http://www.nhk.or.jp/bsclassic/crs/index.html
NHKのウェブを見ていたら、12月29日、カラヤンの「ラインの黄金」放映とあります! これはもしかして全曲放映してくれるのでしょうか? 期待は高まりますね!
人間には何といろいろな啓示が用意されているのだろう。地上では雲も語り、樹々も語る。大地は、人間に語りかける大きな書物なのだ。…… 辻邦生
http://www.nhk.or.jp/bsclassic/crs/index.html
NHKのウェブを見ていたら、12月29日、カラヤンの「ラインの黄金」放映とあります! これはもしかして全曲放映してくれるのでしょうか? 期待は高まりますね!
ヴァチカン美術館の至宝はいくつかあるけれど、その中でも最重要なものに数えられるのが、ラファエロの手による壁画で、特に有名なのが世界史の教科書や資料集の手合いには必ず登場する「アテナイの学堂」。だが、壁画の部屋には観客がすし詰め状態。山手線ぐらい込んでいて、ゆっくり見ることなんてできやしない。部屋は薄暗くて、写真をとってもちゃんとピントが合わない。だが、壁画が思った以上に大きいのには驚いた。
ローマに来てからのラファエロは少し変わってしまったようにいったんは思っていた。ローマ以前に描いた聖母子像のたおやかさは消えてしまい、なんだか実利的なお抱え宗教画家になってしまったような感があったのだ。そういう意味では、壁画の折衷的な雰囲気に少々さびしさを感じた。でもこの壁画を描いたのが1508年から1511年(25歳~28歳にかけて。あのドレスデンの絵画館にある「システィナの聖母」は1512年頃(29歳)。「システィナの聖母」をみたときの強烈な衝撃は忘れられない。まだまだラファエロの力は衰えるどころかまだまだ進化しているというのが本当のところだろう。下の写真が「システィナの聖母」で2006年の旅行で撮影したもの。
「システィナの聖母」の凛々しさは、「キリストの変容」の力強さへと続く。美術館の出口近くの展示室の「キリストの変容」を見て、やはりたおやかさは消えたけれども、そこには雄々しさとか強い意志が感じられる。すさまじい迫力。超自然的な神々しさ。野心的な色遣いや構図。
ラファエロは確かにローマで変わった。ローマで何が変わっていったのか、いつかラファエロの側に寄り添ってみたいと思うのだった。
ヴァチカン美術館の古代ローマ彫刻のコレクションはすばらしい。有名なラオコーンや、アポロ神像は言うに及ばず。あまりにもたくさんの彫刻がごろごろしているので、その偉大さが薄れてしまうと思うぐらい。
ラオコーンやアポロをみてうれしかったのはもちろんだが、皇帝ティトゥスの像を見つけたときは本当にうれしかった。この短命に終わった偉大な皇帝のことは、塩野七生さんの著作で感銘を受けた。
というか、塩野さんのローマ人を呼んで元気付けられたことを今になって思い出す。ローマの将軍や皇帝の偉業に比べれば、今やっている仕事なんて簡単すぎる、ということで、今年の5月~7月ごろはかなりアグレッシブに仕事に打ち込んだもの。最近はそうした塩野さん効果が薄れてしまったのだろうか。また読むとしよう。
ラファエロのことを書きたかったが、それは次回へ。ちょっと調べ物がありますので。
仕事がとんでもないことになっています。こういうときは、身をかがめて過ぎ去るのを待つだけ。黙々と作業をして折衝をして泣きを入れて、みたいな。まあこういうこともあります。でも今年は会社に入ってから最大の当たり年な気がします。
こういうときにベルクの「ルル組曲」を聴いたり、ウェーベルンをつまみ食いするのはよくありません。かえって落ち込むだけですので。
明るい南欧の空気を吸いに行きましょう。といっても、向かうのはハイドパーク@ロンドン。雨が振っていますが、彼の周りにはさんさんと陽光が降り注いでいるのが見えます。音楽の聴き方としては邪道かもしれませんが、聴きたい音楽だってその時々の気分に左右されるものです。
そうして聴いているパヴァロッティの録音。以前にも取り上げたことがあると思います。 取り上げられている曲の中でも、オペラのアリアよりもイタリア民謡のほうに食指が動いてしまう。またいつかは行きたいイタリア。いつのことになるでしょうか。そうそう遠くはないと思いたいところですけれど。
お勧めは、Mamma(Bixio)とかLa mia canzone al vento(Bixio)。非常にステレオタイプなイメージですが、日差しの強いイタリアの街路を歩いているイメージ。このCesare Andrea Bixioという作曲家は1896年生まれで、イタリア歌謡を作曲した方。1978年になくなられています。パヴァロッティが取り上げられて有名になったとか(from Wikipedia)。
音楽はいいですね。美しく好奇心を刺激してくれるベルクのような作曲家がいる一方で、快闊でさっぱりした朗らかさを持つ曲もありますし。いつでも音楽を聴けるような会社に入れるといいのですが。.
