Jazz,Music

先日の続きです。久々に長文書いている気がします。

再発見

ジャズを聴き始めたあとに、杏里の「Boogie Woogie on Mainland」のライナーノーツを点検したのですが、そこに刻まれていたのは、ジャズ・フュージョン界で有名なミュージシャン達の名前でした。そのときは結構驚きました。
ポール・ジャクソン・ジュニアは、1992年に渡辺貞夫とツアーをともにしていたんですが、リトナーの後輩にあたるLAフュージョンのギタリスト。
それから、アレックス・アクーニャ。彼はウェザーに在籍していましたが、私が初めて見たのがこれもやはり1992年の渡辺貞夫のツアーでのこと。ロスを拠点に活動しているミュージシャンです。
ホーンセクションのアレンジは、あまたのアルバムのライナーに名前がでてくるラリー・ウィリアムズでした。
つまり、私が初めて受容できた「商業音楽」は、実はというかやはりフュージョン音楽だったのでした。それも極上のLAフュージョンのセッションミュージシャン達の音楽。杏里のアルバムなので、日本のポップスと思っていたのに違ったというわけです。
杏里のセンスはLAフュージョンに向いているのは間違いないでしょう。リー・リトナーとつきあっていた理由の一つとして挙げられると思います。嗜好の合わないミュージシャン同士がうまくいくのは難しいのではないかと思われるのです。

杏里の良いところ

だからといって、バックバンドだけが良いわけではありません。杏里の歌唱自体も好きだったりします。その理由はこんな感じでしょうか。
歌い方の面では以下の通り。
* 高音で音量を上げるところの、ロングトーンに揺れやブレがなく、素晴らしい。母音の発音が巧いのだと思います。
* フレーズの終わり方、微妙なビブラートをかけて、あまり引きずることなくそっと終わる。このあたりの潔いカッコ良さも魅力です。
* 絶妙なベンド処理。半音階以下のピッチの微妙な加減でフレーズが生き生きとしています。
* ピッチが良いのはいわずもがな。
気になることはいまのところ二つ。
* 少し気になるのは、たまにリズムフェイクの仕方が、演歌調になるところ。これは時代が降ると現れ始めます。
* それから、古いアルバムだとピッチが全体に下がっているんですが、これは、時代が降ると克服されています。
そう言う意味で言うと、デビュー直後の声と、80年代後半以降の声は全然違います。齢を重ねたからと思いますが、私は今の声が素晴らしいと思います。
楽曲の構成面でいうと、作曲している曲、転調が絡んだり、構成が単純じゃなかったりしていて、曲的に面白いです。単純なAABA構成じゃない。AABA|AABA|C|ABAみたいな。Cが入っているのが素敵すぎるんですね。
歌詞は、私はあまり聴かないんですが、最近聴きすぎていて、歌詞が入ってくるようになりました。80年代以降のバブルな感じ、トレンディドラマの題材みたいな歌詞で、聴いていてすこし面はゆい。セカンド・バージンとか流行ってましたが、その頃の世代が重なっているんだと思います。

Interestingなところ

他のポップシンガーもやっているかもしれないですが、ピッチをずらしてロングトーンを装飾するところが、サックス奏者のそれとよく似ていると思います。私もたまにやっていましたが、似ているなあ、と。
私がポップスのボーカル音楽を聴くことはほとんどないので、杏里以外の歌手との比較が出来ないので、偏狭な意見かもしれませんけれど。

私の音楽源流

今、記憶にある限りにおいては、杏里を聴いたのが、ジャズ・フュージョンに傾倒した私の源流となっているのは間違いないようです。これまでは、高校時代にT-SQUAREを聴いたから、と思っていましたが、どうやらその前に杏里があったらしいということ。さらに言うと、「BOOGIE WOOGIE MAIN LAND」の音作りであるLAフュージョンなんだろうなあ、と。

最後に

というわけで、先日の杏里コンサート以来、よく杏里を聴くようになりました。音源もだいぶんと入手しました。
名曲はまだまだあるみたいです。
たとえば、先日聴いたSolというアルバムには、めちゃ音の良いギターが聞こえるのですが、やはりリー・リトナーなわけですね。で、歌詞は別れる寸前の男女の物語だったりするわけで、なんともかんとも、

