Opera

 シルバーウィークで、どうもリズムが崩れましたなあ。せっかく会社になれたと思ったら、もう休みで、気合いを入れないと空気が抜けてしまう。

昨日は、午前中は都内にて用事を済ませて、地元にとんぼ返りして、ジムで筋トレとヨガ。このヨガが思いのほか気持ちがよいのですよ。普段けっして取ることのないポーズをとらされるので、自分の筋力のなさとか、体の固さを思い知らされる。そんなに大して動いていないのに、汗だくですよ、マジで。これ、続けたらきっと肩こりとかなおるんだろうなあ、という期待あり。それにしても、端から見たら妖しい集団だろうなあ。ジムの中でなければ、ヨガやるなんていったら、ちょっと怖いですし。

夕方は、地元の英会話でイギリス人とだべる。オテロの話しから、シェークスピアの話に。イギリスでは中学校か高校でシェークスピアを読むらしいのだが、古英語なので難しいらしい。まあ、僕らが源氏物語を読むのと同じような感覚でしょうか。古英語のなかに、hastという言葉があるらしいのですが、これはドイツ語のhabenの活用形と同じ。意味も同じらしい。古英語がドイツ語とほとんど同じだったらしいですし。

今日は気分を盛り上げるために、お気に入りのオペラから気に入った曲を集めてプレイリストを作ってみました。会社で疲れたら昼休みにこれを聴いて心癒す予定。

とりあえず、

  • シュトラウス「ばらの騎士」最終幕をガランチャの歌声で。
  • ドミンゴの「道化師」
  • シュトラウス「カプリッチョ」の「月光の音楽」以降をヤノヴィッツの歌声で。
  • パヴァロッティとフレーニ幼なじみコンビによる「蝶々夫人」第一幕最終部。
  • 同じコンビの「ボエーム」の「私はミミ」。
  • 蝶々夫人のインテルメッツォをカラヤン盤で。
  • マノン・レスコーのインテルメッツォをシノポリ盤で。
  • と来れば、カヴァレリア・ルスティカーナのインテルメッツォをカラヤン盤で。

みたいな、少々日和見てきなプレイリストができあがりました。これ、今も聴いているんですが、いいっすねえ。

そうそう、昨日、ハイティンクのシュトラウス、ブルックナー、マーラーを入手しました。ハイティンク・マイブームですので、明日からが楽しみです。

Opera

 1日遅れのエントリーになりましたが、昨日は、新国にて「オテロ」を観てきました。

いやあ、ルチオ・ガッロさんは、凄いですわ。この方は、2007年の「西部の娘」で新国に初登場し、その後2008年のドン・ジョヴァンニで再登場。そして今回のオテロでは、イアーゴ役。この方、まずは声が素晴らしくて、ぬらりと光るつややかなバリトンなのです。ピッチが安定しているのは当然として、さらに声量がある。なにより、悪役としての確固たる存在感でして、イアーゴ役としては申し分ない世界クラスです。東京でこうした方のパフォーマンスを観ることができるとは、本当に良い時代だと思いました。私はこの方のスカルピアを聴いてみたいです。

オテロ役のステファン・グールド氏も、ドラマチックで正確無比な歌でした。声量がもう少し欲しいかなあ、と言う気がいたしましたが、そんなに大きな問題ではないかと。デスデーモナは、たしかノルマ・ファンティーニが当初予定されていたキャストでしたが、タマール・イヴェーリさんに交代。この方、若いと思うのですが、全く問題を感じさせません。若々しく明るい美しい声。デズデーモナのイメージにぴったり。

演出的には、舞台設定がキプロスであるにもかかわらず、ヴェネツィアの風景が基底にある感じ。運河あり、太鼓橋あり。しばし郷愁を感じました。運河には水が張ってありまして、キャストが浅い運河に足を踏み入れる場面も。それから、水面に光を当てることで、舞台全体に水面の反射するゆらめきが現れて、これがまた美しい。良かったです。

私は、イアーゴが酒を飲みながら独唱する1幕のところで、ルチオ・ガッロさんの素晴らしいパフォーマンスに涙が止まらなかったですよ。別段泣くような悲しい場面ではないのですが。あの瞬間、私にとっては大きな美的な理念が立ち現れていたように思います。こうした瞬間を味わえるのもオペラならではかと。カタルシスとも言えましょうが。

次のオペラは11月の「魔笛」。10月には、N響定期でプレヴィンの家庭交響曲と、カプリッチョ終幕を聴く予定。

Opera,Richard Strauss

まずは、叫び声。ギャー! 昨日は選挙報道に就寝しすぎて、クラシックロイヤルシート、録画し損ねました。ハイティンクのシューマンとブルックナーだったのに……。

さて、気を取り直して。

8月23日夜のクラシックロイヤルシートは、カラヤンの「ばらの騎士」でした。 第三幕のところだけですが、金曜日の夕食中に観終わりました。実に興味深いです。1960年のザルツブルク音楽祭の映像で、モノラル録音です。おそらくはアマゾンで販売されているこのバージョンに間違いないと思います。

