中川右介さんの《カラヤンとフルトヴェングラー》、そろそろ読み終わります。少し時間が立ってしまいましたけれど。
《カラヤン帝国興亡史》も面白かったですが、こちらは、《カラヤン帝国》をフルトヴェングラーの視点から眺めたものです。天才は天才の苦悩が見えて本当に面白いです。
フルトヴェングラーが優柔不断だった、という言葉が通奏低音のように一貫して描かれていますし、根っからの善き人というところで、さぞ生きるのが辛かっただろうなあ、と思います。そういうところはすごく共感できます。勝負師というより誠実な善きドイツ人。ドイツ的な教養市民。今もこういう方はいらっしゃるのでしょうか。
そういう意味では、ドイツ文化の一端を知る上でも貴重な本だと思いました。カラヤンもドイツ、フルトヴェングラーもドイツ。ヒトラーもワーグナーも、マンもヘッセもドイツ人ですからね。
あとは、チェリビダッケがベルリン・フィルとどうなっていったのかもよくわかります。チェリビダッケのリハーサルビデオを見ると、癇癪を起こしたりしてますが、歳をとってこれですので、若い頃はもっとすごかったということなんでしょうね。
(でも、マーガレット・プライスには気を使っていたのが大人だな、と思いましたけれど。確かブルックナーのミサ曲第三番のリハーサル映像にて)
というわけで、珍しくフルトヴェングラーの音源を聴きました。マーヴィン・ゲイの楽曲をリー・リトナーのアルバムで知って、改めて原典のマーヴィン・ゲイを聴いた時に感じた気分でした。多くの指揮者がその影響を受けているのだなあ、と思います。もう少し聴き続けないと。
ワーグナー研究はなかなか進みません。明日も時間を見つけて書きものをしないと。
ではグーテナハト。
中川右介《カラヤンとフルトヴェングラー》
市井のしあわせ
市井のしあわせ、って、かつての私の組織の本部にあった彫刻の題名でした。いかにも迎合的?
家飲み禁止からはや一ヶ月を経過しました。どうも飲まないと眠れない体質なのかも。睡眠時間が少なくなり、通勤電車で座れても眠れません。時間は増えましたが、質は低下しているのか。
で、今日は焼肉飲み会でした。焼肉は9ヶ月ぶりかも。すいません。
では、グーテナハト。
ブラームスのクラリネット五重奏曲始めました。
茂木さんの本を読めば読むほど楽器をやりたくなります。
ですが、私はサックスしか持っていません。サックスでクラシックはちょっとね。。
というわけで、昨日からブラームスのクラリネット五重奏曲の練習をはじめました。
もちろん、クラリネットは持ってませんので、EWI4000sで。T-SQUAREごっこ用に買ったウィンド・シンセサイザー。これなら夜中に吹いても気兼ねなく楽しめます。カール・ライスターと一緒に吹けるという幸せ(笑)。
いやー、本当に気分いいですわ。楽器やっている人はこういう世界を見ているのですね。
楽譜見て吹くのは十年ぶりです。あの体育会系プログレバンド以来かも。指回せば、頭の回転ももう少し早くなるはずですし。
毎日練習すると近い将来第一楽章が通しで吹けるようになるはず。楽しみです。
でも、第二楽章はアルペジオ地獄でした。吹けるんだろうか。。
えーと、この曲はA管なんですね。B管で吹こうとしてました。EWIならボタンを押せばすぐにA管になります。
音楽を聴くには楽器演奏が必要なのか?
