Opera

いつも読ませて頂いている「葉っぱに埃がついたので水をかけて払ってやったでちブログ」のrudolf2006さんが、森麻季さんの記事を書いていらしたので、触発されてまとめてみました。

森麻季さんのことは、このブログの前身「Museum::Shushi」で何度か取り上げました。

○ 森麻季さんのリサイタル
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2005/11/09-224156.php

○森麻季さんのムゼッタ
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2005/05/25-155655.php

○森麻季さんのハイドン「四季」
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2005/05/08-235047.php

○森麻季さんのCDと、マーラー「一千人の交響曲」の思い出
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2004/04/15-231642.php

その森麻季さんが、今年の11月のザクセン州立歌劇場日本公演で、ばらの騎士でゾフィーを歌います。
○ドレスデン国立歌劇場来日公演買っちゃった。
http://museumshushi.blog77.fc2.com/blog-entry-202.html

ご自身名義のCDは二枚出ています。

あなたがそばにいたら~Bist du bei mir~(CCCD) あなたがそばにいたら~Bist du bei mir~(CCCD)
森麻季 (2004/02/18)
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ

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愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集 愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集
森麻季 (2006/10/25)
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ

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それで、二枚目のCDが未聴なので、聴きたいなあ、と思った次第。伴奏がオケですからね。もう発売されてから、かなり経っていますが……。買わないでごめんなさい。ラインナップは以下の通り。

1. 私の心の光(ドニゼッティ:シャモニーのリンダ)
2. ようこそ皆さん・・・今日という日は(ベッリーニ:夢遊病の女)
3. 彼の優しい声が(ドニゼッティ:ランメルモールのルチア)
4. あなたの優しい声が(ベッリーニ:清教徒)
5. 今の歌声は(ロッシーニ:セビリャの理髪師)
6. 不思議だわ・・・花から花へ(ヴェルディ:椿姫)
7. 私が街を行けば(プッチーニ:ラ・ボエーム)
8. 私のお父さん(プッチーニ:ジャンニ・スキッキ)

というわけで、思い立ったが吉日。今日注文します。ロッシーニと、プッチーニに激しく期待しています。ボエームのムゼッタのワルツは、森麻季さんの十八番なのでしょうか、2004年だったかのNHKニューイヤーオペラコンサートでも、2004年のサントリーホールオペラ「ボエーム」でも、2005年のリサイタルでも、やはり素晴らしいムゼッタを聴かせてくれました。森麻季さんは本当に巧いです。声質は高く華やかで透明です。またリサイタルに行こうっと。

森麻季さん、NHKのトップランナーにも出ていました。

http://www.nhk.or.jp/tr/2006album/060917.html

イタリア留学時の苦労、ドミンゴとの出会いなどに加えて、同時多発テロ直後のワシントンナショナルオペラで歌ったとき、全米がテロの恐怖にうちふるえる中にあっても、オペラに多くの観客が入って、とても感動した、といったお話。

3月22日は、ゼンパーオーパーで、ばらの騎士のゾフィーを歌っています。指揮は準・メルクルさん。2007年11月の来日公演と同じですね。

森麻季さんの公式サイトはこちら。綺麗ですね。
http://www.makimori.com/

それにしても、どうして新国立劇場には出演されないのだろうか? そろそろ新国で聴いてみたいです。

Opera

Puccini: Madama Butterfly Puccini: Madama Butterfly
Giacomo Puccini、 他 (1990/10/25)
London
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明日は、新国立劇場(昨日からは、「オペラパレス」という愛称がついたようですが……)で、蝶々夫人です。
指揮は若杉弘さん、ピンカートンはジュゼッペ・ジャコミーニさんです。若杉さんは、リヒャルト・シュトラウスのオペラを振っておられるのを聴いたことはありますが、プッチーニを振られるのを聴くのははじめてです。ジャコミーニさんは、2004年に「道化師」を新国立劇場(もといオペラパレス! あ、オペラパレスって、言うのは少し気恥ずかしいですね)で聴いたのですが、それはそれはすさまじいほどの迫力のある声の持ち主でいらっしゃいます。ピンカートンを情熱的に歌い上げてくれると思います。
そういうわけで、カラヤン盤の「蝶々夫人」で予習中です。