まずはカラヤンの若さ。ウィーンフィルを統率するカラヤンは自身がみなぎっています。それから、オットー・エーデルマンのオックス男爵は表情豊かに歌っていて見本のようなイデアールなパフォーマンスです。クルト・モルのオックス男爵がすごく上品に思えてきます。それぐらいオックスのある種の「品位」を巧く出しておられました。すごいですね。

そして私は生まれて初めてシュバルツコップの歌う姿を見ましたですよ。こういう方だったのですね。これももう見本のようなマルシャリンです。衣装もかなりクラシカルでして、なるほど昔はこういう衣装だったのかあ、と。

オケの音量が思ったより押さえられているのでは、と妻が申しまして、そういやあそうだなあ、と。PA使っていないからか、録音の編集でそうした加工がされているのか、というところ。

クラシックロイヤルシート、侮れないですね。

来月は、スカラ座の「ドン・カルロ」、新国の「トゥーランドット」、チューリヒ歌劇場の「カルメン」と、オペラ目白押し。月末はNHK音楽祭2009から、バレンボイム指揮のヴェルディ「レクイエム」。

CDはこの数ヶ月買っていませんが、聴くものはあまたあります。財布が寂しい今日この頃、助かりますです。

Opera,Richard Wagner

 

バイロイト「トリスタンとイゾルデ」観ました。すごいですね。もう、キャスト全員がすごくてあっけにとられていました。イレーネ・テオリンの「愛の死」は壮絶で、しばらくは忘れられそうにないです。

そして、この場ではこれまであまり触れていなかったトリスタンを歌ったロベルト・ディーン・スミスもすばらしかったです。正確無比なピッチにヘルデンテノール的純粋無垢な力強さ。そしてブランゲーネのミシェル・ブリートもすばらしい。テオリンに負けない声量とぶれないピッチ、そしてなにより表情や挙措の一つ一つに込められたそこはかとない意味性の表現は映像で観て初めて感じた偉大さです。クルヴェナールのユッカ・ラジライネンもよかったですよ。新国ではヴォータンを歌っていた方ですが、クルヴェナールの苦悩に満ちた役柄をうまく歌っておられました。

演出はやはり60年代的なものでしたでしょうか。いずれの幕も、蛍光灯をうまく使った演出でした。第一幕では丸い蛍光灯が天井で揺れ動き、第二幕では天井の照明がすべて蛍光灯で、スイッチをいれると「M」の字を描いたりする。おそらくはマルケ王のMです。第三幕はトリスタンの病室ですが、古びた壁に蛍光灯が掛けられていて、ジリジリと時々点滅したりする。

この偉大なパフォーマンスを舞台下で支えた最大の立役者がペーター・シュナイダー。私は、もうこの方のワーグナーとシュトラウスにべた惚れ状態です。まだまだ聴いていない音源はたくさんあると思いますが、それでも私はこの方と巡りあったことに感謝します。

今年1月の東京フィルの定期演奏会では半径10メートル以内だったのですねえ、この方と。舞台下最前列でシュナイダーさんの指揮を仰ぎ見ながら涙したのが懐かしいです。

私は、つい1ヶ月前までは、クライバーが振る「トリスタンとイゾルデ」が決定版だ、と思っていたのですが、このシュナイダー版の「トリスタンとイゾルデ」は、クライバー盤に負けず劣らずのすばらしい演奏だと言うことがわかりました。こういう体験がPCとネットを通してできるなんて、本当にいい時代になりました。今後の日本や世界がどうなるかは皆目見当がつきませんが、こうした思い出をもてる時代に生きているのは少なくとも幸せなことだと思います。平和ボケも困りますが、こうして感動を原動力に生きることも大事です。

演奏の模様は、8月26日にNRKラジオで放送予定です。Operacastの特設ページにて詳細をごらんになれます。

Operacastの特設ページから、キャストを以下の通り引用します。 

TRISTAN UND ISOLDE:

  • Conductor Peter Schneider
  • Production Christoph Marthaler
  • Costumes and stage design Anna Viebrock
  • Chorus director Eberhard Friedrich
  • Tristan Robert Dean Smith
  • König Marke Robert Holl
  • Isolde Iréne Theorin
  • Kurwenal Jukka Rasilainen
  • Melot Ralf Lukas
  • Brangäne Michelle Breedt
  • Junger Seemann Clemens Bieber
  • Ein Hirt Arnold Bezuyen
  • Ein Steuermann Martin Snell

