Chorus

昨日は東京は雪でしたね。もう春は終わったんでしょうか。ちょっと寂しい写真。散り積もった桜の花びら。でもこれからもっと暖かくなって、若葉が生える季節となりましょう。昨日はかなりヘビーな一日でした。ちょっと図書館で本を借りすぎ&ノートPCを持ち歩いたので、体が痛いです。軽くて丈夫なノートPCを買おうかなあ、と思案中。

私のノートPC

私のノートはThinkpad X30でして、もう7年半も使っています。最近は液晶のバックライトがいかれてきて、バックライトがついたりつかなかったり。そろそろ寿命かな。

ちなみに、このThinkpad X30は、ミュンヘンの

Pinakothek der Moderne

(現代美術を集めた美術館)に展示されていました。下の写真の左から三番目がそれ。

ついでに、懐かしのバタフライキーボードをもつThinkpad 701Cも展示されてました。

カルミナ・ブラーナ

さて、いやあ、東京春祭のムーティ「カルミナ・ブラーナ」は行けなかったけれど、日本時間でいうと昨日の未明にバイエルン放送協会で放送されたダニエル・ハーディング指揮の「カルミナ・ブラーナ」の録音に成功しました。最近ウェブラジオは失敗が多くて凹んでいたんですが、今回は成功。やった!

「カルミナ・ブラーナ」は中学生の頃聴いて衝撃受けてました。レヴァイン盤でした。ですが、それ以降は特に聴いた覚えはない。というか、聴くのは10年ぶりに近い。

ジークフリート・イェルザレム

いやあ、ジークフリート・イェルザレムは凄いですね。この方のテノール聴いたとたんにのけぞりました。確かに年齢からくる若干に揺れはあるんですが、なにより声がすばらしい。ハイティンク盤のリングでおなじみだったはずですが、この演奏での丁寧に歌い上げるイェルザレムには少し驚きました。

パトリシア・プティボン

それから、パトリシア・プティボンは、初めて聴いたという御恥ずかしさ。若干のピッチの揺れはありますが、実にドラマティックですね。この方の録音はバロック系が多いのですが、先だって「ルル」を歌っているんですよね。これ、録音失敗してひどく凹んでいるんですが、プティボンのルルを聴いてみたいと強く願いました。来日も良くされているようで、いつも拝見している さまよえるクラヲタ人 さんのブログで取り上げられていて気にしていたので、今回は聴けてラッキーでした。CDほしいなあ。

Opera

4月の新国立劇場は「愛の妙薬」。三種類ほど音源を用意したんですが、パヴァロッティとサザーランドのコンビがすばらしいです。予習盤ランク一位は今のところこのパヴァロッティ盤です。

三大テノール

パヴァロッティは本当に偉大。おそらく、人によっては好き嫌いがあると思います。私も最初はちょっと受け付けられなかったのですが、5年ほど前から、かなりいいと思えるようになって来ました。

三大テノールのうち誰が最も好きか、という議論はよくある議論です。オペラを聴き始めたころは文句なしにドミンゴでした。カラヤン盤トゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」に陥落という感じ。

パヴァロッティは、これもカラヤン盤「ボエーム」で聴いたのが最初だったと思いますが、なんだか自然さにかけるような気がしていたのです。

カレーラスはこれもカラヤン盤「トスカ」で聴いたのが最初でした。迫力はあるのですが、こちらも少し力に寄りかかった感じで自然さにかけた気がしていました。

パヴァロッティ開眼

それで、いろいろ聴くようになるうちに、パヴァロッティの株が僕の中で急激に上昇し始めました。

何が原因なのか? 

おそらくはパヴァロッティのライヴ盤(ハイド・パーク)や、イタリア歌謡集を聴いてからではないか、と。あの南国的地中海的悦楽の表現は聴くだけで元気付けられます。それから、私はヴェルディ作品が苦手なのですが、その中でも「アイーダ」については、その重い扉を開けてくれたのがパヴァロッティでした。

4年前のトリノ五輪の口パク問題とか、スコア(総譜)読めないんじゃないの? 的な議論とか、まあ、いろいろあるみたいですけれど、イタリア的なイタリア人ですので、許せちゃう。

