第5回 「トスカ」とはどのような物語なのか。第二幕から──新国立劇場「トスカ」を聴こう
なにか原因が分かった気がする一日。常に人間は回り続けなければ五日は倒れるものだが、どうも回転数が低かったようだ。もっと回らないと。目が回るぐらいに。
さて、第二幕です。お役に立てば良いのですが。
かけば書くほど、どぎつい物語です。韓流ドラマにも匹敵するでしょう。いや、韓流ドラマよりえげつないのでしょう。
しかし、それが芸術に昇華するとこんなにも凄いことになってしまうというのがおもしろわけです。
それではどうぞ。
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第二幕
第二幕の舞台はファルネーゼ宮殿。写真がそのファルネーゼ宮殿で、現在はフランス大使館として使われているため見学などは出来ない。
カヴァラドッシを拷問する。
スカルピアの部下スポレッタは、アンジェロッティを取り逃がすが、カヴァラドッシを逮捕し連行してくる。大広間からはトスカが戦勝祝賀会で歌を披露しているのが聞こえる。
トスカが秘密を漏らす。
スカルピアはカヴァラドッシを拷問し、トスカにアンジェロッティの行き先を教えるように命じる。カヴァラドッシの苦しむ声を聴き、トスカはアンジェロッティの隠れ場所を答えてしまう。
カヴァラドッシは怒り狂うが後の祭りだ。
ちょうどそこに、戦いの知らせが入る。
午前中に知らされたナポレオン軍敗北の続報だった。その後、ナポレオン軍はオーストリア軍を撃破したというのだった。
カヴァラドッシは勝利を叫ぶ。ナポレオン軍がローマに再び現れればのさばるナポリ王党派を駆逐できるではないか!
アンジェロッティのほうは捕縛されそうになったところで、命を落としたと連絡が入る。
スカルピアの提案
スカルピアはカヴァラドッシを再び地下牢へと連れて行き拷問にかける。
トスカに、カヴァラドッシを助けたいのならば身を任せるよう強要するスカルピア。
トスカは激しく抵抗する。この恥知らず。身の毛がよだつ。
だが、スカルピアは、トスカにこう提案する。
もし、あなたが言うことを聴くのならば、カヴァラドッシを銃殺する振りをして空砲を撃たせて助けてやろう、と。
トスカの接吻
トスカはやむなく提案をのむが、テーブルにあったナイフを見逃さなかった。
スカルピアに逃亡用の旅券を書かせている好きにナイフを握りしめ、スカルピアが振り返った途端に、スカルピアの胸にナイフを突き立てたのだ。
これが有名な「トスカの接吻よ!」という場面だ。
スカルピアは倒れ、トスカはカヴァラドッシの元へと向かう。
次回は「「トスカ」とはどのような物語なのか。第三幕から」です。
※ 新国立劇場「トスカ」は11月11日~23日にて。
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