Opera,Richard Wagner

今年のバイロイトの「トリスタンとイゾルデ」は最高です。また昨日から今日にかけて聴いてしまいました。イレーネ・テオリンさん、すげー。早く来年の東京リングでテオリンさんのブリュンヒルデを聞きたいです。

そして皆様、8月26日にNRKのウェブラジオで聞くことができますよ。ぜひぜひ聴いてみてください。私ももう一度録音を試みる予定です。くわしくはOperacastの特設ページにて。

それからもうひとつ。23日まで、バイロイトの公式ページで、8月9日のトリスタンとイゾルデの公演の模様を見ることができます。14.90ユーロかかりますけれど。私は昨週末は聞くことができなかったのですが、今週末チャレンジできれば、と思っています。予定的に五分五分かも知れませんけれど。

Opera

昨夜は久しぶりに時間があったので、家人が録画しておいてくれたNHKの番組を観ました。この番組、どうやら世界中で活躍する日本人たちがテーマの番組のようです。私は今回初めてみました。 3月に放送した回の再放送だそうです。

主人公は、ウィーンの音楽大学でオペラ演出を勉強されている女性で、釣さん、とおっしゃる方。今31歳でいらっしゃるのですが、フルートで日本の音楽大学をご卒業されている方です。ドイツ留学を前に、演出の世界に飛び込まれたそうで、ベルリンで学んだ後に、ウィーンへいらっしゃって、勉強しておられる。アルバイトと研鑽をかねて、ウィーン国立歌劇場の裏方スタッフとしても働いておられる。すごいバイタリティーと意志力。経済状況もままならず、粗食で乗り切っておられる。そして、元気を出すために、ベートーヴェンやシューベルトの墓に詣でるという。

私も、このお墓に参るという気持ちは良くわかります。ワイマールに行ったときに、ワイマール王家の廟に行ったのですが、石造りの棺が並ぶ中に、木製の棺が二つあって、そこにはゲーテとシラーの名前が刻んでありまして、ああ、ゲーテもシラーも本当に実在していて、いままさにここで眠っているのだという強い実感を得たことがありまして、何かそこはかとない力を感じたのを覚えています。

番組冒頭に小澤征爾が現れたのもびっくり。お二人はお知り合いなんですねえ。

番組の後半で、卒業制作として、チェネレントラの演出製作を担当されるそうで、結構苦労しておられました。二元論的な意味を演出上表現するために、白と黒を使おうとするのですが、ホッファーとおっしゃる教授に、文化によって色の意味合いが変わるといったことを指摘されてしまったり。この担当教授がおっしゃった「芸術はきれいなだけじゃダメなんだ」という言葉が印象的。そうそう。耳障りの良い音楽が決していい音楽ではない。そこには真実在はないですから。モーツァルトだってあの時代にあって曲の中にとんでもない旋律を出してきたりしますからね。

きっと、研鑽を積まれて日本に帰っていらしたら、僕らもこの方の演出を見ることができるかもしれません。楽しみです。

ウィーンには3日ほど滞在したことがあるのですが、北ドイツとは違う柔らかい音のドイツ語が懐かしくて仕方がなかったです。なんだか、ドイツ語の方が英語より単語がよく聞こえますね。発音的にわかりやすい言葉だと思います。僕は昔ゲーテでドイツ語を習っておりましたが、10年前にやめてしまいました。まあ体力的時間的に無理だったわけですが。残念でした。ちなみに、青山のゲーテって、昔は東ドイツ大使館があったところらしいです。

今回はレポーターのSchauspielerさんにはあえて触れず、ということで……。

Opera,Richard Wagner

 昨週は今年のバイロイトの冒頭を飾った、ペーター・シュナイダー指揮の「トリスタンとイゾルデ」ばかり聴いていました。聴けば聴くほどすごいです。

テンポの緩急の付け方が絶妙でこれ以上ないのではないかというフィット感。特に第二幕の最終部の打点の打ち方は神業的です。速度を落として表情をつけるのが多いです。インテンポよりも絶妙にためてみせたり、フレーズ全体の速度をゆるめたり。それも目立たずさりげなくやってのける。これは、私の中で今時点で人生最高のオペラ体験であったと思う2007年新国立劇場「ばらの騎士」や、2009年1月の東京フィル定演での「ばらの騎士」組曲でシュナイダーさんが見せてくれたものと同じです。もちろん音量のコントロールも絶品。今年の1月のシュナイダーさんもすごかったですが、バイロイトでのシュナイダーさんはさらにすごいです。

それから、イオルデを歌うイレーネ・テオリンさん。先週も書きましたが、最初は気になっていたビブラートを受容できるようになり、さらに、そのすばらしさを確信し、信仰にまでたどり着いてしまった感があります。ビブラートによって増幅された力強さが奔流に溺れてしまいます。この方のブリュンヒルデを新国で来年聴くことができるわけですが、本当に楽しみです。