やっぱり行きます。

実は、仕事が忙しくて、今月の「愛の妙薬」はパスろうかと思ったのですが、パヴァロッティ盤を聴いて考えを変えました。やっぱりいきますです。私は本当にヴェリズモ以前のイタリアオペラ(この中には残念ながらモーツァルトも含まれるのですけれど)は苦手ですので、なおさら勉強のためにも。

あー、イタリア行きてー。でも行く時間ないっす。悲しみ。

愛の妙薬

しかし、このオペラ、実に罪のないストーリです。ヴァーグナーの毒々しさとか暗鬱とした大洋のうねりのようなものはない。こんなに楽しそうなオペラを見聞きするのは何時ぶりだろう? 「オテロ」、「魔笛」、「ヴォツェック」、「トスカ」、「ジークフリート」、「神々の黄昏」、「パルジファル」と続いてきた今年の僕のオペラ生活において「愛の妙薬」ほど単純で愉快なプロットはありませんでした。たぶん「 チェネレントラ 」以来だと思います。

愛の妙薬(wiki)

新国のチェネレントラ

きっと良い思い出になるはず。楽しみです。

もっとも、単純に見れば、だとも思うのです。やっぱり解釈の面白さは存在します。愛の妙薬と「トリスタンとイゾルデ」の関係とか、「ヴォツェック」との関係とか。これは、実際に見てから書いてみましょう。

Roma2008

これで、もう最後でしょうか。桜の写真。来年も良い桜が見られると良いですね。

昨夜は、会社でお世話になった方が5月に異動になるということで送別会に行って参りました。生まれて二回目のふぐ料理でした。

さて、今日で声と役についての記事は一段落する予定。とはいえ、もう少し突っ込みたいところがあるので、後日また研究テーマとして取り上げると思います。

バス・バリトンは、ワーグナーオペラでは大変重要な役柄です。ヴォータン、グルネマンツなどなど。というわけで、また堀内修さんの本からの引用でまとめます。

リリック・バリトン

テノールに比較的近く広域も伸びる。

  • <コジ・ファン・トゥッテ>グリエルモ
  • <ファウスト>バランタン
  • <タンホイザー>ヴォルフラフム・フォン・エッシェンバッハ
  • <ローエングリン>軍令使

カヴァリエ・バリトン

その名のごとく騎士のバリトンの意味。声に輝きがあり主役的なバリトン。

  • <ドン・ジョヴァンニ>ドン・ジョバンニ
  • <エフゲニー・オネーギン>オネーギン
  • <タンホイザー>ヴォルフラフム・フォン・エッシェンバッハ

キャラクター・バリトン

個性的表現ができるバリトン。

  • <トスカ>スカルピア
  • <シモン・ボッカネグラ>パオロ
  • <リエンツィ>オルシーニ
  • <トリスタンとイゾルデ>メロート
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>フリッツ・コートナー
  • <ラインの黄金>アルベリヒ
  • <ラインの黄金>ドンナー
  • <ジークフリート>アルベリヒ
  • <神々の黄昏>アルベリヒ
  • <神々の黄昏>グンター
  • <パルジファル>クリングゾル

ヘルデン・バリトン

低域が充実し起伏を表現するバリトン。

  • <メディア>クレオン
  • <アラベラ>マンドリカ
  • <さまよえるオランダ人>オランダ人
  • <ローエングリン>フリードリヒ・フォン・テルラムント
  • <トリスタンとイゾルデ>クルヴェナル
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>ハンス・ザックス
  • <ラインの黄金>ヴォータン
  • <ワルキューレ>ヴォータン
  • <ジークフリート>さすらい人
  • <パルジファル>アムフォルタス

キャラクター・バス

比較的高音もあり幅広い表現が可能なバス(バス・バリトン)

  • <トロヴァトーレ>フェランド
  • <フィデリオ>ロッコ
  • <リエンツィ>コロンナ
  • <さまよえるオランダ人>ダーラント
  • <タンホイザー>ビテロルフ
  • <タンホイザー>ライマル
  • <ラインの黄金>ファーゾルト
  • <ワルキューレ>フンディング

