Opera,Richard Wagner

なんだか、フリーメーソンの熱に浮かされたような日々でしたが、今日はあまりに平穏無事すぎてもうしわけないぐらい。
いよいよ先日録音した今年のバイロイトの「ヴァルキューレ」を聞きおえました。
充実した音作りで、なんとも素晴らしい。
何と言っても、ブリュンヒルデのリンダ・ワトソンがすごい。すこしだけピッチが不安定なところもありますが、雄々しいまでの女傑的ブリュンヒルデを堪能しました。
フンディングのKwangchul Youn氏もよかったです。 韓国の方のオペラ界における活躍は凄まじいものがあると聞いていましたが、その一端を垣間見た感じです。なんでも、韓国においては、キリスト教会が一定の力を持っていますので、聖歌隊あがりの方々がオペラ界に出ていくのだそうです。少し前にみたテレビでは、韓国人歌手なくしてヨーロッパのオペラは成り立たない、という状況なのである、と言っていました。
真偽のほどは定かではありませんが、確かに、ドレスデンでみた「カプリッチョ」にも韓国の方が出ておられたなあ、などと。しかも、イタリア人歌手の役を歌っていました。日本人と同じ東洋人だというのに、どうしてこんなに声が良いのでしょうか。おそらくは、分母が違うのだろうとは思いますけれど。
でも、われらが藤村実穂子さんのフリッカも素晴しいです。やっぱり、実演を聞きたかったなあ。今年のニューイヤーオペラコンサートの突然のキャンセルが残念でした。
それにしてもティーレマンの指揮は面白いですよ。え-、そこで、その速度に落としますか?? と思うぐらいにドラスティックに急にスピードを落としたりするのですが、それが実はかなりはまっていたりして、スリリングでした。
でも、バイロイトの響きって本当に素晴らしいです。ほどよりリバーヴに、オケの音が見事に解け合って素晴らしいサウンドで鳴っています。きっと実際だともっと凄いんでしょうね。一度でも良いから行ってみたいものです。これはまさに夢ですけれど、思っていればいつかはかなうかもしれません。

Movie,Opera,Richard Wagner

はじめに

iPodのホイールを回すのですが、何だか忙しくて音楽に没頭することも逃避することも能わない感じです。でも、こうして帰宅の電車に乗っているときは何とか聴かないと、と思い、ホイールを回し続けます。で、きょう拾ったのが、チェリビダッケのワーグナー曲集。このアルバム、この半年以内に聴いているはず。それも多分四月上旬だったはず。あの時は、ウルフ・シルマーの「パルジファル」の予習で手当たり次第に「パルジファル」を聴いていましたので。
チェリの前奏曲だけでは物足りなくて、カラヤン盤「パルジファル」を聞いて、激しく感動。あの、東京文化会館での思い出がよみがえってきました。グルネマンツのために生まれてきたのではないか、と思うぐらい適役であるクルト・モルには脱帽し敬礼したい。藍色を帯びた夜明け前の空の荘厳さを思わせるカラヤンの音作りはすばらしい。ここまで追求されると、やはり美的価値は存在するのだ、と思います。

「パルジファル」と「影のない女」の思い出

それにしても、4月の復活祭の日の東京文化会館。ウルフ・シルマー&N響コンビによる演奏会形式のパルジファルはすごかった。あの日は本当に泣まくりでしたよ。まだ、そんなに心がささくれ立っていなかったから、音楽が心に染み入る感じがしたんですね。でも、最近は、職場では軍隊的な規律によって統制されていますから、なんだか、音楽と仕事のバランス位置を見出せていないのです。なんだか下手な演奏を聞くと白々しささえ覚えてしまう。ちなみに、いま、私の会社での渾名は少佐です。
で、色々思い悩んでいたんですが、私にとってはあの「影のない女」でのショックが大きかった気がする。音楽的には素晴らしかった。それは認めますが、やはり、あの演出はイデアールなもの、彼岸の美しさを表現することが出来なかった。あれから、僕の劇場に対する信奉は少なからずダメージを受けてしまったかのように思えるのです。
つづく

近況

気を取り直して近況。故あって忙しいのだが、まあ、回っている独楽は倒れないと、いいますから、このまま回り続けましょう。
BSハイビジョンのスター・ウォーズは、早いもので、エピソード5に。エピソード1から順序よく観ていくと、いままで見えてこなかったものがよく分かります。ヨーダが、ルークに暗黒面への警告を出すあたり、アナキンがダース・ベイダーになったプロセスを知っているからこそ、よく理解が出来たり。あしたも、後半を少し観られるかしら、という感じ。カミさんが思いのほか喜んでみていてくれるので、私もうれしい。曰く、やっぱりエピソード4以降のほうが良いらしい。ハン・ソロのハリソン・フォードのなすところが大きいようです。

