Opera

夏の暑さも厳しいですが、どんより曇る一日もまたなんか憂鬱なものです。本当は東京ジャズに行くか、METライブビューイングのパルジファルに行きたかったのですが、体を整えないと。
ということで、9月、10月のNHKBSのプレミアムシアター情報です。オペラ目白押しです。

9月9日(8日深夜)

ザルツブルク音楽祭2013 歌劇『ドン・カルロ』

  • フィリッポ二世(スペイン王): マッティ・サルミネン
  • ドン・カルロ(スペインの王子): ヨナス・カウフマン
  • ロドリーゴ(ポーサの侯爵): トマス・ハンプソン
  • 大審問官(90歳の盲人): エリック・ハーフヴァーソン
  • 修道士: ロバート・ロイド
  • エリザベッタ: アニヤ・ハルテロス
  • エボリ公女: エカテリーナ・セメンチュク
  • テバルド(エリザベッタの小姓): マーリア・ツェレン
  • レルマ伯爵/王の使者: バンジャマン・ベルネーム
  • 天の声: セン・グオ
  • きこり: オレク・サヴラン
  • アントニオ・パッパーノ指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
  • 2013年8月16日ザルツブルク祝祭大劇場

    9月16日(17日深夜)

    ルツェルン音楽祭2013

    クラウディオ・アバド指揮 ルツェルン音楽祭管弦楽団演奏会

  • 悲劇的序曲 作品81 (ブラームス)
  • グレの歌」から 間奏曲 「山鳩(やまばと)の歌」 (シェーンベルク)
  • 交響曲 第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」 (ベートーベン)
  • 英国ロイヤル・オペラ公演 歌劇『湖上の美人』

  • エレナ(反乱貴族ダグラスの娘): ジョイス・ディドナート
  • スコットランド国王ジャコモ5世(別名ウベルト): ファン・ディエゴ・フローレス
  • マルコム(エレナの恋人・反乱軍の勇士): ダニエラ・バルチェッローナ
  • ダグラス(エレナの父・反乱貴族): シモン・オルフィラ
  • ロドリーゴ(反乱軍のリーダー): コリン・リー
  • アルビーナ(エレナの友人): ユスティナ・グリンギーテ
  • セラーノ(ダグラスの忠臣): ロビン・レゲート
  • 詩人: クリストファー・ラックナー
  • ベルトラム(王の兵士): パブロ・ベムシュ
  • ミケーレ・マリオッティ指揮コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
  • 9月23日(22日深夜)

    『N響・イン・ザルツブルク』

  • ノヴェンバー・ステップス (武満徹)
  • ソプラノとオーケストラのための「嘆き」[ザルツブルク音楽祭委嘱作品/世界初演] (細川俊夫)
  • 幻想交響曲 作品14 (ベルリオーズ)
  • シャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団

    10月14日(13日深夜)

    佐渡 裕 指揮 パリ管弦楽団演奏会

  • ディヴェルティメント (イベール)
  • パガニーニの主題による狂詩曲 作品43 (ラフマニノフ)
  • 歌劇「ルイザ・ミラー」序曲 (ヴェルディ)
  • 歌劇「ナブッコ」から 「行け、わが思いよ、金色の翼に乗って」 (ヴェルディ)
  • ほか

    佐渡 裕 指揮 ベルリン・フィル定期デビューコンサート

  • 「フロム・ミー・フローズ・ホワット・ユー・コール・タイム」 (武満 徹)
  • 交響曲 第5番 ニ短調 作品47 (ショスタコーヴィチ)
  • 10月21日(20日深夜)

    新国立歌劇場公演 『コシ・ファン・トゥッテ』

  • ミア・パーション (フィオルディリージ)
  • ジェニファー・ホロウェイ (ドラベッラ)
  • 天羽明惠 (デスピーナ)
  • パオロ・ファナーレ (フェルランド)
  • ドミニク・ケーニンガー (グリエルモ)
  • マウリツィオ・ムラーノ (ドン・アルフォンソ)
  • イヴ・アベル指揮東京フィルハーモニー交響楽団
  • 10月28日(27日深夜)

