Opera

春になりました。日差しの色も徐々に変わってきたような感じですね。

気分を変えて、今日はSmooth Jazzを少々、それからシュトラウスのオペラ「平和の日」を聞いています。

Smooth Jazzはリッピントンズです。このアルバムのサックス奏者は、かつてチックコリア・エレクトリックバンドに在籍していたエリック・マリエンサルです。エレクトリックバンドで、ゴツゴツした曲を吹いていた御仁とは思えない爽やかさ。いいですね。

レット・イット・リップ レット・イット・リップ
リッピントンズ (2003/05/21)
ビクターエンタテインメント

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それから、シュトラウスの「平和の日」。「ダフネ」とセットで演奏される予定だったそうです。そう言われてみるとダフネと雰囲気が似ているような……。こちらはハッピーエンドの音楽なので、安心して聞けます。これはまだ二回ほどしか聞いていないので全貌はまだよく分からない感じです。そんなに長くないのですぐに覚えられそう。でも、エレクトラ、サロメのような凄みもないですし、カプリッチョやインテルメッツォのような小気味の良さもあまりない、少々地味な印象です。

Richard Strauss: Friedenstag Richard Strauss: Friedenstag
Richard Strauss、 他 (2002/05/14)
Deutsche Grammophon

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Japanese Literature

会社帰りに途中駅のカフェで読みかけの本を読みました。とても面白い本。ストーリー展開が妙で、ページをめくる速度がついつい速くなってしまいます。

それで、読み終わりました。分厚い上下巻本でしたので、読み応えも十分。 よくぞここまでの長編を完成させたなあ、という大きな感歎。

しかし、なぜかその後襲ってくる虚無感。なんなんだ、これは! と言う感じ。

確かにストーリー運びは巧いし、史実を紹介しながら展開していくので、興味をひかずにはおられない。描いているテーマも大きいもの。理想を求めて変革しようとする若者達の辛苦に満ちた試みとその挫折が描かれています。 しかし、何かが物足りない。

そう自問自答しながら、雨に吹きさらされて帰ってきました。

辻邦生さんの文学も、理想と現実の隔絶や、それを乗り越えようとする意志、そして乗り越えられない現実を突きつけると言う感じで、構造としては似ているのですが……。

やはり、辻文学にくらべると、描写にムラがありました。また、現実と明らかに乖離している部分、誤っている部分が分かってしまうのでした。

これだけの長さのものを完成させるのは並大抵ではないです。しかし、それを一分の隙もなく完成させるのはもっと難しい。そう言う意味では、辻文学はより完成に近づいているなあ、とあらためて思うのでした。

Opera

新国立劇場「さまよえるオランダ人」行ってきました。思った以上に楽しめた3時間でした。

  • 最初に登場したダーラント役の松位浩さんは、日本人離れした良い声。びっくりしました。がぜん盛り上がります。
  • ゼンタ役のアニヤ・カンペさん、声が太くて響き渡っています。ゼンタって、オランダ人をほとんど病的に恋しているような妄想癖のある女性なので、もっと可憐で華奢な感じをイメージしていたのですが、ブリュンヒルデ的女傑としてのゼンタ像を見せてくれました。ゼンタの独唱部分があの迫力ですから必然的な帰結なのですが。
  • オランダ人のユハ・ウーシタロさんも良かったです。オランダ人の持つなぞめいた性格を良く表現されていたと思います。
  • 指揮のミヒャエル・ボーダーさんは、迫力あるサウンドを聴かせてくれたと思います。ただ、オケ的について行ききれてなかった感は否めませんでした。もっとも、この曲もやはり難しいんだろうなあ、とは思いますが。

さて、帰り道、初台から新宿まで歩いてみました。今までは京王新線で一駅乗っていたのですが、少し運動しなければと言うことで、チャレンジしたのです。とはいっても一駅歩くだけですので、20分ぐらい歩いたでしょうか。17時過ぎたというのに、まだ太陽が沈みきっていませんでした。都庁の無機質な建築に太陽の赤い光が反射しているのが、美しくて、ついつい写真を撮ってしまいました。