セリエーサー・バス

最低音域の深い声と存在感のあるバス

  • <魔笛>ザラストロ
  • <ドン・カルロ>フィリッポ
  • <タンホイザー>領主
  • <ローエングリン>ハインリヒ王
  • <トリスタンとイゾルデ>マルケ王
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>ポーグナー
  • <ラインの黄金>ファーゾルト
  • <ラインの黄金>ファフナー
  • <ワルキューレ>フンディング
  • <ジークフリート>ファフナー
  • <神々の黄昏>ハーゲン
  • <パルジファル>グルネマンツ
  • <パルジファル>ティトレル

Roma2008

お土産の買い物なんかして、特別ラウンジで、無料でエスプレッソを飲んで、いざボーディングブリッジへ。機種はイギリスのBAE製のアヴロRJ。この航空機、乗員が110名前後という小ささで、短距離機であるにも関わらず、エンジンは4発もある。しかしながら、このエンジン、実に静粛性が強くて、騒音規制に引っかからない。もちろんエンジンが4つということは整備も大変なのだが、部品がモジュラー化されているらしく、意外と大変ではないらしい。

で、エア・ドロミティのアヴロにはしゃれた名前が付いています。まあ、日本の航空会社でも一部やっているけれど、個々の機体に名前を付けたりします。ルフトハンザだと、たしかB747にはたとえば「ザクセン」というように州の名前がついているし、エアバスには街の名前が付けられたりしている。日本でも昔は機体にそれぞれ名前が付いていることが多かった。「よど号ハイジャック事件」だと、機体には「よど」という名前が付いていたと言うこと。あとは、MD-11には鳥の名前がついていたし、ボーイング777には星の名前がついていました。

話題がずいぶんそれましたが、エア・ドロミティのアヴロには、ヴェルディのオペラの名前が付けられているという洒脱さ。僕たちが乗ったのは「ナブッコ」号でしたし、ミュンヘンでは「アイーダ」号を目撃しましました。

ともかく、話題がそれましたが、アヴロに乗り込んで驚いたのはシートピッチが広い。私はこれまでの人生で3回アヴロに乗っていますが、そのうち2回はルフトハンザシティーライナーでして、非常に窮屈という印象でしたが、ドロミティアのアヴロはゆったりしています。シートピッチが大分広いのです。

さらに驚いたのは機内サービス。ルフトハンザだと、サンドイッチをだしてくれるか、くれないか、なのですが、ドロミティアのこの便ではスパークリングワインを出してくれたり、しゃれた箱に入っているサンドイッチやミネラルウォータをだしてくれたりと実に親切。

エア・ドロミティはルフトハンザの子会社なんですが、こういう風にサービスで良い風に差別化を図っていくのは良いことですね。大変良い思い出。

Wikiには記載がないですが、 公式ウェブ の最新の情報では、エア・ドロミティのアヴロは退役したようで、エンブラエル195に置換されているみたいですね。あと、ターボプロップでいうと日本ではマイナーですが、フランスとイタリアの共同開発のATR72を引き続き運用している模様。

しかし、CAさんって本当に凄い。この飛行機の機内放送は、ドイツ語、イタリア語、英語。それを一人のCAが喋っちゃう。もちろん、彼らのようなインド・ヨーロッパ語族の方々にとってみれば方言の違いぐらいなのかも知れないけれど。悔しすぎる!

さて、と言うわけで、ミュンヘンにはお昼頃には到着。

Opera

今日は寒くなるそうですね。日本海側では吹雪だとか。季節感が狂ってしまう。とはいえ、今年の桜写真のストックから一枚。芸風が全部同じなのは許してください。

さて、このシリーズも第三回となりました。堀内修さんの「ワーグナー」という新書からの引用です。本当にすばらしい。感謝です。

もっともワーグナーに特化していますので、イタリアオペラとなるとどうなるかわかりません。これは、継続的に研究していきます。

シュピール・テノール(テノール・ブッフォ)

最も軽く透明感のあるテノール。高音域がにごらない。

  • <フィデリオ>ヤッキーノ
  • <後宮からの逃走>ペドリロ
  • <さまよえるオランダ人>舵手
  • <トリスタンとイゾルデ>牧童
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>ダーヴィット、フォーゲルサンク
  • <ラインの黄金>ミーメ
  • <ジークフリート>ミーメ

