Roma2008

ああ、とうとうやってきた。サンピエトロ大聖堂。バロック建築の華にして、ローマカトリックの総本山。聖堂に入るのだが、バロックの装飾が眩しくてクラクラする。

送信者 Roma2008

右手にはミケランジェロのピエタ。「聖母は歳をとらないのだ」とミケランジェロは言い切ったのだが、マリアはたしかに若く美しい女性として彫られていて、倒れるイエスをみて悲嘆にくれている。素晴らしい躍動感だし、大理石を彫ったとは思えないほど典雅にして繊細。ベルニーニの彫刻は素晴らしいけれど、ミケランジェロも噂に違わず。きっとベルニーニはミケランジェロの影響を受けているということなのだろう。

 

送信者 Roma2008

 

ピエタには近づけないのだが左手の作業用の入り口からとると、マリアの表情がもっとよく見える。少々ぶれ気味だけれど写真を撮ってみる。

送信者 Roma2008

高い天井の微細で膨大な彫刻に嘆息するのだが、少し過剰にも思える。一世代前のルネサンス様式の持つ素朴さが懐かしくなる。昨年のフィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレの時のほうが強烈な印象だったなあ、というところ。あまたの祭壇や墓もベルニーニの手になるものが多いのだが、その過剰なまでの装飾に目がやられてしまう。少し酔ったような感覚。頭が一杯になって破裂しそうな気分。

 

送信者 Roma2008

Miscellaneous

Apple Store(Japan)

http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080910/apple3.htm

とうとうでましたね、あたらしいiPodたち。

ところが、意外だったのは私が持っている160GBのモデルがなくなって、120GBのモデルのみのラインナップに。価格は安いのですが。

160GB以上は必要ないという判断なのでしょうか? もっとも、私もまだ容量の半分しか使っていませんし。映像を入れるともっと容量が必要になると思いますが、音楽だけなら120GBでも十分かもしれませんね。

それにしても、ドラスティックなモデルチェンジがなかったのでホッとしました。物欲刺激されないですみました。

 今日もベルクな一日でした。三つの管弦楽曲を、カラヤン盤とアバド盤で聞き比べています。ちょっと手こずり気味。こちらはまた後日書こうと思います。

今日は短め。というのも、仕事がヤバイので。

Classical,Ludwig van Beethoven

徐々に涼しくなってきました。夏はもう終わりましたね。ただ蝉の鳴き声だけがまだ残っています。これから徐々に本当の秋へと進んでいくわけですが、秋は涼しくて好きな反面、日が落ちるのが早くなるので、寂しい気もしますね。冬至への道程もそろそろ半分と言ったところでしょう。

まあ、仕事をしていれば、おのずとトラブルに巻き込まれるわけですが、今は複数トラブルに見舞われている感じで少々大変。今日もお客様に謝罪に行きました。まあ、お客様も納得してくださったので今回は何とか乗り越えた感じ。

さて、今日は珍しくベートーヴェンを聴きました。というのもiPodのアーティスト画面ではBergの上にBeethovenがきますので。ベルクを聴こうと思いながらも、ついつい(?)ベートーヴェンに踏み入れた感じです。 聴いたのは弦楽四重奏曲第8番ホ短調作品59-2「ラズモフスキー第二番」です。これがすごく良いのです。

正直申し上げて、私はベートーヴェンの弦楽四重奏の世界にきちんと足を踏み入れたことはありません。ただ、10年ほど前に買ったABQ(アルバン・ベルク弦楽四重奏団)の全曲盤でを買いました。今は廉価版で出ていますが、当時は高かった……。あまりまとまって聴いているわけではなく、少しずつ聴いていたぐらいです。ちなみに、ABQはベートーヴェンの弦楽四重奏を二度録音していますが、私が聴いているのは一度目の方です。だから廉価版が出ているのです。残念。