 tocho2

さて、次の新国は24日の運命の力です。これもはじめて見るオペラなので楽しみですね。

Japanese Literature

最近、読書の話題がないのですが、本を読んでいないというわけではありません。
先週は、文芸誌を図書館から借りて読みふけっていました。辻邦生さんの本ばかり読むのも少々偏っているかな、と思ったと言うのもあります。
文芸誌自体、読むのは久しぶり。大学の頃ちらりちらりと読んでいたとき以来ですね。
オペラで言ったら、ガラ・コンサートみたいなもので、沢山の作家さんの色とりどりな小説を読むことが出来るというのは刺激的でした。そういえば、あの芥川賞作家もあの直木賞作家も読んだことなかったなあ、と言う感じで、新鮮な感動が沢山でした。松本清張や井上靖の短篇もたまたま読むことが出来て、読む愉しみを堪能することが出来ました。
今週は後半に本に戻ってきました。それについては明日書くことにいたしましょう。

Opera

Strauss: Ariadne auf Naxos Strauss: Ariadne auf Naxos
Richard Strauss、 他 (2001/09/18)
Deutsche Grammophon

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今日は久しぶりに「ナクソス島のアリアドネ」を聞きました。劇中劇の途中までです。久しぶりに聞く「アリアドネ」は本当に素晴らしいです。「エレクトラ」のような大編成オケではなく、ピアノなどを含んだ小規模なオーケストラなのですが、そのアンサンブルが小振りな花を愛でるような気分で聴くことが出来るのです。
それから、冒頭の執事の台詞(舞台俳優が台詞を言う場面)のドイツ語の美しさ、冷厳でありながら豊かな倍音を含んだみずみずしい声の響きにも感じ入りました。
すこし「オランダ人」に疲れていたところだったので、良い息抜きになりました。

Classical

疲れに効く、癒し系クラシックを考えてみたいと思います。ただし僕的に癒されると思うクラシックです。読んでいる方も癒されていただければこれ以上の喜びはありません。
とりあえず、今日上げた曲をプレイリストにしてiPodに入れて会社に持って行こうと思います。お昼休みに聴けばすこしは気分も良くなるでしょう。

Capriccio
Capriccio

posted with amazlet on 07.02.28
Richard Strauss Karl Böhm Bavarian Radio Symphony Orchestra Bayerischen Rundfunkorchester Anton de Ridder Arleen Augér David Thaw Dietrich Fischer-Dieskau Gundula Janowitz Hermann Prey
Deutsche Grammophon (2005/09/13)
売り上げランキング: 52260

しつこいようですが、今の僕にとって、最後のよすがとなるのはこのCDなのです。カプリッチョの終幕、月光の音楽は癒し以外の何者でもありません。

プッチーニ:トゥーランドット
リィチャレッリ(カーティア) ウィーン国立歌劇場合唱団 ウィーン少年合唱団 ヘンドリックス(バーバラ) ライモンディ(ルッジェロ) ホーニク(ゴットフリート) ニムスゲルン(ジークムント) アライサ(フランシスコ) パルモ(ピエロ・デ) ドミンゴ(プラシド)
ユニバーサルクラシック (1997/04/09)
売り上げランキング: 4349

それから、ドミンゴ氏の「誰も寝てはならぬ」。これを聴いて癒されたらゆっくり眠りましょう。
つづく

Opera

ワーグナー:さまよえるオランダ人 ワーグナー:さまよえるオランダ人
バレンボイム(ダニエル)、シュトルックマン(ファルク) 他 (2002/11/20)
ワーナーミュージック・ジャパン

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さて、今週末、新国立劇場で「さまよえるオランダ人」を観るということで、予習をしています。だんだんと旋律を覚えてきました。前にも書きましたが、シュトラウスに慣れてしまった耳にとっては、少々物足りなさを感じてしまうのでした。まだワーグナーの語法に慣れていないと言うことだと思います。せっせと聞かなければなりません。
(しかし、聞いているバレンボイム盤の「マリー」役の方、ピッチが厳しいのですが……)
新国立劇場のウェブサイトでは、動画も観られるのですね。
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/10000055.html

Classical

今日は、久々に武満徹さんの作品を聞いてみました。
弦楽のためのアダージョです。20世紀末に(笑)良く聞いていました。この曲1957年なんですね。シュトラウスが亡くなって10年経たないうちにこの曲ですか、と言う感じ。音楽の進歩は早いです。