リリックテノール

軽妙な歌をこなせるテノール

  • <ドン・ジョヴァンニ>オッターヴイオ
  • <リゴレット>マントヴァ公
  • <さまよえるオランダ人>エリック
    *<ローエングリン>ローエングリン
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>ヴァルター・フォン・シュトルツィング
  • <ラインの黄金>フロー
  • <パルジファル>パルジファル

キャラクター・テノール

癖のある個性的表現のできる声

  • <ボリス・ゴドゥノフ>シュイスキー
  • <リエンツィ>ボロンチェリ
  • <トリスタンとイゾルデ>メロート
    *<ラインの黄金>ローゲ

ヘルデン・テノール

低域を充実させつつ力強い高音も出せる強力なテノール。

  • <サロメ>ヘロデス
  • <オテロ>オテロ
  • <リエンツィ>リエンツィ
  • <タンホイザー>タンホイザー
  • <ローエングリン>ローエングリン
  • <トリスタンとイゾルデ>トリスタン
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>ヴァルター・フォン・シュトルツィング
  • <ワルキューレ>ジークムント
  • <ジークフリート>ジークフリート
  • <神々の黄昏>ジークフリート
  • <パルジファル>パルジファル

ルネ・コロや、ジークフリート・エルザレムは、間違いなくヘルデンテノール。ハインツ・ツェドニクはシュピールテノールでしょうか。

明日は、バリトン/バス篇です。

Roma2008

ローマ最終日。早い時間に起き出して、急いで食事を済ませる。

もちろん締めはエスプレッソ。この旅行でエスプレその虜になってしまった。イタリア風はどうやら砂糖を入れるのがポイントらしい。しかも、無粋にスプーンなどで混ぜてはならない。砂糖をざっくり入れてそのまま飲むと、最初はコーヒー独特の苦みを楽しむことが出来て、飲み終わるころには砂糖の甘い刺激が頭をしゃっきりさせてくれると言うわけ。本当に素晴らしい

一週間お世話になったこの鍵ともお別れ。どうもありがとう!

空港へ向かうレオナルド・エクスプレスの切符をトレンタリアの自動券売機で購入する。これはクレジットカードも使える優れもの。列車に乗り込む瞬間に韓国人の女の子に、この列車は空港行きか? 尋ねられる。そうだけれど、切符のヴァリデートはすませたの? と聴いてみると、にっこり笑って、済ませてるわ、といった。華奢な女の子で、ばかでかいピンク色のスーツケースを引っ張っている。どちらが主人公なんか分からない物語。

空港には予定通り到着。ルフトハンザの子会社のエア・ドロメティがオペレートするので、コードシェア便だった。我々の持っている航空券は当然ルフトハンザのもの。と言うわけで、カウンタには出発の二時間前には到着している。ルフトハンザのエエコノミーカウンタは少々込んでいたので、僕たちはがらすきのファーストクラス専用のチェックインカウンタに誘導される。

で、ここで実にラッキーな勘違いをグランドホステス(GH)がしてくれる。当然Etixすなわち、電子航空券なので、航空券の有無はクレジットカードで認証するのだが、出したのが(お恥ずかしながら)ANAのゴールドカード。もちろん、スターアライアンスゴールドメンバーではない。だが、GHの金髪の美人イタリア人はうれしい勘違いをしてくれて、我々をスターアライアンスゴールドメンバーとみなしてくれる。と言うわけで、預け荷物にはプライオリティタグが着けられ、空港内の特別ラウンジのインビテーションカードを頂いてしまう。ラッキー。

こちらがラウンジ。誰もいなかった。で、やっぱりここでもエスプレッソ。

飛行機は大好き!!

Roma2008

もう2年前のローマ紀行。まだ終わっていなくて、気になっていたのですが、重い腰を上げます。

フォロ・ロマーノは、ローマ帝国時代の政治の中心地。いろいろと興味深い。フォロロマーノの外縁部にはコロッセオもあります。
ちょっと写真を載せましょう。
まずは高台からの前景。

ティトゥスの凱旋門。ティトゥスはヴェスパシアヌス皇帝の息子であり、あのモーツァルトのオペラでも取り上げられている。なかなか良い皇帝だったのだが、早世してしまった。で、彼の一つの業績がイスラエル戦役で、それを記念した凱旋門なのである。

