山崎豊子「沈まぬ太陽」第2巻アフリカ篇(下)

ふう、たったいま読了。帰宅の通勤電車にて。
この本は引きつけてやまない魅力に満ち溢れています。会社で厳しい立場に置かれる主人公にはなぜだか強く感情移入してしまいます。少し境遇が似ているからかもしれません。これかどうなっていくのでしょうか。僕の生き方にヒントになることはあるかしら……。
描かれるエピソードは、何時の世にも共通な組織と個人の葛藤が描かれています。あまりに普遍性を持つテーマですので、ここに飛び込める作家さんを本当に尊敬してしまいます。
山崎豊子さんの場合、それは綿密な取材や堅牢な構成によって克服しているように見えます。よくもここまで調べたなあ、という感嘆。ネット時代でもないのに。
とは言え、ネット時代の取材も難しいでしょうね。ネットに流れている情報が真実であったり正しいものである、という保障はありませんから。
加えるなら、昔は鷹揚な時代で、取材と称して色々な会社に電話してみると、スルスルと教えてくれたんだそうです。でも、こういう世知辛いよのなかですので、そんな鷹揚さはとうに失われているでしょう。
さて、会社でショックな出来事。まあ、誰もが通る道なんですが、最近、小さな文字が読みにくくて、とこぼしていると、それはどうやら目の筋肉力の低下によるものなのだそうです。度の強い眼鏡で遠くに焦点を合わせることに慣れてしまった目の筋肉が、さて、では近くをみようか、となると、力を失い、適切に焦点を合わせることが出来なくなってくるのだとか。
この現象に気づいたのは2008年頃から。まあ、歳のせいということ。早くいえば老眼の入口に立ったとでも言いましょうか。
というわけで、こまめに眼鏡をはずして過ごして見ることにしました。いまも眼鏡をはずしてiPadで作文中です。