トスカニーニの振るモーツァルトの39番、40盤、41番のCDを図書館から借りてきました。トスカニーニの演奏にはこれまではそうそう親しんでいたわけではありません。ファルスタッフやボエームの録音は聞いたことがありましたが、ドラマティックで激しく情感的な演奏だな、という感想でした。それから映像で見た「運命」の指揮もすごかった。第4楽章の入りの場面だったのですが、気合の入り方が尋常ではなかったです。それで、いつかはトスカニーニを体系的に聞いてみたいものだ、と常々思っていたのです。
幸い、図書館にトスカニーニのCDが何枚かありましたので、借りてきて聴いてみることに。 トスカニーニのモーツァルトの交響曲は、実に個性的ですね。これまでこんな演奏は聴いたことがないです。細部にわたって実は緻密に音量やテンポのコントロールをやっている。テンポのコントロールはややもすれば過剰と思われるギリギリのところまでコントロールしている。音量のコントロールも同じ。最近の指揮者もテンポを動かすのですが、動かし方が違うのです。先日の新国立劇場の「トゥーランドット」を指揮したアッレマンディ氏の場合もやはりテンポを大胆に動かしていましたが、トスカニーニのように細かいレヴェルまで動かしていたかというとそうではなかったと思います。トスカニーニの場合、音楽の流量や水圧を損なうことなくテンポやボリュームを変えているという印象です。聴き方によってはテンポの変更は計算されたものというよりかなり直情的なものにも思えます。
アーティキュレーションも独特に思えます。40番の第三楽章の旋律を聴いたときには、おやっ、と思いました。
三曲の交響曲を聞いた中で一番印象的なのが39番の3楽章でした。三拍子の舞曲的楽章なのですが、縦割りにきっちりそろったリズムで激しく演奏されています。クライバーの運命を聴いたときに、第三楽章でコントラバスの一糸乱れぬ合奏を聴いてたまげたことがありましたが、あの時と同じぐらいの驚愕。こういう音楽もあるんだ、と思うぐらいです。
あとは、非常に劇的な40番の第一楽章が印象的です。トスカニーニはオペラを振るような感覚で交響曲を振っているのではないか、などという感想を持ちました。ドラマティックで激しくて、オペラ的な愛憎劇が重ねられているといっても過言ではありません。特にソナタの展開部以降はすさまじいです。
私は、クラシックを聴いている絶対量があまりに少ないので、トスカニーニのような偉大なペルソナについてとやかく感想を各資格はないのかもしれませんが、浅学菲才の身ながらもなんとか書きたいと思うことを書いているわけです。はやく音楽をきちんと聴けるようになれるといいのですが。
iTuneストアで、メシアン生誕100年のアニヴァーサリーボックスが1500円で売っていました。全部で168曲入っているのに1500円です。衝動的に購入。しかし買ってよかったです。CDだとHMVで7947円です。Ituneだと解説書のたぐいはありませんが、それにしても安いですね。ITUNEをお持ちの方は以下のリンクをクリックすると試聴できます(私が試したときはできなかったけれど、あと数時間でできるようになるそうです)。
以前、iTuneストアで1500円のボックスCDが大量放出されたことがあったのですが、そのときは祭りに乗り遅れてしまい購入できませんでした。今回は何とか間に合ってよかったです。もし購入されるのならお早めに購入された方がよいかもしれません。いつ消えるかわかりませんので。
さて、最初のメシアン体験は中学生の頃で、トゥランガリラ交響曲をNHK-FMでエアチェックしたのが始まりでした。オンドマルトノの音にぶったまげて、なおかつ曲名がサンスクリット語なのだという説明にもぶったまげました。当時関西に住んでいて、休みの日に京都の三十三間堂にいったのですが、そこで仏像の説明にサンスクリット語が書かれていて、ああ、これってメシアンだ、みたいな妙な感動をしたのを覚えています。当時のカセットテープはいずこかへ消え去りましたので、それ以来トゥランガリラ交響曲はお預けでした。ですので、もう20年ぶりぐらいに聴く感じです。プレヴィンがロンドン交響楽団を振っているのですが、きらびやかに安定していて、全く違和感なく入っていくことができます。トゥランガリラというのはサンスクリット語で愛の歌という意味なのだそうですが、派手なヒンズー教の宗教画が舞い散っている感じで、迫力があります。いいですねー、メシアン。
