Jazz

Pilgrimage
Pilgrimage

posted with amazlet on 07.06.19
Michael Brecker
Heads Up (2007/05/22)
売り上げランキング: 16884

マイケル・ブレッカーの遺作となるアルバムPilgrimageを聴いたのですが、一回聴いただけで悲しみを覚えてしまいます。全盛期のマイケル・ブレッカーならこうじゃないはず、という気分になってしまうのです。体調が悪い中の録音だったと言うことだそうですが、やはり元気がないなあと思ってしまう。フレーズもあと一歩吹ききれていないような。別に批判をしているわけではありません。吹ききれていなかったとしても、アルバムとしては問題なく聴くことが出来ますし、フレージングのすばらしさは相変わらず。だからおすすめなのですが、往時のマイケル・ブレッカーを知っている者としては、寂しさを感じずには居られないのです。

僕は80年代後半から90年代前半のマイケル・ブレッカーが好きなのですが、そのころのイメージが強いのかもしれません。さすがにそのころと比べるとなにか足りないものを感じてしまいます。体調が悪いからかもしれません。あるいは、年齢がそうさせたのかもしれません。いずれにしても、それは悲しみ以外のなにをも喚起することはありません。死を目前にしていたマイケル・ブレッカーは何を思っていたのか……。聴けば聴くほど、あまりに悲しすぎるアルバムなのです。

パット・メセニーやハービー・ハンコックも参加。ハンコックのバッキングやコード感、ものすごいなあ、と思います。

実は、お恥ずかしながら、発売からもう大分立っているというのに、今日始めて聴きました。iPodに入れるのが遅くなってしまったと言うこともあるのですが、こういう感想を持つような気がして、あえて逃げていたのかもしれません。悲しすぎるなあ……。もっと歳をとってもバリバリと元気に吹いて欲しかったです。やはりマイケルも生き急いだ偉人と言うことなのでしょうか……。グスタフ・マーラーやジュゼッペ・シノポリのことを思い出してしまいます。


金曜日と今日の二日間、久々にプレゼンの機会がありました。同じグループに属している別ユニットのリーダーの方々に、うちのユニットのシステム改善案をお示しして、なんとかご協力を願うというもの。もっともプレゼンをしたのは、ウチのユニットのリーダーなので、僕は資料をつくって横から合いの手をいれたり、いささか感情的になった他ユニットのリーダーさんと対決したり、なだめたり、という役柄。久々で疲れるかな、と思いましたが、思ったより楽しめました。やはりたまには人を相手にしてお話ししたり、説得したりする機会がないとだめですね。PCを叩いているだけでは駄目だなあ、と。もっと人と話したりしないと行けないですね……、などと、すこし若者めいた感想を持った一日でした。


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昨日アップできなかったにもかかわらず、皆様のおかげで、まだ10位以内に入っております。ありがとうございます! 日次更新を目指して引き続き頑張ります。

Jazz

SAX

今日はリハをしてきました。二時間ほど新宿のスタジオにて。スタジオでサックスを吹くのは2年ぶりでした。サックスは音が大きいので、最近の練習(文化センターなどでの)では、無意識のうちにセーブして吹いていたようで、最初の一時間は、音が全然出てくれません。か細い、ボソボソした音が出るだけで、高音域はしおれた草のような音だし、ピッチも安定しない。曲が進んでいくに従って、気分は落ち込んでいきました。

五分ほど休憩して、Mistyという曲を吹いたのですが、そのときマイケル・ブレッカーがMistyを演奏した音が思い浮かんで、それに触発されてやっと楽器に音を吹き込むことができました。今日のリハでなんとか音的には復活の手がかりをつかんだ感じ。あとは、インプロヴァイズの質的向上ですね。まだイメージにフィンガリングがついて行かないのです。こればっかりは、練習しないと治らないです。できるだけサックスに触れて練習していくことと、できれば毎日EWIでインプロヴァイズの練習をする必要がありそうです。

ちなみに演奏する曲一覧。

Girl From Ipanema
Misty
That’s all
When you wish upon a Star
My One and Only Love
The Days of Wine and Roses

どれも難しいですが、頑張ります。

Jazz

Cruisin'
Cruisin’
  • アーチスト: Marc Antoine
  • 発売元: Grp Records
  • レーベル: Grp Records
  • スタジオ: Grp Records
  • メーカー: Grp Records
  • 価格: ¥ 2,585
  • 発売日: 2001/06/19
  • 売上ランキング: 193886
  • おすすめ度 5.0