Jazz

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はじめに

最近気づいた私の趣味の源流。ナイル川にも源流がありますし、多摩川にも源流があります。私の音楽的嗜好にも源流があるはずですが、その一つが意外なところにあることを発見しました。

杏里との出会い

先日行った杏里のコンサート。その予習復習にということで、いくらか杏里のアルバムを聞き直していました。

その中でも最も大好きな一枚が、1988年のBOOGIE WOOGIE MAIN LANDというアルバム。wikipediaによれば、杏里の音楽が最高潮に達した最初の一枚なのだそうです。私がこの曲を初めて聴いたのはやはり1988年でした。

もちろん自分で買いに行ったわけではありません。当時のお気に入りは、チャイコフスキーとベートーヴェンでしたので。

このアルバム、実は私の父が買ってきたものです。私の記憶では、父がレコード屋の前に取りかかったときに、このアルバムが流れていたんだそうです。店員にも勧められたと言うことで、父が購入してきたというわけ。

私の最初の印象は、あれ、日本のポップスってこんなに気持ちいいのもあるんだ、みたいな感じでした。

当時は、いわゆるポップスには背を向けていましたし、ジャニーズにはまった弟を、母と一緒に弾劾して聴かせるのをやめさせたぐらいでしたから。そんな偏狭なわたくしにとっても、このアルバムは心地よかったんです。

杏里体験以降の音楽的遍歴

その後、クラシック音楽を聴き続けていましたが、高校時代にT-SQUAREというバンドにあこがれてサクソフォーンを吹き始めました。その中で知ったのがいわゆるLAフュージョンの面々でしたが、最初はリッピントンズを聴き始め、そのあとリー・リトナーにはまりました。浪人していた頃のことです。

その後、大学に入り、マイケル・ブレッカーという偉大すぎるサクソフォニストに傾倒しましたが、いつも裏側にあるのは、LAフュージョンと言われるような音楽への系統立ったと思います。

ですが、LAフュージョンのたぐいをバンドで演奏することはありませんでした。あれは難しすぎるのです。聴いている分には心地良いのですが、日本人のアマチュア貧乏学生の手に負えるような代物じゃないんですね。

続く

Jazz

ブレッカー兄弟による「サム・スカンク・ファンク」の映像。先日も取り上げましたね。

この映像こそ、私がマイケル・ブレッカーを初めて目にした映像です。1992年の夏のこと。マウント・フジ・ジャズフェスティバルというものがあった時代です。これで、コロッとブレッカーいかれになってしまいました。
この音源におけるマイケル・ブレッカーによるサム・スカンク・ファンクのインプロヴァイズは、私が聴いたことのあるマイケルのサムスカインプロヴァイズのなかで、もっとも素晴らしいものと思います。
今日はこのあたりで。最近帰宅時間が遅い。若返った気がします。っていうか、また忙しくなっただけだが。。。

Jazz

えーっと、今日はこんな気分です。
Some Skunk Funk !

* この音源のリヴァーヴ感はたまらん。
* マイケル、めちゃ音イイ!
* ライヴだから、走る走る。
* 20年前、ジャズ研の合宿で、夜中に布団かぶってみんなで観て興奮したのを思い出す。
* デニチェンのバスドラカッコイイーーーー!
* ウィッティのシンセ、時代を感じさせるレトロな音。
いろいろと立ち上げ準備中。時間がかかるが、少しずつやろうと思います。
物欲もそろそろ臨界へと近づきつつある。ホウ酸を大量に飲みたい気分です。

Jazz

最近は、なんだか週間日記のようになってしまっておりますが、ちゃんと生きております。twitter風に。
なんだか、この数週間、Jazzに回帰していて、 “Fourplay":http://www.fourplayjazz.com/ とその周辺の方々の音源を聴いている感じです。今週は特に 1995年のElixir というアルバムを聴いていましたが、これは素晴らしいですよ。特に、East 2 West という曲、実に素晴らしい。希望と切なさを感じさせる妙味あるさびの旋律がなんとも言えない。

