平謝り ── ABQでベートーヴェンの弦楽四重奏を聴く

徐々に涼しくなってきました。夏はもう終わりましたね。ただ蝉の鳴き声だけがまだ残っています。これから徐々に本当の秋へと進んでいくわけですが、秋は涼しくて好きな反面、日が落ちるのが早くなるので、寂しい気もしますね。冬至への道程もそろそろ半分と言ったところでしょう。

まあ、仕事をしていれば、おのずとトラブルに巻き込まれるわけですが、今は複数トラブルに見舞われている感じで少々大変。今日もお客様に謝罪に行きました。まあ、お客様も納得してくださったので今回は何とか乗り越えた感じ。

さて、今日は珍しくベートーヴェンを聴きました。というのもiPodのアーティスト画面ではBergの上にBeethovenがきますので。ベルクを聴こうと思いながらも、ついつい(?)ベートーヴェンに踏み入れた感じです。 聴いたのは弦楽四重奏曲第8番ホ短調作品59-2「ラズモフスキー第二番」です。これがすごく良いのです。

正直申し上げて、私はベートーヴェンの弦楽四重奏の世界にきちんと足を踏み入れたことはありません。ただ、10年ほど前に買ったABQ(アルバン・ベルク弦楽四重奏団)の全曲盤でを買いました。今は廉価版で出ていますが、当時は高かった……。あまりまとまって聴いているわけではなく、少しずつ聴いていたぐらいです。ちなみに、ABQはベートーヴェンの弦楽四重奏を二度録音していますが、私が聴いているのは一度目の方です。だから廉価版が出ているのです。残念。

ベートーヴェンの弦楽四重奏になれていなかったとはいえ、不思議なことに今日はなにかこうズシンと来たのですね。ようやくベートーヴェン弦楽四重奏世界の国境線を越えることができたようなイメージ。これまでは入国管理官が厳しくて中に入れてくれなかったのですが、ようやく足を踏み入れてみると、いいですねえ、これは。ABQの演奏もすさまじくいい。一挺の弦楽器でここまで豊かな音が出せるんだ! という驚き。オケ的な豊かさといってもいい。それに四人ともめちゃめちゃうまい。あたりまえですかね。ピッチもいいですし(私的にピッチ感については少々自信はないのですが)、音も豊かで、律動的なグルーヴ感もすばらしい。

ABQは今年の七月に解散して残念ではありますが。

この曲はホ短調ということになっていますが、長調の調性と、単調の調性の色彩がほどよく混ざっている感じ。印象的なのは第二楽章でして、慈愛に満ちた静謐な世界。やはり長調と短調の混ざり具合が気持ちいいです。ベルクの弦楽四重奏もよかったですが、ベートーヴェンも良いですね。この2年ほどはオペラを優先的に聴いていて、弦楽四重奏は手薄でしたので、これからきちんときいてみようか、という感じです。