EWI,Jazz

MT5.02

ブログをMT5.02にバージョンアップしました。少々不具合を起こしていたのですが、そちらも解消してまあ順当な感じ。でもやっぱり納得いかないところがいくつか残っています。
* ユーザー写真が表示されない。
* ブログステータスがダッシュボードの表示されない。
Movabletypeの研究もしたいところは山々ですが、ほかに重要なプロジェクトがありますし、外面に現れるところではないので目を瞑ろうと思っています。

乗り過ごしを防ぐ仕組み

私は、毎日6時27分の電車で出勤しています。会社の最寄り駅に到着するのが7時20分ぐらい。バスに乗って会社に到着するのが7時45分ぐらいでしょうか。
ですが、先日まで、大変な悩みを抱えていました。通勤電車には座ることができるのですが、本を読んでいるうちに眠ってしまい、乗り過ごしてしまうということが大変多かったのです。最寄り駅の次は、この鉄道の終着駅まで停車しませんので、大変な時間のロス。乗り過ごしたときには大変いやな思いをしておりました。
携帯のバイオレーション機能で目覚めないか、とかいろいろやってみたのですが、なかなかうまくいきません。
ところが、先日最大に効果的な方法を見つけました!
それは、iPodのアラーム機能を利用するということです。眠たくなったら、iPodの音量を最大にした後、音楽やら愛聴しているBBCのPodcastを消して、開き直って眠ってしまう。ちょうど最寄り駅に到着する寸前になると、アラームが作動して、大音量でサム・スカンク・ファンクが鳴り響き、確実に目を覚ます、という仕組み。
この仕組みを思いついてからは、終着駅まで行ってしまう、という事象は無くなりました。これもすばらしいLifehackのひとつかと思われます。

執拗に聞いているブレッカー・ブラザーズ

さて、そういうわけで聴いているのが、たぶん1992年ごろに発売された非正規盤と思われるブレッカー・ブラザーズのライヴ録音です。私も友人から借りたカセットテープから起こしていますのでジャケットの写真を持っていません。たしか黒っぽいイメージだった記憶があります。
AMAZONでそれっぽいのを探し出しました。上記のリンクはちょっと自信がないですが、メンバー的には同じなので、8割がたあっているとは思いますが。Live in New Yorkといっているのですが、ランディのMCにはフランス語が混ざりますので、パリかどこかフランス語圏でのライヴなのではないか、と疑っています。
曲目は、
# Some Skunk Funk
# Common Ground
# Sponge (Spunch)
# Song for Barry
# Spherical
# Inside out (N.Y. Special)
括弧書きの中身が、オリジナルのジャケットに印刷されていますが、これは誤りです。Inside OutもSpongeは、あの「ヘビー・メタル・ビ・バップ」に収録された超名曲なのですが、この非正規版を作った業者のリスニング力と前提知識不足が原因のはず。
メンバーも、すごいっすよ。当時の僕らのアイドル達ばかり。
* Randy Brecker (Tp)
* Michael Brecker (Tn)
* Mike Stern (G)
* George Whitty (Key)
* Jamese Genus (B)
* Dennis Chambers (Dr)
すばらしいのはやっぱり、Some Skunk Funkなのは、この曲をはじめて知った1992年からまったく変わりません。この年は、ブレッカー・ブラザーズ再結成の年でしたので、当時まだ開催していた「マウント・フジ・ジャズフェスティバル」に来た映像が深夜枠で放映されまして、私は雷撃を受けて突っ伏していた感じでした。
この曲、死ぬまでに一度はやってみたかったんですが、大学3年生のときにすばらしいメンバーにめぐり合えて、演奏することができました。私の専門はアルトサックスなんですが、テナーを先輩から借りて、デュコフのマウスピースをつけて、Some Skunk Funkを演奏しましたですよ。いい思い出。
で、非常に辛らつなバッパーのM先輩からは「まあ、この曲をやった、ということ自体が重要なんだよね(できの悪さはともかくとしてね)」というお言葉を頂戴した次第。あはは。まあ、いいんです。僕らは楽しかったんですから。

