Opera

一週間もサボってしまいました。ちと体調崩しておりますので仕方がないのですが。とはいえ、また書き始めようと思います。

昨週の日曜日(10日)は、新国立劇場にて「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を観にいきまして、昨日はおなじく新国立劇場にて「ポッペアの戴冠」を観にいきました。かたや20世紀、かたや17世紀でして、その隔たりたるや、というところです。

正直申し上げまして、モンテベルディの作品にはあまり触れたことがなく、予習用のCDを三枚入手したのですが、どのCDも全く別の音楽に聞こえてきます。というか、メロディ違うのですが。昨日の公演パンフレットには、二つの版がある、とありましたので、その違いでしょうか。その中でもガーディナー盤が昨日の公演に最も近かったと思います。 演奏はバッハ・コレギウム・ジャパンで指揮は鈴木雅明さん。

演奏の模様は、こちらに。

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/music/090516/msc0905161802000-n1.htm

というか、産経MSNでこんなにクラシックを取り上げるなんて知らなかったです。

コンサートオペラとありましたが、オケはピットに入り、歌手は衣装を着けて舞台に上り暗譜で歌います。大掛かりな舞台装置はありませんが、抽象的な演出をとる普通のオペラと言ってもおかしくない感じ。最も野心的だったのは字幕でして、舞台上の真っ黒な壁面にまるで水面に落ちるように字幕が現れては消えるというところ。フラッシュ技術を使っているそうですが、相当手が込んでいます。二人の歌手が掛け合うところなどは、ちゃんと歌手の背後に字幕が現れる仕組みになっていて、言葉と音楽の融合関係を垣間見る想いでした。このあたりは鈴木雅明さんもパンフレットでも述べてありまして、意図通りの効果でした。

座席は前から2列目の左手。ピットの中が良く見えたのですが、古楽器を実際に見るの初めてでして演奏者の姿にも興味津々。古楽器については理解が足りず、というところ。ああ、勉強しないといけないことは山ほどあります。

正直言って、この一週間は「ポッペアの戴冠」しか聞いていませんでした。週末になるにつれてワーグナーやリヒャルト・シュトラウスが恋しくてなりませんでした。すでにワーグナーやマーラー、シュトラウスに馴れた耳には、モンテヴェルディはあまりに禁欲的過ぎます。まるで僧院に閉じ込められたような感覚。今日からやっと娑婆の世界に戻た感じです。今日は早速「影のない女」ショルティ盤を聞いて癒されております。