楽章名を書いておきます。
メシアンの曲でもう一つ思い出深いのが「主の降誕La nativite du Seigneur」というオルガン曲集で、これも中学生の頃狂ったように聴いていました。もちろんこの曲もこのボックスに所収されているのですが、戦前モノラル録音の古いもの。ですが、これはどうやらメシアン自身の演奏のようです。メシアンのオルガンの演奏は派手さはないですが(録音のせいかもしれません)、緻密に律儀に演奏しています(あやうく「高い精神性」みたいなことを書きそうになりましたが、私は実際にはそこまで見破れません)。
しばらくはこのメシアンボックスで楽しめそうです。
いつもブログをチューニングすると、コメントできない事象が発生してしまいます。単に私の設定ミスなのですが。今回もやはりそういう事象に陥っていたみたいで、いつも指摘くださるrudolf2006様に申し訳なくてなりません。本当にすいませんでした。
一応テストはしていたのですが、いつも使っているPCからですと私のID情報がCockieとして残っていまして、コメントできてしまうのですが、一般の方がコメントするとはじかれるような設定になっていました。スパムコメントがひどくて設定変えたのですが、誤ったみたいです。Movable Typeは高機能ですが、ちょっと設定を誤るとこうなりますので、油断がなりません。これからも気をつけていかねば……。
今日はテイトの振るモーツァルトを何度も何度も聞いた一日。テイトのモーツァルトはとてもわかりやすいですが、聴きすぎるのは体によくないです。休みということで、ずっと家にいたのですが、なんだかあっという間に一日が終わった感じ。
ベルク年報のことを書こうと思ったのですが、今日はちょっとかけそうにありません。
明日はどんな音楽が聴けるでしょうか?寒くなってきたからシベリウスに挑戦してみようかな?
歳をかさねると判断力とか注意力が落ちてきますね。ただでさえ記憶力も落ちているのに。別のところで力を出したいと思うのですが。ようは仕事がうまくいっていないのですね。まあ、どうにかなるものなのですが。
落ち込んだときにベルクを聴くなんてどうかしていますね。それでもなおムターが弾くヴァイオリン協奏曲を聴いてしまい、一緒に暗鬱な穴の中に落ちていく感じ。 しかし、この演奏の退廃美はすさまじい。甘くもあるけれど、その奥には牙を向いた野獣がこちらをにらんでいるのがよくわかります。第二楽章の最後でほんの少し救済の余地が残っているけれど、それも最近の株式市場よりもずっと不確かで、はかないもの。
ムターは高音域の微細な音程のコントロールまでかなり健闘していて(少し不安はあるけれど)、勇気ある演奏家なんだなあ、ということを改めて認識。ある意味演奏家は勇者でなければならないでしょうから。
まあ、落ち込んだときに聴くベルクもいいかな、というのが結論。そういうときは、派手で陽気な曲を聴いても仕方がなくて、陰鬱な茂みの中で休むような曲を聴いてもよいものだ、と思います。
帰宅時もやっぱりベルク。オッターさまの歌う「初期の七つの歌(オケ版)」と演奏会用アリア「酒」を聴いてうっとり。帰りの電車で読んだ「アルバンベルク年報も面白かったですよ。こちらは明日にでも書いてみようと思います。
忙しいですねえ。納期が来週に迫っていますので、おのずと追い込まれてくる。10月の納期分にはインシデントがあったけれど、今度は大丈夫なはず。強気前向で生きたいものです。とはいえ、今日になってプログラムに手を入れることになったりと少々波乱含みですが。