EWI

っつうことで、またEWI吹きたくなってきた。今日はT-Squareの曲をコラボ。ちょっと吹いただけでアンブシェア(口の周りの筋肉というか形の意地力というか)がボロボロで、ちょっと悲しかった。EWIでこの調子だとすると、アルサクはもっとだめなんだろうなあ。
でも吹いていて楽しかった。アンブシェアもフィンガリングも耳もかなり悪くなっているけれど、長い目でみて少しずつやっていきます。

Jazz

いやあ、月曜日はつらいですねえ。がんばりますが。
さて、なんだか紐が切れた凧のようにふらりふらりと漂っている状態。破壊的な欲求がこみ上げてきてどうしようもない。こういうときはランディとマイケルのブレッカー兄弟の音楽を聞いて代謝しましょう。
私の音楽の聴き方はよこしまな道に違いない。
さて、このアルバム、ランディ・ブレッカー名義のアルバムですが、マイケルもゲスト的に参加しているアルバム。CD版もいいですが、DVD版だともっと楽しめる。ビックバンドをバックにして、ランディとマイケルが大暴れします。ウィル・リーのベースも凄いですし、ジム・ベアードのキーボードもいかしている。
サムスカ(サム・スカンク・ファンク)は、私の知っている音源の中でもかなり行けてるほう、だと思っています。Youtubeには、失敗しているセッションもあったりするので、ああ、あの二人も万能じゃないんだなあ、と妙に納得してしまうこともありますので。
3年前にも記事書いていますね。あのころの僕と今の僕は決定的に変わりましたが、これからどう変わっていくのかも楽しみですね。不惑とかそういうの、嫌いなんで。
“https://museum.projectmnh.com/2007/08/11211441.php":https://museum.projectmnh.com/2007/08/11211441.php
えーっと、CSS少しいじりまして、文字の大きさを小さくしてみました。この方が読みやすいという意見もあり、ちょっといろいろいじっています。あと、デザインでいくつかやりたいことがあるので、それも楽しみ。CSSのデザインの本を安く入手したのでインスパイアされました。
やることが たくさんあるうち それが華(はな)

EWI

まずは、昨夜の月から。

国立天文台によると、3月30日が満月とのこと。この写真は3月29日夜に撮ってますので、まあまあ満月かな。
“http://www.nao.ac.jp/hoshizora/index.html":http://www.nao.ac.jp/hoshizora/index.html
題名のEWIとは、すなわちElectric Wind Instrumentsのこと。少し古い言い方で言うとウィンドシンセです。
“http://wpedia.goo.ne.jp/wiki/AKAI_EWI%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA":http://wpedia.goo.ne.jp/wiki/AKAI_EWI%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA
私の知っている限り、EWIをちゃんと録音しているサクソフォニストは以下の方々では?
* マイケル・ブレッカー(言わずもがな)
* ボブ・ミュンツァー(YellowjacketsでEWIを吹いている)
* 伊東たけし(言わずもがな。T-SQUARE)
* 本田雅人(T-SQUARE所属歴あり)
* 宮崎隆睦(T-SQUARE所属歴あり)
* ジェフ・カシワ?(Rippingtonsで少々吹いている)
* ブランダン・フィールズ(Rippingtonsで少し使っている+自作名義アルバムで少々録音している記憶あり)
高校時代はT-SQUAREばかり聴いておりましたので、おのずと伊東たけしにあこがれちゃいまして、まあアルトサックスを吹き始めてしまったというところなのですが、当然EWIも欲しかったんですね。
当時、「ジャズライフ」のイシバシ楽器の宣伝で「あのマイケル・ブレッカーや伊東たけしが愛用する EWI」という宣伝文句に反応して、「マイケル・ブレッカーって誰かしら?」みたいな感じで、CDレンタル屋から借りてきたマイケルのアルバムがNow you see itでした。ありゃ、T-SQUARE聴いてた者にとっては完全に異次元で、すげーみたいな。エッシャーのだまし絵もアルバムの内容にばっちり似合っている。このアルバム、ジョン・ヘリントンとか、ジム・ベアードとか、その筋の人達に人気の方が参加しているかなり良いアルバムです。