私の短い三日間の夏休みは今日が最後でした。いろいろと気になることが片付いて、気分よく明日からも仕事に勤しめそうです。
今日は、家での仕事の合間に茂木大輔さんの《こうしろ! 未来のクラシック》を読んでます。
将来、日本に「宮廷ランド」ができたり、個室付きのコンサートホールができたり、コンサートホールでマイレージプログラムができたりなど、近未来のクラシック界を見事に予言してます。ユーモアとともに。本気にとっても面白いかも。読み終わったらまた報告します。
最近茂木さんの本を沢山読んでいますが、どれも面白いですね。
それにしても、最近、よく分からなくなってきましたよ。
茂木さんの本を随分読んでいるのですが、すごく面白い。ありがちな、お高く止まっているところがなく、自然体で現代音楽批評をしています。それも軽妙に。
それも、音楽やる側からやっているから、まったく勝ち目がありません。ラジオから流る「英雄の生涯」を聴いて、アンサンブルもいいけど、オケもいいぞ! と感じいるところなどは、やる側からではないと分からないでしょう。
いずれにせよ、オーボエを吹きたくなるばかりになるです。
音楽やらずに、音楽語りをすることになんの意味があるのか、よくわからない今日このごろです。
つうか、やればいいのか。音楽好きなら、楽器再開すればいいのですね。聴いて書くだけではダメなのだ。
だとするとなにか諦めないといけない。随分諦めたのだけれど、まだ諦めるものがあるのかな。。。
8月12日からの東京オペラ・オケ事情
暑い毎日。家の中でじっと仕事をしています。明日が夏休み最終日ですが、「夏休みの宿題」は少しずつ出来てきています。
東京オペラ・オケ事情です。どこもお休みですね。21日から東京芸術劇場が面白くなりそうですね。
8月12日(月) | |||||
---|---|---|---|---|---|
8月13日(火) | |||||
8月14日(水) | |||||
8月15日(木) | |||||
8月16日(金) | 東京芸術劇場 | 広上淳一(Cond) 小林美樹(Vn) ドミトリー・フェイギン(Vc) 田村響(Pf) | 読売日本交響楽団 | メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番 | 18:30 |
8月17日(土) | ミューザ川崎シンフォニーホール | 指揮:大友直人 | 東京交響楽団 |
佐村河内 守:レクイエム・ヒロシマ(弦楽合奏版・世界初演) 佐村河内 守:交響曲第1番《HIROSHIMA》 |
14:00 |
8月18日(日) | ミューザ川崎シンフォニーホール | 指揮:大友直人 | 東京交響楽団 |
佐村河内 守:レクイエム・ヒロシマ(弦楽合奏版・世界初演) 佐村河内 守:交響曲第1番《HIROSHIMA》 |
14:00 |
8月19日(月) | |||||
8月20日(火) | |||||
8月21日(水) | 東京芸術劇場 | 広上淳一 | 読売日本交響楽団 |
読響サマーフェスティバル≪三大交響曲≫ シューベルト/交響曲第7番「未完成」 ベートーヴェン/交響曲第5番「運命」 ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界から」 |
18:30 |
8月22日(木) | |||||
8月23日(金) | 東京芸術劇場 | 渡辺俊幸(Cond) さだまさし | 日本フィルハーモニー交響楽団 |
シンフォニック エンタテインメントVol.5 サンデーコンサートスペシャル 渡辺俊幸/NHK朝の連続テレビ小説「おひさま」主題曲、NHK大河ドラマ「利家とまつ」主題曲 ほか |
19:00 |
8月24日(土) | 東京芸術劇場 | リュウ・シャオチャ(Cond) コリヤ・ブラッハー(Vn) | 東京都交響楽団 |
「作曲家の肖像」シリーズVol.93《チャイコフスキー》 チャイコフスキー/歌劇「エフゲニー・オネーギン」より<ポロネーズ>、バイオリン協奏曲、組曲第3番 |
14:00 |
8月25日(日) | 東京芸術劇場 | 第49回日伊声楽コンコルソ 1~3位各入賞者 中丸三千繪(Sop) 樋口達哉(Ten) 現田茂夫(Cond) | 読売日本交響楽団 |
