Opera

先週のジャコミーニさん体験から一週間、帰りの電車で蝶々夫人を聴くのが日課のようになってしまいました。聴いているのは、カラヤン盤で、パヴァロッティとフレーニが歌っているもの。仕事でバタバタして疲弊しきった一週間でしたが、なんとか持ちこたえました。プッチーニ様のおかげです。
 
 ですが、ほかの蝶々夫人も聴いてみたい! と思い調査中。
 
音楽之友社「クラシック名盤大全 オペラ・声楽曲篇」をめくってみました。以下の5枚が推薦されていました。
カラヤン盤

Puccini: Madama Butterfly Puccini: Madama Butterfly
Giacomo Puccini、 他 (1990/10/25)
London
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シノポリ盤
amazonでは取り扱っていないようです。
セラフィン盤

プッチーニ:蝶々夫人 全曲 プッチーニ:蝶々夫人 全曲
デバルディ(レナータ)、ベルゴンツィ(カルロ) 他 (2004/11/26)
ユニバーサルクラシック

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バルビローリ盤

プッチ-ニ:歌劇「蝶々夫人」全曲 プッチ-ニ:歌劇「蝶々夫人」全曲
スコット(レナータ)、ローマ国立歌劇場合唱団 他 (1996/07/17)
東芝EMI

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ファブリティース盤

プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」 プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」
モンテ(トティ・ダル)、ローマ歌劇場合唱団 他 (1996/12/18)
東芝EMI
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さて、どれを買いましょうか?

Photo

SAKURA
明日の東京地方は、晴れのち曇り、明後日日曜日は曇り、ということで、天気は今ひとつ。桜の方はと言えば、だんだん散り始めていて葉桜になりかけています。今週末もぎりぎり楽しめるかな、と言う感じでしょうか。
(写真は4月1日に撮った桜です)

American Literature

rosemary

ローズマリーの赤ちゃん ローズマリーの赤ちゃん
アイラ・レヴィン (1972/01)
早川書房

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またヤバイ本を読んでしまった。アイラ・レヴィンの「ローズマリーの赤ちゃん」。ある本で勧められていたので読んでみたのですが、あまりに面白く、興味深く、吸い込まれるようにして読んでしまいました。

ネタバレになるかもしれませんので、フォントの色を変えます。ともかく衝撃的。

  • 計算されつしているなあ、本当に。夫のガイが俳優で、芝居をして、入居住宅を変えるところから、ガイの芝居に結局はだまされ続けるローズマリー。
  • ローズマリーが眠らされて悪魔と交わるシーンは、ローズマリーの夢と言うことになっているんだけれど、最初読んだときは、よくもこんな象徴的な夢を書けるな、と感心していたのだけれど、それが本当にあったことだと分かってゾッとする。思わず、くだんの部分を読み返して再度ゾッとする。しかし、この部分、「ダ・ヴィンチ・コード」の一場面と似ているな……。
  • しかも、その日、ローマ法王がニューヨークを訪れていると言う設定。できすぎている。
  • ローズマリーがカトリックの信仰から離れた女ということも象徴的。最後に「神は死んだ」と叫ぶあたり、現代を象徴している。
  • でも、悪魔信仰が悪かと言われれば、そうではないかもしれない。悪魔といっても、反キリスト教的で異教的なものを指す場合もあるから。
  • これは現代批判なんだろうな、と。悪しき相対主義に陥る現代社会への警鐘でもあるのかな、と。
  • キリスト教(カトリック)が第二ヴァチカン公会議以降、他宗教を認めるなど融和的な方向に向いたことで、ある種の相対主義に陥り、力を失った。そこにあるのは、道徳無き世の中(異論もあると思うけれど)。
  • それで、ニューヨークを訪れるローマ法王の名はパウロ。これは、パウロ六世(在位1963〜1978)のことを指していると思われる。彼は第二ヴァチカン公会議の遂行者。実に象徴的。
  • しかし、最後のシーン、強烈。赤ちゃんにかぎ爪が生えていて、それで身体をひっかかないために手袋をかぶせている、とか、普通思いつかないよなあ。

