それで、「星影」という言葉から連想されたのが、「星影のステラ」。ジャズスタンダードのStella by Starlightという曲でした。この曲、昔から好きで、多分大学のころはサックスで吹けたんですが、最近はなぜか吹けなくなってしまいました。なにか不思議な捉えどころのない曲になってしまい、もちろん、私が下手になってしまった、ということなのか、まったくかみあわなくなってしまったのでした。この曲、はまると結構気持ちがよいのですが。
それで思い出したのがこちらの動画。平原まことさんが吹く「星影のステラ」Stella by Starlightの映像。
フランス生まれのジャズピアニスト、Romain Collinの2015年のアルバム。バークレー出身。ジョー・ロバーノやウェイン・ショーターハービー・ハンコックなどとテイクしたりしているようです。このアルバム、ピアノのソロアルバムの様相が強いのですが、ケンドリック・スコットが参加していたりもしています。Apple Musicのプレイリストでこのアルバムに含まれるRound about midnightの、静かなアレンジにこころを惹かれたからでした。夜中に独りで聞くのがいい感じです。ということで、夜中に独りで聞いているところです。
今日はこちら。大掃除をしながらApple Musicのジャズのプレイリストを聴いていて見つけたアルバム。パオロ・フレスのTempo di Chet。おそらくはチェット・ベイカーに捧げられたアルバム。フレスはイタリアのトランペット奏者。サルジニア生まれだそうです。何というか、欧州のジャズは、アメリカのジャズとはひと味違う洒脱さがあるように思います。疲れた心には実に合う感じ。なにか、冷えた白ワインを飲むような感覚。一緒にブルーチーズを食べて、太陽に灼かれている感じがします。プレイリストに入っていたEverything happens to meが実に鮮やか。
Nearness of youはマイケル・ブレッカーのアルバム。2000年にリリースされた。もう18年にもなるのか、という驚きとともに、この文章を書いている。
Nearness of youは全曲バラードのアルバム。2007年に白血病でこの世を去ったマイケル・ブレッカーが、どういう思いでこのアルバムを作ったのかはよく分からない。
そして、このアルバムにジェームス・テイラーがThe Nearness of you、そして、Don’t Let Me Be Lonely Tonightの両曲にボーカルとして参加している。
このDon’t Let Me Be Lonely Tonightが、あのジェームス・テイラーのOne man dogに収められているのだ。One man dog は1972年のアルバム。若かりしマイケル・ブレッカーが参加しジェームス・テイラーと共演。そして、2000年のNearness of youでも、もちろんマイケル・ブレッカーと共演している。
このNearness of youに収められたDon’t Let Me Be Lonely Tonightを聴いて、改めて、1972年のOne Man Dogに収められたDon’t Let Me Be Lonely Tonightを聴き直した。古い録音。マイケル・ブレッカーの音も違う。アレンジもなにか少し明るみを帯びたものだ。だが、そのインプロヴァイズは、リリック=叙情的でもある。跳躍する音階はなにかスリリングでもある。
四半世紀たってようやく先輩の思いを理解した気がする。
このDon’t Let Me Be Lonely Tonight、さまざまなアーテイストにカバーされている。エリック・クラプトン、アイズレー・ブラザーズ、ダイアン・シュア。