Classical

ニューイヤー・コンサート1989&1992
ニューイヤー・コンサート1989&1992
  • アーチスト: クライバー(カルロス)
  • レーベル: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
  • 価格: ¥ 2,457 (10% OFF)
  • 発売日: 2004/11/17
  • 売上ランキング: 1956
  • おすすめ度 5.0

今日も良い天気でしたが、少々疲れ気味。昨日、少々仕事をやってしまいましたので、そのせいかもしれません。バッハを聞き込んでいたら、バッハ疲れに陥ったようで、久々にヨハン・シュトラウスを聴きたくなりました。リヒャルト・シュトラウスもヨハン・シュトラウスもやはりカルロス・クライバーさんですね。というわけで、ちょっと気が早いですが、1989年のニューイヤー・コンサートのCDを聴くことにしました。

「こうもり序曲」の冒頭の緊張感と流麗な弦楽部は、本当にカルロス・クライバーさんらしいです。それから、微妙なリズムの取り方も。三拍目を少しもたらせるワルツのリズムの取り方は素晴らしい。もう0コンマ何秒の世界の話なのですが。すごいですね。

カルロス・クライバーさんの略歴をウィキペディアで見たのですが、やはり理系の大学に入っていらっしゃる。チューリッヒ連邦工科大学というところだそうですが。やはり音楽をやる方は理系の頭も持たねばならぬ、ということでしょう。というより、文系、理系双方において優れた人物でなければならぬ、と言うところでしょうか。

僕の場合、ニューイヤー・コンサートといえば、「美しく青きドナウ」につきるのです。理由は二つあって、なぜか中学校の時に合唱編曲版を歌わされた歌ったことと、やはり中学生の頃に「2001年宇宙の旅」を必死に見入っていたということもあり、この曲を聴けば聴くほど、優雅な宇宙船とか、キャビンアテンダントがコックピットに宇宙食を運ぶときに180度廻転する場面とか、そういうことが思い出されるわけでして、音楽を聴く態度としては不純なものであるわけです。

しかし、このウィーン風のノリは素晴らしいものがあります。平常時はあまり聴く機会のないヨハン・シュトラウスですが、今日のように落ち着いた日に聴くのも良いものでした。バッハ疲れには良い薬になりました。

次回は、バッハの管弦楽組曲第2番を取り上げようと思っています。

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ちょっとクリスマス気分を味わいたいというのと、どうしても「花のワルツ」を生演奏で聴きたいという理由で、行って参りました。参考CDはゲルギエフ版です。「くるみ割り人形」といえば、組曲の方が有名ですが、全曲版となると知らない曲がたくさんありますね。まだまだ知らないことはたくさんです。あたりまえですが。

まず、入り口に来て驚いたのは客層の違い。バレエともなればあたりまえでしょうか。小さな女子連れの家族がたくさん。そもそも男性客が少ないらしく、1階のトイレは女性専用に変更されていました。ホワイエにはキッズメークアップコーナーがあって、女の子がマニキュアを無料で入れて貰ったり、終演後の舞台袖の見学会募集(抽選で20名)がなされていたり、と本当にオペラの時とは違う風情。クリスマスの飾り付けでなどで、連れは俄然クリスマス気分で盛り上がっていました。

バレエを見るのは三度目ですが、日本国内で見るのは初めてでした。まずよく分からないのが拍手のタイミング。オペラでもアリアの後に拍手をしたりしますが、バレエの場合は、主役の方が登場するとそこで拍手をするらしい。それから、難しい(と思われる)技を披露したときも拍手をするらしいのです。そもそもバレエなどよく分からないで観に行っておりますので、何が簡単で、何が難しいのかはよく分からないのでした。

それにしてもバレエダンサーの方々の偉大さには感服します。リズム感抜群で、汗が光ぐらいまでの運動量なのに、息を切らせている様にも見えない。しかも笑顔をずっと維持している。信じられません。偉大すぎです。

