Classical

久々の更新。いろいろあったもので……。これから遡及しようと思いますが。

そんなこんなで、元気になりたいなあ、と思ったときに、聴こうと思ったのが、パヴァロッティの声。ばらの騎士のイタリア人歌手を歌ったパヴァロッティの記憶は新しいし、パヴァロッティのロドルフォ(ボエーム)なんかにも親しんでいたけれど、そういえばソロアルバムを聴いたことはないなあ、と思って図書館から借りてきました。

1991年にハイドパークで行われた野外コンサートの模様。ライナーによれば、このときは既に輝かしい若い時代の声は影を潜めているというのですが、パヴァロッティの若い時分の声の凄さを知らない向きにとっては、このCDに収められているパヴァロッティの声だけで十全な愉悦を味わうことが出来ます。

ピッチも余り狂わないし(何度も聞いているとすこし揺れている部分があるのが分かるぐらい)、歌のフィナーレで徐々にクレッシェンドしていく歌い方とか、少しはしり気味に歌うあたりとか、本当にパヴァロッティらしくて、聴いているだけで嬉しくなってしまいます。

ライナーには、イタリア民謡として紹介されていますが、ビシオの「マンマ」、良い曲だなあ。ほんのひとかけらの憂いをまぜた華麗で明るい曲。歌詞はと言えば、イタリアらしい母性信仰なので、日本語訳を読むとすこしひいてしまいますが。

ともかく、聴いて良かったなあ、このCDは。元気づけられました。

 

Classical

なんだか、ブラームスの3番ばかり聴いているような気がします。ヴァント氏のブラームスの3番を聴いたのですが、昔はあんなに良い、と思っていたのに、今聴くと何か物足りない気がします。要因の一つが録音で、僕の再生装置では音がくぐもってしまい、どうも感興が削がれてしまうのです。やはりiPodだけで聴くのではなく、ちゃんとしたオーディオで聴かなければならないのか、と思うと少し虚脱感を覚えてしまいます。オーディオはちと高いですし、部屋で大音量で聴くわけにも行かない。今の生活だと、やはりヘッドフォンを掛けて聴くしか選択肢がないのです。もっとも、それでも録音が良いアルバムは楽しむことが出来ますので、良いのですが、ヴァント盤のような演奏が楽しめなくなるのは寂しいですね。

ブラームスの交響曲第三番の演奏時間比較を作ってみました。

Brahms

  • 青が第一楽章、紫が第二楽章、薄黄色が第三楽章、薄緑色が第四楽章。
  •  単位は秒。
  • 繰り返しの有無や版の違いなどで時間が変わっていることも考えらえる。

第一楽章はバーンスタインが最も長いのですが、これは繰り返しをやっているからだと見ています。予想以上にバーンスタインはゆっくりとした演奏なのですね。

Classical

バーンスタインの演奏を聴いてみて、はてチェリビダッケはどんな風に振っていただろうか、と思って一日中(というか、昼休みと帰宅時ですが)ブラームスの3番をチェリビダッケの演奏で聴いています。

展開部の切迫した熱気がすごいですね。1979年の演奏ですので、67歳頃の演奏でしょうか。最晩年の演奏のようにどっしりとした遅いテンポでオケを鳴らすという感じではなく、テンポをコントロール下に置いてダイナミクスをつけて演奏しています。ですが、バーンスタインの演奏よりもこざっぱりした感じです。最晩年の演奏の重厚なイメージが強かったので、これは発見でした。

第一楽章の展開部の暑さは比類ないもので、オケも何とかついて行っていると思うぐらいの熱気。ここまで熱いとは思ってませんでした。第三楽章は音量のコントロールが絶妙で、時折もたらせ気味のフレージングをとっている。質朴で甘美で憂愁なるブラームス。第四楽章はダイナミクスの幅が大きくてテンポ、フレージングもコントロールされている。意外に激しくてテンションも高い。裏拍を刻むあたりで少々ばらつく場面もあるけれどライブなのでそれも愛嬌。コラールのようなコーダは伸びやかに歌っていて静謐な空気に包まれれ静かに幕を閉じます。