ベートーヴェンの弦楽四重奏になれていなかったとはいえ、不思議なことに今日はなにかこうズシンと来たのですね。ようやくベートーヴェン弦楽四重奏世界の国境線を越えることができたようなイメージ。これまでは入国管理官が厳しくて中に入れてくれなかったのですが、ようやく足を踏み入れてみると、いいですねえ、これは。ABQの演奏もすさまじくいい。一挺の弦楽器でここまで豊かな音が出せるんだ! という驚き。オケ的な豊かさといってもいい。それに四人ともめちゃめちゃうまい。あたりまえですかね。ピッチもいいですし(私的にピッチ感については少々自信はないのですが)、音も豊かで、律動的なグルーヴ感もすばらしい。

ABQは今年の七月に解散して残念ではありますが。

この曲はホ短調ということになっていますが、長調の調性と、単調の調性の色彩がほどよく混ざっている感じ。印象的なのは第二楽章でして、慈愛に満ちた静謐な世界。やはり長調と短調の混ざり具合が気持ちいいです。ベルクの弦楽四重奏もよかったですが、ベートーヴェンも良いですね。この2年ほどはオペラを優先的に聴いていて、弦楽四重奏は手薄でしたので、これからきちんときいてみようか、という感じです。

Classical

2006年11月に名曲300を聴く! と宣言したのですが、その後の状況です。うーむ、なかなか全部聴くのは難しい。名曲300は、クラシック音楽定番サイト「CLASSICA」さんの中に「300 Basic Works of Classical Music」というコーナーで紹介されているものです。始めた当時は57%しか聞けていなかったのですが、二年弱でようやく78%に到達しました。予定では3ヶ月で聞き終わるはずだったのですが……。やはりオペラや管弦楽系が好きで、ロマン派以降のドイツ系が好きとあって、どうしても偏ります。ドビュッシーやサン=サーンスなどのフランス音楽、ハイドン、ショパンなどが弱いなあ。バッハは意外と聴けている。もっとも、「聴けている」レベルも問題ですが。 

引き続き聴いていきたいのですが、結局今日もベルクを聴いてしまったし。まいったな。

 

8

Composer スデ 割合 ワリアイ
J・S・バッハ 13 11 85%
R・シュトラウス 9 9 100%
アイヴズ 1 0 0%
イベール 1 1 100%
ヴィヴァルディ 1 1 100%
ウェーバー 1 1 100%
ヴェルディ 7 7 100%
エルガー 2 0 0%
オルフ 1 1 100%
ガーシュウィン 2 1 50%
グリーグ 2 2 100%
グレツキ 1 1 100%
コープランド 1 1 100%
コダーイ 1 1 100%
サティ 1 1 100%
サン=サーンス 4 2 50%
シェーンベルク 2 2 100%
シベリウス 5 4 80%
シューベルト 12 8 67%
シューマン 11 10 91%
ショーソン 1 1 100%
ショスタコーヴィチ 6 5 83%
ショパン 9 4 44%
スカルラッティ 1 0 0%
スクリャービン 2 1 50%
ストラヴィンスキー 4 3 75%
スメタナ 1 1 100%
チャイコフスキー 7 7 100%
チレア 1 0 0%
ディーリアス 1 1 100%
ドヴォルザーク 5 5 100%
ドニゼッティ 2 0 0%
ドビュッシー 7 4 57%
ニールセン 2 2 100%
バーンスタイン 1 0 0%
ハイドン 7 1 14%
パガニーニ 1 0 0%
ハチャトゥ
リアン
1 0 0%
バルトーク 3 3 100%
ビゼー 2 2 100%
ヒンデミット 1 1 100%
ファリャ 1 1 100%
フォーレ 3 3 100%
プッチーニ 5 5 100%
ブラームス 13 13 100%
フランク 2 2 100%
ブリテン 1 1 100%
ブルックナー 4 4 100%
プロコフィエフ 5 2 40%
ベートーヴェン 27 26 96%
ベルク 1 1 100%
ペルゴレージ 1 1 100%
ベルリオーズ 2 1 50%
ヘンデル 3 2 67%
ホルスト 1 1 100%
ボロディン 1 1 100%
マーラー 7 88%
マスカーニ 1 1 100%
ムソルグスキー 3 2 67%
メシアン 1 1 100%
メンデルスゾーン 6 6 100%
モーツァルト 34 23 68%
モンテヴェルディ 1 0 0%
ヤナーチェク 3 3 100%
ヨハン・シュトラウスⅡ 2 1 50%
ラヴェル 8 6 75%
ラフマニノフ 3 3 100%
リスト 4 1 25%
リムスキー=コルサコフ 1 1 100%
レオンカヴァッロ 1 1 100%
レスピーギ 1 1 100%
レハール 1 1 100%
ロッシーニ 2 1 50%
ロドリーゴ 1 1 100%
ワーグナー 6 4 67%
総計 300 233 78%