マーシャ役を演じておられたさいとう美帆さんは、とても上品で素晴らしかったですね。もちろん他の方々も。はじめて見たバレエが、あまり振り付けがそろっていないイメージだったのですが、今回はタイミング乱れるような場面に気づくようなことはありませんでした。よくぞここまで美的世界を構築するものだ、と思います。バレエもたまにはいいなあ、と思いました。とてもべんきょうになりました。

オペラシティはクリスマスモード全開でした。雨は残念でしたが、巨大なクリスマスツリーに圧倒されます。楽しい一日になりました。

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Classical

バッハ:管弦楽組曲(全4曲)
バッハ:管弦楽組曲(全4曲)
  • アーチスト: カメラータ・ベルン
  • 発売元: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • レーベル: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2000/06/21
  • おすすめ度 5.0

最近、つとにバッハをよく聴いている。

それで、大好きな管弦楽組曲第2番を、オーレル・ニコレさんのフルートで。絶品である。気品のある吹き方でいながら、とてもアグレッシブなフレージング。Badinerieが一番有名で一番印象的なのだが、フルートもさることながら、寄り添うような弦楽器の音も美しい。楽器もよく響いているのだろうし、音響や録音も良いのだろう。

録音はベルン放送スタジオにて。エンジニアはピーター・ヴィルモースという方。レーベルはDENON。DENONらしい澄んだ音と言うところだろうか。

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Semperoper

先だって、ドレスデン国立歌劇場(ザクセン州立歌劇場?)のばらの騎士公演に付随して、シュターツカペレ・ドレスデンのメンバーから構成されるドレスデン歌劇場室内管弦楽団 Dresdener Kapellsolisten の公演に行ってきました。僕たちが見たのはプログラム2で、曲目は以下の通りです。

  1. コレッリ 合奏協奏曲ト短調「クリスマス協奏曲」
  2. ヘンデル 「オンブラ・マイ・フ」
  3. モーツァルト ファゴット協奏曲変ロ長調K.191
  4. バッハ 「ヨハネ受難曲」より「融けて流れよ、私の心」
  5. バッハ 「主よ、人の望みの喜びよ」
  6. モーツァルト もてっと「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」

アンコールで、ヴィヴァルディの「冬」が演奏されました。

ソプラノの森麻季さんも出演されていて、透き通る高い声を愉しませてくれましたが、一番の収穫は、コンサートマスターのスザンネ・ブラニーさんのヴァイオリンでしょうか。アンコールで演奏されたヴィヴァルディの「冬」のソロ・ヴァイオリンが凄すぎでした。豊かな倍音の音に加えて、雄々しいともいうべき強烈なフレージングに、観客席が一瞬どよめいたようにも思いました。巧い方っていうのは本当にたくさんいらっしゃるのですね。ブラニーさんは、ドレスデンに生まれてドレスデンで学ばれてドレスデンシュターツカペレの第一ヴァイオリンになられた方ということで、生粋のドレスデン人でいらっしゃるようです。
個人的には、コレッリの合奏協奏曲を聴けたのも収穫でした。この曲は知らなかったのですが、いいですね、コレッリは。CD買おうかな、と思いました。
帰り間際、会場ではシュターツカペレドレスデンのCDや森麻季さんのCDの即売会を見ていたら、ばらの騎士が売っていたので、こころがゆらりと動いたのですが、何とか押しとどめました。森麻季さんのCDはAmazonで買いましたので、またレポートしたいと思います。

Classical

今日は早起きです。6時からNHKのBS-3で「第76回日本音楽コンクール本選会」をやっていますね。早起きをすると良いこともあるようです。メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲をやっています。やはりここまで残っておられる方は相当巧いですね。私も下手に老け込まずに頑張ろう。

※ テクノラティのブログURLを変更すると、新しい記事をポストするよう要求されたので、朝早いですが投稿してみました。

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Classical

バッハ:フーガの技法、他
バッハ:フーガの技法、他
  • アーチスト: ミュンヒンガー(カール)
  • 発売元: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • レーベル: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 価格: ¥ 2,400
  • 発売日: 2007/10/24
  • 売上ランキング: 15714