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で、その当時ブレッカー・ブラザーズバンドが再結成されて(と書くと歳がばれますが)、Song for BarryのEWIプレーの虜になり、Steps Aheadの1986年の東京ライブの映像を見て、マイケルに発狂した次第。

Return of the Brecker Brothers
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The Brecker Brothers
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というわけで、マイケル・ブレッカーに出会ったきっかけはこのEWIという楽器なのでした。
マイケルのアルバムの中で、EWIが効果的に使われているのは以下の2枚。
1つめがDon’t this try at homeというアルバム。1曲目のItsbynne Reelなんて、EWIの使われ方の極地です。以前にも以下のような記事を書いています。
“https://museum.projectmnh.com/2010/02/06054745.php":https://museum.projectmnh.com/2010/02/06054745.php

Don't Try This at Home
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それから、忘れちゃならんのが、極度に電子化が進んだSteps Aheadの東京ライブの模様。この時代のマイケルがもっともフュージョン度が高かったと思います。Beirutとか最高。インプロヴァイズのところ、後半でマイナー系一発モードからオーソドックスなコード進行に変わるあたりが実に気持ちいい。あそこの解放感といったら!!! 実はマイク・マイニエリの裏でマイケル・ブレッカーがEWIでバッキングしてるんですよ。あれ、格好良い! それからSumoという曲も、EWIの可能性を大きく表現できている曲じゃないかな。

Live in Tokyo 1986
Live in Tokyo 1986

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でも、当時のEWIの最新機種はEWI3000で10万円ぐらいしました。私にしてみれば、EWIより先にアルトサックスを買わなければならなかったので、まずは浪人時代はアルトサックスの購入で我慢しました。代わりに買っていたのは今ではぜんぜん売っていないデジタルホーンですね。
“http://wpedia.goo.ne.jp/wiki/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%B3":http://wpedia.goo.ne.jp/wiki/%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%B3
この楽器は残念ながらおもちゃの域を出ないものでしたが、ずいぶんと練習させてもらいました。これでアート・ペッパーのAnthoropologyをコピーしたなあ。最後は壊れちゃいましたけれど。
それで、大学1年のころ、御茶ノ水をふらついていたら、たまたまイシバシ楽器にコントローラのEWI2000と音源モジュールEWV2000の中古が4万円ぐらいで売っていました。即買いしましたですよ。夢のEWI!!
で、ライヴで使った機会はほとんどなかったです。2,3回ぐらいかな。Spongeとかやった。淡い思い出。あとは、家でブレッカーのソロをコピーしたり、チック・コリアのスペインやらゴット・ア・マッチをコピーしたときぐらい。
大好きなんですよねえ、EWI。でももう20年以上前の楽器なので、タッチセンサーもいかれてきたし、なんせ大掛かりなので億劫になってしまっていたんです。
で、ちょっと最近、せっかく10年も続けたアルトサックスをあきらめるのがもったいないと思ったのです。ワーグナーのライトモティーフ採譜したりするのにも使えるかなあと。ヤフオクで落としてみました。ちょっと傷がありましたが、結構いい感じです。
写真はこんな感じ。上がEWI1000、下がEWI4000sです。EWI4000sの場合だと、音源モジュールもコントローラに内蔵されているので、これ一本で吹けてしまう。しかもリヴァーヴとかディレイまで入っているという優れもの。凄すぎ。時代って。


昔のEWIは、以下のような音源モジュールをつないでいたんです。アナログ音源だったのでちまたでは大人気だったとか。

早速、懐かしいSQUAREサウンドをコピーしてみる。ああ、昔はテーマはほとんど吹けたし、覚えていたんだけれど、結構忘れている。インプロヴァイズもあんまりできないかんじ。あとは、シュトラウスの「月光の音楽」とか吹いてみたかったんですよねえ。
まあ気長に練習して、楽しもう、というところです。
だれかバンドに誘ってください(うそ。ちょっと忙しくて無理です。。)。でもセッションぐらい行ってみたいなあ、なんていう欲求。地元にそういうところないかしら。。。