Miscellaneous

昨日も書きましたが、昨週、先輩と後輩のジャズライブに行ってきました。

昔は、僕もライブに出たこともあったりしましたが、いまはとんとご無沙汰。実に2,3年ぶりにライブに行ったのでした。後輩には、何度も誘われていたのですが、忙しかったりしてついつい足が遠のいていたのです。

それで、北東京の地下のブラジルレストランに行ったというのは昨日も書いたとおり。

それで、編成はピアノトリオ(ピアノ、ベース、ドラム)に女性ボーカル。このボーカルの方、メゾ・ソプラノで雰囲気が良いのですよ。中低音の倍音が綺麗な声をしてらっしゃいました。

ピアノの若い男性が元気が良くて良い。すこし荒削りなところはあるけれど、オスカー・ピーターソンばりの迫力ある演奏でした。先輩のベーシストは音が良いなあ、と言う感じ。この方とは知り合って14年になるんですが、いつもお世話になりっぱなしでした。何年も一緒にバンドをやったこともありました。先輩は音楽をずっと続けているのですが、私は今は楽器から離れている感じ。もったいないかもしれない、と思いました。

隣に座った見知らぬ女性と少し話をしたのですが、その方のポジティブ・シンキングぶりに脱帽。いろいろあって、ネガティブな方向に認識する癖がついていたところだったので、巧く調整された感じ。僕が「一度で良いから、ヴォーカルバンドで演奏してみたかったんですよね」と言うと、「これからできるじゃないですか」だって。もうサックスなんて吹けやしない、と思っていたところだったので、そうか、まだこれからやろうと思えば出来るんだ、みたいな、目から鱗が落ちた感じ。まあ、本当に出来るかどうかは別として、ですが。

なんだか必要以上に老け込んでいた気がしましたが、ライブに行ったおかげで、すこし若返った気がします。幸福な時間でした。また行きたいですね。

誘ってくれた、後輩Mさん、ありがとう。

Jazz

Sings Jobim Sings Jobim
Eliane Elias (1998/07/28)
Parlophone Jazz

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先だって、先輩、後輩が出演するライブを観に行きました。ジャズライブに出かけるのはとても久しぶり。インストナンバーやヴォーカルナンバーを楽しみました。とくに「The Shadow of Your Smile(邦題:いそしぎ)」が印象的。ライブの様子については、また明日に書いてみたいと思います。

それで、ライブは北東京のとあるブラジルレストランであったのですが、ブラジルの国旗が這ってあったり、フィルムケースで作ったシェーカーがおいてあったり、ラテン音楽のビデオが流れていたりと言う感じで、雰囲気も良い感じ。ケールという野菜の炒め物がとてもおいしい。

それで、ライブが始まるまで、ビデオを眺めていたのですが、それにいたく感動したのですよ。

おそらくは大御所の、白いスーツに黒いシャツを決めた男性歌手が自分の子供か孫かを抱いてステージ脇に登場し、付け人かマネージャに子供を託す。そして、彼はステージに昇る。満場の客席から激しい拍手。ステージ上の小さなテーブルには、ブランデーがグラスに入っておいてあって、吸い差しのタバコが細い煙を上げている。おもむろに、数十人規模のビックバンドがイントロを奏し、彼が歌い始める……。結構明るい感じの曲。

でも、ブラジルと言えば、生活も苦しいだろうし、こんな明るい音楽に浸れるのが信じられなかったのですよ、今までは。でも、このビデオを見て思ったのは、生活が辛苦に満ちているからこそ、戦闘的に明るい音楽にのめりこんで行っているのではないか、ということ。辻邦生師がおっしゃる「戦闘的オプティミズム」というものなのじゃないか、ということ。

辛苦を嘗めて、暗いところに蹲るのではなく、あえて明るいところに自分を晒していく、ということがよく分かったのです。だからこそ、カーニバルの陶酔と熱狂がある。あれは、生きていくための手段なのだ、ということも。本当にいまさらですが。

あ、もちろん、ラテン音楽すべてが明るい曲というわけではないですよ。そうじゃないのもたくさんありますから。

それで、積極的に手持ちのラテン音楽をきいてみているわけです。根が単純なもので……。よく言えば素直と言うことですが……。

とりあえずきいているのは、イリアーヌ・イリアスのSings Jobim(邦題:海風とジョビンの午後)。ジョビン有名な曲をイリアーヌの婀娜っぽい声で。そして、サックスはマイケル・ブレッカーですからね。良くないわけがない。それにしても、なんとも艶かしいジャケットだこと。