驚いたのは、ホールの音の良さで、ライナーによれば、ガスタイクではなく、ヘルクレスザールでのライブ録音とのこと。音、良いですね。弦楽器の音が白く透き通っています。

  • 作曲==ヨハネス・ブラームス
  • 指揮==セルジュ・チェリビダッケ
  • 管弦楽==ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団
  • 録音録画==1979/06/20
  • 場所==ミュンヘン、ヘルクレスザール

今朝もなんとか早起きできました。最近は、仕事から帰って食事をしてすぐに眠ってしまい、明け方に起きてPCと戯れる、という毎日です。食事をした後すぐに眠ってしまうわけですので、おかげで体重が減りません。今年の目標に「痩せる」というものがありましたが、正月から体重はほぼ横ばいの状態です。まあ、横ばいと言うことは少なくとも太ってはいない、ということですので、良しとしましょう。

Just MyShop(ジャストシステム)

そういえば、ATOK2008を購入しました。ダウンロード販売で4725円ですので、店頭で買うより1000円も安い。しかもパッケージもありませんし、説明書もPDFで配布されますので、荷物が増えることもありません。というわけで、迷わずダウンロード購入しました。私は、辞書がセットになっているプレミアムセットを購入しました。こちらは7350円で、国語辞典、英和辞典、和英辞典などがセットになっています。入力しながら、はてこの言葉はここで使って良いのだろうか? みたいなことが不安になるとき、さっと辞書で用法を確認できたりします。今のところなかなか良い感じです。変換効率が向上していると謳われていますが、こちらはもう少し使ってみて見極めてみようと思っています。日本語入力の効率化は、文章作成速度を上げますので、文書作成を頻繁になさていて忙しい方にはお勧めです。

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Classical

バーンスタインのブラームスを聴いています。先日はなんだかしっくり来なかったブラームスの交響曲第三番なのですが、昨日から聴き始めていて、あれ、これは素晴らしいじゃないか、などと急に意見が変わってしまいました。バーンスタインの語法になれてきたと言うこともあると思います。僕の中で何かが変わったと言うことですね。最初は気に入らない演奏であっても、聞き込むうちに理解できてくると言うことなのだと思います。こういう経験は何度あっても嬉しいものです。

第一楽章の冒頭はテンポ遅めなのですが推進力を失うようなことはなく、その後もスロットルを調整しながら飛行を続けるようなイメージです。最近バーンスタインを聴いて思うのは、その場その場で妥当と思われるテンポをしっかりと把握して主張している演奏なのだなあ、ということです。

それから、第二楽章後半の伸びやかな弦楽器が素晴らしい。バーンスタインに目覚めてまだ一ヶ月も経ってないうちにこうした判断をするのは危険かもしれませんが、こういうふうに弦楽器を引っ張って引っ張って歌わせるあたりがバーンスタインらしさの一つなのではないでしょうか。

有名な第三楽章も冒頭のチェロの旋律が泣かせますね。ここでもテンポは抑え気味で、叙情性たっぷり。いいですね。もしかしたらこういう演奏を湿っぽいものとして忌避する向きもあるかもしれませんが、私は嫌いではありません。もっと淡々と演奏するやり方もあると思いますが、今の私にはこちらの方がよりふさわしい演奏だと感じられます。

第四楽章は聴き慣れたテンポに復帰しますので、ほとんど違和感を感じることはありません。だからといって面白みを失っているわけでもありません。ある種の「ノリの良さ」のようなものを感じます。グルーヴ感と言う言葉を私はよく使っていますが、この言葉自体はジャズの演奏を評価するときに使うと便利な言葉だったりするのですが、そうしたグルーヴ感を感じるのですね。おそらくは、裏で支える弦楽器のピチカートの打点が的確だからそう感じるのでしょうね。

いずれにせよ、この二日間は、バーンスタインのブラームスに楽しませて貰ったという感じです。バーンスタインを見る目(聞く耳)が少しずつ醸成できてきたと思います。もっと聴いてみたいですね。バーンスタイン盤のお勧めがあれば、是非コメントなどで教えていただければ本当に嬉しいです。