Jazz

たまにはジャズの話を。
何度か触れましたが、私はサクソフォニストでした。これも何度か書いたことがありますが、耳が肥えてきましたので、自分の演奏にまったく良いところを見出せなくなっていて、封印しているところ。まあ、時間や体力があれば、なんのこれしき! と練習しまくるんでしょうけれど、学生ころのようの練習時間は持っていませんので。悲しいものです。
とはいえ、今でもジャズは良く聴いているのかもしれません。「リング」に疲れたときには、例のシャカタクを聞いたり、マイケル・ブレッカーを聴いたり。私のジャズ嗜好は異端ですので、ほかの方から見たら、なんじゃい、という話になりましょうけれど。
本日は来年度の人事発表の話ということで、来年度はこれまで以上にずいぶん大変な年になりそうで、朝から少々気分が悪かったのですが、ブレッカーブラザーズの「サムスカンクファンク」と、チック・コリアの「ハンプティ・ダンプティ」に癒されました。いずれの曲も学生時代にお世話になりながらバンドで演奏しました。
特に「ハンプティ・ダンプティ」は思い出深い。後輩のベーシストのバンドでテナーを吹くはずだった方が、ライヴの日にちを間違っておられて、来られなくなってしまったのです。途方にくれる後輩。それで、私にお鉢が回ってきました。急遽、後輩のテナーを借りて、「ハンプティ・ダンプティ」と「インプレッションズ」を吹きましたねえ。1997年冬のことだと思います。
「ハンプティ・ダンプティ」とは、「不思議の国のアリス」に登場するキャラクターですが、ピアニストのチック・コリアが、「マッド・ハッター」というすばらしいアルバムの中で、実に複雑な転調を含みながらも、ドライヴ感のあるスタイリッシュな曲に仕上げています。「ハンプティ・ダンプティ」は、コード進行の難しさもさることながら、テーマフレーズも少々難しいのです。ちょうど楽譜はなくて、(あっても初見でふけませんし)、出番寸前までCD聞いてコピーして、なんとか本番に間に合わせました。
この演奏、ピアノがチック・コリア、ベースがエディ・ゴメス、ドラムがスティーヴ・ガッド、テナーがジョー・ファレルという、私にとって理想ともいえるカルテットです。ジョー・ファレルのインプロヴァイズは、複雑なコード進行をメロディアスに処理する実にすばらしいもので、これ、ほとんど一緒に歌えるぐらいまで聞き込みました。
さて、今日気づいたのは、ベースのエディ・ゴメスのピッチのこと。ベースはフレットレスですので、ピッチの正確さが要求されます。同輩のベーシストは、修正ペンでネックにしるしをつけてましたからね。ゴメスのピッチ、必ずしもいいとは思えないのですが、なぜだか違和感を感じない。この感覚、ディートリヒ=フィッシャー・ディースカウ氏の歌を聴くときの感覚に似ているんですね。ピッチの微妙なずれすら計算されているのではないか、という感覚です。
そういえば、マイケル・ブレッカーとランディ・ブレッカー兄弟は「トランペットとテナーのピッチは必ずしも正確に一致させる必要はない」とインタビューに答えていたのを思い出しました。ピッチのずれすらも美的価値に高めることができている、ということでしょうか。
とある録音の「ヴァルキューレ」と「ジークフリート」を聞いたのですが、とある方のピッチが狂っていて(そんなに激しくはないのですが)、違和感を覚えた後だけに、そうじゃない場合もあることを再認識した次第。ピッチがずれるとはどういうことなのか、そうそう簡単に結論が出るものではないのだなあ、と考えています。