今日も相も変わらずバッハです。どうもたまに浮かされたように作曲家にはまっていくようですね。先だってはヴォーン・ウィリアムズでしたが、最近はバッハです。

今日は、ミュンヒンガー指揮の音楽の捧げものです。ゲーベルさんがピリオド楽器でしたが、ミュンヒンガーさんの場合は弦楽合奏を中心とした現代的な響きです。とはいえ、清々しい透明感のある演奏ですね。冒頭のテーマの部分はゆっくりと弦楽合奏が奏でる感じです。大好きなのはソナタ・アレグロで、テーマのコード進行がスピード感のあるテーマで奏でられているあたり、バッハの職人芸だと思うのですが、演奏する方も素晴らしいと思います。しばらくはこの曲だけ聴いていてもいいなあ、と思うほどです

Classical

バッハ:マタイ受難曲
バッハ:マタイ受難曲
  • アーチスト: クレンペラー(オットー)
  • レーベル: EMIミュージック・ジャパン
  • 価格: ¥ 3,990 (5% OFF)
  • 発売日: 2002/03/06
  • 売上ランキング: 1910
  • おすすめ度 5.0

先だって、コンサートに行ったとき、隣に座った初老の男性に声をかけられた。よくお話を伺ってみると、その方はかつて某交響楽団付属の合唱団で歌っておられたそうだ。今日の曲目にバッハの「ヨハネ受難曲」のなかから選ばれた曲がありますね、と話を振ってみると、マタイ受難曲がお好きな風。でも、マタイは少し長いので聞くのにもなかなか躊躇してしまって、ついついヨハネを聞いてしまうんですよ、と言うと、男性は、やっぱりマタイですよ、とおっしゃる。

というわけで、今日はマタイ受難曲を聴いてみる。演奏は、ロ短調ミサ曲を振ったオットー・クレンペラー。演奏は重厚で、ピリオド楽器隆盛な今となっては古風な演奏家もしれないけれど、僕はこういう重い演奏は嫌いではない。むしろ好きなぐらい。リヒター盤も持っているけれど、いざ聴くとなると今日はクレンペラーを選んでしまった。僕にとってバッハ演奏で最大の衝撃だったのは、クレンペラーのミサ曲ロ短調の冒頭なので。

ディースカウさん、シュヴァルツコップさん、ゲッダさん、ルートヴィヒさん、といった高名な声楽家を揃えたレコーディングはやはり圧倒的。マタイのことを語るほど僕は聞き込んでいないから、何を書けばいいのか分からないけれど、とにかうディースカウさん、若いです。でも、円熟期へ至る道筋が見える。若くてもやはりディースカウさんはディースカウさんの個性を持っておられる。

今週はバッハを聴く機会が多かった。というのも、森麻季さんが出演されたドレスデン室内管弦楽団のコンサートに出掛けたから。曲目がバロック以前のものが多かったと言うこともあり、すこしバロック的なオンタイムな音楽を聴こう、と思ったのだった。このコンサートのことについてはまた後日ご報告したいと思う。

それにしても、幾ばくかの愁いはあるとしても、こうして静かな休日の午後にバッハを聴くという贅沢は、身に余る贅沢に思えて仕方がない。これこそ感謝しなくてはならないことなのだなあ、と思ったりしている。

Classical

バッハ:音楽の捧げもの
バッハ:音楽の捧げもの
  • アーチスト: ゲーベル(ラインハルト)
  • 発売元: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • レーベル: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • スタジオ: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2000/05/24
  • 売上ランキング: 37425
  • おすすめ度 4.5

バッハ晩年の「音楽の捧げもの」を聴いています。ラインハルト・ゲーベル指揮のムジカ・アンティクワ・ケルンの演奏にて。毒々しさがなく清浄な流れのバッハ。心が安まりますね。それでいてSonata Allegroのように躍動感があって、元気付けてくれる演奏でもあります。なかなかすばらしいです。