  • 作曲==ヨハネス・ブラームス
  • 指揮==レナード・バーンスタイン
  • 管弦楽==ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
  • 録音録画==1981/02/01
  • 場所==ウィーン、ムジークフェラインザール

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Classical,Gustav Mahler

バーンスタインが振るマーラーの「復活」を映像で見てみる。1975年のロンドン交響楽団との演奏で、バーンスタインは暗譜でこの曲を振り切っていて、時折ジャンプしたりして、とても元気である。

昨日聴いた8番と同じく、テンポ取りが本当に妥当なものに思える。結構緩急の差がある演奏。個人的にはこれぐらいダイナミックレンジが広いぐらいのほうが好きみたい。特にテンポを遅くしている部分に感興を得るものだから、逆にテンポが「速いだけ」の演奏は苦手めなのかもしれない。フィナーレの部分も相当テンポを落としていて、発露するエネルギーがすさまじい。昔、バーンスタインの復活をエアチェックしたことを思い出す。あの時もこのフィナーレにぐさりとやられたんだよなあ。

  • 作曲==グスタフ・マーラー
  • 指揮==レナード・バーンスタイン
  • 管弦楽==ロンドン交響楽団
  • ソプラノ==シーラ・アームストロング
  • メゾソプラノ==ジャネット・ベイカー
  • 合唱==エディンバラ音楽祭合唱団
  • 録音録画==1973/9/
  • 場所==イギリス、イーリー大聖堂

ここのところオーバーワーク気味だったので、昨日は少々休憩。だが、少し後悔。やはり突っ走っているときが一番よくて、立ち止まるとなかなか再加速出来ない。肉体的な(あるいは精神的な)疲労との相談もあるけれど、やはり走っているときは立ち止まってはいけないのだな、と改めて感じた次第。

最近は、岡本かの子「生々流転」を読んでいて、これがまたとても勉強になる。太陽の光が障子戸に当たっているのを、水飴色と表現しているあたりには感激する。人物描写も巧みだしなあ。もちろん話は戦前のことだから、なおさら興味深かったりして。そうそう、「フラッパー」という言葉が出てきて調べてみると、大辞泉には「おてんば娘。また、はすっぱに振る舞う様」と定義されていて、例文が当の「生々流転」の部分で「蝶ちゃんには、なかなか「フラッパー」なところがあるんだね」と記載されているので、その偶然におどろいてしまった。

Classical

ブーレーズのマーラーの8番を聴いていたのですが、どうもしっくり来なくて、そういえば、今週ブラームスで感動したバーンスタインって、どういう演奏だったかな、などと思って、バーンスタインがウィーンフィルを振った8番の第二部を聴き始めると、期待に違わず素晴らしい演奏です。どうしていままで気づかなかったんだろう。

ザルツブルク音楽祭のライヴ録音で、随所にバーンスタイの声が聞こえます。歌っていますね。テンポのダイナミクス、音量のダイナミクスの取り方が素晴らしくて、人によってはあまりに情感的すぎるなどとおっしゃる向きもあるかもしれないのですが、今の僕にとっては妥当なものに思えます。神秘の合唱にまで至る輝かしい道程。じっくり歌わせるところは歌わせて、ノリの良いところはテンポ良く進んでいきます。この演奏もライブで聴くときっと凄いのでしょうね。

ソリストで言うと、法悦の教父を歌う、ヘルマン・プライさんが素晴らしい。芯のあるつややかな声で情熱的な歌いまわし。一気に好きになってしまいました。テノールのケネス・リーゲルさん、すこし狂おしい感じのテノールでマリア崇拝の博士を情感たっぷりに歌いあげています。

ただ、欠点もあって、以前にも書いたと思うのですが、オルガンの音が良くないのです。それだけが残念。まあライヴレコーディングだから仕方がないでしょうか。

  • 作曲==グスタフ・マーラー
  • 指揮==レナード・バーンスタイン
  • 管弦楽==ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
  • 合唱==ウィーン国立歌劇場合唱団
  • 少年合唱==ウィーン少年合唱団
  • ソプラノ、罪の女==マーガレット・プライス
  • ソプラノ、贖罪の女==ジュディス・ブレーゲン
  • ソプラノ、栄光の聖母==ゲルティ・ツォイマー
  • アルト、サマリアの女==トゥルデリーゼ・シュミット
  • アルト、エジプトのマリア==アグネス・バルツァ
  • テノール、マリア崇拝の博士==ケネス・リーゲル
  • バリトン、法悦の教父==ヘルマン・プライ
  • バス・黙想の教父==ヨセ・ファン・ダム
  • 録音==1975年8月
  • 場所==ザルツブルク音楽祭