Jazz

通勤時間はリング漬けです。「ジークフリート」と「神々の黄昏」をとっかえひっかえして聴いています。
というわけでなんとか離脱して今日も帰宅しました。久々に夜更かし。明日も午前中アポイントメントがあるのですが。
先日、実家に戻ったときに、私が学生時代に聴いていた渡辺貞夫の「ナイト・ウィズ・ストリングス」のパッケージがあって、聴いてみよう、と思ったのですが、中身が入っていない……。あんなに愛聴していたのに。
というわけで、早速借りてみました。ナイト・ウィズ・ストリングスのボリューム3です。
* サックス:渡辺貞夫
* ピアノ:ラッセル・フェランテ(!)
* ベース:マーク・ジョンソン(!)
* ドラム:ピーター・アースキン(!!!)
すごいですねえ。大御所そろえています。
# If I Should Lose You
# Just Friends
# Have Yourself A Merry Christmas
# Laura
# Out For Smoke
# Easy To Love
# The Gypsy
# Cycling
# Old Folks
やっぱり、アルトサックスとストリングスセクションの相性は抜群です。チャーリー・パーカーの「ウィズ・ストリングス」も有名ですが、ナベサダのストリングスもやっぱり良い! メイヤーのマウスピースが醸し出す正当派ビ・バップ。私だってこういうの聴いていたんです。意外かもしれませんけれど。
ただ、元アルト吹き的には、なんだか他人事にも思えないようなところもあって、複雑な気分です。アルト・サックスの記憶にはなんだかまがまがしいものがありますので。でも、アルトを買った頃のことを思い出します。ナベサダのCDを借りてきて、たーんと聴いたものです。これも意外ですが。
しかし、夜がいよいよ深まるこの時間、暖かい部屋でこうしてこのCDを聴きながら文章を書ける幸せ。感謝せねば。
録音は1994年にオーチャードホールにて。あのホールの残響はかなり長いほうかと思ったのですが、この盤では意外とデッドな印象です。
さて、明日もまたリングのことを書く予定です。執拗ですいません。
ところで、先日Twitterでつぶやいた肺の痛みの件、実は胃の痛みであることがわかってきました。高校に十二指腸潰瘍をやらかしたんですが、あのときと痛む場所が全然違うので胃痛とは思いませんでした。肺のすぐ下、肋骨の底辺あたりまで胃があるらしく、そこで痛むらしい。肺じゃなくて良かった。まあ、胃だから良いというわけでもないですけれど。胃薬飲んで週末はおとなしくしています。

Jazz

最終曲は、この数日間どっぷりはまっているOriginal raysという曲。正規盤アルバムでもEWI(Erectric Wind synthe:電子木管)の長めのソロがありますが、この非正規盤アルバムでは10分近くにわたってEWIを操り八面六臂の活躍です。この世界は彼独自のものでしょう。他のアーティストはこんなことやらない。少し茶目っ気を盛り込んだフレーズを吹いて見せたり、シンセサイザーの性能をフルに活かして、多種様様な音色をコントロールする。シーケンサーでリズムパターンを入れてそこに強烈なシンセサイザーの音を重ね合わせて作り出す世界は強烈で色彩的で初めて聴いたときにきっと戸惑うことは間違いないでしょう。
このたぐいのシンセサイザーソロは、ステップスアヘッドというバンドの1986年のライブ映像や、1990年代前半、ブレッカー・ブラザーズ名義で来日した際の映像でも見ることが出来るはず。1986年の映像では、シンセサイザーの性能が不十分と言うこともあるのでしょうけれど、サークルの連中に見せたらメタメタに批判されました。「こんなの今聴いてなんか意味あるんですか?」みたいな……。哀しい思い出。私は好きなんですけれどね。
1990年代の映像では、リズムパートもシーケンサーではなくEWIで音作ってましたからね。EWIでドラム音を出して、おそらくはそれをエフェクターでループさせていたんだと思います。そうして自分で作ったドラムとベースに乗っかって、華麗なソロを繰り広げていました。あれは神業。誰もまねできない。いやいや、まねは出来るかも知れない。でもそれはまねでしかない。超えることは出来ない世界です。
ちょっと議論を戻します。この非正規盤アルバムで演奏されるOriginal Raysは、正規盤アルバムのそれより素晴らしいと思っています。まず、マイケルのソロフレーズのテンションが極めて高いのです。それはおそらくはライヴ収録であるからという理由もあるでしょう。テナーサックスの最低音からフラジオ奏法(ハーモニクス奏法)で超高音まで駆け上がる様は、テナーサックスを限界まで駆使したものでアマチュアがまねできるものではありません。いや、半年あればまねできるかも。でもそれはまねでしかない。
最近の若いバークレーのミュージシャン達はマイケルの演奏を理論分析して咀嚼(租借(笑))活用しているようですけれど。私ももっとまねするんだった。詰めが甘いのは昔も今も変わりません。ともあれ、マイケルのフレージングは調性感が希薄でして、なんだかベルクやウェーベルンを聴いているような気にもなるのです。
マイケルのフラジオ高音がピッチを狂わすことなく正確無比にヒットするのは実にスリリングなのですが、それ以上以上に最低音域が倍音をしたたるぐらいに豊かに鳴り響くのも実に凄いですよ。最低音域はキーを全部閉じますのでテナーサックスの官の長さをフルに使った音ですし、通常コーンに取り付けるマイクも音を十二分に拾いますので、豊かな音が拡大されるわけです。
サックスソロの後に続くマイク・スターンのギターソロもいいんですよねえ。最初はかなりナチュラルな音で勝負するのですが、ソロが盛り上がるとディストーショーンを踏んでメリハリをつけるのは彼の常套手段。我々アマチュアがやると、すぐに真似したとばれてしまう。そういえば、生涯に一度だけブルーノート東京に行ったことがありますが、あれはマイク・スターンバンドだったなあ。足を激しく揺すってリズムをとっていたのを思い出しました。
あ、裏ではちゃんとワーグナー聴いてますよ。ジークフリートは今週末です。エッティンガーの指揮が楽しみです。それからイレーネ・テオリンが覚醒する第三幕も!