Opera,Richard Wagner

平日は、黙々と働き、休日も黙々とタスクをこなす。休む間もなく。まあ、身から出た錆ですので仕方がありません。何はともあれ音楽があることと、こうして何かを書くプラットフォームが存在するだけでもありがたいと思います。
2009年/2010年シーズンも無事に終わりました。しばらくオペラ観劇はお休みですが、7月の予定をざっくりと。
ちょっと、書かねばならない文書がありますので、それを月内に終わらせる。そのためには、毎週5枚のレポートを書かねば間に合わない。それから、会社のeラーニングをやること。これも一週間に3レッスン終わらせないと、100レッスン終わらず、受講料が天引きされてしまう。7月は忙しい。暑いし。
7月末はバイロイトですね。
“http://www.bayreuther-festspiele.de/":http://www.bayreuther-festspiele.de/
「リング」は、昨年に引き続きティーレマンが振ります。「パルジファル」もガッティが再び。「トリスタン」はお休みのようです。今年はシュナイダーが出ないのが残念。こちらもウェブラジオでエアチェックする予定。昨年は「リング」も「パルジファル」も録音失敗していますので、今年こそはなんとか成功させねばなりません。なかなか難しいのですが、がんばりましょう。
今、音楽之友社「作曲家・人と作品シリーズ ワーグナー」を読んでいますが、うーむ、面白い。新潮文庫版のワーグナーの伝記を数年前に読みましたが、この本のほうが充実している気がします。
それは、とりもなおさず、私のワーグナー視聴量が増えたからにほかなりません。この本の特徴はワーグナーの死で終わらないところ。ワーグナー死後、現代に至るまでのバイロイト音楽祭の状況を簡潔にまとめているので、ワーグナー演奏の通史的理解を得るには実に都合のよい本で、お勧めです。
ただ、私のワーグナー歴はまだまだ浅い。読むべき本もたくさんある。聞くべき音源も無限大に存在する。一生のうちに全部読んだり聞いたりできないかもしれませんが。
っつうか、辻邦生も読みたい。でも、今は「沈まぬ太陽」の第四巻を広げてしまったので、ちょっとお預け。辻邦生の本は常に携帯することにしましょう。折に触れて読み返すと、元気が出ること間違いありません。

Opera,Richard Wagner

吉田秀和先生「オペラ・ノート」で、バーンスタインの「トリスタンとイゾルデ」が絶賛されていました。幸い、私もバーンスタイン盤の音源を持っていましたので、昨日の帰宅時間より聞き始めたのですが、さすがバーンスタインです。

二日かけて全曲聴きましたが、一幕聞いただけで本当に心が揺り動かされてしまいました。
バーンスタイン的な、きわめて慎重に事を運び、しかも最大限スケールやダイナミクスを導入するという、壮大気宇な演奏です。
ペーター・シュナイダーの演奏は、透き通った膜の向こう側に構築美が立ち現れるという演奏でしたが、バーンスタインの場合、ほとんど主観とか客観とか分かれない、純粋経験的境地、というぐらい心技一体の演奏に思えます。
情感たっぷりなんですが、だからといってベッタリとした甘っちょろいものではなく、深く広がる情感の池に徐々に身がゆっくりと浸っていくようなイメージです。
一般的にはバーンスタインのテンポどりは遅いほうだと思いますが、そういう意味でもこの録音はバーンスタイン的です。
あとは、録音がいいんですよ。中低音域に軸足のある、たっぷりとした音でして、聞いたとたんに没入度120%というぐらい、ほかのことが気にならなくなるぐらい。押しが強い音というわけではなく、ぐいぐいと引き込まれていく音です。
演奏はバイエルン放送交響楽団、トリスタンはペーター・ホフマン、イゾルデはヒルデガルド・ベーレンス。べーレンス、巧いです。絶妙なピッチコントロールと安定した声質。ペーター・ホフマンはちょっとべーレンスに圧倒され気味かも。
やっぱり、ヴァーグナーを聞くと、安心します。安心できる場所にとどまることは、保守をイメージさせますが、私の場合、安心できる場所だが知らない場所ですので、どんどんそこを掘り下げていくことが必要かと考えています。