で、これがおそらくティトィウス。

反対側には、ユダヤの象徴の燭台が彫り込まれている。

ちなみに、昔も取り上げましたが、ヴァチカン美術館にあるティトゥスの像はこちら。

かなり天気が良く、けれども風が激しくて砂埃が舞うという感じ。

良い天気で、気持ちよかったのだが、コロッセオには入場時間に間に合わず中に入れなかった。まあ、トレビの泉に寄付したからまたこれるでしょう。

Opera

執拗に桜。だが、美しすぎる。桜がなぜ美しいか。それは緑色の葉っぱなしで咲くから。従って、葉桜ともなるとその魅力は減じてしまう。

今日は二日目。そのとして、メゾソプラノ、アルトについてのまとめ。

ドラマティック・メゾ・ソプラノ

  • <コジ・ファン・トゥッテ>ドラベッラ
  • <ドン・カルロ>エボリ公女
  • <リエンツィ>アドリアーノ
  • <タンホイザー>ヴェーヌス
  • <ローエングリン>オルトルート
  • <トリスタンとイゾルデ>ブランゲーネ
  • <ラインの黄金>フリッカ
  • <ワルキューレ>フリッカ
  • <神々の黄昏>ヴァルトラウテ、ヴェルグンデ、第二のノルン
  • <パルジファル>クンドリ

リリック・メゾ・ソプラノ

落ち着いた、低域の安定した声。

  • <ヘンゼルとグレーテル>ヘンゼル
  • <蝶々夫人>スズキ
  • <さまよえるオランダ人>マリー
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>マクダレーナ
  • <ラインの黄金>フロスヒルデ

ドラマティック・アルト

起伏のある表現が可能な低い声。

  • <サムソンとデリラ>デリラ
  • <トロヴァトーレ>アズチェーナ
  • <ラインの黄金>エルダ
  • <神々の黄昏>ヴァルトラウテ、第一のノルン

ティーファー・アルト

最低音域の女声。暗い色彩を求められることが多い。

  • <仮面舞踏会>ウルリカ
  • <ジークフリート>エルダ
  • <神々の黄昏>第一のノルン、フロスヒルデ

わたしが新国で見たエレナ・ツィトコーワはドラマティック・メゾ・ソプラノであるはず。おそらくここには、「ばらの騎士」オクタヴィアンも分類されるでしょう。アンネ・ゾフィー・フォン・オッターもドラマティック・メゾ・ソプラノでしょうか。クリスタ・ルートヴィヒは、ドラマティック・メゾ・ソプラノですし、「蝶々夫人」でスズキも歌っていますので、リリック・メゾ・ソプラノとも言えましょうか。

ちょっとこのまとめは勉強になります。

Opera

散りかける桜の花のなかから美しいところを選んでみました。このレンズ、かなり絞らないとエッジが効かないんですが、少々暗めでしたので、絞りきれず、若干ぼやけた印象に見えるのが玉に瑕。カメラ道も厳しいです。

さて、先日読んだ堀内修さんの「ワーグナー」に声の種類と、それに応じた配役について、ワーグナーを例にとって詳細に説明してある大変秀逸な部分がありました。私の勉強をかねて、4日に分けてまとめてみたいと思います。

本日は第一回ということで、ソプラノ篇です。

スーブレット

非常に軽い声のソプラノ

  • <フィガロの結婚>スザンナ
  • <バラの騎士>ゾフィー
  • <リエンツィ>平和の使者
  • <タンホイザー>若い牧童
  • <ラインの黄金>ヴェルグンデ

リリック・コロラトゥーラ・ソプラノ

非常に高い声でのコロラトゥーラがある。

  • <後宮からの逃走>ブロンデ
  • <ホフマン物語>オランピア
  • <ラインの黄金>ヴォークリンデ
  • <ジークフリート>森の小鳥

リリック・ソプラノ

もっとも自然な領域。高温も低音も均等に出せる。

  • <魔笛>パミーナ
  • <アラベラ>ズデンカ
  • <タンホイザー>若い牧童
  • <ラインの黄金>ヴェルグンデ

ユーゲントリッヒ=ドラマティック・ソプラノ

十分なやさしさ、やわらかさを持ちつつもう少し強さのあるもの。

  • <カルメン>ミカエラ
  • <オテロ>デズデーモナ
  • <エレクトラ>クリソテミス
  • <リエンツィ>イレーネ
  • <タンホイザー>エリーザベト
  • <ローエングリン>エルザ
  • <ニュルンベルクのマイスタージンガー>エヴァ
  • <ラインの黄金>フライア
  • <神々の黄昏>グートルーネ