お昼休みは、なぜか11時30分から12時30分までです。普通の会社だと12時からだと思うのですが、部署毎に昼休みの時間をずらして食堂や売店の混雑を防ごうという目的のようです。と言うわけで、11時30分のチャイムがなるとすぐさま外に出ます。僕の会社は山奥にありますので、ビルからでるとそこはもう木々の生い茂る林だったりします。最近は体重を落とすために林の中を15分ほど歩くことにしています。歩き始めたのは3月の半ばぐらいから。おかげさまで体重にして4キログラム程度痩せてきました。目標は12キロ減量したが、もう3割も達成しているのですね。ありがたいことです。これまでは昼休みはオフィスにいたまま食事をしてネットを眺めたり本を読んだりしているぐらいでしたから、それに比べるととても健康的なのではないかと思っています。

林の中を歩いた後は、オフィスに戻って弁当を食べながら音楽を聴くのですが、今日はマーク・アントワン(ギター)のアルバム「クルージン」を聴きいたのです。これがもう大ヒットでした。マーク・アントアワンのことは五年ぐらい前から知っていましたが、ここまで身を入れて聴くことはなかったのです。ところが、これが思った以上に素晴らしいのでした。ここで格言。「名曲は家のCD棚あるいはiTuneの中にある」。その通りでした。

清涼感とともによくビートが聞いているので、サウンドは豊かな響きを持っています。特に、Sierra Bellaは名曲です。サビのメロディーが美しくて、EWIでフレーズを吹きたくなりますね。帰りの電車の中でこの曲ばかり繰り返して聴いてしまいました。思い浮かぶのは暮れ行く空の向こうに見えるエッフェル塔のイメージ。昔パリに行ったときに、ルーブルの窓から夕暮れのエッフェル塔を眺めたのです。そのときのことが頭によぎります。マーク・アントンはロマの血筋をひいたフランス人というこ ともあって、曲の作り方が洒脱で、なおかつ情熱的です。アメリカのフュージョンを東西に分けることができると仮定したとしても、そのどちらにも当てはまらないですね。

Indian Summerは、すこし湿っぽいかな。でもこの湿っぽさもヨーロッパ的なんだろうな。石畳に雨降る町並みを思い浮かべてしまう。 Caribbean Morningは明るい曲。Fuegoは、フラメンコ音階が聞こえてくる。やはりヨーロッパです。アントワンはスペイン音楽にも影響を受けているようですので、あながち間違いでもなさそうです。

フュージョン(という音楽ジャンルの定義自体難しいのですが)のなかでも、マーク・アントワンのようなスムースジャズ的音楽を聴き始めたのは高校に入ってからですから、もう20年弱も聴き続けていることになります。当初は日本の某バンドから入ったのですが、一年後には、リッピントンズなんかを聞き始めていました。

それでそのころから、日本のバンドと欧米のバンドの音作りに明らかな差違があることに気付きはじめていました。何なんだろう? と常々不思議に思っています。大学の先輩は、それは日本人のバンドには技巧的に劣る面があるからなのだ、と言います。たしかに、それはあるかもしれません。でもそれだけでは説明できないものがある気がしています。

やはりそれが民族性なのではないか、と思うのです。演歌や民謡を体内に備えている我々と、クラシックやジャズを体内に備えている欧米の彼らとの間には説明できない違いがあると思うのです。それが、たとえば日本人にはきこえないオーケストラの音を欧米人は聞いている、とか、対位法の響きをドイツ人は日本人とは違うやり方で聞き取っている、とか、そういう点に現れているのです。

日本人のバンドの中でもアメリカのバンドに一瞬近づいたアルバムを一枚知っています。そのことについてはまた今度書いてみたいと思います。

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Jazz

SAX

 昨夜は、会社帰りで少し疲れていたのですが、日曜日に行った近所の文化センターでまたサックスの練習をしました。前回はコード進行をPC上のDAWソフトで動かして練習していましたが、PCが重くて仕方がない(いわゆる重さが重いのです)ので、MIDIファイルをAACに変換して、iPodに載せて持って行きました。iTuneは、MIDIをAACに変換することができるのですね。感動です。
 それにしてもスタンダードナンバーの難しさといったら、という感じです。サックスを初めてもう15年で、そのうち5年ほどは吹いていませんので、実質10年ぐらいのキャリアだったりするのですが。まあ、プロになるわけでもないので、致し方ありません。余り自分を責めるのは疲れるのでやめました。ゆっくりつきあっていくことにしようと思います。