この曲は、高校のころはレンタルCDで借りたのをテープに録音してよく聴いていました。

この曲のテーマは以下の譜面の通り。これがどんどん変奏されていくわけですが、まさに妙技ですね。同じテーマ≒同じコード進行を展開させていくあたりは、ジャズ的でもありますね。

Bach score

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Classical

コダーイ:ハーリ・ヤーノシュ
クリーヴランド管弦楽団 セル(ジョージ) コダーイ プロコフィエフ ボロディン リムスキー=コルサコフ リャードフ
ソニーレコード (2000/08/23)
売り上げランキング: 7214

お恥ずかしながら、本日初めて聞いた「キージェ中尉」。なかなか軽妙な曲ですね。軽快でユーモアの溢れる曲想が全体を支配していますが、ロシア民謡的な旋律がバスクラリネットやピッコロなどで不気味に演奏されて、軽妙な旋律とポリフォニックに動いたりポリリズムを刻んだりするあたりがおもしろいですね。きっと演奏するのは骨が折れると思います。もともとは映画音楽のために作られた曲で、交響組曲に編曲されたそうです。



聞いていると、ブリテンの「青少年のための音楽入門」を思い出します。あれも強烈にポリリズムになるところがありますよね。ポリリズムと言えば少し苦い思い出が。かつて、先輩のバンドでサックスを吹いたことがあるのですが、私の他はみんな理系の先輩方で、リズムに対する意識が僕には分からないぐらいに凄いのですよ。ドラムは7拍子で、ベースは4拍子で、1拍目が合致するのが28小節目で、みたいなイメージ。正直ついていくのが大変でした。というよりついて行けなかったかも……。僕の才能不足だと思います。はい。



音楽を極められる方は、理系の方が多い、というが僕の持論ですが(「ド文系」の僕だからこそ言えることだとは思いますが)やはり数学的なセンスがないと、リズムを体感したり、調性の移行感覚や、コードの数字の積み上げといった記号論的な理論を習得するのは難しいです。もちろん、文系の方でも優秀な方はこうした面をクリアされておられるとは思うのですが。すこし自虐的になってしまいますので、このあたりで止めておこうと思います。

Classical

バッハ:ヨハネ受難曲
バッハ:ヨハネ受難曲

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リヒター(カール) ミュンヘン・バッハ合唱団 リアー(イヴリン) テッパー(ヘルタ) エンゲン(キート) プライ(ヘルマン) ヘフリガー(エルンスト) ミュンヘン・バッハ管弦楽団 ヘルテル(バレンティン) ウール(オスバルト)
ポリドール (1999/06/23)
売り上げランキング: 17870
 

 

今日はヨハネ受難曲を聴いています。初めて聞いたのは中学生の頃だったと思いますが、冒頭の通奏低音と合唱の不気味さに驚愕し、これはもう「はげ山の一夜」ぐらいおどろおどろしい情景だ、と思った記憶があります。受難曲ですので、受難や磔刑の暗いイメージが冒頭からにじみ出していると言うところでしょうか。イエスという肉体が滅びる哀しみと絶望を表現するためには、これぐらい肉的でどろどろした汚濁を描いて見せなければならないと言うことなのだと思います。この曲を聴いてバッハの清純イメージ僕の中で急展開し、キリスト教の持つ肉的な部分──それは、聖遺物の展示や、聖者の遺骸がガラス張りの棺に収められていたり、という部分なのですが──をも表現することが出来る作曲家なのだ、と思った次第でした。

しかしそんな中にもオアシスのような美しいアリアがあります。フルートが先導しソプラノへバトンを渡すこの部分です。

 

John
 

 

この部分、本当に美しくて、ついつい涙ぐんでしまうこともしばしばです。

リヒターの演奏は、ピリオド的なものでは当然ないのですが、バッハの「肉的」な部分をうまく表現していると思います。それは、リヒターのチェンバロ協奏曲を聴いたときにも抱いた感想でした。リヒターは50歳半ばにして病に倒れるのですが、その後のバロック音楽演奏情勢を知らずになくなったのは少し残念かもしれません。