第49回 日伊声楽コンコルソ入賞者披露記念 イタリア・オペラ名曲アリア・コンサート |
14:00 |
新国立劇場オペラ2012年2013年シーズンを振り返る その2
今朝はよく眠りました。起き上がって、溜まっていた仕事をいくつか。予想より時間がかかりましたが、なんとか出来上がりました。もっと速度が上がるといいのですが。
昨日の続きで、新国立劇場の復習を。印象的だった3つのパフォーマンスを。
その1:ピーター・グライムス
まずは、ピーター・グライムスです。私はあまりに感動したので2回行ってしまいました。涙なしには見られないパフォーマンス。今でも脳裏に焼き付いています。
このオペラが生まれてはじめての最前列で、私はもうグシャグシャになるぐらい、心揺り動かされ感動しました。
詳しくは以下のリンクからどうぞ。今読みなおしても、感動が蘇りました。
《ピーターグライムス》レポート集
その2:セヴィリアの理髪師
それから、セヴィリアの理髪師。ほんとうに楽しい舞台でした。ロッシーニの喜劇にどっぷり浸かることが出来ました。レベル高すぎです。
《セヴィリアの理髪師》レポート集
その3:コジ・ファン・トゥッテ
美男美女による青春の甘さと辛さに満ち溢れた楽しい舞台でした。私の記事を読みなおしてみると、少々ふざけてまして、気が引けますが、歌唱も音楽も満足でした。
《コジ・ファン・トゥッテ》レポート集
その4:愛の妙薬
これも徹夜明けで行きました。一番感動的なはずのシラクーザのアリアに心が動かなかったのですが、それは完全に私がつかれていたからです(眠ってはいないのですが)。感動するにも体力がいるのですね。
ともかく、シラクーザの旨さに酔いしれました。ニコル・キャンベルの軽やかな歌いっぷり、レナート・ジローラミの名脇役っぷりとか、本当に楽しい舞台でしたね。
《愛の妙薬》レポート
まとめ
今選んでいて思いましたが、《ピーター・グライムス》意外は全部喜劇。それもイタリア語オペラです。モーツァルトはドイツ音楽と言えるかどうかビミョーですし。
休みぐらいは、喜劇で楽しみたい、という気分だったようです。
次のシーズンはリゴレットから。音楽が聞ける平和が続きますように。
新国立劇場オペラ2012年2013年シーズンを振り返る その1
7月も終わり、夏真っ盛り。少し遅いですが新国立劇場の2012年2013年シーズンを私的に振り返ってみたいと思います。
※写真は冬です。
皆勤
今年は皆勤しました!
昨年はボエームとドン・ジョヴァンニを病欠しましたが、今年は本公演全てを観ることが出来ました。
で、あまりに素晴らしかった《ピーター・グライムス》は、二回行きました。すいません。
あのとき、仕事がトラブっていて、二週間連続週末徹夜で、徹夜明けに初台に行くというかなりヤバイ状況でして、だからこその感動だったのかも。
座席
奮発して、最前列の座席をとってみました。これは、オケのコンサートの最前列の快楽に味をしめたからです。
しかしながら、オケコンとオペラは違います。
オケの音は、遮音壁で直接聴こえてきません。これは意図してそうなっているのです。そうでないと歌手の声は聞こえないでしょうから。それがすこし歯がゆかったです。圧倒的な音のシャワーという意味では、オペラはオーケストラコンサートに負けてしまいます。
ですが、やはり前列だと、視界全てがステージに成ります。舞台への没入感は最高です。2Fから舞台全体を見るという楽しさもありますけれど、《トスカ》でのノルマ・ファンティーニの迫真の演技とか、《セヴィリアの理髪師》のファンタジー、《愛の妙薬》のカラフルでポップな舞台が眼の前に広がるのは想像以上でした。
次は演目ごとにもう少し詳しく。
日々つれづれ
今日は、お客さまとの対面会議、その後懇親会。市井のしあわせ。
そうか。有楽町にもオイスターバーがあるのをしりました。今度いかないと。
明後日から娑婆での短い夏休み3日を過ごす予定。たまった仕事と、未来への投資ですかね。
では。グーテナハト。
夏バテです──カルロス・クライバー1962年録音のオペレッタ
夏バテのようです。某所への締め切りがあり、少々週末無理をしました。