Jazz

EWI

さて、今日のお昼休みに早速と楽器屋に電話をしてみました。EWI3000用のケーブルがウェブに出ていたので、EWI1000と互換性があるかどうか確認して貰ったのですが、互換性はないとの解答が……。一瞬、これでEWI1000とはお別れなのではないか、と思いましたが、その後メーカーに問い合わせて貰ったところ、EWI1000用のケーブルの在庫があるとのこと。お値段10000円なり。よかった。EWI1000が本当に駄目になってしまったのなら、EWI4000を買うところだったんですけれど、10000円の出費に抑えられそうで良かったです。あと数年間はEWI1000と一緒に戯れることが出来そうです。

Jazz

EWI

AKAIのウィンドシンセEWI1000を使っています。購入したのは1993年の夏頃、中古での購入でした。あれから14年経ちましたが、先ほどまでは、多少の問題を抱えつつも、何とか吹けていたのです。
ところが、ちょっとした練習をしていたところ、急にオクターヴのコントロールが出来なくなりました。あれあれ、と思って、接続ケーブルを抜いたり差したりしたら、ますますおかしなことに。音がまともに出なくなってしまいました。ネットでの情報では、コントローラと音源をつなぐケーブルが断線することが多いとのこと。どうやら、僕のEWIもご多分にも漏れず断線したのではないか、と考えています。代わりのケーブルを買わないといけないのですが、15750円もするらしい。とりあえず、明日楽器屋に電話してみます。

Jazz

tuitou
Infinity Infinity
McCoy Tyner Trio (1995/08/29)
Impulse!

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夕方から雨が降り始めた。会社からの帰り道、いつものバスがやってこない。五分ほどバス停に立ちつくしていたのだが、ようやくバスが坂道を登ってくる。傘を畳んで水を払ってからバスに乗り込む。この分だといつもの電車に乗ることは能うまい。疲れているというのに、ベンチのない駅で雨に打たれながら電車を待つというのか。疲れは人をしてとかく悲観的な領域へと誘い込むものなのだが、今日も油断をすると、悲観領域に足をすくわれるところだったのだ。

だが、心を強く持とう、と思って、昔からよく聴いた曲をiPodのホイールを回して探してみる。

あった、マッコイの1995年のアルバム、インフィニティ。フロントにマイケル・ブレッカーを迎えたマッコイのアルバムだった。まだ学生だった頃、CDウォークマンにこのCDを入れて学校に通ったものだった。「インプレッションズ」は、コルトレーンのモードの曲だが、雄々しいマイケル・ブレッカーのテナーの咆吼と、それに続くメカニカルなインプロヴァイズに卒倒したものだ。

そして、今日もやはり卒倒しそうになる。このインプロヴァイズの冒頭部分だけコピーして吹いたことがあるけれど、さすがに全部コピーは出来なかったなあ。それもまた自分の限界と言うことなのだろうか、などとすこししんみりしてしまうのは、いつ聴いても同じなのだ。こうして悲観領域に片足が入るか入らないか、といった状態で10分あまりの演奏を目をつぶって聴きづけた。雨脚の強まる中、電車がホームに進入してきて、やっと座席に着いた頃には、何とか気持を元に戻すことが出来たというわけだった。ありがとうマイケル・ブレッカー。

しかし、そんな元気だったマイケル・ブレッカーも、今は帰らぬ人となってしまったというわけだ。苛烈
でもあり残酷でもある時間と運命。残されたものは、これからもずっと時間と運命と闘わなければならないと言うことなのだ。

Jazz

SAX
楽器、というか、サクソフォーンですが、家で練習できる代物ではありません。音が大きすぎて、近所迷惑も甚だしいのです。
そこで練習場所をいろいろと考えることになります。

大学時代は、大学の音楽室で吹いていましたが、卒業後はどうしたかというと…

  • 個人練習はEWIで、リハでしかサックスを吹かない → 相当腕落ちました。
  • 山に入って吹く → 季候が良いと良いのですが、夏になると蚊が寄ってくるのでNGです。ちなみに、サックスの音は蚊をおびき寄せるらしい(坂田明氏が実験したという噂を聞いた)。
  • カラオケボックスで吹く → これはやられている方が多いみたいですが、やったことありません。近くにカラオケボックスがないので、というのが理由です。
  • スタジオを個人で借りる → これは、数年前によくやっていました。一時間700円、隣の駅のスタジオで練習しました。ですが、疲労のため、ダウンしました。
  • 家で吹いちゃう → 冬布団をかぶって、押し入れの中に入り、吹いています。多分近所にはきこえていないと思います。ただ、息苦しくなるのが難点。