NNTT:新国立劇場,Opera,Richard Wagner

うーん、すごいなあ、シュナイダー師。昨日に引き続き「トリスタンとイゾルデ」第二幕を聞いているんですけれど、絶妙なテンポの揺らし方がすばらしくてため息が出てしまう。第二幕の白眉はトリスタンが登場して、二人で歌い続けるところでして、まあ、現実の恋人達はあんなにたくさん歌うことなんてないかもしれないんですがね。意外にも、というか、やっぱりというか、ブランゲーネ役のミシェル・ブリートさんもいいんですよねえ。見張り台に立って、「二人ともいちゃいちゃしないで注意しないとだめよ~」と歌うところ、最高ですね。
「トリスタンとイゾルデ」は、来年1月に新国立劇場の新製作で登場します。指揮は、欧州で大活躍の大野和士さん。イゾルデはもちろんイレーネ・テオリン様! ブランゲーネはなんと、エレナ・ツィトコーワというコンビ。想像しただけでゾクゾクきますね。

エレナ・ツィトコーワの思い出。


ツィトコーワの実演に接したのは4回ですね。
まずは、2003年だったと思うのですが、新国立劇場で「フィガロの結婚」のケルビーノを歌っていたんですが、それはそれはすばらしかった。華奢な体だというのに深みのあるメゾ的ソプラノで、すごく感嘆した覚えがあります。
次が、私の中では人生最良最大演奏のひとつとして数えている新国立劇場2007年の「ばらの騎士」のオクタヴィアン。美人なのに、ショートカットにして、男装すると、それはそれは格好のよいオクタヴィアン。演技も巧い巧い。第三幕の、オクタヴィアン役のソプラノが女装するという不可思議な演技を十全に演じていて、私はもう涙が止まらなかったですよ。
それから、彼女は、昨年2009年の「ラインの黄金」と「ヴァルキューレ」でフリッカを演じました。けれども、フリッカにしてはかわいらしすぎてちょっと拍子抜けしてしまった。フリッカといえば、ギリシャ神話で言うとヘラのような存在で、ヴォータンにしてみれば口うるさい妻といった、ちょっと癖のある役柄なんですが、ツィトコーワは美しすぎたんですねえ。もっと体格のたっぷりとした方だと似合ったのかも。でも、声はすばらしかったです。

期待膨らむ新国の「トリスタンとイゾルデ」

で、来年1月に、ツィトコーワは新国の「トリスタンとイゾルデ」でブランゲーネを歌うのですよ。しかも、テオリン様と競演とは! お二人はどう見ても対照的。きっと、強き女性たるイゾルデと、従順で忠実で、ちょっと気を利かせすぎてしまったブランゲーネという感じで、しっくり来るパフォーマンスになるんじゃないでしょうか。期待は膨らむ膨らむ。
ただ、このオペラは、長いのが欠点。体に十分に音楽をしみこませておかないと、最後まで聞きとおすのはつらいかも。私も2008年の秋に、バレンボイムがベルリン・シュターツオーパーを振った「トリスタンとイゾルデ」をNHKホールで聞きましたが、かなりつらかった記憶があります。風邪引いていましたし、前々日にイタリア旅行から帰ってきたというかなりハードなスケジュールでしたから。
そうこうしているうちに、第二幕の盛り上がりのひとつの頂点、愛の死のテーマに入ってきました。ロバート・ディーン・スミスとイレーネ・テオリンの二重唱炸裂中。
あ、昨日知ったんですが、ロバート・ディーン・スミスって、新国で 「 -ローエングリン- ワルキューレ」に出ているんですね。今度、新国の情報資料室に入り浸ろうかと画策中です。