Alban Berg

最近ちまたで話題のGoogle Chrome。Googleがとうとうウェブ・ブラウザを出したというわけです。すこしは時間が自由になるこの週末に私もインストールしてみました。

めちゃめちゃ速い!

ページの描画はInternet Expressより、Firefoxより速くて、ほとんど世界が違うという感じ。 ただ、ネットで読んでみると、まだまだベータ版ですので、トラブったりしているらしいし、いろいろと言いたいことはある。なんでGoogle Toolbarがないんでしょう、とか、Firefoxのようなアドインはないのか、とか。せめて、Google ブックマークを使えるようにしてほしいなあ、など。

ですがこの速さにまさる難点は思い当たらない。特にJava Scriptの処理速度が速くなったので、ブログの管理画面ではきびきびと動いてくれます。しばらくはFirefoxと一緒に使って、徐々に機能が上がっていくのを楽しむことにいたします。

そんなことを思いながら聴いていたのが、アシュケナージがベルリン交響楽団を振ったベルクのシリーズ。「七つの初期の歌」のオケ伴奏版、「ルル組曲」弦楽合奏版、「アルテンベルク歌曲集」、「三つの管弦楽曲」、と盛りだくさんでして、特に「七つの初期の歌」のオケ伴奏版は珍しいのでは? アシュケナージの指揮は濃厚で妖しさを持っています。ベルクはやっぱりいいですね。

  • 作曲==アルバン・ベルク
  • 指揮者==ヴラディーミル・アシュケナージ
  • 管弦楽==ベルリン・ドイツ交響楽団
  • ソプラノ==ブリジット(ブリギッテ?)・バリーズ(バレイズ?)

Opera,Richard Strauss

iPod Classicは、メニュー操作でMusicを選ぶと、収録されているアルバムのジャケットをランダムに表示するのですが、昨日、フレミングさんがシュトラウスを歌う「シュトラウス・ヒロイン」のジャケットが表示されまして、これは聴かずにはいられない、と思いまして、何度か繰り返し聞いています。

このCDでは、「ばらの騎士」の第一幕最終部と第三幕の最終部を楽しむことができます。いずれのシーンもマルシャリン(元帥夫人)役が大活躍する場面。大活躍というと大立ち回りという感じがしますが、見せ所といったほうがいいでしょうか。あるいは、「ばらの騎士」の物語の大きな見せ場ともいえましょう。

私はばらの騎士の物語的頂点は三つあると思っています。一つ目は第一幕の最終部、二つ目は第二幕のばらの献呈の場面、三つ目は第三幕最終部の三重唱、です。このアルバムではそのうち二つの場面を聴くことができるというわけです。

第一幕の最終部では、時がたち齢を重ねていくことへの諦念と、いずれオクタヴィアンが自分の元を去っていくことに違いない、という予感が歌われます。自分の若い頃を「まるで去年の雪を探すようなもの」と喩えています。にくい喩え。この境地はやはり30歳を過ぎないと分からないかもしれません。設定上、マルシャリンも30過ぎということになっています。オクタヴィアンは、マルシャリンのそんな気持ちを全く理解できない。若いのですから当然です。若い頃はいい意味で無知ですので、そうした時間への諦念や死への心構えなどはできてない場合が多いですから。今のオクタヴィアンにはマルシャリン以外は見えていないわけです。

