ローマ紀行2008 その13 システィナ礼拝堂の思い出

ヴァチカン美術館の至宝の中でも、ココだけでしか絶対に見られないもの。それはラファエロの「アテネの学園」とミケランジェロの手になるシスティナ礼拝堂の天井画と壁画。いよいよクライマックス。

ミケランジェロの「天地創造」と「最後の審判」ここばかりは、写真を撮るのを許してくれない。係員が二人ぐらいいて、"No Photo!! Thank you."と繰り返し叫ぶのだが、写真をとる人は後を絶たない。白髪の小柄な老人が係員にはわからないように写真をとると、してやったりとペロリと舌を出している。まあ、撮ろうと思えば撮れたのだけれど、正義に悖りますし、神聖な場所なので、やめておきました。第一、礼拝堂の中はとても暗い。ISO感度を上げないと写らないはず。もって行ったデジカメはISO400までなので、どだい写すのは無理だったでしょう。

天井画も壁画も、大胆さと細密さが同居しています。偉大な芸術は常にそうです。神は細部に宿りますが、最初の一撃にも宿りますから。両者のバランスが条件となりましょうか。それにしてもこの巨大な壁画を自らの統御の元に作り上げる意志力とか知力、そして天才性には感服です。

さて、システィナ礼拝堂には、サンドロ・ボッティチェルリやギルダンダイオの壁画もあります。やっぱりボッティチェルリの壁画はすばらしい。確か辻邦生師の「春の戴冠」でも、サンドロ・ボッティチェルリがローマに出向いて壁画を描くというエピソードが取り上げられていて、たしか、フィレンツェでないといい仕事ができない、と嘆くというくだりを思い出しました。

体力的にはこの時点で限界を迎えていました。サンピエトロ大聖堂のクーポラ(丸天井)を上ったからでしょうか。虚勢を張らずにエレベータで昇ればよかったかな、などと思いながら、システィナ礼拝堂の壁脇にしつらえられている長いすに座りながら絵を眺め続けていました。

コメントを残す