Classical

Giuseppe Giacomini Giuseppe Giacomini
Georges Bizet、 他 (2000/08/09)
Bongiovanni

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蝶々夫人がひけたあと、いつものように初台から新宿へ国道20号線沿いを歩いていきました。目標は新宿駅の向こう側、フラッグスの8F、つまりタワレコクラシック売り場です。ジャコミーニさんのCDがあるというので、探しに行ったのでした。
ありましたよ、ジャコミーニさんのCD。すかさずゲットして、帰宅。でも土曜日は音楽を聴きませんでした。蝶々夫人の感動が逃げていくような気がしたので。
それで、CDを書けたのは翌日曜日。CDプレーヤーにセットして、プレイボタンを押すと……。そうそうこの声なんですよ。雄々しくてドラマチックで男らしい声。聴いていると勇気が湧いてくるような、そんな声ですね。ロッシーニ、ドニゼッティ、マイヤベーヤ、ヴェルディ、ビゼー、プッチーニ、マスネのオペラから12曲が集められています。どれも良い意味でジャコミーニ色によく染まっています。
それで、他にもジャコミーニさんのCD無いかな、と思い、Amazonで調べてみたら、他にもCDが出ているみたいです。これも買おうと思います。

誰も恐れることはない~ジャコミーニアリア集 誰も恐れることはない~ジャコミーニアリア集
ジャコミーニ(ジュゼッペ) (2002/04/24)
キングインターナショナル

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愛唱曲集 愛唱曲集
ジャコミーニ(ジュゼッペ) (2002/04/24)
キングインターナショナル

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Opera

NNT
テクノラティで検索したりして、いろいろなブログを見て回ると、31日の蝶々夫人、あまり良い評価を受けていない向きもあるみたいですね。おかしいなあ、あんなに感動したのに……、と言う感じ。
そこで、僕の聴き方、見方が悪かったんじゃないか、という不安に苛まれるのがいつものこと。
それで、ちょっと、足掻いてみる。
リズムがバラバラとか、ジャコミーニさんが走っていたとか、そういう評価があるのですが、バラバラなのは分からなかった僕が悪いかな、と。ただ、ジャコミーニさんが走っていたのは、わざと走っていたはず。オケと同じテンポで歌うと歌詞がきこえなくなるから、オケより少し早めに歌うのが良い、と言うのを聴いたことがある。他の歌手もオケとオンタイムで歌っていないことが多いと思うんだけれど……。(ドミンゴとか、サバティーニとか……。具体的じゃないからといって炎上させないで欲しいのですが)。
若杉さんも、序奏ではアンサンブルを掌握していなかったけれど、その後は大丈夫だったんじゃないかな、と。もっとも、そのころ僕は忘我の境地にいたので、細かいところが聴けていなかったのかもしれない。
いつも思うんだけれど、ジャズでもクラシックでも、聞き込み始めると、批判する方が簡単になってきて、評価することを忘れてしまう。もちろん、批判するのは大事だけれど、それは一人の聴き手としては二の次なんじゃないかな、と(批評家的な聴き方をする場合は大事ですが)。評価できる点を見つけるのが、良い聴き手なんじゃないかな、と。
ともかく生理現象を伴った、かつてないほどの感動を覚えたのは事実なのだから、それを大事にしよう。そればっかりは、個人的な体験で事実なんだから、誰から批判されても揺るがないものだし。それに、感動しただけ、あのパフォーマンスから受けたリターンが大きかったと言うことなのだから、感謝しよう。

Photo

www.flickr.com



天気が良かったので、近所の桜名所系に行ってきました。今年はもう満開を越えて葉桜になっている木もありました。明日からは天気が悪くなるようですので、今日が最後のチャンスかもしれませんね。