Opera

NNT

3月24日、初台の新国立劇場で、ヴェルディの「運命の力」を見てきました。ヴェルディは少々苦手な口なのですが、今回は結構楽しめました。やはり、無理をして観に行くと良いことがありますね。すこしはヴェルディの語法に慣れてきた感じがします。

気がついたことを例によって箇条書きで。

  • 席は二階1列36番でした。34番まではS席ですので、「ほぼS席」の見やすい席でした。事前に年間購入していた券でしたので、有利な席をとってくれたのだと思います。NNTに感謝。
  • 真っ赤な舞台の幕には、おそらくはスペイン語のなまえが金色で貼り付けられていて、いやが応にも気持は盛り上がってきました。
  • 舞台装置は、直方体の枠組を、部屋や祭壇に見立てて使っています。第一幕は、レオノーラの部屋が舞台ですが、舞台手前に直方体の部屋があって、その後ろには、黒いスーツやドレスを着た男女が何人も座って劇を見ているのですよ。それも一幕だけ。できれば、彼らにはずっと見ていてもらって、何らかの解釈上、演出上の役割を彼らに与えて欲しかったです。第二幕の祭壇には、ムリーリョが描くようなマリア像が描かれていて、迫力満点でした(私、ムリーリョ、好きなんですよね)。
  • バリトンで、ドン・カルロを歌ったウラディーミル・チェルノフ氏の声、大好きでした。矛盾した形容かもしれませんが、ああいう鋭くて柔らかい声の持ち主にあこがれてしまうな。これも何度も書きましたが、西欧人の骨格じゃないと、ああいう声は出ないんじゃないか、と思ってしまいます。彼にはトスカのスカルピアや、ホフマン物語のリンドルフを歌って欲しい、と思いました。
  • インドラ・トーマスさんも迫力あるレオノーラを歌っていました。第一幕の迷えるレオノーラには少し無理があったかもしれませんが、隠棲を望むレオノーラ、隠棲するレオノーラの意志の強さを良く表現していたと思います。
  • 日本人キャストで言うと、プレツィオジッラの林美智子さんが良かったです。高いだけではなく、豊かな倍音を含んだ張りのある声だったと思います。
  • 指揮はマウリツィオ・バルバチーニ氏。序曲は、緩急を付けてよく歌わせていましたが、オケがついてこられない場面もあって少し残念でしたが、おおむね良かったのではないでしょうか。

ともかく、楽しい3時間でした。

次回は3月31日に蝶々夫人を観に行きます。ジュゼッペ・ジャコミーニさんが出ると言うことで、とても楽しみにしています。

Miscellaneous

3月24日のシャットダウンデーを完遂することが出来ました。特にPCも立ち上げず、さらに携帯サイトを見ることもなく(もっとも、携帯サイトは普段から全く見ませんが……)、気持の良い一日を送ることが出来ました。

東京地方は、朝若干はれていたものの、すぐに曇り空となってしまいました。所用のため虎ノ門に出向き用事を済ませてカフェで読書など。銀座線、丸ノ内線と乗り換えて新宿へ。新宿から初台までは歩いて新国立劇場へ向かいました。曇り空でしたが、まあ暖かい一日だったのではないでしょうか。

「運命の力」の件は次回まとめようと思います。

Miscellaneous

http://www.shutdownday.org

明日は、シャットダウンデーです。PCを使わずに一日過すことが出来るか、試してみたいと思います。

常々、PCを使うことに相反する思いを抱いていました。PCを使うには、姿勢を一定にしなければならず、それが原因で肩や背中の痛みが激しいのです。

とはいえ、

  • ネットで情報収集(ニュース、交通機関、天気予報)
  • 図書館の蔵書検索と貸出予約
  • ブログを書く
  • ブログをRSSリーダーで読む。
  • 写真の保存と加工
  • 音楽の保存と管理、iPodのメンテナンス

と言った理由で、家でもPCを使うことを余儀なくされています。本当は、PCなしで過ごせるといいのですがそうも行かないところです。ですので、このイベントに飛びついてみました。幸い、明日は会社が休みですので、PCを使わずに過すことが出来そうなのです。

ちなみに、ウェブサイトによると、現在5万人あまりの方々が参加されるようです。

明日は、午前中から東京に出て、所用をすませたあと、新国立劇場でヴェルディ「運命の力」を観る予定にしています。ですので、昼間は全くPCを使う余地はありません。夜も本を読んで過そうと思っています。明日が良い一日になると良いと思っています。