第三幕の最終部では、とうとう自分の元を去っていくオクタヴィアンを送り出すと場面。マルシャリンの歌詞を引用。

私が誓ったことは、彼を正しい仕方で愛することでした。彼(オクタヴィアン)が他の人を愛しても、その彼をさえ愛そうと。この世の中にはただ話を聞いているだけでは信じられないことがたくさんある。けれども実際にそれを体験した人は信ずることができるけれど、でもどうしてだかは分からない

カラヤン盤「ばらの騎士」のライナーより

そうそう、そうなのですよ。ここには、オクタヴィアンが去っていくことの諦念と、時間の流れへの諦観が重ねて歌われているわけです。オクタヴィアンと時間が重ねられている。 時の大切さを教える格言はいくつもありますが、若い頃にはその真の意味が分からないのですよ。わかり始めるのは自分が老いへの下り坂を歩いているらしいということが分かり始めてから。 人にも夜とは思いますが、きっと20台の後半からそれが分かり始める。時間の自由を奪われ、階段を上るたびに息が切れ始め、腹囲に脂肪がつき始める頃になってようやく……。私の場合なのですが……。

きっと今は若いオクタヴィアンもゾフィーもいずれはマルシャリンのように時間への諦念を覚えるに違いないという予感。今は若いからいいのですよ。だから二人には分からないのです。

マルシャリンは、時間への諦念に至り、若さの喪失を受け入れ、若さと訣別するわけですが、次は生への諦念と、老いへの準備と、死の了諾というステージがくるはず。時間への諦念とはそういうもの。だからこそ、シュトラウスは第三幕の最終部の三重唱を自らの葬儀で演奏してほしいと望んだのでしょう。

フレミングの声は本当に豊かな声。ビブラートの振幅が少し大きく感じることもありますが、苦手というところまでは行きません(以前にも書きましたが、ビブラートの振幅が大きすぎる女声がどうも苦手でして……)。指揮のエッシェンバッハの意向なのか、フレミングの意向なのかは分かりませんが、演奏はテンポがかなり抑えられています。フレミングの包容力のある豊かな声に包まれる感じ。いいですね。

第三幕最終部は本当に感動的な演奏。演奏者の力もありますが、やはりシュトラウスの音楽の作りと、ホフマンスタールとシュトラウスによって磨き上げられた最終幕に至るまでの物語の力の所産です。

Roma2008

ヴァチカン市国は世界でもっとも小さい国家。面積は0.44km2。人口は821人。(ウィキペディアより)

ヴァチカンという名の由来は、古代ローマ時代にこの近辺がヴァチカーヌスの丘と呼ばれていたことに由来します。ローマ皇帝カリグラがこの地に運ばせたオベリスクが今でもサン・ピエトロ広場に立てられていて、ここが聖ペテロ殉教の地とされています。聖ペテロはパレスチナで漁師をしていたときにイエスの弟子となり、神の代理人となります。教皇はこの聖ペテロの後継者であるがゆえに、漁夫の指輪をしています。

送信者 Roma2008

というわけで、大聖堂に向かって右手奥に観光客が並んでいる列の最後尾につきました。どうやら、まだ並んでいる人は少ない模様で、広場の相当距離の半径を行列を誘導する柵が並べられているのですが、柵の間をすいすいと歩いていく感じ。セキュリティチェックを受けて、大聖堂に近づくと、スイス衛兵が微動だにせず槍を構えています。この入り口から続く階段はベルニーニが作った階段で、奥に行けば行くほど階段や床が小さくしつらえてありますので、実際よりも奥行きがあるように見えます。舞台装置と同じです。