Opera

NNTNNT

行ってきました、蝶々夫人。箇条書き形式でレポート。

  • ジャコミーニさん、偉大すぎる。本当はお年を召していると思うのだが、白い米国海軍の軍服を着て、背筋を伸ばして登場する。歳を感じさせない演技とスタイル。かっこよすぎる。若々しい所作が素晴らしい。
  • そして、歌も素晴らしすぎて感歎。柔らかいのだが、剛気があって、張りがある。ドラマティックで甘く雄々しい。低音域の豊かな倍音が、高音域でも持続している。ドミンゴの甘さやパヴァロッティの華やかさとは全く違う魅力。
  • ジャコミーニさんの中に、イタリアオペラの歴史を感じる。きっと本場でもこうやって演技したり歌ったりしているんだなあ、と。それを東京で見られることの幸福といったら、贅沢過ぎる話だ。
  • ジャコミーニさんは、2004年の新公立劇場「道化師」でカニオを歌われたのですが、そのとき以上の感動です。他のブログでは賛否両論あるようですが、私は間違いなく賛の方です。
  • 蝶々夫人の岡崎さんも良かったですよ。国際級の声ですね。声も通っていたし落ち着いた演技も良かったです。
  • 若杉さんの指揮、タメを巧く使って、オケを感動領域までぐいっともちあげる感じ。巧くコントロールしていたと思います。
  • オペラを聴き始めて四年半、内外の劇場で39回見たけれど、今回のパフォーマンスに最大級の感激。僕のクラシック視聴歴最大のパフォーマンスだったと思います。これ以上のパフォーマンスを次に観られるのはいつになるんだろう。
  • というか、私、第一幕ずっと泣いてました。涙が止まらないのですよ。ジャコミーニさんの姿をみてなぜか涙、声を聴いても涙、弦の対旋律に涙、岡崎さん(蝶々さん)が登場するところで涙。そして、ジャコミーニさんと岡崎さんの二重唱で最高潮に涙が滂沱と溢れました。歳のせいかもしれませんが、音楽にここまで泣いたのは、クラシック聴きはじめて25年ぐらいになるけれど、初めて。
  • しかし、誰か一人が若杉さんとオケにブーイング掛けたんだよねえ……。なぜなのか分からない。確かに序奏は、若杉さんとオケのコミュニケーションがとれていなかったのだが、それ以降は、そういう善し悪しを越えた素晴らしい演奏だと思ったのに。人それぞれ受け取り方は違うと思いますので、仕方がないですが。
  • まあ、他の日の公演の様子をブログで見てみると、いろいろと違った意見があるようなので、仕方がないですかね。
  • しかし、プッチーニは偉大だなあ。オーケストレーションも神業だし、メロディ・メーカーと来ている。自分がどれほどプッチーニが好きなのか、よく分かりました。

 劇は悲劇に終りますが、時を忘れた幸せな二時間半でした。プッチーニ様、若杉さん、ジャコミーニさん、岡崎さん、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました、と言う感じですね。

指揮
若杉弘
オーケストラ
東京交響楽団
ピンカートン
ジュゼッペ・ジャコミーニ
蝶々夫人
岡崎也加子
シャープレス
クリストファー・ロバートソン
スズキ
大林智子
ゴロー
内山信悟

写真は、終演後の新国立劇場玄関です。


NNT
NNT

Opera

いつも読ませて頂いている「葉っぱに埃がついたので水をかけて払ってやったでちブログ」のrudolf2006さんが、森麻季さんの記事を書いていらしたので、触発されてまとめてみました。

森麻季さんのことは、このブログの前身「Museum::Shushi」で何度か取り上げました。

○ 森麻季さんのリサイタル
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2005/11/09-224156.php

○森麻季さんのムゼッタ
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2005/05/25-155655.php

○森麻季さんのハイドン「四季」
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2005/05/08-235047.php

○森麻季さんのCDと、マーラー「一千人の交響曲」の思い出
http://shushi.s39.xrea.com/mt/2004/04/15-231642.php

その森麻季さんが、今年の11月のザクセン州立歌劇場日本公演で、ばらの騎士でゾフィーを歌います。
○ドレスデン国立歌劇場来日公演買っちゃった。
http://museumshushi.blog77.fc2.com/blog-entry-202.html

ご自身名義のCDは二枚出ています。

あなたがそばにいたら~Bist du bei mir~(CCCD) あなたがそばにいたら~Bist du bei mir~(CCCD)
森麻季 (2004/02/18)
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ

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愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集 愛しい友よ~イタリア・オペラ・アリア集
森麻季 (2006/10/25)
エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ

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それで、二枚目のCDが未聴なので、聴きたいなあ、と思った次第。伴奏がオケですからね。もう発売されてから、かなり経っていますが……。買わないでごめんなさい。ラインナップは以下の通り。

1. 私の心の光(ドニゼッティ:シャモニーのリンダ)
2. ようこそ皆さん・・・今日という日は(ベッリーニ:夢遊病の女)
3. 彼の優しい声が(ドニゼッティ:ランメルモールのルチア)
4. あなたの優しい声が(ベッリーニ:清教徒)
5. 今の歌声は(ロッシーニ:セビリャの理髪師)
6. 不思議だわ・・・花から花へ(ヴェルディ:椿姫)
7. 私が街を行けば(プッチーニ:ラ・ボエーム)
8. 私のお父さん(プッチーニ:ジャンニ・スキッキ)