    ミラノ・スカラ座日本公演 歌劇『リゴレット』

  • レオ・ヌッチ (リゴレット)
  • ジョセフ・カレヤ (マントヴァ公爵)
  • エレーナ・モシュク (ジルダ)
  • ケテワン・ケモクリーゼ (マッダレーナ)
  • アレクサンドル・ツィムバリュク (スパラフチレ)
  •  

  • グスターボ・ドゥダメル指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団
  • Concert,Opera,Richard Wagner

    サントリーホールで日フィル定期。ピエタリ・インキネン指揮で《ワルキューレ》第一幕。
    同じ時間帯にすみだトリフォニーホールでは、インゴ・メッツマッハー&新日フィルでもワルキューレ第一幕をやっていましたね。ベストは両方聞き比べられればよかったのですが、そうも行かず。
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    演奏関連

    前半は《ジークフリート牧歌》と《トリスタンとイゾルデから前奏曲と愛の死》。《トリスタン》は、ソプラノのエディス・ハーラーの独唱付き。この方は、バイロイトでジークリンデと歌った方ですね。2011年に、NHKで《ワルキューレ》の生中継をしましたがまさにそのときのジークリンデがこの方。さすが世界レベルの声で、均質で安定したソプラノでした。
    後半の《ワルキューレ》第一幕も圧巻でした。インキネンの指揮は、気を取らわず、テンポもあまり動かさず、テンポは中庸から少し遅い感じで、重心の低い指揮といえましょう。だからといって、情感が失われることはなく、うねるようなダイナミズムを楽曲から引き出していました。
    ジークムントを歌ったサイモン・オニールは、ブリリアントなテノール。カッコイイですね。フンディングを歌ったマーティン・スネルも重みのあるバス・バリトンです。
    日フィルも、若干の傷はあったものの、持ち前の機能性を発揮し、縦横無尽の演奏でした。木管いいですよね。ちょっとした事故はありましたが、木管の充実度を改めて実感しました。

    サントリーホールで聞くオペラ

    サントリーホールでのオペラは、2005年ごろだったか、ホールオペラ《ボエーム》を聴いて以来です。その時は一階席でしたが、今日は二階席で、ホール全体のサウンドがよく分かる席でした。オケの音も、歌手の声も一旦ホールの中を回った音が聞こえる感じです。サントリーホールの残響は、中音から少し高めです。前半の《ジークフリート牧歌》は、その残響感の中に楽曲が巧く溶け込みました。
    歌付きとなると、これがいつも聞いている新国立劇場でのサウンドとは全く異なります。私の感覚では、新国立劇場オペラパレスのサウンドはかなりデッドなサウンドだと思っています。これぐらいデッドでないと、歌詞が聞き取れません。
    ですが、サントリーホールはコンサートホールですから、音の作り方が全く違うのですね。
    そうした中で、歌がどう聞こえるかというと、これは、私の席特有の事象でもあるのですが、歌とオケのバランスが上手くとれない場面がありました。これは、良し悪しの問題ではなく、あくまでコンサートホールとオペラシアターの音に対する考え方の違いにほかならないと思いました。
    逆に言うと、このアンバランスというマイナス面を補って余りある残響感に酔いました。つまり、私にとってはこのサウンドは良いものだったのです。新鮮な体験でした。

    終わりにひとりごと

    それにしても、月日が立つのは速いものです。ゆっくり急げ!
    それではグーテナハト。

    CD紹介,Opera,Richard Wagner

    猛暑の週末でした。お昼に所用で外出したのですが、日差しが突き刺さるように痛かったです。でも、もう8月も終わり。学生の皆さんは宿題は終わっていると思いますが、私の宿題はまだ終わりません。明日も頑張ります。
    今日は、ハイティンクの《ジークフリート》を聴いています。