ドラマティック・コロラトゥーラ・ソプラノ

振幅のある劇的な歌唱。コロラトゥーラもできること。

  • <サロメ>サロメ
  • <椿姫>ヴイオレッタ
  • <神々の黄昏>ヴォークリンデ

ドラマティック・ソプラノ

振幅の激しい劇的な歌唱。多くのオペラで主役となる。

  • <トスカ>トスカ
  • <ペレアスとメリザンド>メリザンド
  • <サロメ>サロメ
  • <タンホイザー>ヴェーヌス
  • <ローエングリン>オルトルート
  • <ワルキューレ>ジークリンデ
  • <神々の黄昏>第三のノルン
  • <パルジファル>クンドリ

ホッホドラマティッシャー・ソプラノ

強力な声で非常に激しく劇的な表現を行う。

  • <エレクトラ>エレクトラ
  • <さまよえるオランダ人>ゼンタ
  • <タンホイザー>ヴェーヌス
  • <ローエングリン>オルトルート
  • <トリスタンとイゾルデ>イゾルデ
  • <ワルキューレ>ブリュンヒルデ
  • <ジークフリート>ブリュンヒルデ
  • <神々の黄昏>ブリュンヒルデ

テオリン様や、エヴァ・マルトン、ヒルデガルド・レーベンスは、間違いなくホッホドラマティッシャー・ソプラノですね。上の表にはありませんが、トゥーランドットもこちらに分類されるはず。フレミングはユーゲントリッヒ=ドラマティック・ソプラノに分類されましょうかね? 「ばらの騎士」マルシャリンや、「カプリッチョ」伯爵夫人マドレーヌはこちらかと。

ソプラノと行っても一言じゃ言い表せませんね。メゾとコンバートすることもありますし。

明日は、メゾ・アルト篇です。

Opera

近況

水曜日の夜勤のダメージをまだ負っていて、ぎりぎりの電車で会社にいっちまいました。情けないのう。がんばれ。

どうもお疲れのようで、ヘッドフォンを家に忘れてしまいました。こういうときのためにバックアップのイアフォンをバッグに忍ばせてありますので、事なきを得ました。本当によかった。会社にもバックアップイアフォン置いておこう、と決意。

私、音楽がないと生きていけません。いわゆる昔のタワレコ的に言うと「No Music, No Life」という感じ。そういう意味では音楽中毒。あ、中毒というと、ほかにもいろいろ。物書き、活字、コーヒー、レッド・ブル、飛行機、薬……。あとはここにEWIが追加となる予定。いろいろあるなあ。でもがんばろう。

パルジファル再び

さて、自分のブログ読み直していたら、またパルジファルが聞きたくなりました。昼休みのひと時、カラヤン盤の第三幕を聴きながらしばし涙にくれるひととき。なんで、こんなに感動的なんですかね。こういう感情は、言葉にしてしまうと、するりと逃げられてしまうんですが、そこをどう書くかが腕の見せ所なんですがね。

ワーグナー本を読んでいたら、いまさらワーグナーについて語るなんて、結局は先人の道を辿るに過ぎないんですが、頭の体操としては面白いですし、考えるプロセスも面白い。ここに音楽的な知識をつけて、解釈していけるようになるのが夢というか目標。今からでは遅いかもしれないですが、何事も遅いということはないといったのは誰でしたっけ。まあ、がんばります。

「パルジファル」聖性と性性の混合なんですけれど、これがますますもって不思議さや不可解さを助長している。「パルジファル」の作曲は1877年に始まり1882年7月26日にバイロイトで初演されている。フロイトが精神分析理論を展開するのは開業した1896年からで、あのグスタフ・マーラーもフロイト治療を受けていたりする。ちなみにフロイトもユダヤ人。

しかし、クルト・モルのグルネマンツは本当にすばらしいですねえ。今日はイアフォンなので、声のよさを十全には楽しめていないかもしれませんけれど、それにしてもすごい。これ、いいオーディオで聴いたらもっとすごいんだろうなあ。