舞台の写真は以下のリンクで見られます。

http://www.wagneropera.net/Interviews/Irene-Theorin-Bayreuth-Interview08.htm

ちなみに、シュナイダーさんの「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死は、以下のCDで聴くことができます。

8月9日深夜ですが、トリスタンとイゾルデがウェブにて配信されます。14.90ユーロなり。うーん、これは聴くしかないかも。

先日も触れたように、バイエルン放送協会のウェブラジオで聴いているのですが、国際配信しているだけに、ドイツ語、英語、フランス語でアナウンスが入ります。こういう臨場感はウェブラジオならではです。幕間にはドイツ語で筋書きの説明やら演奏者についてアナウンスがあるわけですが、ヒアリングできません。。とはいえ、ドイツ語は音的に美しいですね。また勉強したくなりました。まあ、その前に英語なんですけどね。。

ウェブラジオ的には、プロムスやザルツブルクの放送もありますが、そこまで手が回らないです。

Opera,Richard Wagner

 本当なら英語を聞くべき朝の通勤時間ですが、7月25日バイロイトの「トリスタンとイゾルデ」を聴いてしまいました。ついでに昼休みと帰宅時も。第一幕から聴き始めて、第二幕の途中まで。

シュナイダーさんの指揮、素晴らしいです。とにかくテンポの動かし方が絶妙で、こうやったら聴衆が感動して涙を出す、というやり方を心得ていらっしゃる感じです。昨日のブログには「タメ」とか「疾走感」という言葉も使いました。どれも音価に対する並々ならぬ感覚を示していることの現れだと思います。隅々にまで神経を行き渡らせ、手を抜くことなく、演奏している。これは、今年の一月にシュナイダーさんの指揮を聴いたときにも感じたことでした。

 第一幕の最終部では、電車の中でしたが鳥肌の立つような感動を覚えました。シュナイダーさんの魅力にまたもや捕らわれてしまいました。

イゾルデのイレーネ・テオリンさんについては昨日も少し書きました。昨年の新国でトゥーランドットを歌われましたが、あの時の力強さのイメージのままイゾルデを演じられて、私の中のイゾルデ像が少し変わりました。昨日「ビブラートが強い気も」と書いたのですが、聴いていくうちに受容できるようになってきました。あの力強さを支えているものの一つがビブラートの振幅である、と、確信のようなものが生まれました。凄絶なイゾルデだと思います。イレーネ・テオリンさんは、来年の新国リングでブリュンヒルデを歌われます。少し予習している気分です。

さて、今晩のバイロイトは「ラインの黄金」です。ティーレマン登場。ティーレマンもまた玄人的な渋い演奏を聴かせてくれると思います。

Opera,Richard Wagner

 昨夜のバイロイトはシュナイダーさんの振るトリスタンとイゾルデでした。Bayern klassik 4で録音しましたが、ちと手違いはありましたがなんとかiPodに入れました。いまiTuneで聴いていますが、トリスタンとイゾルデがお互い媚薬を飲む瞬間のタメとか、その後の疾走感がたまりません。間違った道へ足を踏み入れてしまう二人が絡み合いながら歌うところ。すごいです。 イレーネ・テオリンさんは強力ですが、ちとビブラートが強い気も。昨年の新国ではトゥーランドットを歌いましたが、あの時の力強さは健在でした。クルヴェナールのユッカ・ラシライネンさんは今年の新国でヴォータンでした。

  • 指揮:ペーター・シュナイダー
  • トリスタン:ロバート・ディーン・スミス
  • イゾルデ:イレーネ・テオリン
  • マルケ王:ローベルト・ホル
  • クルヴェナール:ユッカ・ラシライネン

おそらく再放送があると思います。私も少し録音を失敗しましたので、再放送を狙っています。

今日は祖母の米寿祝で昼間からアルコールでした。おかげで体重がみるみる増えていて、かなりの危機感でして、早く痩せないと隊長に怒られ富士山に登れません。。

今夜のバイロイトは「マイスタージンガー」です。

Opera,Richard Wagner

 本日からバイロイトが開幕。こちらに放送予定がまとめられています。

今夜はペーター・シュナイダー指揮の「トリスタンとイゾルデ」です。ストリーム設定完了。楽しみです。日本時間では、およそ23時頃から放送開始となります。

  • 指揮:ペーター・シュナイダー
  • トリスタン:ロバート・ディーン・スミス
  • イゾルデ:イレーネ・テオリン
  • マルケ王:ローベルト・ホル
  • クルヴェナール:ユッカ・ラシライネン

8月9日にはウェブ中継もあるようです。こちら。14.90ユーロなり。日曜日の夜ですので仕事がある場合は徹夜というわけにも行きませんが、8月10日8月23日までオンデマンドでもみられるようです。