    こちらのハイティンクのリング全曲ボックスは素晴らしいことこの上ないです。ジークフリートももちろん。
    ベルナルト・ハイティンクがバイエルン放送交響楽団を降っています・ジークフリートを歌うのはジークフリート・エルサレム。ブリュンヒルデはエヴァ・マルトン。1990年11月にミュンヘンのヘラクレス・ザールでの録音です。
    とにかく、ハイティンクの指揮は素晴らしいです。実に大きい指揮。少しリタルダンド気味なところが、そうした大きさのようなもの導いているのでしょう。
    エヴァ・マルトンの強力すぎるブリュンヒルデも圧巻ですしね。
    それから、なにより音が素晴らしいです。ヘラクレスザールが音がいいのは今でもありません。適度なリバーブが心地よいです。
    私は、これをiPodとBOSEのクワイエットコンフォートで聴いていましたが、自宅のミニコンポで聴くとまた違う音がします。というか、甘みを帯びた豊かな音になっていて、驚きです。取り込んだのは随分前ですので、ビットレートが低いとか、サンプリングの問題なのでしょう。やはりいい音のこだわる必要があるようです。
    もちろん最も素晴らしいのは実演です。
    明日も引き続き宿題。それにしても一日は短い!
    では、グーテナハト。

    CD紹介,Classical,Opera,Richard Wagner

    やっと週末。今週の通勤電車は空いていましたが、また来週からもとの混み具合になるのですね。先週の金曜日が2,3日前のことのように思えるほど時間が経つのは速いです。

    クラリネット五重奏曲進捗状況

    今週は随分《クラリネット五重奏曲》をさらえました。随分楽しいです。コードが頻繁に切り替わり、転調も美しく、テンションがカッコイイです。ジャズ的に言うと。リズムも裏と表の入れ替わりが面白いです。《スリー・カルテット》のような面白さです。
    今週はちゃんと毎日吹きましたからね。継続は力なり。
    なにげに、このブログも6月末から連続更新記録更新中です。こちらも継続は力なり。

    ドイツ的な指揮者は誰?

    昨日のフルトヴェングラーの続き。

    私の中では、今もっともドイツらしい指揮者は、なぜかバレンボイムと思えてしまうのです。粘り強く、芯のある演奏で、時になにかどこにも手がかりがなく拒まれているような気になるからでしょうか。親しみやすさとか、洒脱さはほとんどなく、厳然とそびえ立ち、選ばれたもののみがその世界に入るのを許される、といったような。
    ドイツ的と思うバレンボイムがユダヤ系であるというのも皮肉でしょうか。いや、そもそもユダヤ系とかドイツ系とかそういうのはほとんど意味がなく、郷里の文化的背景と才能であるに過ぎないのでしょう。
    昨日、フルトヴェングラーを聴いて、バレンボイムと似ていると直感したからですかね。
    で、バレンボイムのふる《さまよえるオランダ人》を聴いています。
    この盤のゼンタはジェーン・イーグレンですが、このホッホ・ドラマティッシャーなソプラノは、激しく強いゼンタになっています。夢をみる少女ほど怖いもの知らずはありません。そうした感じが特でています。が、アマゾンの英語レビューでは結構やられてますね。「高音域は細く、華やかさがない」だそうです。私は高音域の声質が少し荒れ気味で、ピッチが低くなっているかな、と思いましたけれど。
    バレンボイムのオケ裁きは、軍隊調です。雄々しく攻め入る重戦車の体です。私はどうしても新国でみたダン・エッティンガーの《こうもり》を思い出してしまうのです。《オランダ人》ではOK。でも、《ばらの騎士》は難しいかも。なんて。
    明日、明後日もお仕事たくさん。
    それでは、グーテナハト。

