ベン・マッキンタイア/ナチが愛した二重スパイ
こちらも久々に骨のある本で、息つく間もなく二日で読み終わりました。上質のスパイ映画を観ている気分。しかもそれがどれも実在だった(と思われる)話しなので、臨場感が違います。
ロンドンで悪名をならした天才犯罪人がナチスのスパイとなり、ついで英国のMI5のスパイとなり、二重スパイとして、ドイツやイギリスを翻弄する、チャップマンが主人公の痛快なノンフィクション。
小学校の頃、「原爆スパイ0号」というスパイノンフィクションが面白かった記憶がありますが、それにもにた面白さ。正史には現れない第二次大戦の舞台裏を神の眼をもって眺めているという贅沢さ。いや、贅沢だなんて言葉は似つかわしくないです。戦争がいかに人を変えて、人を活かすのか、という戦慄すべき事実をも突きつけられますので。
最後の部分がちょっと寂しい。チャップマンのスパイ人生の終わり方をもう少し読んでいたかったです。それは、とりもなおさず、物語が終わるという寂寥だったりするのですが。
しかし、チャップマンほど頭がよくて、勇気があればなにをもできると思うのですが、そうもいかないようです。死ぬ間際にはすこし寂しい話しもあったようです。
こういう本を読むと、なんだか勇気づけられる気分。私も、能力はなくとも、なんとか頑張らないといかんなあ。
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