Opera,Richard Wagner

うーん、昨日無理したらしく、今日はなんだか気が抜けた一日になってしまいましたが、オペラばかり聴いて過ごしていました。ちと散漫な聴き方でしたけれど。
さすがに、毎朝五時半過ぎに起きて、仕事でフルフル働いて、土曜日はジムに行き、で、この暑さと来れば、ちょっと無理した感じかもしれないですねえ。
Twitter風に。。
* 昨日ご紹介した、ハーディングやシュテンメの「トリスタンとイゾルデ」をもう一度聴きなおしたり、NHK-FMで「ドン・カルロ」を聴いたり、最近入手したパヴァロッティの「道化師」を聴いたり、シュナイダー師とテオリン様の「トリスタンとイゾルデ」のDVDをiPodに入れたり。
* オペラ、もっとガツガツ聴かないと、と思います。がんばらんと。
* あとは、古いノートにWindows7を入れたり、なんやかんやと。あっという間の一日でした。
* しかし、Windows7は、軽くていいOSです。
* あ、今読んでいる本、凄いです。読み終わったらブログに書きます。
* 久々に髪の毛切っていただいたら、頭が軽い、軽い。今まで三頭身でしたが、ようやく五頭身ぐらいにはなった気がします。
で、早速テオリン様のイゾルデが凄いことを実感。幸せ。シュナイダーの指揮は本当に素晴らしい。抑制され、羽毛のように快い弦の響きは、おそらくはバイロイトの絶妙な残響とあいまって、恍惚感さえ感じます。
この音源において、シュナイダーが最高に素晴らしいのは、第二幕の最後、メロートを刺し殺したあとのアインザッツですね。いつもここで、えもいわれぬ感覚、魔法にかけられたような気分になります。
ああ、そうこうしているうちに、絶妙なテンポの動かし方にまた感動してしまう。決して大きくテンポを揺らすことは決してないのです。すべてが抑制された微妙なテンポ取りなのです。あまりにテンポを揺らすのは、見え透いた感じであまり感心しなくなってきたんですが、シュナイダー師のテンポの取り方は、自然で上品で高貴ささえ感じます。
今年はバイロイトに登場しないシュナイダー師。たしか今頃、ウィーンで「カプリッチョ」を振っていて、来月はチューリヒで「ばらの騎士」を振るはず。いずれもプリマはフレミング。私は仕事で絶対に行けません。無念。
シュナイダー師のファンクラブってないのかな。嵐みたいに。
あとはシュナイダー師の古い音源を入手したいのだが、あまりないんだよなあ。このDVDが出たのもほとんど奇跡的だと思いますし。

Opera,Richard Wagner

うーむ、やっぱり、ニーナ・シュテンメは凄いですね。
iTuneで、何気なく選んだ、昨年の冬に録音したニーナ・シュテンメ、ペータ・ザイフェルト、ダニエル・ハーディングが演奏する、「トリスタンとイゾルデ」の第二幕抜粋版の音源。聴いているのは2009年1月に、ダニエル・ハーディングが振ったウェブ・ラジオ音源。
ニーナ・シュテンメの中低音域に翳りを含み憂いを帯び、それでいて矜持を失わない強さをも含んだイゾルデに甘い痺れを覚えます。この音源、何度か聴いているのですが、こんなに凄かったのか、と改めて感涙。
シュテンメは、ドミンゴとも「トリスタンとイゾルデ」の録音をしていますが、こちらの音源は遙かに緊張感がある気がします。
それは、やっぱりハーディングの音作りによるのかもしれません。ハーディングの指揮は、かなりドライヴしています。速度は少々早めで、妙なアゴーギクを聴かせることなく、アスリートのような引き締まった筋肉質の音作り。いやあ、いまちょうど1時間ぐらいのところなんですが、ハーディングの牽引力は凄いですよ。ぐいぐいと緊張感を引き上げていく。音量のうねりと微妙な速度調整でグルーヴしている。鳥肌が立つぐらい。
トリスタンのザイフェルトも素晴らしいです。倍音域は少々高めで、切迫感があって、追い詰められた男という感じ。
実は、幸いにもニーナ・シュテンメの実演に接しております。2007年の秋にチューリヒ歌劇場の来日公演「ばらの騎士」の元帥夫人がシュテンメでした。あのときは、かなり神経質な元帥夫人を演じていて、演出的に少し違和感を覚えた記憶があります。それから、声の質感の印象もあまり強くないのです。
ですが、その後、「四つの最後の歌」や「サロメ」最終部が納められたCDで感動を新たに。

Four Last Songs
Four Last Songs

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Covent Garden Royal Opera House Orchestra
EMI Classics (2007-02-28)
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元帥夫人のような包容力のある女性よりも、サロメやイゾルデのような強さを持った役が似合いそう。そういう意味では、ブリュンヒルデを聴いてみたいです。
また日本にいらっしゃらないかなあ。
音楽でゾクゾク来たのは久々かもしれないです。最近、忙しすぎて感動する暇がないんですが、今日は久々に早起きができて、感動する余裕が出てきた感じ。

ニーナ・シュテンメ(ソプラノ)カタリーナ・カルネウス(メゾソプラノ)ペーター・ザイフェルト(テノール)ブリンドレイ・シェラット(バリトン)ダニエル・ハーディング指揮スウェーデン放送響

ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」第1幕への前奏曲と第2幕
(2009.1.24 ベルワルド・ホール)
今日もこれから、都心に出かけて、お昼に地元にとって返して、ジムやら図書館やら。頑張ろう。
しかし、肩こりがひどいな。

iPad,Opera,Richard Wagner

シュナイダー師の「ローエングリン」

今日聴いているのは、ペーター・シュナイダー氏が振っておられるローエングリンです。これは、DVDで発売されているものをAMAZON.UKから個人輸入したものです。海外でDVDを買うときは、言うまでもありませんがリージョンコードにご注意を。
まだ、演奏全体を云々できるほど聴いていませんが、アンサンブルが美しく、速度の微妙なコントロールが絶妙で素晴らしい。シュナイダー師、やっぱり凄いなあ。もっとCDでないかな、と思うのですが、
あ、そういえば、昨年のバイロイトでシュナイダー師が振った「トリスタンとイゾルデ」ですが、画像をiPadに入れました。あの感動を再び、という感じ。こちらも楽しみ。
最近シュトラウスばかり聴いていたのですが、ワーグナーに戻ってくると、なんだか心現れる気がします。シュトラウスはもちろん大好きですが、ワーグナーのほうが愚直なドイツ的精神性が強いように思います。心に直接揺さぶりがかけられる感じ。ワーグナーは凄いのですね。

iPadつれづれ

さすがにここのところiPadが気になります。
今日は所用で都心に出たので、UQ-WImaxの一日プランを試してみようと思ったのですが、上手くいかない。
私の認識では、無線LANに接続し、UQ-WImaxの一日600円プランの申込み画面に遷移したところで申し込み、接続確立となる想定でしたが、無線LANには接続できますが、申込画面に遷移しません。
ポイントは無線LANルータのWM3300Rの挙動でした。WiMAXと書かれたアンテナ型のLEDが赤く光っているのです。どうやらこれはWiMAXの電波は受信しているけれどインターネット接続が出来ていないことを指しているらしい。で、このアンテナ型のLEDが緑になるととりあえずはインターネットに接続出来ていることになる模様なのです。
1) まずは、ルーターのWM3300Rの電源をいれて、以下の写真のようになるのを待ちます。

2) 続いてルータの画面 http;//web.setup ないしは、192.268.0.1にアクセスします。すると、管理者パスワードが出てきますので、入力します。

3) すると、こちらの画面となります。ウェブウィザードの画面ですね。すでに契約はしていると思いますが、右下の
「今すぐ契約」ボタンを押します。

4) すると、ガチャガチャ、動き出すんですが、

私の環境だと以下の「サインアップ中」のままで、無限ループ状態になりいつまで待っても何も起きません。

5) このとき、ルータのWiMAXと書かれたアンテナ型のLEDが緑色になっていることに注目。この時点でウェブにつながっているのです。

6) すかさず、サファリ(ブラウザ)右上の検索ボックスに適当に検索値を入れて、検索してみます。あるいは、ブックマークでヤフーやグーグルなど一般的なウェブサイトに飛んでみるのも良いでしょう。すると、UQ-WiMaxのログイン画面に遷移します。やった!

7)あとは、ユーザー名を入れてログイン

8) 以下の画面に到達するので、利用時間の購入ボタンへと進みます。

9) ゴールです。ここで、利用時間を設定し、「次へ」ボタンを押せば、ネットが開通するはずです。

私の場合、ここでいったん止めました。この先、ちゃんと利用時間が購入できてネットにつなげるはずです。おそらく今週の週末に同じことを試しますので、またレポートします。

European Literature,Opera,Richard Wagner

この本、25年前に読むべき本でした。全く、若き私は怠惰な人間でございました。でも、この本はヴァーグナーの楽曲に触れていないと理解できないのも確か。若き貧乏な日々に、オペラのCDなんて買うことは能わず、ましてやオペラに行くなんてことは難しいことでしたので仕方がないというところでしょうか。まあ、今もお金持ちではありませんけれど。

はじめに

トーマス・マンは、この「リヒャルト・ヴァーグナーの苦悩と偉大」と題された講演ををミュンヘンで行ったのが1933年2月10日のこと。その後、マンはアムステルダム、ブリュッセル、パリを回ったのですが、その間、ドイツにおいてはナチスが全権を掌握してしまい、マンはドイツに帰ることができなくなるという時代背景があります。