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Classical

いやあ、久々にびっくりしました。昨日の通勤往路の後半から、ふと思い立って、バーンスタインのブラ1を聴いてみたのですよ。先日バーンスタインのブラ3を聴いたときにはレヴァイン盤のほうがいいなあ、などと思っていたので、あまり期待などせずに、リラックスした気持ちで、です。

第一楽章はなんだか、もっさりしている感じで、あまり気持ちも乗らなかったのですが、第二楽章以降、あれ、この演奏すごいかも、と思ったのです。バーンスタインのテンポ取りが伸縮自在で、全体のテンポは遅めと言っても良いのですが、各所への目配りがきちんとなされていて、その時点時点のテンポが必然性を持って迫ってくるのです。この感じは、昨年聞いたバーンスタインの「トリスタンとイゾルデ」でも感じたことです。そうかあ、これがバーンスタインの音作りなのか、といまさらながら改めて感じ入っています。

特に良かったのは第二楽章。ここでバーンスタインに開眼したのです。膨らみのある静謐さで、ブルックナーの緩徐楽章のような雄大さをも感じます。弦楽器が本当によく歌っているのですよ。すばらしいですね。ヴァイオリンの独奏が出てくるあたりのゆったりとした雰囲気、たまらないです。第三楽章のゆったりとした舞曲調のアンニュイな気分。クラリネットがいいなあ。第二主題のバロック建築的な構成美。大きく心を揺さぶられて溶けてしまいそう。第四楽章の気迫、それも巨大な客船が波をわけて大洋を渡っているような安定感と幸福感。 コーダーに至る躍動感と言ったら、言葉になりません。

それで、第一楽章を昼休みに聴きなおしているのですが、もっさりした演奏、だなんてえらそうなことを言って申し訳ありません、という気持ちでいっぱいになりました。私の中で何か変化が起きたらしく、第一楽章にもやはり感動したのでした。

思い出したのですが、25年ほど前かもしれませんが、吉田秀和さんは、バーンスタインがウィーンフィルを振ったベートーヴェンの田園交響曲を「恍惚とした美しさ」と表現したのでした。まさに、このブラームスにも恍惚とした感じを感じずにはいられないのでした。

それから、随所に聞こえるバーンスタインの低いくぐもった歌声。録音に混ざっているのですね。キース・ジャレット状態です。

今更ながら、バーンスタインのことが分かるようになった気分です。本当に嬉しいですね、こういう瞬間は。音楽聴いていて良かったです

  • 作曲==ヨハネス・ブラームス
  • 指揮==レナード・バーンスタイン
  • 管弦楽==ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
  • 録音==1981/10
  • 場所==ウィーン楽友協会大ホール

Classical

レヴァインさんのブラームスを聴いています。レヴァインさんのレコーディングを意識して聴くようになったのはこの一年以内だと思います。レヴァインさんの演奏は驚くほど自分の気持とフィットするので驚いています。このブラームスの交響曲第三番も昨年の10月に一度取り上げておりましたね。演奏はといえば、ダイナミックレンジの幅が広く、またテンポを微妙に調整して、曲の持つ推進力を損なわずに気品ある雰囲気を巧く表現しておられます。第三楽章の悲哀に満ちた旋律も素晴らしくて、溶けてしまいそうです。第四楽章のドライブ感も美しさを保ちながらも気迫のこもった演奏です。

それにしてもウィーンフィルの音は素晴らしくて、特に弦楽器の豊かな柔らかさに心が打たれます。ウィーンらしい典雅な情緒が滲み出ているというところ。1992年に楽友協会大ホールでの録音ですが、残響音もほどよく柔らかくて、渋みのあるブラームスをうまく中和して、優雅な響きに仕立て上げています。