あとは、1998年の4 というアルバムのSomeone to Love。この曲のラリー・カールトンのソロが素晴らしい。ソロの集結部で転調するところの分散和音の処理にグッと来ます。

Fourplayは奥深くて、最新アルバムのLet’s touch the skyでは、チック・コリア・エレクトリックバンドのGot a matchかと思うほどの超絶ユニゾンプレイが聴けたりします。3rd degeesという曲です。

“http://www.fourplayjazz.com/":http://www.fourplayjazz.com/
Fourplayのサイトは、Wordpressなんですね。Movabletypeは重くてかないません。。。

EWI,Jazz

いやあ、なんだか、凄く若返った気分。
高校時代のわたくしのアイドル、伊東たけしごっこしてしまった。EWI4000s、最近毎晩吹いているのですが、今日はSQUAREを吹いてしまったですよ。
高校二年と三年の二年間のわたくしは、T-SQUAREに捧げられたといっても過言ではありますまい。
このSPORTSというアルバム。高校二年ごろ、カセットテープをすり切れぐらい聴いたなあ。私の青春時代。今聴くと、日本的醤油の匂いのする、これまたほろ苦いものなんですが、あの頃は、これしかなかったので。しかし、伊東たけしの微妙なベンドのかけ方、私が吹いているサックスのベンドのかけ方と似ていて怖すぎる。
しかし、若さ故の記憶とは凄くて、いまでも、伊東たけしのソロを相当覚えていたりする。15年ぶりぐらいに聴いたっていうのに。
最近、永劫回帰な気分。ぐるっと回って、元に戻ってきた。だからこそEWI吹いているんですが。10年ぐらい損したけれど、まあ、無駄な遠回りと言うわけではありますまい。

Jazz

なんだかすっかりご無沙汰してしまいました。先々週、「夕鶴」を観た後の私は、アルバン・ベルクと「ヴォツェック」についての英作文を試みながら、エルガーの交響曲第二番、チェロ協奏曲にかかりっきりでした。エルガーも日本語にまとめないとなあ、などと。
最近つとに思うのは、ブログに書いたものが残らないなあ、ということ。世の中にはBLIKIという造語もあるそうですが、WikiとBlogが融合したコンテンツができないかと思案中です。その前に、このMovabletypeの重さをどうにかしないといけない。そのためにはサーバーを変えないといけない。できるんだけど、優先度は下げざるを得ない。辛いところです。
などといいながら、今日の私の通勤のお供はFourplayでした。ボブ・ジェームス、リー・リトナー、ラリー・カールトン、ネイザン・イースト、ハーヴィー・メイソンという米国ウェストコースト系の偉大なジャズメンが繰り広げる脅威のフュージョンサウンド。結成当時の20年前は、なんだか物足りなさを感じていたのですが、今はもうこういう音作りのほうが落ち着くようになってしまいました。
昨日、仕事でコーディグしながら聴いていたんですが、そりゃもう癒されたのなんのって。フュージョンといっても、20年前に流行ったT-SQUAREのような派手さはないし、Brecker Brothersのような激しく身もだえするようなものでもない。かといて、スムース・ジャズのよりも厚みがあるのです。スムース・ジャズの特徴の一つは極度なまでのインプロヴァイズへの依存にあるそうですが、Fourplayは、楽曲の構成や和声などのアンサンブルもきちんと考えられているし、PAだってすばらしい。
2010年にラリー・カールトンが脱退してチャック・ローブが加入したらしい。っつうか、これ、全部追いかけよう。
* Fourplay (1991) Warner Bros.
* Between the Sheets (1993) Warner Bros. ○
* Elixir (1995) Warner Bros.
* Best of Fourplay (1997) (Best edition) Warner Bros.
* 4 (1998) Warner Bros. ○
* Snowbound (1999) Warner Bros.
* Yes, Please! (2000) Warner Bros. ○
* Hearfelt (2002) Bluebird/Arista ○
* Journey (2004) Bluebird/Arista ○
* X (2006) Bluebird/Arista ○
* Energy (2008) Head Up
* Let’s Touch the Sky (2010) Head Up
そうそう、この週末からEWIを再開しました。楽しい。12音階のスケール練習をして、インプロヴァイズごっこをして遊びました。
今日は雪です。ボエームの三幕を聴いているところ。カラヤン&パヴァロッティの定盤にて。明日の出勤が心配です。