Jazz


私がマイケル・ブレッカーに熱中していたのは1993年から1998年頃まででした。その後ももちろん折に触れて聴いていましたが、21世紀なって私がオペラと言う名の底なし沼に沈み込むにつれて聴く機会が減りました。
先日、大学のサークルの偉大な先輩後輩達とお会いしたことを書きましたが、某有名喫茶でマイケル・ブレッカーのアルバムを聴いてから情熱が再燃しました。飽くことなく浴び聴いたマイケル・ブレッカーのインプロヴァイズが、未だに体にしみこんでいて、全く違和感なく享受し飲み込むことが出来るのには驚きました。何年も経っているというのに。
やはり若い頃に聴いたものは、齢を重ねてから聴くのとでは意味合いが大きく違います。もちろん私はある種の総体的な尺度を使えばまだ若い部類に入りますので諦めてはいけませんし、シュトラウスの「カプリッチョ」という宝物も30歳を過ぎてから見つけたものです。まだまだ諦めてはいけません。
さて、本日のこのアルバム、1995年頃に出回っていたものです。今は通常のレコード屋で見かけることは待った気宇なくなりましたが、Amazonでは入手できるようですね。
収録されているのはたったの三曲。
01 Gossip
02 Nothing Personal
03 Original Rays
1曲目は当時のマイケル・ブレッカーバンドのギタリストだったマイク・スターンの手によるGossipと言う曲。彼のいわゆる変形フレーズ(とある人は変態フレーズと呼びます)が十全に汪溢した楽曲。もちろんマイク・スターン名義のアルバム「Time In Place」にも収録されています。こちらは、マイケル・ブレッカーと並び立つフュージョン系テナーサックスの巨頭だったボブ・バーグによって演奏されています。残念ながらボブ・バーグも交通事故で数年前になくなっています。どうしてこうも素敵な方々が命を落とすのだろう。きっと神様に愛されすぎたのですね。
2曲目、こちらもNothing Personalという曲。たしか、ドン・グロルニックというピアニストの曲だったはず。彼は1980年代中盤までマイケル・ブレッカーや、マイケルの兄のランディー・ブレッカー、あるいはアルトサックスのデイヴィッド・サンボーン達と組んでいらした名ピアニスト。彼ももう故人なのですよ。哲学を専攻しておられた方です。Nothing Personalは、マイケル・ブレッカーのファーストアルバム正規盤に収録されています。そちらではパット・メセニーがギターをつとめますが、このアルバムではマイク・スターンが大暴れしてくれます。
最終曲original Rayについては明日。