Jazz

SAXOPHONE WORKSHOP

1989年のライブ・アンダー・ザ・スカイでのパフォーマンス。大学の時代に聴き続けたCDの中の一枚。この5,6年、行方不明になっていたのだが、先だって図書館で見つけて借りてみました。書架には出ていなかったのですが、書庫の中から出して貰いました。感想をいくつか。

  • このアルバムを聴いて、アーニー・ワッツの偉大さを知った。二曲目「The Four Sleepers / Pools」のソロは格別。好き嫌いはあるかもしれないが、流れる早いパッセージと、フラジオ音域を多用した感動的なインプロヴァイズ。
  • もちろんマイケル・ブレッカーも頑張っていて、「スウィングしなけりゃ意味がない」のソロが白眉。豊かな倍音を吹くんだ太いテナーの音が素晴らしい。「ラヴァー・マン」で旋律とるところも良い。サークルの合宿で、こんな感じで「ラヴァー・マン」をやろうと思ったのだが、あえなく敗退した。おそらく、ドン・グロルニックのアレンジが良いんだと思う。
  • 僕のかつてのサックス演奏はこのアルバムに依るところが大きかったなあ、ということをあらためて確認。
  • 最近ジャズにはご無沙汰している家人も、感心するところしきりだったから、良いアルバムであることには間違いない。
  • 残念ながらAmazonでは取り扱っていない模様。音だけでも手に入って良かった。

演奏者は以下の通り。

  • マイケル・ブレッカー(TS)
  • ビル・エヴァンス(SS,TS)
  • スタンリー・タレンタイン(TS)
  • アーニー・ワッツ(AS,TS)
  • ドン・グロルニック(P)
  • 鈴木良雄(B)
  • アダム・ナスバウム(DR)

European Literature

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈上〉
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ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈下〉
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  • 発売元: 評論社
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ウォーターシップダウンのうさぎたち コレクターズ・エディション
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  • 売上ランキング: 16643
  • おすすめ度 4.0

「ウォーターシップ・ダウンのウサギたち」を読みました。

  • 小学生時代に読んでおきたかったなあ、と真っ先に思う。残念。
  • 各章の冒頭に記される引用が的確で味わい深い。
  • 作者は否定しているようだが、現実世界のメタファーに富んだ作品に読むことができる。ヘイズルの泰然とした振舞、ピグウィグの勇気と剛気、ウードワードの権力欲など。人間世界の縮図を見ているようで、面白い。ヘイズルのような優れたリーダの元で働いてみたいものだ。ないしは、ヘイズルのようなリーダーになりたいものだ。
  • 細緻な描写や説明もすぐれていて、矛盾点は見つからない。「細部に神は宿る」という言葉がぴったり当てはまる。
  • 冒頭部から物語はどんどん展開していく。章立てはそれぞれ短く、テーマが細分化されている。だらだらとストーリーが展開していくのではなく、リズムをもってきびきびと展開していくのでとても読みやすい。
  • それにしても、ウサギの視点で、舗装された道路、自動車、鉄道、橋、舟などを描写するのは骨が折れるだろうな、と思う。そして、どれもきちんと描写されていて舌を巻く。
  • 物語はこれぐらい面白くないといけないし、完成度が高くないといけないな、と思う。
  • DVDも出ている。機会があったら是非見てみたい。
  • この本は、本当に読んで良かった。

American Literature

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読み終わりました。以下感想。

  • 以前も書きましたが、謎のクルマ、をモティーフにしてよくぞここまで引っ張ったなあ、というのが第一印象。その筆力に驚嘆するばかり。
  • しかし、謎は最後まで謎のままなのは残念。余韻はあるのですが、もうすこし本当のことが知りたかったです。
  • D分署という閉鎖された空間で大人たちのなかで秘密にされていた謎を、青年(少年というには歳を取っていると思うのだが)が徐々に知っていくというあたり、青年が徐々に世間ずれしていくメタファーになっているのかな、と思ったりする。
  • 凄惨な描写を読んでいたら、清廉な風景に逃げ込みたくなって、なぜか、かつて赴いた北欧の風景が思い浮かびました。

すこしホラー/ミステリーに疲れたので、次はもうすこし心休まる本を読もうと思っています。