送信者 Roma2008
送信者 Roma2008

いよいよ大聖堂に乗り込みます。振り返るとサン・ピエトロ広場が広がっています。広場を囲む回廊の屋根には何体もの天使像が並んでいますが、この広場を作ったのもやはりベルニーニ。天才的。ベルニーニの父親はトスカナで生まれたのですが、ナポリに移り住んで、そこでベルニーニが生まれます。程なくしてベルニーニ一家はローマへ移り住みます。ベルニーニの天才性を見抜いたのがシピオーネ枢機卿です。このあたりの話は、NHKで放映されていた「世界美術館紀行」でも取り上げられていました。ベルニーニをミケランジェロの再来であるとして、後ろ盾となってくれるわけです。ベルニーニはその才能を如何なく発揮して、彫刻に限らず、建築においても、天才性の刻印を現代にまで遺しているというわけです。

Alban Berg,Opera

さて、今日はキャスト表を載せます。

この中で気に入っているのが、まずはシェーファーさん。ライヴということもありまれに少々ピッチが気になることもあるけれど、それを超えてあまりある美しさ。映像でみるともっといいのですけれど。それから、アルヴァのデイヴィッド・キューブラー氏。この方は、ティーレマンの「アラベラ」DVDでマッテオを演じておられた方で、張りのある声がいい感じ。映像でも切迫した感じをよく出していらっしゃったと思います。画家/黒人役のステファン・ドラクリッヒは、神経質で世間知らずでルルに振り回される画家の役をうまく歌っておられます。

ルルでは随所でアルト・サクソフォーンが活躍しますね。いい音です。つやと丸みの同居した輝く石のような音。ああいう音を目指せばよかったなあ、と少々思ったり。

「ルル」で思い出したのは、あの物議を醸した新国立劇場の「ルル」の顛末。確か2005年の2月だったと思います。三幕上演する予定だったのですが、演奏家のレヴェルの問題で第三幕の上演を見送り、キャストを入れ替えたのです。私は、ちょうど会社関係の結婚式が急に入ってしまいいけなかったのですが、代わりに見に行った家人によれば、第三幕の代わりに、おそらく「ルル組曲」からの抜粋を演奏したのだそうです。2003年には確か二期会でもルルを演奏したはず。こちらは三幕まで演ったのそうですが、旅行に行った関係で見に行けませんでした。「ルル」は是非にも実演に接してみたいオペラです。

  • 作曲==アルバン・ベルク
  • 指揮者==アンドルー・デイヴィス
  • 管弦楽==ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
  • ルル==ソプラノ==クリスティーネ・シェーファー
  • ゲシュヴィッツ伯爵令嬢==メゾ・ソプラノ==キャサリン・ハリーズ
  • シェーン博士/切り裂きジャック==バリトン==ヴォルフガング・シェーネ
  • 衣装係、馬丁、学生==バス==パトリシア・バードン
  • 支配人、銀行員、医事顧問、教授==バス==ジョナサン・ヴェイラ
  • 画家、黒人==テノール==ステファン・ドラクリッヒ
  • シゴルヒ==バス==ノーマン・ベイリー
  • アルヴァ==バリトン==デイヴィッド・ケネス・キューブラー
  • 猛獣使い、力業士==バス==ドナルド・マクスウェル(→マックスウェル)
  • 王子、下男、侯爵==テノール==ニール・ジェンキンズ

今日もようやくと更新。仕事のトラブルがなかなか収まりません。それどころか、新たなトラブルが発生。顧客側で政治的な動きがうまくいかず、表沙汰になった形。今日は上司と一緒に取締役に事象説明。まあ、取締役といっても数年前までは私の上司だった方ですので、話しやすいのですけれど。明日も無事に過ごせますように、という感じです。

しかしこの一ヶ月はトラブル続き。しかも同時多発テロ状態。いろいろなところでトラブルが吹き出している。しかもそれはすべて私のユニットで起こっている問題。ユニットリーダーはへろへろになっていますが、うまく裁けば、ユニットリーダーは男を上げることになるでしょうし、評価も高まることでしょう。