Jazz

昨晩は大学のジャズサークルの同窓会的オヤジ会でした。予想通りの野郎だけの会でしたが、実に楽しかったですよ。過剰に思い出に話が向くわけでもなく、ジャズの話だけになるわけでもなく。若い自分の四年間(かそれ以上)を一緒に過ごした方々は、本当に大切です。
尊敬する先輩から「おまえのブログは長すぎるんだよ。一画面に納めろ」と言われました。長くてすいません。そういえば、先日も会社の他部署管理職からも、一文が長すぎる、と指摘されました。ブログが長くなるのも、一文を長くするのも理由があるんですけれどね。
さて、昨日の待合せ場所は都内某所の有名ジャズ喫茶でした。訪れるのは7,8年ぶりでした。19時待合せだったのですが、私は18時20分頃到着して、すかさずリクエストしたのが、このアルバムです。Michael Breckerのファーストアルバムで、名前はそのまま「Michael Brecker」。1987年のリリースですのでもう21年前ですか。マイケルブレッカーは40歳にかかろうかというところ。まだ髪の毛がうっすら残っております。
私は、最大重量を日々更新中ですので、先に店に着いた私に誰も気づかなかったみたいです。貫禄あるオッサンがまじめにブレッカーにききいっているなあ、と思ったとのこと。やせないと。
このアルバムは豪華メンバーです。
サックス:マイケル・ブレッカー
ギター:パット・メセニー
ベース:チャーリー・ヘイデン
ピアノ:ケニー・カークランド
ドラム:ジャック・ディジョネット
垂涎。
01 – Sea Glass
02 – Syzygy
03 – Choices
04 – Nothing Personal
05 – The Cost Of Living
06 – Original Rays
07 – My One And Only Love
昨日はB面をリクエストしました。Original RaysとMy One and Only Loveの2曲を聴きたかったのです。ですが残念なことにMy One and Only Loveはレコードには収録されていなくて、CDのみのボーナストラックだったのですね。。
前にも書きましたが、最近はピッチの善し悪しの感覚が出てきたのですが、マイケル・ブレッカーのサックスはピッチいいです。それは正確さという観点もありましたが、微妙なピッチの揺らぎのようなものをコントロールしているという観点においても、です。フィッシャー=ディースカウの歌も、ピッチの揺らぎがあってすばらしいのですが、それと似た感覚です。あと音いいですね。当然ですが。フレージングがすばらしいのはあまりに明白。
B面がNothing Personalというマイナー・ブルースで始まったのですが、この曲、昔バンドでやったことがあるなあ、と郷愁に近いものを感じました。バンド名はパート・アンド・アルバイトでしたね。懐かしすぎる。
お目当てのOriginal Raysは、EWI(Electric Wind Insturuement)のソロで始まります。アルバムなので短いのですが、ライヴでは大暴れでして、15分ぐらいEWIをフルに使って、どえらい世界を展開します(ここを批判する人もいますけれど)。海賊版のライヴ盤で聴くことができます。EWIについては、長くなるのでまた明日書きましょう。この曲のコード進行が気持ちよくて、なんだか未来への希望を感じてしまうのです。若い頃を思い出してしんみり。こんなはずじゃなかったとか、進歩史観なんて幻想だなあ、とか。もちろんマイケル・ブレッカーの不在にも。
っつうか、ジャズももっと聴かないとなあ。途中でやめちゃうのはもったいない。サックスもそうですけれど。
でも来週は「ジークフリート」です。こっちも楽しみ。