それで、最近は余り吹いていなかったのですが、練習しなくてはならない自体に。おろおろしている僕に家人が「駅前の公民館借りてみたら?」
そこで調べてみると、17時30分から21時まで、400円で借りられるらしい。休日の午前中だと3時間で300円。安い! 早速、二日ほど予約してみました。あるいて10分ぐらいのところなので、便利もいいですし。そう言うわけで練習しようっと。

Jazz

Sings Jobim Sings Jobim
Eliane Elias (1998/07/28)
Parlophone Jazz

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先だって、先輩、後輩が出演するライブを観に行きました。ジャズライブに出かけるのはとても久しぶり。インストナンバーやヴォーカルナンバーを楽しみました。とくに「The Shadow of Your Smile(邦題:いそしぎ)」が印象的。ライブの様子については、また明日に書いてみたいと思います。

それで、ライブは北東京のとあるブラジルレストランであったのですが、ブラジルの国旗が這ってあったり、フィルムケースで作ったシェーカーがおいてあったり、ラテン音楽のビデオが流れていたりと言う感じで、雰囲気も良い感じ。ケールという野菜の炒め物がとてもおいしい。

それで、ライブが始まるまで、ビデオを眺めていたのですが、それにいたく感動したのですよ。

おそらくは大御所の、白いスーツに黒いシャツを決めた男性歌手が自分の子供か孫かを抱いてステージ脇に登場し、付け人かマネージャに子供を託す。そして、彼はステージに昇る。満場の客席から激しい拍手。ステージ上の小さなテーブルには、ブランデーがグラスに入っておいてあって、吸い差しのタバコが細い煙を上げている。おもむろに、数十人規模のビックバンドがイントロを奏し、彼が歌い始める……。結構明るい感じの曲。

でも、ブラジルと言えば、生活も苦しいだろうし、こんな明るい音楽に浸れるのが信じられなかったのですよ、今までは。でも、このビデオを見て思ったのは、生活が辛苦に満ちているからこそ、戦闘的に明るい音楽にのめりこんで行っているのではないか、ということ。辻邦生師がおっしゃる「戦闘的オプティミズム」というものなのじゃないか、ということ。

辛苦を嘗めて、暗いところに蹲るのではなく、あえて明るいところに自分を晒していく、ということがよく分かったのです。だからこそ、カーニバルの陶酔と熱狂がある。あれは、生きていくための手段なのだ、ということも。本当にいまさらですが。

あ、もちろん、ラテン音楽すべてが明るい曲というわけではないですよ。そうじゃないのもたくさんありますから。

それで、積極的に手持ちのラテン音楽をきいてみているわけです。根が単純なもので……。よく言えば素直と言うことですが……。

とりあえずきいているのは、イリアーヌ・イリアスのSings Jobim(邦題:海風とジョビンの午後)。ジョビン有名な曲をイリアーヌの婀娜っぽい声で。そして、サックスはマイケル・ブレッカーですからね。良くないわけがない。それにしても、なんとも艶かしいジャケットだこと。

Jazz

SAXOPHONE WORKSHOP

1989年のライブ・アンダー・ザ・スカイでのパフォーマンス。大学の時代に聴き続けたCDの中の一枚。この5,6年、行方不明になっていたのだが、先だって図書館で見つけて借りてみました。書架には出ていなかったのですが、書庫の中から出して貰いました。感想をいくつか。

  • このアルバムを聴いて、アーニー・ワッツの偉大さを知った。二曲目「The Four Sleepers / Pools」のソロは格別。好き嫌いはあるかもしれないが、流れる早いパッセージと、フラジオ音域を多用した感動的なインプロヴァイズ。
  • もちろんマイケル・ブレッカーも頑張っていて、「スウィングしなけりゃ意味がない」のソロが白眉。豊かな倍音を吹くんだ太いテナーの音が素晴らしい。「ラヴァー・マン」で旋律とるところも良い。サークルの合宿で、こんな感じで「ラヴァー・マン」をやろうと思ったのだが、あえなく敗退した。おそらく、ドン・グロルニックのアレンジが良いんだと思う。
  • 僕のかつてのサックス演奏はこのアルバムに依るところが大きかったなあ、ということをあらためて確認。
  • 最近ジャズにはご無沙汰している家人も、感心するところしきりだったから、良いアルバムであることには間違いない。
  • 残念ながらAmazonでは取り扱っていない模様。音だけでも手に入って良かった。

演奏者は以下の通り。

  • マイケル・ブレッカー(TS)
  • ビル・エヴァンス(SS,TS)
  • スタンリー・タレンタイン(TS)
  • アーニー・ワッツ(AS,TS)
  • ドン・グロルニック(P)
  • 鈴木良雄(B)
  • アダム・ナスバウム(DR)