    2012/2013シーズン,NNTT:新国立劇場,Opera

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    今朝はよく眠りました。起き上がって、溜まっていた仕事をいくつか。予想より時間がかかりましたが、なんとか出来上がりました。もっと速度が上がるといいのですが。
    昨日の続きで、新国立劇場の復習を。印象的だった3つのパフォーマンスを。

    その1:ピーター・グライムス

    まずは、ピーター・グライムスです。私はあまりに感動したので2回行ってしまいました。涙なしには見られないパフォーマンス。今でも脳裏に焼き付いています。
    このオペラが生まれてはじめての最前列で、私はもうグシャグシャになるぐらい、心揺り動かされ感動しました。
    詳しくは以下のリンクからどうぞ。今読みなおしても、感動が蘇りました。
    《ピーターグライムス》レポート集

    その2:セヴィリアの理髪師

    それから、セヴィリアの理髪師。ほんとうに楽しい舞台でした。ロッシーニの喜劇にどっぷり浸かることが出来ました。レベル高すぎです。
    《セヴィリアの理髪師》レポート集

    その3:コジ・ファン・トゥッテ

    美男美女による青春の甘さと辛さに満ち溢れた楽しい舞台でした。私の記事を読みなおしてみると、少々ふざけてまして、気が引けますが、歌唱も音楽も満足でした。
    《コジ・ファン・トゥッテ》レポート集

    その4:愛の妙薬

    これも徹夜明けで行きました。一番感動的なはずのシラクーザのアリアに心が動かなかったのですが、それは完全に私がつかれていたからです(眠ってはいないのですが)。感動するにも体力がいるのですね。
    ともかく、シラクーザの旨さに酔いしれました。ニコル・キャンベルの軽やかな歌いっぷり、レナート・ジローラミの名脇役っぷりとか、本当に楽しい舞台でしたね。
    《愛の妙薬》レポート

    まとめ

    今選んでいて思いましたが、《ピーター・グライムス》意外は全部喜劇。それもイタリア語オペラです。モーツァルトはドイツ音楽と言えるかどうかビミョーですし。
    休みぐらいは、喜劇で楽しみたい、という気分だったようです。
    次のシーズンはリゴレットから。音楽が聞ける平和が続きますように。

    2012/2013シーズン,NNTT:新国立劇場,Opera

    7月も終わり、夏真っ盛り。少し遅いですが新国立劇場の2012年2013年シーズンを私的に振り返ってみたいと思います。
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    ※写真は冬です。

    皆勤

    今年は皆勤しました! 
    昨年はボエームとドン・ジョヴァンニを病欠しましたが、今年は本公演全てを観ることが出来ました。
    で、あまりに素晴らしかった《ピーター・グライムス》は、二回行きました。すいません。
    あのとき、仕事がトラブっていて、二週間連続週末徹夜で、徹夜明けに初台に行くというかなりヤバイ状況でして、だからこその感動だったのかも。

    座席

    奮発して、最前列の座席をとってみました。これは、オケのコンサートの最前列の快楽に味をしめたからです。
    しかしながら、オケコンとオペラは違います。
    オケの音は、遮音壁で直接聴こえてきません。これは意図してそうなっているのです。そうでないと歌手の声は聞こえないでしょうから。それがすこし歯がゆかったです。圧倒的な音のシャワーという意味では、オペラはオーケストラコンサートに負けてしまいます。
    ですが、やはり前列だと、視界全てがステージに成ります。舞台への没入感は最高です。2Fから舞台全体を見るという楽しさもありますけれど、《トスカ》でのノルマ・ファンティーニの迫真の演技とか、《セヴィリアの理髪師》のファンタジー、《愛の妙薬》のカラフルでポップな舞台が眼の前に広がるのは想像以上でした。
    次は演目ごとにもう少し詳しく。