Alban Berg,Opera

私が初めてベルグ作品に接したのはおそらくは1997年から1998年にかけての頃でした。以前にも書いたことがあるかもしれませんが、NHK-BSで、1996年のグラインドボーン音楽祭で演じられたルルが放映されたのをみたのです。これは強烈でした。グレアム・ヴィックの抽象的にも具象的にもとることのできる円形の舞台上で演じられる、先鋭的で叙情的で凄惨なルル劇の世界を、食い入るように見たのを覚えています。シェーファーさんは、澄んだ美しい声で、魔性的女性をすばらしく演じています。

その後、2004年にこの演奏がDVDにて発売されまして、早速購入しました。最近の私的なベルクブームに乗った形で再聴していますが、音だけを聴いてもすごくいい。ライヴの疵はなくもないですが、シェーファーさんの声がすばらしくて、高音域まで豊かな声です。これで、ルルのアリア歌われてしまえば、もう何も言うことなくため息が出るばかり。

ルルについてもいろいろ考えたいのですが、今日は時間切れ。

ここのところ、トラブル続きでいろいろと大変。仕事にトラブルはつきものです。原因が自分になくともトラブル対応をするのも組織が故。組織には助けてもらうこともありますので、ギブアンドテイクだとは思います。

Opera,Richard Strauss

いつも充実した記事を楽しませてくださるさまよえる歌人日記さん取り上げられたドホナーニのばらの騎士が届きまして、早速iPodにいれてみました。 教えてくださったさまよえる歌人日記さんにこの場をかりてお礼申し上げます。ありがとうございます。

グンドゥラ・ヤノヴィッツさんが元帥夫人、イヴォンヌ・ミントンさんがオクタヴィアン、クルト・モルさんがオックス男爵、ルチア・ポップさんがゾフィーと来れば、垂涎もの。加えて、カメオ出演のイタリア人歌手はパヴァロッティ様ですので、言うことはないです。

録音は1978年です。ライブ録音ですし、時代も時代ですので、録音状態は万全とはいえません。おそらくはFM放送のエアチェックをCDにしているはずで、ジジというFM特有の懐かしいノイズが乗っているのが分かります。音も少々揺れます。まあ、昔はこれぐらいの音質のエアチェック・テープをむさぼるように聴いていましたので、それを思えば何とやら、です。

まだざっとしか聴けていませんが、印象を。

1978年といえば、ヤノヴィッツさんは40歳ごろですので円熟期に差し掛かったころでしょうか。これまで聴いてきたヤノヴィッツさんよりもビブラートが強い、とも思います。私の大好きなベームとの「カプリッツィオ」の録音が1971年ですのでそれよりは少々お歳を召してからの録音となりましょうか。第一幕の元帥夫人のモノローグの部分を帰宅時の電車で何度もききましたが、ヤノヴィッツさんの新しい一面をみた感じ。意外と力強い元帥夫人です。「カプリッツィオ」の若々しい伯爵夫人(令嬢)でも、「ヴァルキューレ」でのはかないジークリンデとも違いますが、透き通るような高い声を聴くとうれしくなります。

クルト・モルさんはつややかな声質が感じられてこちらもうれしくて仕方がありません。ポップさんはゾフィーの持つはかなさというよりは、技巧的美しさとある種の力強さが出ています。心をしっかり持ったゾフィー像とでもいいましょうか。ミントンさんのオクタヴィアンは倍音を多く含んだ豊かな声質で、安定感があります。ドホナーニさんの指揮はあまり奇をてらうことのないさわやかな演奏ですが、聴かせどころでは、音量やテンポを少し大きめにコントロールして、心情表現をうまくやっておられます。

録音が今一つなところもありますし、ライヴならではの疵も少々ありますので、初めて聞くという方にはお勧めできないと思いますが、ばらの騎士ファンにはお勧めの一枚です。私も十二分に楽しんでいます。