ナチスがワーグナーの音楽を利用したという事実は消えることのないことですが、マンが必死にヴァーグナーとナチズムの相違点を整理しようという意図が見えた講演録でした。

心惹かれる文章。

このたぐいの本の書評を書くのはきわめて難しいのですが、私の方法論は引用をつなげていくという者になってしまいます。まだ書評能力が低いのです。まあ、それはそうとして、気になったところを。

劇場の聴衆の只中で味った深い孤独な幸福のあの幾時間、神経と知性とのおののきと喜びとに充ち満ちた幾時間、この芸術のみが与えうる感動的で偉大な意義を窺い知ったあの幾時間かを、私は決して忘れることができません。

29ページ

これは、激しく同意します。あの孤独とも一体感とも言えぬ劇場独特の儀式的パフォーマンスを秀逸に表した一文です。

ヴァーグナーが芸術を一つの聖なる秘薬と考え、社会の障害を癒す万能薬と見なした(中略)。ヴァーグナーにとっては、芸術が持つ浄化し聖化する働きは堕落した社会に対する浄化手段、聖化手段として見なされるものでした。美的聖別という手段によって社会を贅沢から、金力の支配から、愛の欠如した状態から解放しようと望みました。

13ページ

うまくいっているかどうかはともかく、リングの最終幕ヴァーグナーが意図していたことをマンが咀嚼してくれた感じです。でも、そこまで単純化できるかどうかはわからないです。というのも、こうした社会正義、革命的な思想を、若き日のヴァーグナーは持っていたのですが、一方で、借金を重ね奢侈な生活を楽しみ、バイロイトという「ヴァルハラ」を築くという、おおよそ庶民とはかけ離れた行動をしているのですから。

全体感

全体を読んで思ったところ。

ヴァーグナーというのは単なる音楽家であったわけではないということ。詩人でもあり音楽人でもあった故に、楽劇が誕生したのだという事実。両者に秀でていたということが重要。逆に言うと、両方から圧迫を受けていたわけでそれがヴァーグナーの苦しみでもあった、という論調でした。

ヴァーグナーは若き日に革命運動に身を投じますが、あれは、社会を改正するといった動機よりもむしろ、自分の音楽をきちんと発表できる場にしようとするという動機の方が強かったのではないか、という指摘がありました。もっとも、ワーグナーは芸術が人間を救済する手段であると考えていましたので、終着点は同じなのかもしれませんけれど。このあたりは、シュトラウスがナチスに協力した経緯とも少し似ている感じがしました。

ワーグナーをロマン主義者として定義付けするところがあるのですが、ここが実に面白い定義付けをしています。また引用しちゃいますと、

性的オペラの中で芸術と宗教とを結び会わせ、芸術家のこのような神聖なる非神聖さをルルドの洞窟の奇跡劇としてヨーロッパの真ん中で舞台に載せ、退廃した末世がみだらに信仰を熱望するその心をに向けて開示してみせるという能力

99ページ

これ、この前「パルジファル」を聴いたときに引き裂かれるように感じたことと一致するんです。聖化と性化の二律背反(と捉えるのも間違いかもしれませんが)があまりに不思議で不協和音に思える。それが最後に解決するのがブリュンヒルデの自己犠牲であり、パルジファルによるアムフォルタスへの癒しとクンドリの救済というところでしょうか。

ここでいう「性化」とは、一種のセクシャルなものを含むのは事実ですが、それ以上に、いわゆる「愛」と捉えるべきだとも思いました。そういった言説をヴァーグナーがしているということもこの講演の中で述べられていました。

この本は、二回ほど読みましたが、まあ、いろいろと前提知識が必要だったり歴史的背景の理解が必要だったりということで難儀なものでした。折に触れてちびりちびりと、ブランデーを飲むように読むと良い本でしょう。お勧めです。

Richard Wagner

あの(私の中では)伝説の、シュナイダー&テオリンの黄金の「トリスタンとイゾルデ」のDVD、ブルーレイが発売となりました。うむむ、欲しいぞ。というか、ごらんになっていない方は是非是非。演出には賛否両論あるんだろうけれど、テオリン様の声や演技、表情を見れば、恍惚状態に陥ることは間違いありません。シュナイダーの指揮も絶妙だし。っつうか、私これ買います。はたらきますよ、テオリン様のためなら。

当時の記事を。

続 バイロイトの「トリスタンとイゾルデ」を

バイロイト音楽祭/ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」第一幕

バイロイト音楽祭/ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」第二幕&第三幕

どんどんテオリン様にはまっていくのがわかって面白いです。また聴きたいなあ、テオリン様。

※ で、その後、くだんのDVDは注文いたしました。すまぬ、財務大臣。