    Opera

    夏バテのようです。某所への締め切りがあり、少々週末無理をしました。
    その後、あまりの暑さに冷房をかけて寝ていたのですが、どうも眠りが浅いようで、日中にこれまで経験したことのない激しく突き刺さるような睡魔に襲われるように。
    これって、睡眠時無呼吸症候群ではないか、という恐れが。もしそうなら、仕事場で無意識で眠りに落ちているのではないか、という恐怖。これはまずいですよ。うちは戦場なんで、少しの気の緩みが命を落とす重大な失策になりかねません。油断している暇はないのです。
    そういえば、自宅での禁酒を誓ってはや一ヶ月。毎日ワインボトル半分ぐらい開けていたので、体調は飛躍的に良くなるはずだったのですが。アルコールが足らんのかな? なーんちゃって。
    隣の先輩
    「今年、うなぎ、食べました?」
    わたし
    「いや、国産うなぎが高くて高くて、買えないんですよ」
    明日は、うなぎを買ってきてもらう予定。
    というわけで、今日は少し早めに寝ましょう。

    寝る前にこんな音源を見つけました。カルロス・クライバーが1962年にデュッセルドルフ・ライン・ドイツ歌劇場で振ったオッフェンバッハのオペレッタ。私はNMLで聴いています。
    モノラル録音です。当初はテレビ映像だったようですが、マスタは失われているそうです。エアチェックテープからの復刻のようです。ノイズもあります。
    オッフェンバッハ《魔法の横笛》、《結婚提灯》、《チュリンパタン島》が含まれていますが、《魔法の横笛》をまずは聴いています。《ホフマン物語》を思わせるフレーズが幾つも出てきます。聞いているだけで面白いのですが、映像あればもっと楽しめそうです。こういうオペレッタをドイツ語に訳して演奏するということをやっていたのですね。
    そういえば、エーリヒ・クライバー「指揮やるなら、まずはオペレッタだろ!」ということで、カルロス・クライバーの指揮者デビューがオペレッタだったことを思い出しました。たしか「カール・ケラー」という芸名で出たはず。テンポを落とすところは落として、歌わせてます。
    帰り際、カルロスの1989年の「ニューイヤーコンサート」を聴いていたんですが、「美しく青きドナウ」のテンポの落とし方と通底するものがあります。きっと、ぎりぎり落としていいところまで落としているはず。これ以上落とすと失速して墜落です。
    録音は決してよくありません。歌手もなかなか難しい状況。ですが、往年のカルロス・クライバーの鮮烈なドライブ感がよく分かる公演です。
    明日はもう少し涼しくなることを希望します。ではグーテナハト。

    Book,Opera


    先々週の第3121号に図書新聞に《オペラハウスから世界をみる》の書評が出ましたね。
    実は、縁があって話をいただいたので、この本の書評を書かせてもらうことにしたのです。
    とにかく、この本は、オペラを深読みする楽しみを教えてくれる本です。
    特に、リチャード・ジョーンズが演出したベルリオーズの《トロイ人》の読み替えについての紹介がすばらしすぎです。なんと《トロイ人》が、戦後のアメリカに置き換わり、アメリカの覇権主義への批評に衣替えしているのですから。
    こういう読替え、賛否両論と思いますが、私は結構大好きです。
    実際に見ていなくても、かなり詳しく書いてくれていますので、その面白さが手に取るようにわかります。
    ※ 映像が入手できるともっといいのですが、まだ見つけることができていません。
    あとは、やはり女性ならではの視点が盛り込まれているのがいいですね。《ムツェンスク郡のマクベス夫人》や《ペレアスとメリザンド》の解説はある意味衝撃を覚えました。男には分からない視点というものが、オペラ批評を通じて語られていて、目を見開かされた思いです。この本のオペラ批評自体が、著者の現代批評にもなっているわけです。
    森岡さんの解説があるからこそ。これは、たとえるなら、「江川の解説で野球を見る」、「北の富士の解説で相撲を見る」ぐらい面白いです。
    オペラは、時代を映し、時代を批評するものです。私たちも、新国立劇場の《ヴォツェック》や《ピーター・グライムス》を観ると、オペラは決して夢の世界ではなく、現実を現実以上に映し出す鏡だということを実感しました。台本作家や作曲者が意図していない新しい価値を想像するのがオペラ上演なんですね。そうした物の見方を教えてくれる良い本でした。
    《オペラハウスから世界を見る》も、図書新聞もおすすめです。