というわけで、思い立ったが吉日。今日注文します。ロッシーニと、プッチーニに激しく期待しています。ボエームのムゼッタのワルツは、森麻季さんの十八番なのでしょうか、2004年だったかのNHKニューイヤーオペラコンサートでも、2004年のサントリーホールオペラ「ボエーム」でも、2005年のリサイタルでも、やはり素晴らしいムゼッタを聴かせてくれました。森麻季さんは本当に巧いです。声質は高く華やかで透明です。またリサイタルに行こうっと。

森麻季さん、NHKのトップランナーにも出ていました。

http://www.nhk.or.jp/tr/2006album/060917.html

イタリア留学時の苦労、ドミンゴとの出会いなどに加えて、同時多発テロ直後のワシントンナショナルオペラで歌ったとき、全米がテロの恐怖にうちふるえる中にあっても、オペラに多くの観客が入って、とても感動した、といったお話。

3月22日は、ゼンパーオーパーで、ばらの騎士のゾフィーを歌っています。指揮は準・メルクルさん。2007年11月の来日公演と同じですね。

森麻季さんの公式サイトはこちら。綺麗ですね。
http://www.makimori.com/

それにしても、どうして新国立劇場には出演されないのだろうか? そろそろ新国で聴いてみたいです。

Opera

Puccini: Madama Butterfly Puccini: Madama Butterfly
Giacomo Puccini、 他 (1990/10/25)
London
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明日は、新国立劇場(昨日からは、「オペラパレス」という愛称がついたようですが……)で、蝶々夫人です。
指揮は若杉弘さん、ピンカートンはジュゼッペ・ジャコミーニさんです。若杉さんは、リヒャルト・シュトラウスのオペラを振っておられるのを聴いたことはありますが、プッチーニを振られるのを聴くのははじめてです。ジャコミーニさんは、2004年に「道化師」を新国立劇場(もといオペラパレス! あ、オペラパレスって、言うのは少し気恥ずかしいですね)で聴いたのですが、それはそれはすさまじいほどの迫力のある声の持ち主でいらっしゃいます。ピンカートンを情熱的に歌い上げてくれると思います。
そういうわけで、カラヤン盤の「蝶々夫人」で予習中です。

Miscellaneous

昨日も書きましたが、昨週、先輩と後輩のジャズライブに行ってきました。

昔は、僕もライブに出たこともあったりしましたが、いまはとんとご無沙汰。実に2,3年ぶりにライブに行ったのでした。後輩には、何度も誘われていたのですが、忙しかったりしてついつい足が遠のいていたのです。

それで、北東京の地下のブラジルレストランに行ったというのは昨日も書いたとおり。

それで、編成はピアノトリオ(ピアノ、ベース、ドラム)に女性ボーカル。このボーカルの方、メゾ・ソプラノで雰囲気が良いのですよ。中低音の倍音が綺麗な声をしてらっしゃいました。

ピアノの若い男性が元気が良くて良い。すこし荒削りなところはあるけれど、オスカー・ピーターソンばりの迫力ある演奏でした。先輩のベーシストは音が良いなあ、と言う感じ。この方とは知り合って14年になるんですが、いつもお世話になりっぱなしでした。何年も一緒にバンドをやったこともありました。先輩は音楽をずっと続けているのですが、私は今は楽器から離れている感じ。もったいないかもしれない、と思いました。

隣に座った見知らぬ女性と少し話をしたのですが、その方のポジティブ・シンキングぶりに脱帽。いろいろあって、ネガティブな方向に認識する癖がついていたところだったので、巧く調整された感じ。僕が「一度で良いから、ヴォーカルバンドで演奏してみたかったんですよね」と言うと、「これからできるじゃないですか」だって。もうサックスなんて吹けやしない、と思っていたところだったので、そうか、まだこれからやろうと思えば出来るんだ、みたいな、目から鱗が落ちた感じ。まあ、本当に出来るかどうかは別として、ですが。

なんだか必要以上に老け込んでいた気がしましたが、ライブに行ったおかげで、すこし若返った気がします。幸福な時間でした。また行きたいですね。

誘ってくれた、後輩Mさん、ありがとう。