ベルク:ルル ベルク:ルル
ミゲネス(ジュリア)、ガル(アクセル) 他 (1998/12/02)
BMG JAPAN

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武満さんはウェーベルンの影響を受けたと聞いていますが、同じ新ウィーン楽派のベルグのことが気になって仕方がありません。
というわけで、昨日は、「ルル」の第一幕と第二幕を聞いていました。「ルル組曲」でおなじみの旋律が随所に登場しています。はじめて「ルル」を観たのは、BSでやっていたグラインドボーン音楽祭の模様。シェーファーさんの出世作ですね。DVDでも発売されています。

ベルク 歌劇《ルル》全曲 ベルク 歌劇《ルル》全曲
グラインドボーン・フェスティバル・オペラ、シェーファー(クリスティーネ) 他 (2004/03/10)
ワーナーミュージック・ジャパン

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昨日は、「ルル」の第一幕と第二幕を聞いてみました。「ルル組曲」でおなじみの旋律が随所に登場しています。美しいのですが背徳の匂いが立ちこめているのがよく分かります。十二音音楽は神から禁じられた技法なのではないか、そんな想像が現実のものに思えてきてなりません。

Classical

Strauss;Four Last Songs Strauss;Four Last Songs
Richard Strauss、 他 (1997/07/01)
Deutsche Grammophon/Special Im
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Verdi: La forza del destino Verdi: La forza del destino
Giuseppe Verdi、 他 ()
Emi Classics

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今日はシュトラウス「四つの最後の歌」を聴いたり、バッハの管弦楽組曲を聴いたり、「運命の力」を聴いたりして楽しみました。「四つの最後の歌」といえば、4月13日、14日に、シントウさんがNHK交響楽団と「四つの最後の歌」を歌われるようです。
http://www.nhkso.or.jp/schedule/regular_2007_4.shtml
行きたいのですが、4月は新国でオペラを見る予定(西部の娘!)なので、時間的、経済的側面において断念。やむを得ません。

モーツァルト:歌劇「魔笛」 モーツァルト:歌劇「魔笛」
デイヴィス(コリン) (2003/11/01)
アイヴィー

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 ああ、それから、一年前にBSで放送された「魔笛」を少しずつ楽しんでいる感じ。まだ一幕ですけれど……。DVD化されているようですね。
http://blog.so-net.ne.jp/sardanapalus/2005-11-15
さて、水曜日以来更新が出来ませんでした一度とぎれると復活するためにはエネルギーを使うことになります。更新するためには「読んで」「聴かなければ」ならない訳ですが、そちらのほうも少々遮られる事態があったということで、ご勘弁ください。「読んで」「聴いて」だけではなく「書いた」ことをここに載せられるようになると良いなあ、と思っていますが、それはいつになるか分かりません。ともかく、また明日も更新したいですね。

Japanese Literature

Verdi: La forza del destino Verdi: La forza del destino
Giuseppe Verdi、 他 ()
Emi Classics

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 今日も会社の行き帰りにオペラの予習をしました。ムーティが振る「運命の力」です。強力ですね、ムーティ氏。序曲だけでもうお腹一杯という感じ。力を入れるところ、抜くところがしっかりしていて、何を言いたいのかがよく分かります。まずは聞き込んで旋律を暗記しないといけません。
 

木戸の椿―公事宿事件書留帳〈2〉 木戸の椿―公事宿事件書留帳〈2〉
澤田 ふじ子 (2000/12)
幻冬舎

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 先日もご紹介した澤田ふじ子さん「公事宿事件書留帳の二巻「木戸の椿」を読んでいます。澤田さんのプロットは独特です。起承転結ではなく、起承転……という感じで、結を仄めかしたり、読者の想像に任せたりという感じで、不思議な余韻を感じさせてくれます。主人公の田村菊太郎は、頭も切れて、腕っ節もあって、それでいて浪人もので気ままに居候などを決め込んでいる、男性から見ても女性から見ても理想的な男性です。女性だからこそ描けるヒーローなのかもしれません。それでいて平板さや冗長さがないのには驚きます。もっとも、男性が作者なら少し弱点を持ったヒーローにするのではないでしょうか……。舞台は京都なので、京言葉が台詞に登場しますが、これがまた良い味を出しています。昔京都に住んでいたものとしては懐かしい限りです。女性が京言葉を話すときの婀娜っぽさと言ったら! と言う感じです。