    Opera,Richard Wagner

    今日、体調悪くありませんでした?
    私は、絶不調。ちゃんと寝たのですが、どうも寝覚めが悪く、体中が痛かったのです。どうも気圧が下がっていたからではないか、と睨んでいます。ですので、今日は早めに帰ってきました。といっても帰宅は22時前ですが。

    Googleに頭を覗かれている。。

    昨日、アンフォルタス、で検索したら、私が昨年書いた記事が出てきました。
    どうやら昨年の今頃は、フィッシャー=ディースカウのアンフォルタスに感動していたようです。
    アンフォルタスの画像検索でもフィッシャー=ディースカウがトップに出ていて、私の記事にリンクされている。
    2013-07-30 0.25 のイメージ
    グーグルに頭の中を覗かれている気分。
    ちなみに二番目の写真はアンフォルタスという名前の競走馬でした。
    2013-07-30 0.24 のイメージ
    調べてみると、ワーグナーの登場人物がたくさん登場しています。
    ブランゲーネまでいるとは。
    アンフォルタス
    http://db.netkeiba.com/horse/2011104830/
    ローエングリン
    http://db.netkeiba.com/horse/1999106738/
    ジークフリート
    http://db.netkeiba.com/horse/1989101552/
    http://db.netkeiba.com/horse/2005100873/
    ジークムント
    http://db.netkeiba.com/horse/2004102854/
    タンホイザー
    http://db.netkeiba.com/horse/2005100907/
    http://db.netkeiba.com/horse/1989101555/
    http://db.netkeiba.com/horse/1981101490/
    ヴォータン
    http://db.netkeiba.com/horse/2007109102/
    トリスタン
    http://db.netkeiba.com/horse/1979105879/
    ブリュンヒルデ
    http://db.netkeiba.com/horse/1985102183/
    http://db.netkeiba.com/horse/1995106547/
    イゾルデ
    http://db.netkeiba.com/horse/000a00df8c/
    http://db.netkeiba.com/horse/2001106080/
    http://db.netkeiba.com/horse/2012101263/
    ジークリンデ
    http://db.netkeiba.com/horse/1955104314/
    フリッカ
    http://db.netkeiba.com/horse/2005100355/
    ブランゲーネ
    http://db.netkeiba.com/horse/2002106900/
    トリスタンのコメントには「風邪薬みたい」との記載が。はい。そうですね。ドリスタン。
    逆に探したけれど、いない馬は以下の通りです。そうか。ブランゲーネはいて、クルヴェナールがいない不条理。
    テルラムント
    オルトルート
    ドンナー(ドンナーベルクはいる)
    ハーゲン (ハーゲンベックはいる)
    クルヴェナール
    ヴァルター(ワルター)
    グルネマンツ
    クリングゾル
    ティトレル