疲れたときに慰めてほしい曲というものがあって、僕にとってそれは次の曲たちなのです。
どれもiPodに入っていますので、いつでも聴けますね。今日はその中から「カプリッチョ」をクレメンス・クラウスとシュヴァルツコップの組み合わせで。シュヴァルツコップさんの歌は一言一言を丁寧に歌っている感じがします。モノラル録音なのが残念です。
帰宅時にはベートーヴェンの弦楽四重奏曲を珍しく聴きました。第15番をアルバン・ベルク弦楽四重奏団にて。けちらもすばらしい演奏。ふくよかな香りの漂う弦の音にうっとり、です。そういう意味では、この曲もいやしてくれる曲かもしれません。ベートーヴェンの弦楽四重奏ですが、ABQの全曲盤を1万5千円ぐらいで買いましたが、その後廉価版が出たようですね。残念。
帰りの電車では、ムターが弾くベルクのヴァイオリン協奏曲も聴いたのですが、こちらもすばらしい演奏。ムター、巧すぎ。柔らかさと強靱さを併せ持っている。こんな方だとは今まで知りませんでした。以前外してしまったことがあったので。ちょっとこれから注目して聴いていきたいと思います。
ご存じの方々にとっては、いまさら感もあると思いますが、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の公演を映画館で上映する「METライブビューイング2008-09」という催しがあるのですね。先日、新国立劇場でもらったパンフレットではじめて知りました(情けない情報収集能力……)
公式ウェブはこちら→ http://www.shochiku.co.jp/met/
これ、METの公演を全世界700カ所の映画館で上映する試みの一環らしく、欧米では同時配信なんだそうです。日本での公演は以下の通りです。ちょっとまとめてみます。
sq | 題目 | 日程 | 注目 |
1 | シュトラウス「サロメ」 |
11月1日~7日 |
|
2 | アダムス「ドクター・アトミック」 |
11月29日~12月5日 |
|
3 | ベルリオーズ「ファウストの劫罰」 | 12月13日~12月19日 | |
4 | マスネ「タイス」 | 1月10日~1月16日 京都のみ1月24日~1月30日 |
R・フレミング |
5 | プッチーニ「つばめ」 | 1月31日~2月6日 |
ゲオルギュー |
6 | グルック「オルフェオとエウリディーチェ」 | 2月14日~2月20日 | |
7 | ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」 | 2月28日~3月6日 | ネトレプコ |
8 | プッチーニ「蝶々夫人」 | 3月28日~4月3日 | |
9 | ベルニーニ「夢遊病の女」 | 4月11日~4月17日 | デセイ |
10 | ロッシーニ「ラ・チェネレントラ」 | 5月30日~6月5日 | ガランチャ |
うーむ、なかなか壮観。
ちなみに、お値段は一回3500円。普通の映画よりも残念ながら高い。けれども、6チャンネルの音声で聴けるのだそうで、大画面で良い音声で聴けるのなら行ってみても良いかな、などと思います。
さすがMETで、私でも知っている有名歌手を配しています。「つばめ」のゲオルギューとアラーニャの組み合わせはEMIからもCDで出ていますが、それを見ることができるのなら、ほぼ行くのは決定です。ガランチャの「チェネレントラ」も見逃せない。ガランチャはたしか2004年の新国立劇場「ホフマン物語」で二クラウスを歌われた方。あの豊かな倍音を持った声が忘れられないのです。デセイの「夢遊病の女」も凄そうだし。
ちなみに、映画館の会場は以下の通りです。
映画館でみるオペラもなかなか面白そうです。しかもMETともなればなおさら。おそらく「つばめ」は行くのが確実ですので、また行ってきましたらレポートします。
しかし、今週やっている「サロメ」に行けないのは悔しいなあ……。