしたら、なんと野平一郎が客席から出ていらして、舞台上にあがってこられたのにはびっくりしました。もちろん満場の拍手とともに。
日本フィルは公益法人化に向けて財政状況を健全化しなければならず、まずは債務を片付けようとしているようです。ずいぶん大変なようです。私もほんの少しだけ募金して協力しました。
では、フォースとともにあらんことを。
しかしずいぶん寒くなりました。
明日は赤坂に出撃予定です。仕事が無事に終わればですが。
第12回はカヴァラドッシの前歴です。そうか、ダヴィッドに習ったのですね。さすが。
===
マリオ・カヴァラドッシは、画家なのだが、単なる画家ではない。ローマ貴族の末裔で自由主義と革命思想に親しんだ画家だ。
父親はパリでディドロやはりダランベールの結社に出入りしており、ヴォルテールとも親交を結んでいた自由主義者であった。
カヴァラドッシは、革命時代のパリで育ち、絵はダヴィッドのもとで学んだという設定になっている。
ダヴィッドはフランス革命期の大画家である。革命期にはジャコバン党員として政治にも関わり、国民公会の議長を務めていたことがある人で、その後はナポレオンの御用画家として大活躍する。
以下はダヴィッドの手になる「アルプスを超えるナポレオン」。
カヴァラドッシがダヴィッドの弟子であるのならば、自ずと自由主義者になるだろう。
だから聖アンドレア・デラ・ヴァッレ聖堂の壁画を書いて、信心深いところを見せているのだ。そうして当局の目を欺こうという魂胆なのである。
なぜそんな面倒なことをしているのか?
原因はトスカにある、
カヴァラドッシがトスカと知り合ったのはローマのアルジェンティーナ劇場でのトスカの歌を聴いたからだ。
それ以来ローマを離れることができないでいる。そうでなければ王党派の勢力下にあるローマに滞在する訳がない。
結局、恋に身を滅ぼす、という言葉を当てはめることができるだろう。
今日は、一息入れます。
トスカの初日が迫っていますね。11日からです!
ノルマ・ファンティーニのFacebookページには衣装合わせをしている写真がのっていました。楽しそうでいい雰囲気が伝わって来て嬉しくなります。
私にとっては「アンドレア・シェニエ」依頼のファンティーニです。一回「オテロ」ふられていますので、今回も心配していたのですが、嬉しい限りです。
ファンティーニがうたうトスカはこちらでご覧になれます。
カヴァラドッシをうたうサイモン・オニールのインタビューが新国立劇場のホームページに乗っていました。
ニュージーランド出身で、METでドミンゴのカバーをしていたそうで、ドミンゴレパートリーが自然にレパートリーになったそうです。
来年はジークムントをミュンヘン、スカラ座、ベルリン、ウィーンなどで歌うそうで、ひっぱりだこの状況のようです。
「世界の声」をすぐそばでリーズナブルに聞くことができる新国立劇場は本当にありがたいところだと思います。
今回はさすがに人気演目ということもあり、残席が少ないとのこと。これも嬉しい限りです。
※ 新国立劇場「トスカ」は11月11日~23日にて。
しかし急に寒くなりました。
普通は、冬に備えて体格が良くなり始める季節ですが、家飲みと間食を絶ってからは、少しずつスリム化している気がします。
嬉しい限り。
きっかけは、先日の試験受験票に貼った自分の顔写真見た時のショックが忘れられないからです。
さて、今日で11回目になりました。トスカの半生はこんな感じでした、の巻です。
===
フローリア・トスカは、ヴェローナ近くの牧場で羊番をしていた無骨が少女であったが、ベネディクト会の修道女が修道院へ引き取り、修道院で育てられた。
修道院では天才的な音楽的才能を示し、16歳で歌手となったのだった。作曲家であるドメニコ・チマローザが感嘆し、オペラ歌手にしようとかんがえたのだが、修道女たちはこれを拒んだのだった。
それはそうだ。修道女が歌手になるなんて、今で言えば、品行方正なお嬢様学校の生徒が、卒業後パンクロッカー(古い?)になるのと同じぐらいだろう。
チマローザと修道女たちの争いは、教皇の調停にゆだねられることになったのだが、このときトスカの歌声を聞いた教皇が、芸術の道に進ませるべきであるとして、決着がつき、トスカはオペラ歌手としてデビューすることになったのだった。
(写真がドメニコ・チマローザ)
だが、トスカの信心深さはこの修道院育ちという出自に由来している。
つづく
次回はカヴァラドッシの前歴をさぐります。
※ 新国立劇場「トスカ」は11月11日~23日です。
「トスカ」の舞台となった1800年6月の時点で、ローマはナポリ王国の勢力下にあった。
当時のナポリ王国はフェルディナント四世の治世下にあった。が、フェルディナント四世は狩りやスポーツに明け暮れた男で国政には興味をしめさなかった。
代わりに国政を切り盛りしていたのは王妃であるマリア・カロリーナである。
マリア・カロリーナは、オーストリア女帝マリア・テレジアの娘であり、マリー・アントワネットの姉に当たる人物である。
母親のマリア・テレジアがオーストリア帝国の政治を動かしたのと同じように、ナポリ王国を夫フェルディナントに代わって統治した。これは婚姻に際して「息子が生まれたら摂政になる」という特約がついていたからである。
さて、この王妃は「トスカ」のなかにも登場している。
第二幕に、スカルピアに追い詰められたトスカが、王妃に嘆願しようとするシーンがあるが、このときの王妃がマリア・カローリナである。
第二幕では、ファルネーゼ宮殿のスカルピアの執務室が舞台となるが、前半部分でトスカの歌声が響いてくるシーンがある。これは、マリア・カロリーナが出席している戦勝パーティーでトスカが歌を披露しているというシーンになっている。
その後、実はマレンゴの戦いで、ナポレオンが勝利し、オーストリア軍が敗れたという報がとどくと、マリア・カロリーナは卒倒してしまう、という設定になっている。
つづく
次回は「トスカの前歴はいかに?」です。
(追記:カヴァラドッシより先にトスカの前歴を紹介することにしました)
※ 新国立劇場「トスカ」は11月11日~23日です。