その後、あまりの暑さに冷房をかけて寝ていたのですが、どうも眠りが浅いようで、日中にこれまで経験したことのない激しく突き刺さるような睡魔に襲われるように。
これって、睡眠時無呼吸症候群ではないか、という恐れが。もしそうなら、仕事場で無意識で眠りに落ちているのではないか、という恐怖。これはまずいですよ。うちは戦場なんで、少しの気の緩みが命を落とす重大な失策になりかねません。油断している暇はないのです。
そういえば、自宅での禁酒を誓ってはや一ヶ月。毎日ワインボトル半分ぐらい開けていたので、体調は飛躍的に良くなるはずだったのですが。アルコールが足らんのかな? なーんちゃって。
隣の先輩
「今年、うなぎ、食べました?」
わたし
「いや、国産うなぎが高くて高くて、買えないんですよ」
明日は、うなぎを買ってきてもらう予定。
というわけで、今日は少し早めに寝ましょう。
寝る前にこんな音源を見つけました。カルロス・クライバーが1962年にデュッセルドルフ・ライン・ドイツ歌劇場で振ったオッフェンバッハのオペレッタ。私はNMLで聴いています。
モノラル録音です。当初はテレビ映像だったようですが、マスタは失われているそうです。エアチェックテープからの復刻のようです。ノイズもあります。
オッフェンバッハ《魔法の横笛》、《結婚提灯》、《チュリンパタン島》が含まれていますが、《魔法の横笛》をまずは聴いています。《ホフマン物語》を思わせるフレーズが幾つも出てきます。聞いているだけで面白いのですが、映像あればもっと楽しめそうです。こういうオペレッタをドイツ語に訳して演奏するということをやっていたのですね。
そういえば、エーリヒ・クライバー「指揮やるなら、まずはオペレッタだろ!」ということで、カルロス・クライバーの指揮者デビューがオペレッタだったことを思い出しました。たしか「カール・ケラー」という芸名で出たはず。テンポを落とすところは落として、歌わせてます。
帰り際、カルロスの1989年の「ニューイヤーコンサート」を聴いていたんですが、「美しく青きドナウ」のテンポの落とし方と通底するものがあります。きっと、ぎりぎり落としていいところまで落としているはず。これ以上落とすと失速して墜落です。
録音は決してよくありません。歌手もなかなか難しい状況。ですが、往年のカルロス・クライバーの鮮烈なドライブ感がよく分かる公演です。
明日はもう少し涼しくなることを希望します。ではグーテナハト。
《オペラハウスから世界を見る》を読みました。
先々週の第3121号に図書新聞に《オペラハウスから世界をみる》の書評が出ましたね。
実は、縁があって話をいただいたので、この本の書評を書かせてもらうことにしたのです。
とにかく、この本は、オペラを深読みする楽しみを教えてくれる本です。
特に、リチャード・ジョーンズが演出したベルリオーズの《トロイ人》の読み替えについての紹介がすばらしすぎです。なんと《トロイ人》が、戦後のアメリカに置き換わり、アメリカの覇権主義への批評に衣替えしているのですから。
こういう読替え、賛否両論と思いますが、私は結構大好きです。
実際に見ていなくても、かなり詳しく書いてくれていますので、その面白さが手に取るようにわかります。
※ 映像が入手できるともっといいのですが、まだ見つけることができていません。
あとは、やはり女性ならではの視点が盛り込まれているのがいいですね。《ムツェンスク郡のマクベス夫人》や《ペレアスとメリザンド》の解説はある意味衝撃を覚えました。男には分からない視点というものが、オペラ批評を通じて語られていて、目を見開かされた思いです。この本のオペラ批評自体が、著者の現代批評にもなっているわけです。
森岡さんの解説があるからこそ。これは、たとえるなら、「江川の解説で野球を見る」、「北の富士の解説で相撲を見る」ぐらい面白いです。
オペラは、時代を映し、時代を批評するものです。私たちも、新国立劇場の《ヴォツェック》や《ピーター・グライムス》を観ると、オペラは決して夢の世界ではなく、現実を現実以上に映し出す鏡だということを実感しました。台本作家や作曲者が意図していない新しい価値を想像するのがオペラ上演なんですね。そうした物の見方を教えてくれる良い本でした。
《オペラハウスから世界を見る》も、図書新聞もおすすめです。