Jazz

久々にマイケル・ブレッカーを聴いてみました。というのも、今晩、大学の時にジャズを一緒にやっていた先輩方とお会いするので。最近、ジャズ聴いていないので、話すネタがないと思います。たぶん、いろいろ聴いて終わってしまうんだろうなあ。僕がクラシックの話を開陳してもあまり意味がなさそうですので。
それで、久々に聴いたのがこのDon’t try this at homeというアルバムでして、マイケル・ブレッカー名義の二枚目のアルバムです。大学の頃はこのたぐいのCDばかり聴いておりました。何年経っても曲を覚えているもので、マイケルの複雑怪奇なインプロヴァイズもかなり覚えていて血液が逆流する思いです。懐かしい。
やはり、もうサックスは吹けないなあ、と改めて思いました。偉そうですが、自分の審美眼が、自分の能力とか可能性を超えてしまったので。
そういう状況に陥ったとき二つの選択肢があります。
1)審美眼に追いつかなくなった時点でやめてしまう。
2)批評(審美)と、実践(演奏)を分けて考える。
おそらく2)のほうが賢いやり方だと思いますが、僕はどうにも1)の方向に行ってしまいます。
演奏する行為自体は楽しいので、その楽しさを大事にすればいいとも思ったりしたこともあるのですけれど。まあ、楽器は練習しないと当然うまくなりませんが、サックスの練習は勤め人に撮ってはそうそう手軽にできるものでもないです。
今晩、先輩達に会えるのでワクワクしています。昔は、週末三時間地下のスタジオにこもって練習したりしたなあ、なんて懐かしい思い出。最近のジャズ事情とか聞けるといいなあ。
アルバムの話を。
01 – Itsbynne Reel
02 – Chime This
03 – Scriabin
04 – Suspone
05 – Don’t Try This At Home
06 – Everything Happens When You’re Gone
07 – Talking To Myself
08 – The Gentleman & Hizcaine
1曲目、Itsbynne Reelは、カントリー風の音楽なんですが、マイケルがEWIの卓越した演奏でヴァイオリン──あるいはここではフィドゥルと言った方がいいかもしれませんね──とユニゾンで印象的なフレーズを繰り返す。バッキングのピアノも実にカントリー風なんですが、マイケルがテナーで入ってくると、これがまた色調ががらりと変わって、アドレナリンが充溢してきます。ああ、やっぱり音いいなあ。
4曲目のSuspneは、たしかギターのマイク・スターンの曲。マイク・スターン的変態旋律がオーソドックスな循環進行に乗っかっているんですが、ジャジーでありながら、コード解釈が新鮮で(今となってはもう普通なんですけれど)ぐいぐいとあらぬ方向に引っ張られるスリルがたまりません。こういうスリルは、ベルクを聴くときの感覚と似ています。マイケル・ブレッカーの循環、たまりませんね。懐かしすぎる。
やはり一番いいのは5曲目のDon’t Try This At Homeです。綱渡りのような緊張感の上で自由なインプロヴァイズ。ここはメンバーが良くて、ピアノはハービー・ハンコック、ギターはマイク・スターン、ドラムはジャック・ディジョネット、ベースはチャーリー・ヘイデンですからね。ハービーのバッキング、格好いいです。ディジョネットもディッジョネットらしい暴れっぷりで、言うことないです。ブレッカーもあおられて、興奮度120%というところ。名演です。
ちなみに、このジャケット写真も格好いいですよね。テナーを意のままに操る。しかも、アクロバティックで斬新に、というメッセージが伝わってきます。
ジャケットの裏には、テナーだけが残り、マイケルの写っていない写真。今となってはこれが現実です。マイケル亡き後の寂々たる思い。






Jazz

 仕事場で向かい側に座っている女の子のAさん。20代後半なのですが、大学時代は、ジャズ・ファンク系のサークルでトランペットを吹いていたのだそうです。それで、ちょっとだけ話が合う感じ。今日はシャカタクの話しを。

  • Aさん「わたし、シャカタクも聴いたことあります」
  • 私  「まじで! いいよねえ、シャカタク。あの80年台のさあ、胸がキュンとなるメロディーとかアレンジがいいよねー」
  • Aさん「わたし、その80年台っていうのがよく分からなくって……」
  • 私 「………」

座ろうとしていた椅子を引かれた気分。世代間ギャップにおののく瞬間。あの、80年台フュージョンのリリカルというか、ベタベタなII-V進行というか。っつうか、それって、私にしてみれば、高校時代の通勤電車でむさぼるように聴いたフュージョンの思い出なんだよなあ。

さて、その80年代のシャカタクの映像をYoutubeで発見。見た途端に絶句。

微妙……。

サウンドの80年代はよいけれど、衣装とか、髪型とか、化粧とか、かなり微妙な振り付けとか、相当な年代物。ちょっと、理解の範疇を超えてます。30年前だもんなあ。でも音だけ聞けば癒されるんですけれど。