ブラームスの交響曲の中で、一番好きなのは最近では三番になっています。初めて聴いたブラームスの交響曲は四番で、小さい頃にショルティ盤を聴いて感動していたのを覚えています。それから一番に興味が移って、これはサイトウ・キネン・オーケストラの結成時に小澤征爾が振っているのを映像で見て感激したからです。それ以降は、チェリビダッケやヴァントの全集を聴いていましたが、徐々に三番が自分の気分にフィットするようになってきました。昨日から、レヴァイン盤のほかに、カラヤン盤とバーンスタイン盤を通勤時間に聴きましたが、この中ではレヴァイン盤が一番気に入ったという感じです。

  • 作曲==ヨハネス・ブラームス
  • 指揮==ジェームス・レヴァイン
  • 管弦楽==ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
  • 録音==1992/11/01
  • 場所==ウィーン楽友協会大ホール

関連記事;http://shuk.s6.coreserver.jp/MSB/2007/10/17212817.html

また雪ですね。今朝も起きてみると、庭も道路も真っ白。今週の頭から通勤は寒さとの闘いですね。昨年よりもずいぶんと寒くて、毎日凍えています。

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Classical,Miscellaneous




http://www.towerrecords.jp/company/pdf/20080128w%20point.pdf

2月9日、10日、11日は、タワーレコードWポイントセールだそうです。先だっての日曜日、新国立劇場に出掛ける前に寄ってみたのですが、Wポイントセールの看板が出ていたので、買うのを止めました。今週末、所用で新宿方面へ出掛けますので、ついでに何か買ってしまおうかな、と画策中です。
ちなみに、上のバナーからは、オンラインショップに行けるのですが、オンラインショップもやはりWポイントセールをやるみたいですね。私のように、実店舗でもオンラインショップでも買う方にとっては、どちらで買おうか悩みどころですね。

Classical,Richard Strauss

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取り扱いなし
タワーレコード


HMV

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昨日から、シュトラウスの「メタモルフォーゼン」を聴いています。手元にあったケンペ指揮のドレスデン・シュターツカペレ盤をきいております。クラシックCD好きのホルン吹きニョッキさんのブログでブロムシュテット盤が紹介されていたのに触発されて、何度も何度も執拗に聞いています。難しい曲ですが、とても勉強になります。

この曲が作曲されたのは、第二次大戦末期で、ワイマールのゲーテハウス、ドレスデンのゼンパーオーパー、ミュンヘンのオーパー、ウィーンのオーパーが連合国により破壊されたことへの悲嘆と寂寥、去りゆくかつての「ドイツ」への追悼の為に書かれた曲です。ワイマールは若いシュトラウスが劇場指揮者だったところですし、ドレスデン、ミュンヘン、ウィーンがシュトラウスにとって重要な街であったことは言うまでもありません。

23人の弦楽奏者(ヴァイオリン10、ヴィオラ5、チェロ5、コントラバス3)は、弦楽合奏のような五部構成ではなく、23人がそれぞれ異なったパートとして独立して動くいており従って譜面は23段となります。

以下の譜例が主要なテーマですが、それがいつの間にか、ベートーヴェンの英雄交響曲の葬送行進曲に変化していくわけで、葬送行進曲は曲の最終部でコントラバスによって提示されますが、そこに至るまでに、以下のテーマが幾重もの波のように打ち寄せてきて、それもあらぬ方向から(あらぬ調性から)おとずれるわけで、無調的なたゆたう波間に揺すぶられる快感を感じることが出来ます。

Metamorphosen

弦楽合奏と言うこともありますので、シュトラウス「カプリッチョ」の冒頭の六重奏を思い出したり、あるいはマーラーのアダージェットを思い出したりしながら聴いていました。

ケンペ盤は少々録音に翳りが生じていて(私のiPodとクワイエット・コンフォートの特性かもしれませんが)、違和感を感じることもあるのですが、十二分に勉強することが出来ました。

  • 指揮==ルドルフ・ケンペ
  • 管弦楽==ドレスデン・シュターツカペレ
  • 録音日==記載なし
  • 録音場所==記載なし

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