Jazz

ふう。何とか週末にたどり着きました。週末もタスクが多いのは周知。特に土曜日はひどい。で、来月からはさらにタイトになる。とほほ。

今月から、英会話の先生が交代となりました。ニュージーランド出身のMikeという方で、私より年が上だと思うのだが、最近二年間ほど大学に通ってメディア論を学んでいたらしい。その授業の中で「ピーター・グライムス」と「魔笛」について学んだとのこと。今度は気が合いそうな方でうれしい限りです。

最近、NHK-FMを聴くことが多くなりました。昨夜は、夕方から深夜までかけっぱなしでした。18時からはなんだか高校生がDJをやるんだが、うまくいかなくて痛々しい感じ。でも、数年ぶりにSwing Out Sisterを聴けたのはうれしかった。実はすごく好きなのです。

21時からの吉田秀和さんの「名曲のたのしみ」ハイドンスペシャルです。22時からのラジオドラマも面白かった。中学生の頃、やたらに「青春アドベンチャー」ばかり聴いていた時代がありましたが、その頃のことを思い出しました。ラジオドラマは映像の押し売りがなくて良いです。23時からは辛島文雄が出てきて二時間ほどジャズな感じ。最後に辛島さんが弾いたソロピアノは、少しひねりがきいたコードの使い方でしたが、素晴らしかったです。結構やられているコードの当て方ではありましたが、かっこよかった。

それで、今日はSwing Out Sister。先ほども触れたように、FMで流れていたのを聴いたんですが、一瞬、リー・リトナーとデイブ・グルーシンの「ハーレクイン」というアルバムの曲なのか、と思ったんですが、ウェブで確認して、得心した次第。

Swing Out Sisterは、1986年に結成されまイギリスのバンド。最初は男二人に女性ボーカル一人、というドリカム的な編成でしたが、その後一人脱退して、メンバーは二人に。これもまさにドリカム的。日本でブレイクしたのがきっかけで大きく羽ばたいたらしい。なんだかシャカタクにも似た経歴です。シャカタクもイギリスのバンドですので。

ヴォーカルのコリーン・ドリュリーは、音域的にはメゾソプラノか。そんなに技巧的というわけでもないけれど、清涼感のあるサウンドにマッチしている。私が最もすごいと思うのは、ディレクターなんだろうなあ。絶妙なリヴァーヴ感を保った一貫した音作りが素晴らしい。インコグニート的でもある。車に乗りながら聴いたりすると良いのではないか、と思います。ちょっと試してみよう。手元にライナーがないので、だれが音を作っているのか今は分からない。調べてみよう。

Swing Out Sisterを聴いたきっかけは、弟が何枚もCDを持っていたので、聴かせてもらったことから。弟と私は大学が同じで、二年間ほど学生寮の隣部屋で生活しておりました。楽しい二年間でありました。

そうそう、逢ったイギリス人みんなに「シャカタクって知っている?」と聴くんですが、全員「知らないよー」とおっしゃる。じゃあ、Swing Out Sisterはどうなんだろう? 今度聴いてみよう。

Jazz

急に涼しくなりました。明け方の雨で、近所の道路は軽い冠水。
昨夜、ディーン・ブラウンの映像を見たら、なんだかジャズが恋しくなってきました。それで、チック・コリアのRendezvous In New York (2003) の、カルテットNo.2を聴いて、晩年のマイケル・ブレッカーの鬼気迫る演奏にまたまた圧倒されてしまいました。
録音の関係もあるかもしれませんが、フラジオ音域の音の割れ方が極めて良好。少しにごり気味で、ざらざらとした質感を感じるのですが、その音で、ハイトーンを出し切るあたりは尋常ではありません。なんだか、1980年代後半のマイケルの緻密さとか曇りない美しさとは違う、なにか世の芥をも包含する大きさが感じられる演奏だと思いました。いい意味ですれた演奏ということでしょうか。
私もフラジオがもっと使えればよかった。っつうか、またはじめよう、サクソフォーン。時間はあまり取れないけれど、EWIやらでこつこつ練習します。