    ヤノフスキのパルジファル


    今日はヤノフスキのパルジファルを聴いています。旧東ドイツから続く伝統のベルリン放送交響楽団です。NMLをMACで聞いているので、評価はしにくいです。
    あとは、誰だどの訳を歌っているのかが、わかりにくいです。アルバム・タイトルを慣用的順番で考えると、パルジファルがクリスティアン・エルスナー、アンフォルタスは多分エフゲニー・ニキティン。グルネマンツはフランツ=ヨーゼフ・ゼーリヒこれずーっと聴いてたいんですけどね。
    第一幕しか聴いていませんが、ヤノフスキ、飛ばすところは容赦なく飛ばしますね。潔い感じ。
    このアンフォルタスを歌っていると思われるエフゲニー・ニキティン。元ヘビーメタルバンドのメンバーで、全身に刺青を入れている。その中にハーケンクロイツがあったそうで、バイロイトを降板したようですよ。ソースはこちら。リンク先の写真ではハーケンクロイツは見えませんが。ご本人なんでしょうか。
    http://jp.blouinartinfo.com/news/story/856835/ehugeninikiteinshi-hakenkuroitukagishi-zi-noci-qing-deyin-le
    アンフォルタスがハーケンクロイツ。やばすぎるネタです。
    明日もお仕事。がんばろう。

    CD紹介,Opera,Richard Wagner

    はじめに

    メガネを新調しました。今、流行のJ●NSにて。
    ですが、色々失敗。
    まず、度数調整を失敗。
    目が疲れるのでPC用ということにしたので、度数を測るときにiPadを持って行って、距離を測りました。実際に使ってみると、iPadを使う時とPCを使うときは微妙に距離が違います。その差はおおよそ10センチ。その差が致命的。iPadは快適ですが、PCはダメ。肩こりがひどくなってしまいました。
    次の失敗。ブルーライトカットなんで、メガネが薄茶色なんですが(すこし予想はしていたんですが)私がかけると、完全にあっち系の人に見えるらしい。これではガードマンに止められて出勤できません(おーげさ)。形はいいのですが。

    クナッパーツ・ブッシュのパルジファル



    今年の夏は、ワーグナーの研究をしないと。というわけで、今日はパルジファルを聴きました。
    クナッパーツブッシュのバイロイトにおけるパルジファルの録音は複数残されていますが、私が聞いているのは1962年の録音。
    パルジファルはジェス・トーマス、グルネマンツはハンス・ホッター、そしてアンフォルタスはジョージ・ロンドンです。

    ジョージ・ロンドンのアンフォルタス

    ジョージ・ロンドンのアンフォルタスには感動しました。
    私は、アンフォルタスに一番共感を覚えます。
    アンフォルタスは聖杯を守る城主。ですが、「罪」を犯し、槍の傷に苛まれている。
    苦悩に耐え、死ぬことも生きることも能わない地獄にいる男。自分の弱さがゆえと知っているからこそ、誰をも責められず、ただ自らを責め続け、自らの責めに苛まれている。
    聖杯の守護という重責を担うにはあまりに人間的。全然ヒーローなんかじゃありません。
    ジョージ・ロンドンのアンフォルタスは激しい。全然枯れてなくて、苦悩しまくっています。苦悩しているのですが、が、苦悩を続けているからこそ得た強さのものを感じます。多分、普通に生きるには十分に強い王なのです。ですが、生半可に理想を求めてしまったのですね。
    パルジファルが第二幕で「アンフォルタス!!!」と絶叫して、アンフォルタスと同じ罠にはまらない箇所がありますが、あそこは、パルジファルを通してアンフォルタスの胸中を見る思いがして、2010年の東京春祭では、あの場面で思いっきり泣いて、浄化された記憶があります。というか、本当に浄化されたんだろうな、と思います。

    録音について

    私の持っている録音は、1993年7月発売。S/N比は若干高めですが、そんなに気になるまではありません。
    クナッパーツブッシュの1962年の録音についてはこちらのサイトが詳しいです。
    http://solarisu.sakura.ne.jp/Record/Parsifal-Kna62/Parsifal-Kna62.html
    この録音なんですが、第一幕と第二幕に途切れがないように聴こえます。いや、第一幕の最後で拍手がないのはいいのです。それが慣例なので。ですが、休憩なしというのは大丈夫なんですかね。

    終わりに

    カミさんに駄目だし食らったので原稿はまだ出来上がらない。おっしゃるとおり。それじゃあ書評にならんよ。。締め切りは水曜日。大丈夫か、オレ。